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第170話 復興祭の始まり
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「んーーー! 良く寝た~! って……そういえば、昨日の夜は確か……」
気持ちの良い目覚めの中、マリは昨日の記憶を辿る。
(確か、もう一人の私の声が聞こえてから~……記憶が無いですね。 そうですね)
自身を見ると衣服を着ている筈も無く、勿論隣には恋人のジャックが裸でスヤスヤと眠っている。
(わーお、やったなもう一人の私。 ちょっと、すみませーん! 聞こえてますかねー!? いや、良いのよ? 先にジャックが好きだったのも貴女の方が先だし。 理由は分かんないけど、元々は貴女の身体を動かしてるのは私だしさ。 でも、一言あっても良くない!?)
マリは心の中でもう一人のマリに抗議するが、当然反応等無い。 これまでも何度か試したが返事があった事等一度も無いのだから。
とは言っても、そもそも何故心の中にもう一人のマリが居るのかも判明していないのに突然身体を使われたのだ。
「もー! 次に話し掛けてきたら怒ってやる! って、うわ?!」
ベットから身体を起こし怒っていると、突然ジャックに手を引かれベットへと戻される。
「マリ……もう少しだけ側に」
寝惚けたジャックに引かれ、そのままスルスルと腕の中に収まる。
(ひ、ひぇぇぇぇ! ヤバい、ジャックの美形なお顔が目の前に! しかも、呼び捨てにされてる! にゅおぉぉぉぉぉ!)
マリは顔を赤くし悶える。 ジャックが起きるまで、腕の中で大人しくしているのであった。
さっきまでの怒りは一瞬で消え去り、マリの心は幸せで満たされた。
◆◇◆
「……ん、あ。 おはよう、マリ」
「ふふ、おはようジャック」
ジャックが目を開けると、目と鼻の先のマリと目が合う。
2人は頬を赤く染めながら目覚めの口づけを交わしてから起床した。
「ジャック、多分そろそろメリーさん来るから急いでね!」
「わ、分かった! マリ、着替えは一人で出来ま……るか?」
まだ馴れないジャックの初々しさにマリは頬を緩める。
惜しいのは、昨晩の事を今のマリは知らないという事だ。
「ジャック、今日から復興祭でまたバタバタするけどさ。 その……また夜に来て」
頬を染めたマリに誘われたジャックは心配になるぐらい赤面し、無言で頷く。
「ん、じゃあ……また夜にね。 ルーデウスの事お願いね」
元々はジャックはルーデウスお付きの執事である。 特に今はルキを執事に育てる教育もしており中々に多忙なのだ。
「任せてくれ。 マリも……大変だと思うけど楽しんで」
別れる前に抱き合い、口づけを交わしてからジャックは部屋を出た。
その直後にニヤニヤのメリーとヨハネが部屋に訪れたのは偶然では無いのだろう。 マリは照れながら苦笑いをした。
◆◇◆
「ん! じゃあ、今日から復興祭! 1週間大変だけど、皆も楽しんでね」
執務室でマリはメリーやファースト達に朝の指示を飛ばす。
「はい!」 「「「「「「「「「了解です!」」」」」」」」」
メリー達は劇場の方に移動し、午後から始まる劇の最終チェックをしなければならないのだ。
メリー曰く、会心の出来との事なのでマリは今からワクワクしていた。
「さて、マリ。 復興祭開始のスピーチをしに行こうか」
「うわ~緊張する。 でも、行かないとね。 ヨハネ、エスコートしてくれる?」
「ふふ、勿論さ」
マリはヨハネと共に王都の広場へと向かった。
まだ朝も早いというのに、広場は満員御礼だ。 ゴルメディア帝国の広場で処刑されかけた時よりも多くの人々が集まっている。
広場の端には貴族や王族用の席が作られ、其処にはルーデウス達や女貴族達、ルカ達等の重要な人物達が座りマリのスピーチを見守っていた。
中央に設置されたスピーチ用の土台に上がり、マリは周囲を見渡す。
皆笑顔で、マリが土台に立ったのを笑顔で見ている。 いよいよ復興祭が始まると興奮する人々の熱気が凄まじい。
処刑されかけたあの時とは雲泥の差である。
「あはは……凄いなぁ。 皆さん! 今日から、待ちに待った復興祭です! 多くの屋台や、知らない料理、楽しいイベント、初めての劇場開演、楽しい事が沢山街中にあります! そして、どうか辛かった事、悲しい事、許せない事、そんな気持ちを癒せる時間になってくれる事を祈ります!! 他国の皆さんも来られる予定なので、今だけはどうかこの平和を楽しんで下さい! これより復興祭を始めまーーーーす!!」
マリのスピーチが終わると、多くの人々から歓声が上がり、暫く拍手が鳴り止まなかった。
貴族や王族用の席に居たルーデウス達も立ち上がり拍手をしている。
「マリ、おいで」
「あはは! ヨハネ、どうだった?」
マリは両手を広げたヨハネの元に飛び降り、腕の中に包まれる。
「最高だったよ。 さぁ、予定通り問題無く運営出来てるか一緒に復興祭を見て回ろう!」
「うん!」
マリはヨハネと手を繋ぎ、笑顔で街へと繰り出した。
気持ちの良い目覚めの中、マリは昨日の記憶を辿る。
(確か、もう一人の私の声が聞こえてから~……記憶が無いですね。 そうですね)
自身を見ると衣服を着ている筈も無く、勿論隣には恋人のジャックが裸でスヤスヤと眠っている。
(わーお、やったなもう一人の私。 ちょっと、すみませーん! 聞こえてますかねー!? いや、良いのよ? 先にジャックが好きだったのも貴女の方が先だし。 理由は分かんないけど、元々は貴女の身体を動かしてるのは私だしさ。 でも、一言あっても良くない!?)
マリは心の中でもう一人のマリに抗議するが、当然反応等無い。 これまでも何度か試したが返事があった事等一度も無いのだから。
とは言っても、そもそも何故心の中にもう一人のマリが居るのかも判明していないのに突然身体を使われたのだ。
「もー! 次に話し掛けてきたら怒ってやる! って、うわ?!」
ベットから身体を起こし怒っていると、突然ジャックに手を引かれベットへと戻される。
「マリ……もう少しだけ側に」
寝惚けたジャックに引かれ、そのままスルスルと腕の中に収まる。
(ひ、ひぇぇぇぇ! ヤバい、ジャックの美形なお顔が目の前に! しかも、呼び捨てにされてる! にゅおぉぉぉぉぉ!)
マリは顔を赤くし悶える。 ジャックが起きるまで、腕の中で大人しくしているのであった。
さっきまでの怒りは一瞬で消え去り、マリの心は幸せで満たされた。
◆◇◆
「……ん、あ。 おはよう、マリ」
「ふふ、おはようジャック」
ジャックが目を開けると、目と鼻の先のマリと目が合う。
2人は頬を赤く染めながら目覚めの口づけを交わしてから起床した。
「ジャック、多分そろそろメリーさん来るから急いでね!」
「わ、分かった! マリ、着替えは一人で出来ま……るか?」
まだ馴れないジャックの初々しさにマリは頬を緩める。
惜しいのは、昨晩の事を今のマリは知らないという事だ。
「ジャック、今日から復興祭でまたバタバタするけどさ。 その……また夜に来て」
頬を染めたマリに誘われたジャックは心配になるぐらい赤面し、無言で頷く。
「ん、じゃあ……また夜にね。 ルーデウスの事お願いね」
元々はジャックはルーデウスお付きの執事である。 特に今はルキを執事に育てる教育もしており中々に多忙なのだ。
「任せてくれ。 マリも……大変だと思うけど楽しんで」
別れる前に抱き合い、口づけを交わしてからジャックは部屋を出た。
その直後にニヤニヤのメリーとヨハネが部屋に訪れたのは偶然では無いのだろう。 マリは照れながら苦笑いをした。
◆◇◆
「ん! じゃあ、今日から復興祭! 1週間大変だけど、皆も楽しんでね」
執務室でマリはメリーやファースト達に朝の指示を飛ばす。
「はい!」 「「「「「「「「「了解です!」」」」」」」」」
メリー達は劇場の方に移動し、午後から始まる劇の最終チェックをしなければならないのだ。
メリー曰く、会心の出来との事なのでマリは今からワクワクしていた。
「さて、マリ。 復興祭開始のスピーチをしに行こうか」
「うわ~緊張する。 でも、行かないとね。 ヨハネ、エスコートしてくれる?」
「ふふ、勿論さ」
マリはヨハネと共に王都の広場へと向かった。
まだ朝も早いというのに、広場は満員御礼だ。 ゴルメディア帝国の広場で処刑されかけた時よりも多くの人々が集まっている。
広場の端には貴族や王族用の席が作られ、其処にはルーデウス達や女貴族達、ルカ達等の重要な人物達が座りマリのスピーチを見守っていた。
中央に設置されたスピーチ用の土台に上がり、マリは周囲を見渡す。
皆笑顔で、マリが土台に立ったのを笑顔で見ている。 いよいよ復興祭が始まると興奮する人々の熱気が凄まじい。
処刑されかけたあの時とは雲泥の差である。
「あはは……凄いなぁ。 皆さん! 今日から、待ちに待った復興祭です! 多くの屋台や、知らない料理、楽しいイベント、初めての劇場開演、楽しい事が沢山街中にあります! そして、どうか辛かった事、悲しい事、許せない事、そんな気持ちを癒せる時間になってくれる事を祈ります!! 他国の皆さんも来られる予定なので、今だけはどうかこの平和を楽しんで下さい! これより復興祭を始めまーーーーす!!」
マリのスピーチが終わると、多くの人々から歓声が上がり、暫く拍手が鳴り止まなかった。
貴族や王族用の席に居たルーデウス達も立ち上がり拍手をしている。
「マリ、おいで」
「あはは! ヨハネ、どうだった?」
マリは両手を広げたヨハネの元に飛び降り、腕の中に包まれる。
「最高だったよ。 さぁ、予定通り問題無く運営出来てるか一緒に復興祭を見て回ろう!」
「うん!」
マリはヨハネと手を繋ぎ、笑顔で街へと繰り出した。
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