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第117話 防衛戦中止ー!
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関所が間近に見えると、門の前には黒騎士団の兵士達が並んで待っていた。
当然、味方の為メリー達も共に並んでマリ達を迎える。
「黒騎士団の皆! どうしてまだ此処に?」
ジャックの上から降りたマリは知った顔の黒騎士達に近づく。
「はっはっは! 団長からの命令でさぁ! この先は大砦ですから、追手を食い止めれるのはこの関所ぐらいでなんでさぁ」
「じゃあ、デランさんや他の皆は先に?」
「へい! 皆さんはこのまま大砦に向かってくだせい! 団長達も大砦攻略に参加しやすので、皆さんが着く頃には落ちてる筈でさぁ!」
マリは関所に入りながら周囲を確認する。
立派な関所には500名程の黒騎士が守備の準備に取り掛かっているが、追手の本隊が到着すれば善戦しても全滅は免れないだろう。
この場に残るという事はそういう事だ。
瞬時に気付いたマリは黒騎士達を止める。
「ダメ! 中止! 私が許しません!! 此処にいる黒騎士の皆、囮になって死ぬつもりでしょ! ぜっっったいにダメだよ!」
「ですが、団長の命令ですし。 気持ちは嬉しいですが、この先には戦えないあっし達の家族や村の下民だった者達も居るんでさ。 時間稼ぎしねぇと、そんな者達が死んじまうかもしれねぇ。 それならあっし達が戦って死にやす」
「だからダメだって! 皆はエントン王国に仕えてくれる決心したんでしょ? なら、皆の主は私です! デランさんより偉いので、私の命令を聞いて下さい!」
「えぇぇぇ!? めちゃくちゃ言わないでくだせぇ」
黒騎士達と言い争うマリを見て、ジャックはオロオロしヨハネは笑っている。
メイド暗部部隊達はそれぞれ装備の確認や馬の調子を見たり、後方を警戒したりと我関せずだ。
そんなカオスな状況でもメリーは動じずに素早く判断する。
こうなったマリはテコでも動かないのを知っているからだ。
「キサラギ、貴方ならこの関所って崩せますか?」
「ふふ、マリがお怒りだね~。 勿論崩せるよ? あ~、なるほど確かに普通の人間ならこの関所を通らないと追い掛けるのは難しいかな」
「はい、あの人形以外は足止め出来るでしょう。 今も追ってきている筈……準備出来次第お願いします」
「任せてくれ。 少しは良いところ見せないとね」
メリーはヨハネに準備を任せてマリの下へと向かった。
「陛下、キサラギがこの関所を崩します。 此処以外の道は森と山ですので、此処を崩すだけで充分な時間稼ぎになるでしょう」
「本当に!? メリーさんナイス! じゃあ、そういう事だから撤収ー!」
「はっはっはっ、新しい主は困ったお人みたいですね。 分かりやした、団長にはあっしが叱られましょう。 お前達聞いたな! 防衛戦は中止だ! 俺達も陛下と一緒に大砦に向かうぞ!」
「「「「「おうっ!」」」」」
全員が関所を越えた後、ヨハネが関所に向き精霊魔法を唱える。
「土の精霊、土地を守る精霊、古き友の私が願う。 人間が作りし物を瓦礫に変え自然の山に戻したまえ、土の友よ」
ヨハネが関所に手を付き唱え終えると、地面から土が生き物の様に関所を這い上がりメキメキと音を立てながら崩れていく。
「この精霊魔法だと、木と違って速度は遅いけどこのまま長時間残るんだ。 これなら良い足止めになるだろう?」
ヨハネが振り向くとマリが胸に飛び込んできた。
「ありがとうヨハネ! おかげで黒騎士団の皆も死なずにすむよ!」
「おっとっと、あははは! 少しは格好いい所見せれたかな?」
「うん! 凄いよ! ヨハネの魔法って凄いね~」
ヨハネに抱きしめられ嬉しそうにするマリをジャックは凄く苦しそうな表情で見つめていた。
メリーはその光景を見ながら内心思った。
(この三角関係めんどくさっ!!)
当然、味方の為メリー達も共に並んでマリ達を迎える。
「黒騎士団の皆! どうしてまだ此処に?」
ジャックの上から降りたマリは知った顔の黒騎士達に近づく。
「はっはっは! 団長からの命令でさぁ! この先は大砦ですから、追手を食い止めれるのはこの関所ぐらいでなんでさぁ」
「じゃあ、デランさんや他の皆は先に?」
「へい! 皆さんはこのまま大砦に向かってくだせい! 団長達も大砦攻略に参加しやすので、皆さんが着く頃には落ちてる筈でさぁ!」
マリは関所に入りながら周囲を確認する。
立派な関所には500名程の黒騎士が守備の準備に取り掛かっているが、追手の本隊が到着すれば善戦しても全滅は免れないだろう。
この場に残るという事はそういう事だ。
瞬時に気付いたマリは黒騎士達を止める。
「ダメ! 中止! 私が許しません!! 此処にいる黒騎士の皆、囮になって死ぬつもりでしょ! ぜっっったいにダメだよ!」
「ですが、団長の命令ですし。 気持ちは嬉しいですが、この先には戦えないあっし達の家族や村の下民だった者達も居るんでさ。 時間稼ぎしねぇと、そんな者達が死んじまうかもしれねぇ。 それならあっし達が戦って死にやす」
「だからダメだって! 皆はエントン王国に仕えてくれる決心したんでしょ? なら、皆の主は私です! デランさんより偉いので、私の命令を聞いて下さい!」
「えぇぇぇ!? めちゃくちゃ言わないでくだせぇ」
黒騎士達と言い争うマリを見て、ジャックはオロオロしヨハネは笑っている。
メイド暗部部隊達はそれぞれ装備の確認や馬の調子を見たり、後方を警戒したりと我関せずだ。
そんなカオスな状況でもメリーは動じずに素早く判断する。
こうなったマリはテコでも動かないのを知っているからだ。
「キサラギ、貴方ならこの関所って崩せますか?」
「ふふ、マリがお怒りだね~。 勿論崩せるよ? あ~、なるほど確かに普通の人間ならこの関所を通らないと追い掛けるのは難しいかな」
「はい、あの人形以外は足止め出来るでしょう。 今も追ってきている筈……準備出来次第お願いします」
「任せてくれ。 少しは良いところ見せないとね」
メリーはヨハネに準備を任せてマリの下へと向かった。
「陛下、キサラギがこの関所を崩します。 此処以外の道は森と山ですので、此処を崩すだけで充分な時間稼ぎになるでしょう」
「本当に!? メリーさんナイス! じゃあ、そういう事だから撤収ー!」
「はっはっはっ、新しい主は困ったお人みたいですね。 分かりやした、団長にはあっしが叱られましょう。 お前達聞いたな! 防衛戦は中止だ! 俺達も陛下と一緒に大砦に向かうぞ!」
「「「「「おうっ!」」」」」
全員が関所を越えた後、ヨハネが関所に向き精霊魔法を唱える。
「土の精霊、土地を守る精霊、古き友の私が願う。 人間が作りし物を瓦礫に変え自然の山に戻したまえ、土の友よ」
ヨハネが関所に手を付き唱え終えると、地面から土が生き物の様に関所を這い上がりメキメキと音を立てながら崩れていく。
「この精霊魔法だと、木と違って速度は遅いけどこのまま長時間残るんだ。 これなら良い足止めになるだろう?」
ヨハネが振り向くとマリが胸に飛び込んできた。
「ありがとうヨハネ! おかげで黒騎士団の皆も死なずにすむよ!」
「おっとっと、あははは! 少しは格好いい所見せれたかな?」
「うん! 凄いよ! ヨハネの魔法って凄いね~」
ヨハネに抱きしめられ嬉しそうにするマリをジャックは凄く苦しそうな表情で見つめていた。
メリーはその光景を見ながら内心思った。
(この三角関係めんどくさっ!!)
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