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第135話 真なる愛
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マリの手を握る事数時間。
ジャックは本当に片時も離れず、マリの様子を伺っていた。
時折、マリが呻く度にジャックの心臓は飛び跳ねるが今の所マリの容態は落ち着いている。
ようやく再開出来たマリとの静かな時間に、ジャックは昔を思い出していた。
「マリ様……ふふ、幼い頃に熱を出された頃を思い出しますね。 あの時は、貴女が大泣きしながら一晩中手を離さなかった……」
ジャックはマリの手を優しく握る。
「あれから貴女は本当に立派になられた。 あれほど我儘だったのに、女王になられた日からは一切の我儘を言わず。 今思い出しても……酷かったです」
マリのジャックの手に雫が落ちる。
ジャックは昔を思い出しながら涙していた。
「幼き頃に貴女を必ず守ると誓ったのに、何度も危険な目に合わせ……今も苦しい思いをさせてしまいました。 貴女がゴルメディア帝国の人質となりに向かった日から、どれだけお会いしたかったか」
ジャックの愛はひたむきであり、真なる愛と云えるだろう。
身文の違いからマリを不幸にしないように。
例え、幼き頃は両想いだったとしても決して表に出さず。
マリの為なら、どんなに嫌味を言われても叱り飛ばし。
恋人が出来た時も必死に堪えた。
自分の方が愛していると叫びたかった。
だが、それをすればマリは恋人との仲が悪くなり傷付くかもしれない。
募る想いがジャックを蝕み続けていた、それでもジャックはマリの幸せを願う。
どうか、平和で平穏で、好きな相手と何時までも幸せに生きて欲しい。
マリが死に怯えている事も、ジャックは必ず解決しようと心に決めている。
どんな代償を払おうと、自身の命を失おうと。
生涯を掛けて守ると誓ったから。
「マリ様……これが最初で最後です。 どうかお許し下さい」
ジャックは堪えられず、マリの手の甲にキスをし愛の告白をする。 それが、マリの身体に掛かった精霊魔法を強めると信じて。
「愛しています。 貴女を幼き頃より誰よりも愛しています。 本当に私の愛で貴女が良くなるなら、幾らでも差し出します。 どうか……どうか元気になられて下さい」
ジャックの切なる想い、願いは二人っきりの部屋に木霊し消えた。
◆◇◆
(あっれ~~~? これ、どういう状況!?)
実は既に目覚めていたマリは悶えそうになるのを必死に我慢していた。
ジャックの独り言も全てばっちり聞いてしまっている。
(どうしよう、顔が熱い! バレる、バレるよ? どうする? いや、ジャックが嫌いとかは無い。 むしろ、多分好き。 私の前のマリもジャックが好き。 え? これ、本当にどうする?)
今はジャックに気付かれていないが、マリの耳や頬は真っ赤だ。 トマトの様に真っ赤になっている。
「……陛下? 苦しいのですか?」
遂にその時がきてしまった。
(どどどど、どうするー?! ジャックの気持ちは凄く嬉しいよ?! でも、私には既にヨハネがいるし……う、浮気になるし! やばいよー! 助けてよー! 誰かー!)
マリはパニックになり、どうしたら良いか分からなくなる。
もう寝てるフリは無理がある所まで来ており、ジャックの顔がマリに近付く。
気配が近付くにつれ、マリは変な呼吸になりそうなのを必死に我慢するが違和感が凄まじい。
ジャックが熱を測ろうとおでこを付けたその時、マリの脳内に声が響いた。
『なにやってんのよ! あんた、それでも女なの!? もう一人の私なら私らしくさっさと受け入れなさい!! こっちは何年待ってたと思ってんの!!』
声の主に思いっきり後頭部を強打されたマリは飛び起き。
「ちょっ、待っ!! んぐ?!」
「っ!?」
その勢いのままマリはジャックと口づけをしてしまった。
「んおっ?! ごめん、ジャック! その……ジャック?」
マリとキスをしてしまったジャックは顔を真っ赤にし、そのままベットに倒れた。
「あはは……うん、起きたらちゃんと話そう。 ごめんね、もう1人の私。 ありがとう」
何かを決心したマリは、ジャックに布団をかけそのまま寝直す。
気絶しても決して離さなかったジャックの手を愛おしそうに握りながら。
ジャックは本当に片時も離れず、マリの様子を伺っていた。
時折、マリが呻く度にジャックの心臓は飛び跳ねるが今の所マリの容態は落ち着いている。
ようやく再開出来たマリとの静かな時間に、ジャックは昔を思い出していた。
「マリ様……ふふ、幼い頃に熱を出された頃を思い出しますね。 あの時は、貴女が大泣きしながら一晩中手を離さなかった……」
ジャックはマリの手を優しく握る。
「あれから貴女は本当に立派になられた。 あれほど我儘だったのに、女王になられた日からは一切の我儘を言わず。 今思い出しても……酷かったです」
マリのジャックの手に雫が落ちる。
ジャックは昔を思い出しながら涙していた。
「幼き頃に貴女を必ず守ると誓ったのに、何度も危険な目に合わせ……今も苦しい思いをさせてしまいました。 貴女がゴルメディア帝国の人質となりに向かった日から、どれだけお会いしたかったか」
ジャックの愛はひたむきであり、真なる愛と云えるだろう。
身文の違いからマリを不幸にしないように。
例え、幼き頃は両想いだったとしても決して表に出さず。
マリの為なら、どんなに嫌味を言われても叱り飛ばし。
恋人が出来た時も必死に堪えた。
自分の方が愛していると叫びたかった。
だが、それをすればマリは恋人との仲が悪くなり傷付くかもしれない。
募る想いがジャックを蝕み続けていた、それでもジャックはマリの幸せを願う。
どうか、平和で平穏で、好きな相手と何時までも幸せに生きて欲しい。
マリが死に怯えている事も、ジャックは必ず解決しようと心に決めている。
どんな代償を払おうと、自身の命を失おうと。
生涯を掛けて守ると誓ったから。
「マリ様……これが最初で最後です。 どうかお許し下さい」
ジャックは堪えられず、マリの手の甲にキスをし愛の告白をする。 それが、マリの身体に掛かった精霊魔法を強めると信じて。
「愛しています。 貴女を幼き頃より誰よりも愛しています。 本当に私の愛で貴女が良くなるなら、幾らでも差し出します。 どうか……どうか元気になられて下さい」
ジャックの切なる想い、願いは二人っきりの部屋に木霊し消えた。
◆◇◆
(あっれ~~~? これ、どういう状況!?)
実は既に目覚めていたマリは悶えそうになるのを必死に我慢していた。
ジャックの独り言も全てばっちり聞いてしまっている。
(どうしよう、顔が熱い! バレる、バレるよ? どうする? いや、ジャックが嫌いとかは無い。 むしろ、多分好き。 私の前のマリもジャックが好き。 え? これ、本当にどうする?)
今はジャックに気付かれていないが、マリの耳や頬は真っ赤だ。 トマトの様に真っ赤になっている。
「……陛下? 苦しいのですか?」
遂にその時がきてしまった。
(どどどど、どうするー?! ジャックの気持ちは凄く嬉しいよ?! でも、私には既にヨハネがいるし……う、浮気になるし! やばいよー! 助けてよー! 誰かー!)
マリはパニックになり、どうしたら良いか分からなくなる。
もう寝てるフリは無理がある所まで来ており、ジャックの顔がマリに近付く。
気配が近付くにつれ、マリは変な呼吸になりそうなのを必死に我慢するが違和感が凄まじい。
ジャックが熱を測ろうとおでこを付けたその時、マリの脳内に声が響いた。
『なにやってんのよ! あんた、それでも女なの!? もう一人の私なら私らしくさっさと受け入れなさい!! こっちは何年待ってたと思ってんの!!』
声の主に思いっきり後頭部を強打されたマリは飛び起き。
「ちょっ、待っ!! んぐ?!」
「っ!?」
その勢いのままマリはジャックと口づけをしてしまった。
「んおっ?! ごめん、ジャック! その……ジャック?」
マリとキスをしてしまったジャックは顔を真っ赤にし、そのままベットに倒れた。
「あはは……うん、起きたらちゃんと話そう。 ごめんね、もう1人の私。 ありがとう」
何かを決心したマリは、ジャックに布団をかけそのまま寝直す。
気絶しても決して離さなかったジャックの手を愛おしそうに握りながら。
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