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第182話 就任祝いと旅は道連れ
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「かんぱーい! んー! おいひぃーー!」
ご馳走が並ぶ会議室では、マリの亜人総族長就任祝いが開かれていた。
「全く、現金な奴よ。 初めからアテスの酒で釣り上げたら良かったでないか」
新作の酒を幸せそうに飲むマリを見つめながら、ルルはため息を吐いた。
「あはは~、でもそれじゃつまらないじゃん」
「アテス……お主、また首を締められたいのか?」
冗談めいて笑うアテスをルルが睨みつけ、マリはヨハネとジャックにお酒を注がれてご機嫌だ。 それをラガンが羨ましそうに見ていた。
「はぁ……やれやれだな。 俺は、ちょっと嬢ちゃんの連れが良くなったか見てくる。 まぁ、ゆっくりしててくれ」
ロキは席を立ち、メリー達の様子を見に退出した。
「あぁ~、アテスこれ凄く美味しぃよ~! 料理も美味しいのばっかりだし、ありがとうね~」
鬼殺しよりもキツイ女王殺しは、酒豪のマリを潰すのを目標にしたドワーフの酒造り達が全力で開発した物だ。
どうやら、満足な出来だったようでマリは既にベロベロに酔っている。
「あははー! 楽しい~! ジャック~、ヨハネ~、飲んで飲んで~!」
「マリ様、ソレ私が飲んだら死にません?」
「うん、ジャック絶対に飲んじゃダメだよ? 鬼殺しでも、下手したら死ぬからね」
2人は最愛のマリに殺されそうになりながら、マリに料理を食べさせ直ぐに空になるグラスに酒を注ぐ。 その光景は大変そうだが、幸せな空間だった。
「マリ……凄いな。 あのヨハネ兄が、たじたじだ」
「ふふ、そうだね~。 ねぇ、ラガン。 君は……いいのかい?」
ラガンの隣に座ったアテスに問われ、ラガンは少し眉をひそめる。
「いい。 マリにはもう、沢山の番がいる。 俺が気持ちを言えば、マリを困らせる」
「そっか……。 うん、ラガンがそう決めたなら良いと思うよ」
ラガンはその後も、黙って羨ましそうに見つめながら食事を続けた。
◆◇◆
「マリ様! すみませんでした、ご迷惑をお掛けして……マリ様?」
「あぁ~! ひくっ、メリーひゃんだー! ひくっ、もうらいじょうぶなの~? あはははは! メリーひゃんが3人も居る~! ひくっ」
ロキがメリーを連れて来た時には、マリは完全に酔い潰れていた。
「すまん、メリー。 止められなかった」
「ふふ、ドワーフの新作が美味しかったみたいだよ」
マリの両サイドでは、マリに絡まれるジャックとヨハネの姿があった。
メリーはこめかみに手を当て、深いため息を吐く。
「はぁ……今日は此処に滞在して、明日から北に向かいましょう。 ロキ殿に聞いたのですが、この巨大な建物が全てマリ様のだとか? 事実なのでしょうか、アテス殿」
「うん、本当だよ~。 王都を出たマリ族長に住んで欲しくて建てたからね~。 部屋は最上階の七階だよ~」
「ありがとうございます。 この会議室に来るまでも、凄まじい文化レベルの違いにまだ体調が万全では無いので一刻も早く休みたいですね……」
メリーの後ろに居るファースト達もまだ顔色が悪い。 どうやら、エレベーターでまた酔った様だ。
「うん、最上階のフロアは族長以外の部屋も沢山あるから使って使って~」
「あれぇ? ジャック、ヨハネ~ひくっ、何処に連れて行くの~?」
ジャックとヨハネは泥酔したマリを抱えて、アテスの案内で最上階へと向かう。 その後ろをフラフラとメリー達が付いて行った。
見送ったルルが、ラガンとロキに呟く。
「のぉ、ラガン、ロキ。 本当にマリに全てを任せて大丈夫じゃろうか……」
「はっ! なら、俺達も付いて行けば良いじゃねえか」
「うん、俺もマリを守る。 魔族の奴等には……嫌な奴も居るから」
2人の返答にルルは、ため息を吐いた。
「はぁー……仕方無いのぉ。 皆に伝えて来てくれ。 儂等も明日、マリ達と共に魔族の下へと向かうとな。 旅は道連れ、世は情け……か」
ご馳走が並ぶ会議室では、マリの亜人総族長就任祝いが開かれていた。
「全く、現金な奴よ。 初めからアテスの酒で釣り上げたら良かったでないか」
新作の酒を幸せそうに飲むマリを見つめながら、ルルはため息を吐いた。
「あはは~、でもそれじゃつまらないじゃん」
「アテス……お主、また首を締められたいのか?」
冗談めいて笑うアテスをルルが睨みつけ、マリはヨハネとジャックにお酒を注がれてご機嫌だ。 それをラガンが羨ましそうに見ていた。
「はぁ……やれやれだな。 俺は、ちょっと嬢ちゃんの連れが良くなったか見てくる。 まぁ、ゆっくりしててくれ」
ロキは席を立ち、メリー達の様子を見に退出した。
「あぁ~、アテスこれ凄く美味しぃよ~! 料理も美味しいのばっかりだし、ありがとうね~」
鬼殺しよりもキツイ女王殺しは、酒豪のマリを潰すのを目標にしたドワーフの酒造り達が全力で開発した物だ。
どうやら、満足な出来だったようでマリは既にベロベロに酔っている。
「あははー! 楽しい~! ジャック~、ヨハネ~、飲んで飲んで~!」
「マリ様、ソレ私が飲んだら死にません?」
「うん、ジャック絶対に飲んじゃダメだよ? 鬼殺しでも、下手したら死ぬからね」
2人は最愛のマリに殺されそうになりながら、マリに料理を食べさせ直ぐに空になるグラスに酒を注ぐ。 その光景は大変そうだが、幸せな空間だった。
「マリ……凄いな。 あのヨハネ兄が、たじたじだ」
「ふふ、そうだね~。 ねぇ、ラガン。 君は……いいのかい?」
ラガンの隣に座ったアテスに問われ、ラガンは少し眉をひそめる。
「いい。 マリにはもう、沢山の番がいる。 俺が気持ちを言えば、マリを困らせる」
「そっか……。 うん、ラガンがそう決めたなら良いと思うよ」
ラガンはその後も、黙って羨ましそうに見つめながら食事を続けた。
◆◇◆
「マリ様! すみませんでした、ご迷惑をお掛けして……マリ様?」
「あぁ~! ひくっ、メリーひゃんだー! ひくっ、もうらいじょうぶなの~? あはははは! メリーひゃんが3人も居る~! ひくっ」
ロキがメリーを連れて来た時には、マリは完全に酔い潰れていた。
「すまん、メリー。 止められなかった」
「ふふ、ドワーフの新作が美味しかったみたいだよ」
マリの両サイドでは、マリに絡まれるジャックとヨハネの姿があった。
メリーはこめかみに手を当て、深いため息を吐く。
「はぁ……今日は此処に滞在して、明日から北に向かいましょう。 ロキ殿に聞いたのですが、この巨大な建物が全てマリ様のだとか? 事実なのでしょうか、アテス殿」
「うん、本当だよ~。 王都を出たマリ族長に住んで欲しくて建てたからね~。 部屋は最上階の七階だよ~」
「ありがとうございます。 この会議室に来るまでも、凄まじい文化レベルの違いにまだ体調が万全では無いので一刻も早く休みたいですね……」
メリーの後ろに居るファースト達もまだ顔色が悪い。 どうやら、エレベーターでまた酔った様だ。
「うん、最上階のフロアは族長以外の部屋も沢山あるから使って使って~」
「あれぇ? ジャック、ヨハネ~ひくっ、何処に連れて行くの~?」
ジャックとヨハネは泥酔したマリを抱えて、アテスの案内で最上階へと向かう。 その後ろをフラフラとメリー達が付いて行った。
見送ったルルが、ラガンとロキに呟く。
「のぉ、ラガン、ロキ。 本当にマリに全てを任せて大丈夫じゃろうか……」
「はっ! なら、俺達も付いて行けば良いじゃねえか」
「うん、俺もマリを守る。 魔族の奴等には……嫌な奴も居るから」
2人の返答にルルは、ため息を吐いた。
「はぁー……仕方無いのぉ。 皆に伝えて来てくれ。 儂等も明日、マリ達と共に魔族の下へと向かうとな。 旅は道連れ、世は情け……か」
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