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第92話 叫ぶと来る
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斬りかかる敵兵士をセヴンスが殴り殺す。
マリの記憶では空手とそっくりなセヴンスの闘い方は、武器を持った相手が得意のようだ。
直ぐ目の前に迫る剣を危なげ無く躱し、正拳突きをフルプレートの兜に叩き込む。
それだけで敵兵士の顔面は砕かれ地面へと倒れるのだ。
「おいおい、戦闘が本職じゃない私に殺られてるようじゃダメだぜ? 訓練が足りてないんじゃねぇのか?」
セヴンスに煽られた敵兵士達が殺到する。 恐らくアマンダの負担を減らす狙いなのだろう。
「くそ! 必ずこのメイドを殺せぇぇ! 栄えある近衛師団を侮辱したぞー!」
セヴンスの狙い通りだが、それでも数人の敵兵士がアマンダへと斬りかかる。
「アマンダ技師! 貴様裏切りおったな!! 斬り捨てて……ぐぁっ?!」
「す、すみません! でも、私はマリ陛下やドワーフさん達を守らないといけないんです!」
元同僚に斬り掛かられてもアマンダは躊躇わずに斬った。
しかも、斬った相手は以前アマンダを殴った近衛師団の兵士だった。 マリが内心で親指を立てていると、状況は悪化の一途を辿り始める。
「ははっ! 女王陛下さんよぉ! 敵の数が3桁超えてるぜ? そろそろ逃げないとヤバいかもな!」
既に10人以上の敵兵士を倒したセヴンスがマリに忠告する。
確かに見える廊下にはぎっしりと敵兵士が詰め寄ってきている。
このまま待つばかりではいつか突破され、マリやドワーフ達が危険だ。
「ルーフさん! いける!?」
マリがルーフに問うと、背中に荷物を持ったルーフが戻って来た所だった。
「終わったよ! 待たせたね!!」
「セヴンス!! 行けるよー!!」
マリの合図でセヴンスがアマンダを掴んでマリ達の下へと急いで戻る。
「よし! スィクススが作った隠れ道に行くぞ! 奥の本棚を退かしな!」
殿をセヴンスにし、ドワーフ達は広い工房の奥へと走る。
その間にドワーフ工房の中は敵兵士で一杯だ。
「あったよ! 皆、さっさと入りな!!」
ルーフの指示でドワーフ達が入ろうとするが、直ぐ後ろまで敵兵士が迫っていた。
「へ、陛下! ドワーフさん達と先に行って下さい!」
アマンダが剣を構えマリを守ろうとするが、マリはアマンダの背中を引っ張ってルーフに引き渡す。
「へ、陛下!?」
「ルーフさん! アマンダの事お願い! アマンダ、ドワーフ達はアマンダにしか気を許してないの。 だから貴女が地下で待つ仲間の所へ先に行って! 早く!!」
マリの言葉を聞いたルーフはアマンダを小さな身体で担いで笑った。
「へっ、少しは良い所があるじゃないのさ! アマンダ、行くよ!!」
「そんな! 陛下必ず来てくださいね! 約束ですよーー!!」
2人の姿が隠れ道に消えて行き、遂にはマリとセヴンスだけになった。
「ちっ、他の奴等はまだか? 女王陛下、隠れ道を私が塞ぐから行きな!」
セヴンスが敵兵士達を吹き飛ばしながら、マリを誘導する。
しかし、マリは動かなかった。
「何してんだ! 早く行きな!」
「セヴンスはどうなるの?」
息切れを起こしたセヴンスがマリを見てため息を吐く。
身体中は切り傷だらけになってしまっていた。
「メリー隊長の言う通りだね。 本当に面倒臭い陛下だよ。 援軍が来なけりゃ死ぬだけさ……それが私等の仕事だ」
「そう……分かった。 じゃあ、叫ぶね」
「は? 何をだい?」
マリは思いっきり息を吸ってから叫んだ。
「メリーィィィィィィィさぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
バッコォォォォォォォン!!
大声で叫んだ直後、ドワーフ工房の天井が崩れ落ちメリーとファーストが落ちてきた。
「はい、此処に。 マリ陛下」
砂埃が消えた後、メリーは優雅に一礼する。
隣のファーストは怪我も無く、どうやらメリーが間に合ったようだ。
「ご心配お掛けしました、陛下。 敵を補足、掃討を開始します」
ファーストがセヴンスに斬り掛かろうとした兵士の首を素手で飛ばす。
回り込もうとしていた敵兵士に向かったメリーも、一瞬で10人の首を刎ねた。
「あはっ! やべぇな、惚れそうだぜ隊長」
セヴンスは傷だらけの身体を起こし、2人の間に立ち構える。
「では、陛下。 暫しお待ち下さいね」
「あはは……本当に来てくれたんだね。 ありがとう、メリーさん」
マリは隠れ道の側で、修羅メイドの戦闘が終わるまで待つのであった。
マリの記憶では空手とそっくりなセヴンスの闘い方は、武器を持った相手が得意のようだ。
直ぐ目の前に迫る剣を危なげ無く躱し、正拳突きをフルプレートの兜に叩き込む。
それだけで敵兵士の顔面は砕かれ地面へと倒れるのだ。
「おいおい、戦闘が本職じゃない私に殺られてるようじゃダメだぜ? 訓練が足りてないんじゃねぇのか?」
セヴンスに煽られた敵兵士達が殺到する。 恐らくアマンダの負担を減らす狙いなのだろう。
「くそ! 必ずこのメイドを殺せぇぇ! 栄えある近衛師団を侮辱したぞー!」
セヴンスの狙い通りだが、それでも数人の敵兵士がアマンダへと斬りかかる。
「アマンダ技師! 貴様裏切りおったな!! 斬り捨てて……ぐぁっ?!」
「す、すみません! でも、私はマリ陛下やドワーフさん達を守らないといけないんです!」
元同僚に斬り掛かられてもアマンダは躊躇わずに斬った。
しかも、斬った相手は以前アマンダを殴った近衛師団の兵士だった。 マリが内心で親指を立てていると、状況は悪化の一途を辿り始める。
「ははっ! 女王陛下さんよぉ! 敵の数が3桁超えてるぜ? そろそろ逃げないとヤバいかもな!」
既に10人以上の敵兵士を倒したセヴンスがマリに忠告する。
確かに見える廊下にはぎっしりと敵兵士が詰め寄ってきている。
このまま待つばかりではいつか突破され、マリやドワーフ達が危険だ。
「ルーフさん! いける!?」
マリがルーフに問うと、背中に荷物を持ったルーフが戻って来た所だった。
「終わったよ! 待たせたね!!」
「セヴンス!! 行けるよー!!」
マリの合図でセヴンスがアマンダを掴んでマリ達の下へと急いで戻る。
「よし! スィクススが作った隠れ道に行くぞ! 奥の本棚を退かしな!」
殿をセヴンスにし、ドワーフ達は広い工房の奥へと走る。
その間にドワーフ工房の中は敵兵士で一杯だ。
「あったよ! 皆、さっさと入りな!!」
ルーフの指示でドワーフ達が入ろうとするが、直ぐ後ろまで敵兵士が迫っていた。
「へ、陛下! ドワーフさん達と先に行って下さい!」
アマンダが剣を構えマリを守ろうとするが、マリはアマンダの背中を引っ張ってルーフに引き渡す。
「へ、陛下!?」
「ルーフさん! アマンダの事お願い! アマンダ、ドワーフ達はアマンダにしか気を許してないの。 だから貴女が地下で待つ仲間の所へ先に行って! 早く!!」
マリの言葉を聞いたルーフはアマンダを小さな身体で担いで笑った。
「へっ、少しは良い所があるじゃないのさ! アマンダ、行くよ!!」
「そんな! 陛下必ず来てくださいね! 約束ですよーー!!」
2人の姿が隠れ道に消えて行き、遂にはマリとセヴンスだけになった。
「ちっ、他の奴等はまだか? 女王陛下、隠れ道を私が塞ぐから行きな!」
セヴンスが敵兵士達を吹き飛ばしながら、マリを誘導する。
しかし、マリは動かなかった。
「何してんだ! 早く行きな!」
「セヴンスはどうなるの?」
息切れを起こしたセヴンスがマリを見てため息を吐く。
身体中は切り傷だらけになってしまっていた。
「メリー隊長の言う通りだね。 本当に面倒臭い陛下だよ。 援軍が来なけりゃ死ぬだけさ……それが私等の仕事だ」
「そう……分かった。 じゃあ、叫ぶね」
「は? 何をだい?」
マリは思いっきり息を吸ってから叫んだ。
「メリーィィィィィィィさぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
バッコォォォォォォォン!!
大声で叫んだ直後、ドワーフ工房の天井が崩れ落ちメリーとファーストが落ちてきた。
「はい、此処に。 マリ陛下」
砂埃が消えた後、メリーは優雅に一礼する。
隣のファーストは怪我も無く、どうやらメリーが間に合ったようだ。
「ご心配お掛けしました、陛下。 敵を補足、掃討を開始します」
ファーストがセヴンスに斬り掛かろうとした兵士の首を素手で飛ばす。
回り込もうとしていた敵兵士に向かったメリーも、一瞬で10人の首を刎ねた。
「あはっ! やべぇな、惚れそうだぜ隊長」
セヴンスは傷だらけの身体を起こし、2人の間に立ち構える。
「では、陛下。 暫しお待ち下さいね」
「あはは……本当に来てくれたんだね。 ありがとう、メリーさん」
マリは隠れ道の側で、修羅メイドの戦闘が終わるまで待つのであった。
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