[完結]転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~

秋刀魚妹子

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第130話 常識外の女

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 ルミニスを大砦の広間から動けなくしたファースト達は速やかに外へと脱出する。

 「このままルニア侯爵殿の下に行きます! 総員、気を抜かない様に!」

 「「「了解!」」」

 4人がルニアの下に駆けて行くと、ルニア達が精霊人形達と戦闘しているのが見えた。

 「はあぁぁっ! 前に戦った奴より手強いなぁ! もっとだ! もっと来い! 良いぞ、良いぞー!」

 ルニアは巨大な大剣を巧みに振り回し、3体の精霊人形達と危なげなく戦っている。

 「お前等、ルニアの真似はするなよ! こっちは50人じゃが、それでも油断すれば殺られるぞ!」

 「いや、真似出来る訳無いじゃろ!」

 「ほんまだぜ! 1体につき10人で相手してんのに倒せねぇ!」

 「硬すぎるだろこいつ等! 大砦に居た人形共は数は多かったがこんなに強く無かったぞ!?」

 直ぐ近くでは、新重近衛団達が連携し精霊人形達を抑えていた。

 「ルニア侯爵殿! 計画通りに進みましたので、私達も援護します!」

 「お! 早かったな! 私の所はいい! ラリー師匠達の所へ頼む。 こっちはちょうど良い所なんだ!! ふははははははは!」

 ラリー達が必死に攻防している最中、ルニアはとても楽しそうだ。

 「……ファースト、あれ本当に人間っすか?」

 フィフスの最もな意見にファーストも内心首を傾げた。

 ◆◇◆

 「さて、これで終いだな。 安らかに眠れ」

 ルニアが戦っていた3体の精霊人形は首を落とされ地面へと落ちた。

 無機質な人形の顔は安堵するかの様に安らかだった。

 「ほれ、これで動けんじゃろ!!」

 「セカンド! 今です首を溶かしなさい!」

 角を生やしたセカンドが精霊人形の背中に乗り、手をかざす。

 「わかりましたわ! 喰らいなさい! 魔隠密術王水」

 ラリーとファーストで抑えた精霊人形の首にセカンドが手から出現させた特殊な毒を垂らし溶かした。

 首が落ちた精霊人形は動きを止め、ファースト達は他の精霊人形の下へと向かう。

 「おらおらおらおらおらぁっ! 初めて会った時とは違うぜぇ! サードの覚悟を見ちまったからなぁっ! 魔格闘術万烈拳これが本当の私の力だぁぁぁぁ!!」

 角が頭から突き上がり、腕が筋肉で膨れたフォースの拳が精霊人形2体を滅多打ちにする。

 しかし、アダマンタイトで関節や重要な箇所を守られた精霊人形をそれで倒す事は出来ない。

 当然分かっているフォースは動きを止めさせた精霊人形の止めをフィフスに任せる。

 「おらぁっ! サードの仇だ死ねぇぇ! フィフス、殺れぇっ!!」

 「了解っす! タイミングばっちりっすよー! 魔弓術剛力矢!」

 地面に殴り倒した所をフィフスが魔力で作り出した巨大な矢で2体の首を飛ばした。

 「ふん! やったな、フィフス」

 「当然っす。 まさか、人間の前で角を生やす日が来るとは思わなかったっすね」

 「はっ! サードに見せられちまったからな。 お! 最後の1体も終わったな」

 残った1体もファーストとセカンドの連携で倒し、全員が集まった所にルニアも合流する。

 「ルニア侯爵殿、黒騎士団の皆様は無事に脱出を?」

 「当然だ。 デラン殿に先陣を頼み休まずの行進でエントン王国へと向かった。 後は我等が帰るのみだ」

 ルニア達が馬の所に移動しようとしたその時、フィフスが反応した。

 「ファースト! 後ろに来てるっす!!」

 『遅いよバァァァカ! 2匹目! 死ねぇぇぇ!!』

 突如暗闇からルミニスが飛び出し、ファーストを後ろか襲った。

 背後から黒い剣を無数に飛び出させ、ファーストを貫こうと「何だ? この羽虫は」 『は? ぎゃぁぁぁぁぁ?!』

 ルミニスはルニアの巨大な大剣で思いっきりぶっ叩かれ、大砦のはるか彼方へと飛んでいった。

 黒い靄がルニアの巨大な大剣を防ごうとしていたが、間に合わず本当に羽虫の様に消えた。

 「はは……ルニア侯爵殿、貴女本当に人間ですか?」

 助けたファーストの呟きにルニアは不服そうな顔をし、ラリー達やセカンド達は同感を示す様に頷いていた。
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