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第164話 準備と重なる想い
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アマンダがアテスに連れて行かれ、更に数日後。
マリは必死に羊皮紙にペンを走らせていた。
「ねぇ、メリーさん。 ルカからの報告書ってこれだけ? もっと詳しい描写が欲しいの!」
「少々お待ち下さい。 ウォンバットに確認してみますね」
「ありがとう! あ、後でエイトス、ナインス、テンスの3人呼んで来てくれる? お願いしたい事があるんだ!」
「畏まりました。 直ぐに」
執務室からメリーが退出し、マリはひたすらにペンを走らせる。
「ふふふふふ、今日も徹夜かな? あははは、楽しい……この感じ久し振り! 生きてる、私生きてるよー!」
ガリガリとペンを走らせる姿は少し狂気じみており、護衛として執務室の隠し部屋にいるフィフスは恐れ慄き震えていた。
『ひー、最近の陛下マジで怖いっす。 何を書いてるんっすかね』
護衛が隠し部屋に居るのを忘れる程に集中しているマリのペンは止まらない。
「失礼します。 陛下、ウォンバットからの状況報告書です」
「ありがとメリーさん! ん? おっ! ふふふふ……良いね、良いよー! 滾る滾るー!」
この作業を数日前から始め、未だに終わらない事にメリーはため息を吐いた。
「陛下……今日は流石にお休み下さいね?」
「えぇ? うん、分かってる分かってる。 あ、エイトス達もう来る?」
「はぁ……本当に分かっているのでしょうか。 もう来る筈ですよ」
執務室の扉が叩かれ、エイトス達が入って来た。
「陛下、お呼びですかー?」 「何々、面白い事ー?」 「私は何か嫌な予感がするんだけど~」
3人の顔を見たマリはニッコリと笑う。
「エイトス、ナインス、テンス。 3人にしかお願い出来ない事があるんだけど……いいかなぁ~?」
マリの気迫に震えて首を横に振るが、メリーから非情にも命令が下る。
「エイトス達、すみませんが陛下のお手伝いをお願いします。 陛下、もう何日も休んでないので……」
「「「了解です……何をしたら良いですか?」」」
マリは立ち上がり、3人の肩を掴む。
「確か……ルーたんの上手な似顔絵書いてたよね? 3人共、あれぐらいのを書けるのかな?」
「「「はい……任務で似顔絵を書く時もあるので。 陛下……?」」」
「ふふふふ……即戦力ゲット! ウェルカーム! 地獄へようこそ! あははははは!!」
この後3人は、マリに言われた仕事内容に悲鳴を上げる事になる。
◆◇◆
外は暗くなり、一段落したマリはようやくペンを置いた。
「んー! よし、今日は此処までにしよっか。 お疲れ様~、また明日も朝から来てね♪」
羊皮紙を揃えるマリの前には、長机で長時間ペンを走らせ続けたエイトス達が力尽きていた。
「はい、お疲れ様でした。 エイトス、ナインス、テンス。 食事をして休みなさい。 陛下、食事はどうなさいますか?」
「あ~……そっか、もうそんな時間。 此処で食べるからお願いしても良い?」
「畏まりました。 少々お待ち下さい」
メリー達が退出し、マリは食事が来るまで確認作業をしていた。
すると、扉が叩かれ何故かヨハネが食事を運んで来た。
「あれ? ヨハネ、どうしたの? メリーさんは?」
「ふふ、さっきアーサー子爵がルカへの報告に来ていてね。 マリの事は私がするからと会いに行かせてあげたのさ。 それより、聞いたよ。 かなり無理をしてるんだって?」
長机の上に食事を並べ、グラスに酒を注いだ。
「うわー! 美味しそ~! えへへ、そうなんだ~……今から準備しないと間に合わないからね」
ヨハネとマリはソファに隣同士に座り、一緒に食事をとる。
「ねぇ、マリ」
「んぐんぐ、ん? 何ー?」
「好きだ」
「んぐ!? けほっ! き、急にどうしたの?」
「いや、言いたかっただけだ」
長耳を赤くしたヨハネはグラスの酒を呷る。
「そ、そっか……ふふ、私も好きだよ。 ヨハネ」
マリは酒が入ったのと、徹夜からの寝不足もありハイテンションのまま大胆にもヨハネに抱きついた。
「マリ? おっと、グラスからお酒が溢れるよ」
「えへへ~……私は幸せ者だね~。 こんな私が好きだって言ってくれる人が3人も居るんだから」
マリは幸せそうに言うが、ヨハネは少し顔を曇らせる。
「ねぇ、マリ。 ルキの事何だけどさ……」
「ん? うん、どうしたの? あ……やっぱり嫌だった?」
「違うよ。 ルキがマリに受け入れられたのは正直に嬉しい。 でもね、私が……嫉妬するかどうかは別の問題何だ」
ヨハネは抱き付くマリをソファに押し倒し、直ぐ目の前に顔を近付ける。
「ヨハネ、妬いちゃったの? ……ふふ、可愛いなぁ。 ね……良いよ?」
マリはヨハネの首に手を回し、互いの吐息を感じる。
「良いって……何の事だい?」
「この前の続き……しよ?」
ヨハネはそのままマリに覆い被さり、愛を確かめる様に長い口づけを交わしながらそのまま重なり合った。
◆◇◆
『にょわーー!? 絶対、陛下此処に護衛が居るの忘れてるっすよね!? 何で自分が当番の時……ひぇー! そんな所を!? えぇ!? あわわわわー!』
2人の重なる姿を目撃してしまったフィフスは、隠し部屋で必死に息を潜めながら最後まで見てしまった。
マリがその事実に気付き、悶えるのは次の日の朝となる。
マリは必死に羊皮紙にペンを走らせていた。
「ねぇ、メリーさん。 ルカからの報告書ってこれだけ? もっと詳しい描写が欲しいの!」
「少々お待ち下さい。 ウォンバットに確認してみますね」
「ありがとう! あ、後でエイトス、ナインス、テンスの3人呼んで来てくれる? お願いしたい事があるんだ!」
「畏まりました。 直ぐに」
執務室からメリーが退出し、マリはひたすらにペンを走らせる。
「ふふふふふ、今日も徹夜かな? あははは、楽しい……この感じ久し振り! 生きてる、私生きてるよー!」
ガリガリとペンを走らせる姿は少し狂気じみており、護衛として執務室の隠し部屋にいるフィフスは恐れ慄き震えていた。
『ひー、最近の陛下マジで怖いっす。 何を書いてるんっすかね』
護衛が隠し部屋に居るのを忘れる程に集中しているマリのペンは止まらない。
「失礼します。 陛下、ウォンバットからの状況報告書です」
「ありがとメリーさん! ん? おっ! ふふふふ……良いね、良いよー! 滾る滾るー!」
この作業を数日前から始め、未だに終わらない事にメリーはため息を吐いた。
「陛下……今日は流石にお休み下さいね?」
「えぇ? うん、分かってる分かってる。 あ、エイトス達もう来る?」
「はぁ……本当に分かっているのでしょうか。 もう来る筈ですよ」
執務室の扉が叩かれ、エイトス達が入って来た。
「陛下、お呼びですかー?」 「何々、面白い事ー?」 「私は何か嫌な予感がするんだけど~」
3人の顔を見たマリはニッコリと笑う。
「エイトス、ナインス、テンス。 3人にしかお願い出来ない事があるんだけど……いいかなぁ~?」
マリの気迫に震えて首を横に振るが、メリーから非情にも命令が下る。
「エイトス達、すみませんが陛下のお手伝いをお願いします。 陛下、もう何日も休んでないので……」
「「「了解です……何をしたら良いですか?」」」
マリは立ち上がり、3人の肩を掴む。
「確か……ルーたんの上手な似顔絵書いてたよね? 3人共、あれぐらいのを書けるのかな?」
「「「はい……任務で似顔絵を書く時もあるので。 陛下……?」」」
「ふふふふ……即戦力ゲット! ウェルカーム! 地獄へようこそ! あははははは!!」
この後3人は、マリに言われた仕事内容に悲鳴を上げる事になる。
◆◇◆
外は暗くなり、一段落したマリはようやくペンを置いた。
「んー! よし、今日は此処までにしよっか。 お疲れ様~、また明日も朝から来てね♪」
羊皮紙を揃えるマリの前には、長机で長時間ペンを走らせ続けたエイトス達が力尽きていた。
「はい、お疲れ様でした。 エイトス、ナインス、テンス。 食事をして休みなさい。 陛下、食事はどうなさいますか?」
「あ~……そっか、もうそんな時間。 此処で食べるからお願いしても良い?」
「畏まりました。 少々お待ち下さい」
メリー達が退出し、マリは食事が来るまで確認作業をしていた。
すると、扉が叩かれ何故かヨハネが食事を運んで来た。
「あれ? ヨハネ、どうしたの? メリーさんは?」
「ふふ、さっきアーサー子爵がルカへの報告に来ていてね。 マリの事は私がするからと会いに行かせてあげたのさ。 それより、聞いたよ。 かなり無理をしてるんだって?」
長机の上に食事を並べ、グラスに酒を注いだ。
「うわー! 美味しそ~! えへへ、そうなんだ~……今から準備しないと間に合わないからね」
ヨハネとマリはソファに隣同士に座り、一緒に食事をとる。
「ねぇ、マリ」
「んぐんぐ、ん? 何ー?」
「好きだ」
「んぐ!? けほっ! き、急にどうしたの?」
「いや、言いたかっただけだ」
長耳を赤くしたヨハネはグラスの酒を呷る。
「そ、そっか……ふふ、私も好きだよ。 ヨハネ」
マリは酒が入ったのと、徹夜からの寝不足もありハイテンションのまま大胆にもヨハネに抱きついた。
「マリ? おっと、グラスからお酒が溢れるよ」
「えへへ~……私は幸せ者だね~。 こんな私が好きだって言ってくれる人が3人も居るんだから」
マリは幸せそうに言うが、ヨハネは少し顔を曇らせる。
「ねぇ、マリ。 ルキの事何だけどさ……」
「ん? うん、どうしたの? あ……やっぱり嫌だった?」
「違うよ。 ルキがマリに受け入れられたのは正直に嬉しい。 でもね、私が……嫉妬するかどうかは別の問題何だ」
ヨハネは抱き付くマリをソファに押し倒し、直ぐ目の前に顔を近付ける。
「ヨハネ、妬いちゃったの? ……ふふ、可愛いなぁ。 ね……良いよ?」
マリはヨハネの首に手を回し、互いの吐息を感じる。
「良いって……何の事だい?」
「この前の続き……しよ?」
ヨハネはそのままマリに覆い被さり、愛を確かめる様に長い口づけを交わしながらそのまま重なり合った。
◆◇◆
『にょわーー!? 絶対、陛下此処に護衛が居るの忘れてるっすよね!? 何で自分が当番の時……ひぇー! そんな所を!? えぇ!? あわわわわー!』
2人の重なる姿を目撃してしまったフィフスは、隠し部屋で必死に息を潜めながら最後まで見てしまった。
マリがその事実に気付き、悶えるのは次の日の朝となる。
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