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第185話 いざ北へ
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「それじゃあ、行ってくるね皆ー!」
マリは貨物列車から手を振り、見送りに集まった亜人達に別れを告げていた。
「マリ族長行ってらっしゃーい!」 「ロキの兄貴、マリ族長を頼みましたよー!」 「お気をつけてー!」 「「「「アオーーーン!」」」」
「マリ様! アテスさん! お気をつけてー!」
「皆ありがとー! アマンダもお腹の子を大事にねー!」
こうして、大勢の亜人達に見送られたマリ達が乗る貨物列車は北へ向けて出発した。
「あ、でもアテス。 道ないよね? この貨物列車で行けるの?」
「ふふん、勿論さ。 車両の先頭には木の精霊や石の精霊、土の精霊も入ってるからね。 ほら、見ててよ~」
アテスが運転席のレバーを引くと、先頭車両の先端が光りだし前方の木々が自ら避け、石は土の中に埋もれ道が出来上がる。
速度は王都から亜人共有領土に向かう時よりも遅いが、それでも馬車に比べたら格段に早い。
「すっごーーい! ねぇ、これで魔族の国までどれぐらい掛かるの?」
「いやぁ、流石に分からないよ。 亜人達が魔族の国まで行ったことは歴史上無いからね~」
「そっか~……あ! ちょっとメリーさんに聞いてくるね!」
マリは運転席の横から離れて、豪華な車両の後方へと向かう。
「口に含んで、楽になったら吐き出せ」
「はい……あ! 本当に楽になりました! ありがとうございます、ラガンさん」
後方では、メリー達がまたもや乗り物酔いでダウンしていたが獣人ラガンに渡された酔い冷ましの実を口に含んでいる所だった。
「ラガンさん、ありがとうね。 メリーさん大丈夫?」
「はい、ラガンさんのお陰で楽になりました」
ファースト達も口に含み、顔色がみるみる良くなっていく。
「いや、大丈夫だ。 それより、マリ。 俺の族長でもあるんだから、呼び捨てでいい」
「えっと……そっか、分かったよラガン。 酔い冷ましの実には私も何度か助けられたからね~。 最近は……もう大丈夫になったけど」
「いや、昨夜ベロベロに酔っぱらっておったじゃろうに……」
ファースト達を診ていたルルは呆れ顔で笑う。
「あはは……面目ないです。 あ! そうだ、メリーさん。 此処から、魔族の国までどれぐらい掛かるかな」
「そうですね……道無き道を歩いて数ヶ月は掛かりましたから、この速度であれば一週間ぐらいだと思いますよ」
「流石隊長っすね。 自分はもう忘れたっす」
フィフスの発言に他のメイド部隊も頷いており、メリーの有能さを物語っている。
「そっか~、ありがとうー! じゃあ、途中で野営も考えないとね」
マリは運転席に座るアテスの下へと向かった。
「のう、メリーよ。 魔族の見張りはどのあたりから居る?」
「昔の記憶ですから、今は分かりませんが……5日経った頃から警戒すべきだとは思います」
「うむ、了解じゃ。 何事も無く終われたらいいのじゃがな……」
ルルの呟きに、メリーも黙って頷いた。
◆◇◆
空が暗くなるまで貨物列車は道無き道を広げながら進み、見つけた川の側で野営する事になった。
しかし、野営と言ってもテントを張るわけでは無い。
「出来たよ~! 此方が女性用の家で、隣が男用だよ~ん」
ドワーフ族の英雄という、建築チート筆頭のアテスが居るのだ。 あっという間に一軒家を建ててしまい、野営も糞もない。
「相変わらず……凄いね」
「はい……そうですね」
マリ達は三階建の立派な家を見上げて呆然とする。
ファースト達は既に中に入り、ベットメイキングや食事の準備を始めている。
「ふ~! ちょっと内装に凝りすぎたかな~。 あ、勿論キッチンも使えるし、ウォッシュレット付きトイレにジャグジー付きお風呂も使えるからね~」
とりあえずの野営に建てた一軒家とは思えない充実ぶりに、マリは苦笑しながら呟いた。
「あはは……ありがとうアテス。 野営って……何だっけ」
マリは貨物列車から手を振り、見送りに集まった亜人達に別れを告げていた。
「マリ族長行ってらっしゃーい!」 「ロキの兄貴、マリ族長を頼みましたよー!」 「お気をつけてー!」 「「「「アオーーーン!」」」」
「マリ様! アテスさん! お気をつけてー!」
「皆ありがとー! アマンダもお腹の子を大事にねー!」
こうして、大勢の亜人達に見送られたマリ達が乗る貨物列車は北へ向けて出発した。
「あ、でもアテス。 道ないよね? この貨物列車で行けるの?」
「ふふん、勿論さ。 車両の先頭には木の精霊や石の精霊、土の精霊も入ってるからね。 ほら、見ててよ~」
アテスが運転席のレバーを引くと、先頭車両の先端が光りだし前方の木々が自ら避け、石は土の中に埋もれ道が出来上がる。
速度は王都から亜人共有領土に向かう時よりも遅いが、それでも馬車に比べたら格段に早い。
「すっごーーい! ねぇ、これで魔族の国までどれぐらい掛かるの?」
「いやぁ、流石に分からないよ。 亜人達が魔族の国まで行ったことは歴史上無いからね~」
「そっか~……あ! ちょっとメリーさんに聞いてくるね!」
マリは運転席の横から離れて、豪華な車両の後方へと向かう。
「口に含んで、楽になったら吐き出せ」
「はい……あ! 本当に楽になりました! ありがとうございます、ラガンさん」
後方では、メリー達がまたもや乗り物酔いでダウンしていたが獣人ラガンに渡された酔い冷ましの実を口に含んでいる所だった。
「ラガンさん、ありがとうね。 メリーさん大丈夫?」
「はい、ラガンさんのお陰で楽になりました」
ファースト達も口に含み、顔色がみるみる良くなっていく。
「いや、大丈夫だ。 それより、マリ。 俺の族長でもあるんだから、呼び捨てでいい」
「えっと……そっか、分かったよラガン。 酔い冷ましの実には私も何度か助けられたからね~。 最近は……もう大丈夫になったけど」
「いや、昨夜ベロベロに酔っぱらっておったじゃろうに……」
ファースト達を診ていたルルは呆れ顔で笑う。
「あはは……面目ないです。 あ! そうだ、メリーさん。 此処から、魔族の国までどれぐらい掛かるかな」
「そうですね……道無き道を歩いて数ヶ月は掛かりましたから、この速度であれば一週間ぐらいだと思いますよ」
「流石隊長っすね。 自分はもう忘れたっす」
フィフスの発言に他のメイド部隊も頷いており、メリーの有能さを物語っている。
「そっか~、ありがとうー! じゃあ、途中で野営も考えないとね」
マリは運転席に座るアテスの下へと向かった。
「のう、メリーよ。 魔族の見張りはどのあたりから居る?」
「昔の記憶ですから、今は分かりませんが……5日経った頃から警戒すべきだとは思います」
「うむ、了解じゃ。 何事も無く終われたらいいのじゃがな……」
ルルの呟きに、メリーも黙って頷いた。
◆◇◆
空が暗くなるまで貨物列車は道無き道を広げながら進み、見つけた川の側で野営する事になった。
しかし、野営と言ってもテントを張るわけでは無い。
「出来たよ~! 此方が女性用の家で、隣が男用だよ~ん」
ドワーフ族の英雄という、建築チート筆頭のアテスが居るのだ。 あっという間に一軒家を建ててしまい、野営も糞もない。
「相変わらず……凄いね」
「はい……そうですね」
マリ達は三階建の立派な家を見上げて呆然とする。
ファースト達は既に中に入り、ベットメイキングや食事の準備を始めている。
「ふ~! ちょっと内装に凝りすぎたかな~。 あ、勿論キッチンも使えるし、ウォッシュレット付きトイレにジャグジー付きお風呂も使えるからね~」
とりあえずの野営に建てた一軒家とは思えない充実ぶりに、マリは苦笑しながら呟いた。
「あはは……ありがとうアテス。 野営って……何だっけ」
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