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第175話 メリー達の昔話
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復興祭も終わり、ルーデウスも無事に国王として即位してから数日が経ち。 マリは穏やかな日々を過ごしていた。
「さてさて、今日は皆集まってくれてありがとうね。 諸々が終わったから、後2週間で北に旅立ちます。 その前に、メリーさん達の話を聞きたくて来てもらいました。 というわけで、メリーさんよろしくね~」
今日は以前にメリーと約束していた魔族の国から出た昔話を聞く日である。
執務室には、メリーやファースト達メイド部隊が全員揃って椅子に座っていた。 長机には国王ルーデウス手作りのクッキーが山のように積まれており、マリは上機嫌で食べる。 義妹のキャミとドーラも手伝ってくれたらしく、喜びもひとしおだ。
「はい、それでは……何故私達が人間の領域に来たのかお話しさせていただきますね」
◆◇◆
はるか昔、まだエントン王国すら無かった頃の時代。 私達魔族は亜人達との殺し合いに明け暮れていました。 魔族の国は荒れ果てた荒野で、切り立った山脈に囲まれ食料を得るには亜人の森に侵入し奪わないと生きていけませんでした。
しかし、先代の魔王様が統治されていた時の事です。 突然、魔王様が亡くなりひとり息子が跡を継ぎ今代の魔王となりました。 その魔王とは……私の兄です。
そうですね、先代の魔王様とは私の父です。 ふふ、実は私も王族の一員だったんですよ~? まぁ、今は違いますが……。
そして、理由は分かりませんが魔族の国を高濃度の魔力が覆い、魔族達は飲食をしなくても多少問題無く生きていける様になりました。
兄は、魔族達が魔力を吸収し生きていける様に進化したのだと皆に説明していましたが……正直の所、私は信用出来ませんでした。 でも、少なくとも亜人との戦争がそれ以来激減したのも事実です。
え? あぁ、私が使ってた魔隠密術ですか?
元々、魔族は好戦的で幾つかの流派が存在します。 私が使う、魔隠密術や魔格闘術等ですね。 魔族はどれかの流派を必ず習得するのが決まりなので、支援要因のスィクスス達もある程度は戦えるんですよ?
話を戻しますね。 その後、兄よりお達しがあり何故か遠い南の地にて人間族の繁栄と動向を監視する者を選抜する事になりました。
それは……殆ど、追放と言っていい内容でした。 歴史でも、何度か人間達とも戦った事がありバレたら殺されるでしょう。 そんなリスクを負いたい魔族は居らず、兄は選考に苦慮しました。
最初に選ばれたのは、魔王城で私のお世話をしてくれていたスィクスス、エイトス、ナイス、テンスの四人でした。 勿論、私は兄に反抗しましたが受け入れられず。 四人を庇う形で志願したのです。
あぁ、そうでしたね。 スィクスス達は最初、魔王城でメイドをしていたのに兄が魔王に即位してからは必要ないと解雇されたのを抗議しに行ったから選ばれたんでしたっけ。 ふふ、懐かしいですね。
私は、父が過保護な方だったのでずっと城に閉じ込められていました。 なので、魔王城で働いていた皆が私の友人であり大切な家族だったのです。
私が志願した事を知った、暗部部隊訓練生だったファースト、セカンド、フォース、フィフス、セヴンス達も同行する形となり陛下の知っているメンバーになりました。
あ、サードはですね。 その当時の暗部部隊のファーストをしていました。 可愛い後輩達と姪である私を助ける為に、志願してくれたのです
ふふ、そうですよ。 サードは……ユアンは私の叔母です。 他のメンバーも、本当の名前がありますが私専属の暗部部隊に任命された際に序列での呼び名になりました。
総勢11名となった私達は、魔族の国から旅立ち約100年間の長い監視の任務に付きました。
最初に隠れながら亜人の森を抜け、南へと長い長い旅をしました。
そして、辿り着いた南の最先端で人間達が集まっている村を見つけ接触し小国となる様に手助けをしたのです。
あくまでも、目的は繁栄と動向の監視ですから上に立つことはなるべくせずに、手助けし人間達がどの様に考え動くのかを見ていました。
しかし、国が出来てから幾ばくか時が過ぎた時。
突如として地面が揺れ、王国は地下へと落ちました。 そうです、ゴルメディア帝国の地下にあった廃墟は私達が作り上げた王国の成れの果てなのです。
「さてさて、今日は皆集まってくれてありがとうね。 諸々が終わったから、後2週間で北に旅立ちます。 その前に、メリーさん達の話を聞きたくて来てもらいました。 というわけで、メリーさんよろしくね~」
今日は以前にメリーと約束していた魔族の国から出た昔話を聞く日である。
執務室には、メリーやファースト達メイド部隊が全員揃って椅子に座っていた。 長机には国王ルーデウス手作りのクッキーが山のように積まれており、マリは上機嫌で食べる。 義妹のキャミとドーラも手伝ってくれたらしく、喜びもひとしおだ。
「はい、それでは……何故私達が人間の領域に来たのかお話しさせていただきますね」
◆◇◆
はるか昔、まだエントン王国すら無かった頃の時代。 私達魔族は亜人達との殺し合いに明け暮れていました。 魔族の国は荒れ果てた荒野で、切り立った山脈に囲まれ食料を得るには亜人の森に侵入し奪わないと生きていけませんでした。
しかし、先代の魔王様が統治されていた時の事です。 突然、魔王様が亡くなりひとり息子が跡を継ぎ今代の魔王となりました。 その魔王とは……私の兄です。
そうですね、先代の魔王様とは私の父です。 ふふ、実は私も王族の一員だったんですよ~? まぁ、今は違いますが……。
そして、理由は分かりませんが魔族の国を高濃度の魔力が覆い、魔族達は飲食をしなくても多少問題無く生きていける様になりました。
兄は、魔族達が魔力を吸収し生きていける様に進化したのだと皆に説明していましたが……正直の所、私は信用出来ませんでした。 でも、少なくとも亜人との戦争がそれ以来激減したのも事実です。
え? あぁ、私が使ってた魔隠密術ですか?
元々、魔族は好戦的で幾つかの流派が存在します。 私が使う、魔隠密術や魔格闘術等ですね。 魔族はどれかの流派を必ず習得するのが決まりなので、支援要因のスィクスス達もある程度は戦えるんですよ?
話を戻しますね。 その後、兄よりお達しがあり何故か遠い南の地にて人間族の繁栄と動向を監視する者を選抜する事になりました。
それは……殆ど、追放と言っていい内容でした。 歴史でも、何度か人間達とも戦った事がありバレたら殺されるでしょう。 そんなリスクを負いたい魔族は居らず、兄は選考に苦慮しました。
最初に選ばれたのは、魔王城で私のお世話をしてくれていたスィクスス、エイトス、ナイス、テンスの四人でした。 勿論、私は兄に反抗しましたが受け入れられず。 四人を庇う形で志願したのです。
あぁ、そうでしたね。 スィクスス達は最初、魔王城でメイドをしていたのに兄が魔王に即位してからは必要ないと解雇されたのを抗議しに行ったから選ばれたんでしたっけ。 ふふ、懐かしいですね。
私は、父が過保護な方だったのでずっと城に閉じ込められていました。 なので、魔王城で働いていた皆が私の友人であり大切な家族だったのです。
私が志願した事を知った、暗部部隊訓練生だったファースト、セカンド、フォース、フィフス、セヴンス達も同行する形となり陛下の知っているメンバーになりました。
あ、サードはですね。 その当時の暗部部隊のファーストをしていました。 可愛い後輩達と姪である私を助ける為に、志願してくれたのです
ふふ、そうですよ。 サードは……ユアンは私の叔母です。 他のメンバーも、本当の名前がありますが私専属の暗部部隊に任命された際に序列での呼び名になりました。
総勢11名となった私達は、魔族の国から旅立ち約100年間の長い監視の任務に付きました。
最初に隠れながら亜人の森を抜け、南へと長い長い旅をしました。
そして、辿り着いた南の最先端で人間達が集まっている村を見つけ接触し小国となる様に手助けをしたのです。
あくまでも、目的は繁栄と動向の監視ですから上に立つことはなるべくせずに、手助けし人間達がどの様に考え動くのかを見ていました。
しかし、国が出来てから幾ばくか時が過ぎた時。
突如として地面が揺れ、王国は地下へと落ちました。 そうです、ゴルメディア帝国の地下にあった廃墟は私達が作り上げた王国の成れの果てなのです。
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