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第88話 私の未来
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ゴルメディア帝国が腐敗した貴族達の裁判と処刑を行い始めて数日したある日の夜。
部屋で眠るマリは物音に気付き目を覚ました。
蝋燭の灯りしか無いはずの部屋は何故か明るく見え、マリはガラス越しに自分の目が金色に光っているのを確認した。
「……ティナ、居るの?」
暫くの沈黙の後に小さな妖精ティナが目の前に降りてきた。
『ふーん、つまんないわね。 あたいが来たのに直ぐ気づくなんて……でもこっそり見てる時は光んないんだよな~』
何やら不貞腐れるティナを見て、マリは思わず微笑む。
「いらっしゃい。 どうしたの?」
『そろそろ未来見れそうだから教えに来たのよ。 あたいって優しいからね』
「ふふ、ありがとうティナ。 じゃあ、お願い」
ティナが光り視界が包まれた後、マリはまた白い部屋にやってきていた。
目の前には3枚の窓が既に鎮座している。
「これは、もうティナが選別してくれたの?」
『選別ってほどでも無いわよ? あたいが出来るのは、マリに深く関係する窓を選ぶだけ。 どの未来を見てもいいけど……分かってるよね?』
「分かってるよ。 選んだ以外の未来はどうなるか知ることは出来ない。 良くも悪くも私が動けば未来は変わる……だよね」
『ふんっ、分かってるならいいのよ』
ティナは小さな羽根を休める様に、マリの肩に乗った。
「ありがとう、ティナ。 ちゃんと選ぶよ……未来の為に」
マリが窓の前に立つ。
1つ目は弟のルーデウスが見える。
広い草原に多くの兵士達を従え進軍しているのが確認できる。 この未来が何時なのか不明だが、ルーデウスの姿はとても凛々しく王そのモノだ。
マリは窓に映ったルーデウスの頬を優しく撫でた。
最愛の推しであるルーデウスの窓を選びたい気持ちをぐっと堪え、次の窓を見る。
2つ目は薄暗い部屋に、メイドが見える。
その顔には見覚えが有り、メイド暗部部隊のファーストだ。
メリーの次に強いとされる彼女が身体中を斬られ、血を流している。そして、対峙しているのは手が剣の人形だ。
恐らく報告書にあった自動で動く人形なのだろう。
3つ目は前に見た窓の光景に似ていた。
多くの民衆に、多くの兵士たちが広場にある何かに向かって罵詈雑言を浴びせていた。
「……多分、3枚目は私の未来だ」
窓を一通り見終わったマリが呟く。
『んー? どういうこと? 何処にマリが映ってんのよ』
ティナが広場が映る窓を見るがさっぱり分からない。
「広場の中央をよく見て、これ……断頭台だよ」
ティナが目を凝らすと、確かに何か見えた。
だが、それが何故マリの未来になるのかティナは理解出来なかった。
「私ね、もうすぐゴルメディア帝国のガス抜きに利用されて処刑されるんだってさ。 多分、その時の未来だと思う」
『にしても、これ誰の視点? って、処刑?! あんた、何落ち着いてるのよ! エナとの約束を守るんでしょ!? これよ! この未来にするべきよ、マリ!』
マリの言葉に驚いたティナは、断然3枚目の窓を選ぶべきだと断言した。
しかし、マリは2枚目の窓から目を離さない。
もしかしたら、この後に動く人形を始末しファーストはクロモトを暗殺出来るのかも知れない。
メリーの次に強いとされるファーストが遅れを取るとは思えない。
でも、もしかしたらこの未来を見なかったせいでファーストが死ぬのかも知れない。
マリは悩む。
ティナの言う通り、安全を考えれば絶対に3枚目を見るべきだ。
自分に降りかかる出来事を前もって知っておけば、処刑されずに安全に脱出する事ができるかもしれない。
もしかしたら、見なかった事で自分は死ぬかもしれない。
どんなイレギュラーが起こるか見れるかもしれない。
だから、選ぶべきは3枚目の窓だ。
暫く沈黙したマリは選んだ窓の前に立った。
「どんな結果になろうとも……私が動けば良くも悪くも未来は変わる。 なら私は絶対に後悔できないの!」
選択した未来の光景が映し出された。
部屋で眠るマリは物音に気付き目を覚ました。
蝋燭の灯りしか無いはずの部屋は何故か明るく見え、マリはガラス越しに自分の目が金色に光っているのを確認した。
「……ティナ、居るの?」
暫くの沈黙の後に小さな妖精ティナが目の前に降りてきた。
『ふーん、つまんないわね。 あたいが来たのに直ぐ気づくなんて……でもこっそり見てる時は光んないんだよな~』
何やら不貞腐れるティナを見て、マリは思わず微笑む。
「いらっしゃい。 どうしたの?」
『そろそろ未来見れそうだから教えに来たのよ。 あたいって優しいからね』
「ふふ、ありがとうティナ。 じゃあ、お願い」
ティナが光り視界が包まれた後、マリはまた白い部屋にやってきていた。
目の前には3枚の窓が既に鎮座している。
「これは、もうティナが選別してくれたの?」
『選別ってほどでも無いわよ? あたいが出来るのは、マリに深く関係する窓を選ぶだけ。 どの未来を見てもいいけど……分かってるよね?』
「分かってるよ。 選んだ以外の未来はどうなるか知ることは出来ない。 良くも悪くも私が動けば未来は変わる……だよね」
『ふんっ、分かってるならいいのよ』
ティナは小さな羽根を休める様に、マリの肩に乗った。
「ありがとう、ティナ。 ちゃんと選ぶよ……未来の為に」
マリが窓の前に立つ。
1つ目は弟のルーデウスが見える。
広い草原に多くの兵士達を従え進軍しているのが確認できる。 この未来が何時なのか不明だが、ルーデウスの姿はとても凛々しく王そのモノだ。
マリは窓に映ったルーデウスの頬を優しく撫でた。
最愛の推しであるルーデウスの窓を選びたい気持ちをぐっと堪え、次の窓を見る。
2つ目は薄暗い部屋に、メイドが見える。
その顔には見覚えが有り、メイド暗部部隊のファーストだ。
メリーの次に強いとされる彼女が身体中を斬られ、血を流している。そして、対峙しているのは手が剣の人形だ。
恐らく報告書にあった自動で動く人形なのだろう。
3つ目は前に見た窓の光景に似ていた。
多くの民衆に、多くの兵士たちが広場にある何かに向かって罵詈雑言を浴びせていた。
「……多分、3枚目は私の未来だ」
窓を一通り見終わったマリが呟く。
『んー? どういうこと? 何処にマリが映ってんのよ』
ティナが広場が映る窓を見るがさっぱり分からない。
「広場の中央をよく見て、これ……断頭台だよ」
ティナが目を凝らすと、確かに何か見えた。
だが、それが何故マリの未来になるのかティナは理解出来なかった。
「私ね、もうすぐゴルメディア帝国のガス抜きに利用されて処刑されるんだってさ。 多分、その時の未来だと思う」
『にしても、これ誰の視点? って、処刑?! あんた、何落ち着いてるのよ! エナとの約束を守るんでしょ!? これよ! この未来にするべきよ、マリ!』
マリの言葉に驚いたティナは、断然3枚目の窓を選ぶべきだと断言した。
しかし、マリは2枚目の窓から目を離さない。
もしかしたら、この後に動く人形を始末しファーストはクロモトを暗殺出来るのかも知れない。
メリーの次に強いとされるファーストが遅れを取るとは思えない。
でも、もしかしたらこの未来を見なかったせいでファーストが死ぬのかも知れない。
マリは悩む。
ティナの言う通り、安全を考えれば絶対に3枚目を見るべきだ。
自分に降りかかる出来事を前もって知っておけば、処刑されずに安全に脱出する事ができるかもしれない。
もしかしたら、見なかった事で自分は死ぬかもしれない。
どんなイレギュラーが起こるか見れるかもしれない。
だから、選ぶべきは3枚目の窓だ。
暫く沈黙したマリは選んだ窓の前に立った。
「どんな結果になろうとも……私が動けば良くも悪くも未来は変わる。 なら私は絶対に後悔できないの!」
選択した未来の光景が映し出された。
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