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第101話 酒ぐらい出しなさいよ
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「ひゃ?! お嬢ちゃんは魔族がどれだけ恐ろしい化け物か分かっておるのか!? 人間の知る歴史でも数百年前に亜人達を滅ぼそうとしたのじゃ! もし、亜人達が負けておれば儂等人間も危うかったのかもしれないんじゃぞ!?」
マリの薄味な反応にクロモトは怒り、唾を撒き散らした。
「ちょっ、汚い! いちいち叫ぶな! 分かってないのはそっちだよ! どれだけ私がこの世界を愛し続けてたと思ってんの?! 魔族達が攻めてくるのは食料が殆ど取れない荒野に押し込まれてるからだよ! ふざけたこと言ってると、その口もぐぞ糞爺!!」
クロモトよりブチギレたマリが捲し立てた。
それをメリーは呆然と見ている。
「な……なっ!? 適当な事を! あの御方はそんな事……」
狼狽するクロモトを他所に、マリはメリーを立ち上がらせた。
「うるさい! いいから、さっさとメリーさんを解放しろ!」
「へ、陛下……? 何故貴女が……それを」
「ん? あ~……メリーさんがどういう立場の魔族なのかは知らないけど、大丈夫だからね。 ルカに指示して荒野でも作れる野菜も準備させてるし食料の援助もするから。 もし、私が生きて帰れなくても魔族の皆は救える。 っていうか、救う」
優しく微笑むマリにメリーは抱きつき、静かに涙を流した。
「貴女を信じて正解でした。 陛下、やはり私が囮になります。 陛下は逃げて下さ痛ぃっ!「しつこい!」
マリにチョップされたメリーは涙目だが、マリは笑っている。
「ぬぅ……お嬢ちゃんには聞きたいことが出来た。 其処の化け物、さっさと行け。 人形ちゃん達には追わせんからのぉ」
クロモトが人形に指示し、隠し扉に続く扉が開かれた。
「メリーさん、命令です。 必ず無事に脱出し、他の皆と合流しなさい。 それで、助けれるタイミングで助けて? ね?」
メリーはマリを見つめ、暫し沈黙した後頷いた。
「必ずお救いします。 全部終わったら私の話聞いて下さいますか?」
「ん! 約束!! その時はルーたんの焼いたクッキー食べながら女子会しようね」
「約束です」
笑い合った後、メリーはマリに背中を向けて走り出す。
メイド服はボロボロだが、ズタズタだった身体はある程度治っていたようだ。
しかし、メリーの姿が見えなくなった後いやらしく笑うクロモトの指示で人形達が動き始める。
「可愛い人形ちゃん達……首だけ持って来い」
両手の剣を構えた無機質な人形達が一斉にメリーを追おうと扉に向かった。
「残念でした。 絶対に此処は通さないよ」
それを察していたマリは自らの身体で扉を塞ぎ、メリーを追わせない。
マリの眼前には人形達の剣先が向けられ、数秒後には切り刻まれるのを待つばかりだ。
「ちっ……お嬢ちゃんは傷をつけるわけにはいかんのぉ。 ひゃひゃひゃひゃ、止めじゃ」
クロモトの一言で人形達は引き下がり、クロモトの背後に整列する。
「それで……? 私ってどうなるの。 直ぐに殺さないって事は、目的があるんだよね」
「ひゃひゃひゃ、そうじゃ。 じゃが……先に聞きたい。 お嬢ちゃんは魔族の何を知っておる」
クロモトは狂気に満ちた瞳でマリを睨む。
「教えてもいいけど~? あれれ~? 此処は客にお酒も出さないんですか~?」
マリはクロモトの睨み等意に介せず、堂々と酒を要求した。
「いや……そもそも客じゃないしの。 それに普通は茶じゃろ。 非常識な小娘じゃのぉ」
狂気に満ちた老人に非常識だと突っ込まれたマリは、不服そうに頬を膨らませるのであった。
マリの薄味な反応にクロモトは怒り、唾を撒き散らした。
「ちょっ、汚い! いちいち叫ぶな! 分かってないのはそっちだよ! どれだけ私がこの世界を愛し続けてたと思ってんの?! 魔族達が攻めてくるのは食料が殆ど取れない荒野に押し込まれてるからだよ! ふざけたこと言ってると、その口もぐぞ糞爺!!」
クロモトよりブチギレたマリが捲し立てた。
それをメリーは呆然と見ている。
「な……なっ!? 適当な事を! あの御方はそんな事……」
狼狽するクロモトを他所に、マリはメリーを立ち上がらせた。
「うるさい! いいから、さっさとメリーさんを解放しろ!」
「へ、陛下……? 何故貴女が……それを」
「ん? あ~……メリーさんがどういう立場の魔族なのかは知らないけど、大丈夫だからね。 ルカに指示して荒野でも作れる野菜も準備させてるし食料の援助もするから。 もし、私が生きて帰れなくても魔族の皆は救える。 っていうか、救う」
優しく微笑むマリにメリーは抱きつき、静かに涙を流した。
「貴女を信じて正解でした。 陛下、やはり私が囮になります。 陛下は逃げて下さ痛ぃっ!「しつこい!」
マリにチョップされたメリーは涙目だが、マリは笑っている。
「ぬぅ……お嬢ちゃんには聞きたいことが出来た。 其処の化け物、さっさと行け。 人形ちゃん達には追わせんからのぉ」
クロモトが人形に指示し、隠し扉に続く扉が開かれた。
「メリーさん、命令です。 必ず無事に脱出し、他の皆と合流しなさい。 それで、助けれるタイミングで助けて? ね?」
メリーはマリを見つめ、暫し沈黙した後頷いた。
「必ずお救いします。 全部終わったら私の話聞いて下さいますか?」
「ん! 約束!! その時はルーたんの焼いたクッキー食べながら女子会しようね」
「約束です」
笑い合った後、メリーはマリに背中を向けて走り出す。
メイド服はボロボロだが、ズタズタだった身体はある程度治っていたようだ。
しかし、メリーの姿が見えなくなった後いやらしく笑うクロモトの指示で人形達が動き始める。
「可愛い人形ちゃん達……首だけ持って来い」
両手の剣を構えた無機質な人形達が一斉にメリーを追おうと扉に向かった。
「残念でした。 絶対に此処は通さないよ」
それを察していたマリは自らの身体で扉を塞ぎ、メリーを追わせない。
マリの眼前には人形達の剣先が向けられ、数秒後には切り刻まれるのを待つばかりだ。
「ちっ……お嬢ちゃんは傷をつけるわけにはいかんのぉ。 ひゃひゃひゃひゃ、止めじゃ」
クロモトの一言で人形達は引き下がり、クロモトの背後に整列する。
「それで……? 私ってどうなるの。 直ぐに殺さないって事は、目的があるんだよね」
「ひゃひゃひゃ、そうじゃ。 じゃが……先に聞きたい。 お嬢ちゃんは魔族の何を知っておる」
クロモトは狂気に満ちた瞳でマリを睨む。
「教えてもいいけど~? あれれ~? 此処は客にお酒も出さないんですか~?」
マリはクロモトの睨み等意に介せず、堂々と酒を要求した。
「いや……そもそも客じゃないしの。 それに普通は茶じゃろ。 非常識な小娘じゃのぉ」
狂気に満ちた老人に非常識だと突っ込まれたマリは、不服そうに頬を膨らませるのであった。
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