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第160話 久し振りの泥酔うっかり
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「マ、マリ陛下!? あわわ」 「ふふ……くすぐったいよ、マリ様」
マリはルキとミケルに抱きつき、頬釣りをする。
ルキは顔を赤くし、ミケルは嬉しそうに笑った。
「ふわー! 何か、2人共少し大きくなった? あれ? それに、ルキ。 頭からちょっとだけ角出てるー! カッコいいじゃん!」
「あ、そうなんだ……です。 兄貴がルル様にお願いしてくれて、折った角がまた生えてくるようにしてくれたんです」
ルキは恥ずかしそうに角を、触る。
「そっかぁ~良かったねぇ~! でも、2人共どうしたの?」
「ふふ、それはねマリ。 2人共、これからは王城の執事見習いとメイド見習いとして働くからさ」
ヨハネに教えられ、マリは驚く。
「えぇ!? 何で!? やっと国に帰れたのに」
「別れる前に、私が提案してたのさ。 いつか、亜人と人間達が手を取り合える日が来たら働きに来ないかって。 2人共、マリが大好きみたいだったしね」
ヨハネの言葉に、ルキは耳まで赤くしミケルも照れながら笑う。
「先日、キサラギとルカ殿から言われた時はどうしようかとも思ったのですが……今なら大丈夫かと思い私も賛成したのです」
「あ~……なるほどね、メリーさんも知ってたのか。 それで……色々と見て回って時間を掛けたのは何でなの?」
「それはね。 ジャック、良いよ」
ヨハネが合図をすると、執務室にジャックが台車を押して入って来た。
後ろには、セカンドにエイトス、ナインス、テンスも台車を押して続く。
「失礼します、マリ様」
「失礼致しますわ」 「「「お持ちしました~」」」
執務室にある大きな長机に、これでもかと蓋のされた皿が並んだ。
「おー? これは……何?」
「ふふ、ルキとミケルがね。 自分達の国の料理を練習したらしくてさ、さっきまで大食堂の厨房で作ってたのさ」
「え!? 本当に?! 凄ーい! 私の為に作ってくれたの?」
「はい! 鬼人族の料理……食べて欲しくて」
「えへへ……お兄ちゃんに沢山教わったの。 食べてみてね、マリ様」
セカンド達が順番に蓋を開けると、様々な料理がマリの目を楽しませた。
「すご! 骨付き肉?! あ、魚のムニエルっぽいのもある! デザートも!? うわぁー! 嬉しいなぁ~、ありがとう。 ルキ、ミケルちゃん……すっごく嬉しい! 折角だから、皆で食べようよ!」
「はい! 先ずは……鬼人族の伝統料理の川魚の酒蒸しから」
「ん、牛の骨付き肉も美味しい……よ」
「ふふ、賑やかな食事になりますね」
「サプライズは成功かな?」 「お前は見てただけだろ、ヨハネ」
「私は皆様の飲み物を準備致しますね」
「「「私達は食べるー! んぐ? 美味いっ!!」」」
その日、夜遅くまで再開を祝した食事会は続いた。
◆◇◆
「……また、目……覚めちゃったな」
時刻は真夜中となり、マリはフカフカのベッドから起き上がる。
両隣には顔を真っ赤にしたまま唸りながら眠るルキと、幸せそうに眠るミケルの姿があった。
「ふふ……可愛いなぁ。 ありがとう……2人共」
頭を優しく撫でてから、自室の奥にある酒場に向かう。
今は深夜なので、誰も居らず自分でグラスに酒を注ぎ飲み干した。
「ぷはぁ~……美味しいなぁ。 でも、悪夢……酷くなってるな」
ゴルメディア帝国から戻ってからというもの、マリは悪夢にうなされていた。
起きると覚えていないが、酷い悪夢だった事は覚えているのだ。
「呪いのせいなのかな。 凄く……嫌な夢」
モヤモヤする嫌な気持ちを飲み干す様に、酒瓶を空ける。
カウンターの上に、酒瓶が並ぶ程に飲んだ頃。
「あ~……良いこと思い付いた。 お酒とお酒混ぜ混ぜしよ~……ひくっ、鬼殺しより強いお酒出来ちゃうんじゃな~い~?」
あろう事か、強めの酒をブレンドし一気にグラスを呷る。
「んぐ、んぐ、んぐ………ぷはぁ~! 美味しいぃぃ……おろ? ひくっ、あ~……ダメだぁ、酔いすぎたかな?」
マリは流石に自重しようと、遅すぎる判断をし千鳥足でベッドに戻る。
「ひくっ……ふぇ~……これなら良い夢見れるかな~? ひくっ、2人共可愛いなぁ~……ルキもカッコよくなったねぇ~ひくっ」
眠る2人の間に入り込み、両手で2人の頭を撫でる。 そして、眠ろうと目を瞑ろうとしたその時。
「マリ様……好きです」
眠るルキの寝言を聞いてしまった。
◆◇◆
チュンチュン……
部屋の外では雀が鳴き、朝を告げていた。
そして、マリは目を覚まし絶句する。
「あ……あっれ~……? どうして……私、裸なんです?」
何時かの既視感に襲われ、恐る恐る隣のミケルを見るとパジャマで寝息をスヤスヤと立てている。
「OK、OK……大丈夫。 ちょっと泥酔してただけだし、熱くて脱いだだけだよ……ね」
隣のルキを見ると全裸だった。
マリはルキとミケルに抱きつき、頬釣りをする。
ルキは顔を赤くし、ミケルは嬉しそうに笑った。
「ふわー! 何か、2人共少し大きくなった? あれ? それに、ルキ。 頭からちょっとだけ角出てるー! カッコいいじゃん!」
「あ、そうなんだ……です。 兄貴がルル様にお願いしてくれて、折った角がまた生えてくるようにしてくれたんです」
ルキは恥ずかしそうに角を、触る。
「そっかぁ~良かったねぇ~! でも、2人共どうしたの?」
「ふふ、それはねマリ。 2人共、これからは王城の執事見習いとメイド見習いとして働くからさ」
ヨハネに教えられ、マリは驚く。
「えぇ!? 何で!? やっと国に帰れたのに」
「別れる前に、私が提案してたのさ。 いつか、亜人と人間達が手を取り合える日が来たら働きに来ないかって。 2人共、マリが大好きみたいだったしね」
ヨハネの言葉に、ルキは耳まで赤くしミケルも照れながら笑う。
「先日、キサラギとルカ殿から言われた時はどうしようかとも思ったのですが……今なら大丈夫かと思い私も賛成したのです」
「あ~……なるほどね、メリーさんも知ってたのか。 それで……色々と見て回って時間を掛けたのは何でなの?」
「それはね。 ジャック、良いよ」
ヨハネが合図をすると、執務室にジャックが台車を押して入って来た。
後ろには、セカンドにエイトス、ナインス、テンスも台車を押して続く。
「失礼します、マリ様」
「失礼致しますわ」 「「「お持ちしました~」」」
執務室にある大きな長机に、これでもかと蓋のされた皿が並んだ。
「おー? これは……何?」
「ふふ、ルキとミケルがね。 自分達の国の料理を練習したらしくてさ、さっきまで大食堂の厨房で作ってたのさ」
「え!? 本当に?! 凄ーい! 私の為に作ってくれたの?」
「はい! 鬼人族の料理……食べて欲しくて」
「えへへ……お兄ちゃんに沢山教わったの。 食べてみてね、マリ様」
セカンド達が順番に蓋を開けると、様々な料理がマリの目を楽しませた。
「すご! 骨付き肉?! あ、魚のムニエルっぽいのもある! デザートも!? うわぁー! 嬉しいなぁ~、ありがとう。 ルキ、ミケルちゃん……すっごく嬉しい! 折角だから、皆で食べようよ!」
「はい! 先ずは……鬼人族の伝統料理の川魚の酒蒸しから」
「ん、牛の骨付き肉も美味しい……よ」
「ふふ、賑やかな食事になりますね」
「サプライズは成功かな?」 「お前は見てただけだろ、ヨハネ」
「私は皆様の飲み物を準備致しますね」
「「「私達は食べるー! んぐ? 美味いっ!!」」」
その日、夜遅くまで再開を祝した食事会は続いた。
◆◇◆
「……また、目……覚めちゃったな」
時刻は真夜中となり、マリはフカフカのベッドから起き上がる。
両隣には顔を真っ赤にしたまま唸りながら眠るルキと、幸せそうに眠るミケルの姿があった。
「ふふ……可愛いなぁ。 ありがとう……2人共」
頭を優しく撫でてから、自室の奥にある酒場に向かう。
今は深夜なので、誰も居らず自分でグラスに酒を注ぎ飲み干した。
「ぷはぁ~……美味しいなぁ。 でも、悪夢……酷くなってるな」
ゴルメディア帝国から戻ってからというもの、マリは悪夢にうなされていた。
起きると覚えていないが、酷い悪夢だった事は覚えているのだ。
「呪いのせいなのかな。 凄く……嫌な夢」
モヤモヤする嫌な気持ちを飲み干す様に、酒瓶を空ける。
カウンターの上に、酒瓶が並ぶ程に飲んだ頃。
「あ~……良いこと思い付いた。 お酒とお酒混ぜ混ぜしよ~……ひくっ、鬼殺しより強いお酒出来ちゃうんじゃな~い~?」
あろう事か、強めの酒をブレンドし一気にグラスを呷る。
「んぐ、んぐ、んぐ………ぷはぁ~! 美味しいぃぃ……おろ? ひくっ、あ~……ダメだぁ、酔いすぎたかな?」
マリは流石に自重しようと、遅すぎる判断をし千鳥足でベッドに戻る。
「ひくっ……ふぇ~……これなら良い夢見れるかな~? ひくっ、2人共可愛いなぁ~……ルキもカッコよくなったねぇ~ひくっ」
眠る2人の間に入り込み、両手で2人の頭を撫でる。 そして、眠ろうと目を瞑ろうとしたその時。
「マリ様……好きです」
眠るルキの寝言を聞いてしまった。
◆◇◆
チュンチュン……
部屋の外では雀が鳴き、朝を告げていた。
そして、マリは目を覚まし絶句する。
「あ……あっれ~……? どうして……私、裸なんです?」
何時かの既視感に襲われ、恐る恐る隣のミケルを見るとパジャマで寝息をスヤスヤと立てている。
「OK、OK……大丈夫。 ちょっと泥酔してただけだし、熱くて脱いだだけだよ……ね」
隣のルキを見ると全裸だった。
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