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第133話 アマンダ達到着
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「へ、陛下! 良かったでずー! ご、ご無事で良かったでずよー!」
アーサー城の前にようやく亡命する民達が到着した。
ルーデウスと共に到着を待っていたマリに気付いたアマンダが泣きながら走り出す。
「アマンダ! 貴女も無事で良かったー! 待ってたよー!」
マリはアマンダと抱き合い再開を喜ぶ。
喜ぶマリを見てルーデウスも満面の笑みだ。
「わ、私ちゃんと陛下の言いつけ通りドワーフの皆さんをお連れしました!」
アマンダの後ろからはドワーフ達がぞろぞろと歩いて来ていた。 マリを見るだけで皆一様に嫌な顔をする。
「ふん! なんだい、やっぱり真っ先に逃げてたんじゃないか。 これだから……」
未だにマリを悪人だと信じ込んでいる褐色肌の美少女ドワーフのルーフが悪態をつきながらやって来た。
「あはは……ルーフさんも無事で良かったよ」
「はっ! 心にも無いことを言うんじゃないよ! 言っとくけど、アマンダを傷付けたら容赦しないからね!」
2人の様子をルーデウスは黙って見つめる。
事前にマリから事情は聞いているからだ。
弟としては、大好きな姉を悪く言うルーフに対し思う事はあるが今は耐える。
エントン王国の王都まで帰ればルーフ達が泣いて叫ぶとっておきのサプライズが待っているのだから。
「もう、ルーフさん! ちゃ、ちゃんと私説明しましたよね?! 陛下は悪い方では無いです!」
「……流石にアマンダの言葉でも信じれないね」
ルーフはそっぽを向き、他のドワーフ達の下に戻って行った。
アマンダは悲しそうな顔をしていたが、脱出させる為に悪役になる必要があったのだからとマリは割り切っている。
「いいよ、アマンダ。 今は皆が無事にエントン王国側まで逃げれたのを喜ぶべきだよ。 ありがとう、アマンダ」
マリに優しく撫でられたアマンダは嬉しそうに笑っていた。
「皆さん、私はエントン王国の代理国王エントン フォル ルーデウスと申します。 事情は聞きました。 皆様を全員受け入れますので騎士達の案内に従って下さい」
少し離れた所ではルーデウスが騎士達を従え、亡命する民達に説明をしている。
本当に受け入れられるか半信半疑だった民達から喝采が上がった。
「へ、陛下。 弟のルーデウス様も凄い方なのですね。 あのお年であんなに凛々しく話せるなんて」
他の民達も見惚れる様にルーデウスを見つめていた。
修羅場をくぐり、ルーデウスはまだ少年でありながら着ている立派な鎧に負けないほどの凛々しさを持ち合わせている。
「そうなの! 私の推しであるルーたんは凄いんだから! だから……エントン王国を治めるのはルーたんがした方が良いんだよ」
「……陛下?」
マリは清々しい笑顔でルーデウスを褒めるが、どこか意味深なマリの発言にアマンダは違和感を感じる。
「陛下、到着した皆さんの食事の準備が完了しました。 アーサー城の広場にて配膳する予定です」
其処にメリーがやって来た為、マリの違和感をアマンダは追求する事が出来なかった。
というか、それどころでは無くなったのだ。
「メリーさんのご飯?! た、食べたいですーー!!」
アマンダは跳ね跳び喜びの舞を踊る。
この数日、美味しくない携行食のみの食事だったのだ。
胃袋をメリーに掴まれているアマンダの脳内は美味しい食事を食べる事でいっぱいになった。
「ふふ、アマンダ無事で何よりです。 沢山作りましたから、しっかり食べて下さいね」
「ありがとうございますメリーさーーーん!!」
涎を垂らしたアマンダが我1番に城の中へと走って行った。
「あはは……皆の分残ると良いね」
「流石に大丈夫だとは思うのですが……不安になるぐらいにアマンダは食べますからね」
マリは急いで城に向かう民達の後ろ姿を見ながら笑った。
アーサー城の前にようやく亡命する民達が到着した。
ルーデウスと共に到着を待っていたマリに気付いたアマンダが泣きながら走り出す。
「アマンダ! 貴女も無事で良かったー! 待ってたよー!」
マリはアマンダと抱き合い再開を喜ぶ。
喜ぶマリを見てルーデウスも満面の笑みだ。
「わ、私ちゃんと陛下の言いつけ通りドワーフの皆さんをお連れしました!」
アマンダの後ろからはドワーフ達がぞろぞろと歩いて来ていた。 マリを見るだけで皆一様に嫌な顔をする。
「ふん! なんだい、やっぱり真っ先に逃げてたんじゃないか。 これだから……」
未だにマリを悪人だと信じ込んでいる褐色肌の美少女ドワーフのルーフが悪態をつきながらやって来た。
「あはは……ルーフさんも無事で良かったよ」
「はっ! 心にも無いことを言うんじゃないよ! 言っとくけど、アマンダを傷付けたら容赦しないからね!」
2人の様子をルーデウスは黙って見つめる。
事前にマリから事情は聞いているからだ。
弟としては、大好きな姉を悪く言うルーフに対し思う事はあるが今は耐える。
エントン王国の王都まで帰ればルーフ達が泣いて叫ぶとっておきのサプライズが待っているのだから。
「もう、ルーフさん! ちゃ、ちゃんと私説明しましたよね?! 陛下は悪い方では無いです!」
「……流石にアマンダの言葉でも信じれないね」
ルーフはそっぽを向き、他のドワーフ達の下に戻って行った。
アマンダは悲しそうな顔をしていたが、脱出させる為に悪役になる必要があったのだからとマリは割り切っている。
「いいよ、アマンダ。 今は皆が無事にエントン王国側まで逃げれたのを喜ぶべきだよ。 ありがとう、アマンダ」
マリに優しく撫でられたアマンダは嬉しそうに笑っていた。
「皆さん、私はエントン王国の代理国王エントン フォル ルーデウスと申します。 事情は聞きました。 皆様を全員受け入れますので騎士達の案内に従って下さい」
少し離れた所ではルーデウスが騎士達を従え、亡命する民達に説明をしている。
本当に受け入れられるか半信半疑だった民達から喝采が上がった。
「へ、陛下。 弟のルーデウス様も凄い方なのですね。 あのお年であんなに凛々しく話せるなんて」
他の民達も見惚れる様にルーデウスを見つめていた。
修羅場をくぐり、ルーデウスはまだ少年でありながら着ている立派な鎧に負けないほどの凛々しさを持ち合わせている。
「そうなの! 私の推しであるルーたんは凄いんだから! だから……エントン王国を治めるのはルーたんがした方が良いんだよ」
「……陛下?」
マリは清々しい笑顔でルーデウスを褒めるが、どこか意味深なマリの発言にアマンダは違和感を感じる。
「陛下、到着した皆さんの食事の準備が完了しました。 アーサー城の広場にて配膳する予定です」
其処にメリーがやって来た為、マリの違和感をアマンダは追求する事が出来なかった。
というか、それどころでは無くなったのだ。
「メリーさんのご飯?! た、食べたいですーー!!」
アマンダは跳ね跳び喜びの舞を踊る。
この数日、美味しくない携行食のみの食事だったのだ。
胃袋をメリーに掴まれているアマンダの脳内は美味しい食事を食べる事でいっぱいになった。
「ふふ、アマンダ無事で何よりです。 沢山作りましたから、しっかり食べて下さいね」
「ありがとうございますメリーさーーーん!!」
涎を垂らしたアマンダが我1番に城の中へと走って行った。
「あはは……皆の分残ると良いね」
「流石に大丈夫だとは思うのですが……不安になるぐらいにアマンダは食べますからね」
マリは急いで城に向かう民達の後ろ姿を見ながら笑った。
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