86 / 231
第84話 全員集合メイド暗部部隊!!
しおりを挟む
ルーデウス達がマリの為に動き始めてから1ヶ月近くが経過した。
その間、マリは新しく与えられた部屋でひたすらゴルメディア帝国の裏切り者を炙り出し腐った膿を出す仕事をしていた。
与えられた部屋は牢屋より質素だが、それなりに豪華である。 客人でもあり、特別改革大臣でもある身分を考えたら相応しい部屋を与えられたのだろう。
部屋の隠し部屋には監視が付いているが、当然メリーにより対策済だ。
「うえーん! メリーさん、まだ終わらないのー?! 女皇帝さんに言われてからずっと働きっぱなしなんですけどー?!」
マリは半泣きになりながらメリーから渡された羊皮紙にサインし続ける。
「陛下、これも時間稼ぎの為です。 そろそろエントン王国を離れて1ヶ月……タイムリミットが近付いている筈ですが、まだ伝令はありません」
「でも、そもそもこの処刑リストを作ったのはメリーさんとメイド暗部部隊の皆でしよ? 皆でサインしたら良くない?」
メリーに羊皮紙を渡され続ける状況にマリは限界を迎えていた。
自分の王国と大好きな弟の為ならいくらでも血を流すし、処刑リストにもサインしまくるが。 あくまで、この帝国は敵国だ。
マリの首が跳ばないように、お願いという命令を必死にこなしているだけなのだ。
「そうですが……あ! そういえば、今日にでも皆集まる事が出来そうですよ? 全員に一度会って起きますか?」
「お! いいじゃんいいじゃん! 息抜きになるし、呼んでよ~」
マリの返答を聞いたメリーが手を叩くと、直ぐに部屋の扉が叩かれた。
「あ、あの! 陛下にお目通りしたいと、メイド長さん達と近衛師団団長のカエサル様が来られてます」
扉の前を警護していたアマンダの声が聞こえる。
「ありがとうアマンダ~。 入ってもらって大丈夫だよ~」
扉が開かれ、8人のメイド達と近衛師団団長カエサルが部屋に入って来た。
「ひーふーみー……あれ? メイド暗部部隊の皆って10人じゃなかったっけ?」
「貴女もよ。 出てきなさい」
マリの疑問を他所にメリーが壁に向かって話し掛ける。
すると、隠し部屋から1人の近衛師団の鎧を身に纏った兵士が出てきた。
「えっ!? そんな所に人居たの!?」
驚くマリを見てメリーはため息を吐いた。
「陛下……この部屋を与えられた当日にお伝えした筈ですが?」
「あー……お酒を飲むのに忙しかったもので」
メリーはこめかみを押さえ、メイド暗部部隊の方を見た。
「陛下に直接お会いするのが初めての者が多い筈。 1人つづ自己紹介をなさい」
メリーに言われ、横一列に並んだ左端のメイドから前へと進み出る。
「ファーストでございます陛下。 メイド暗部部隊での序列1位として主に戦闘員として任務に就いております」
優雅に一礼をしたのは、赤髪メイドのファーストだ。
亜人解放作戦の際にもメリーにより単独でヨハネの監視に付き、その後はキャット王国に単身で殴り込みに行く等かなりの武闘派だ。
メリー曰く、自身の次に強いのがファーストだという。
「セカンドでございますマリ陛下。 メイド暗部部隊での序列2位として主に暗殺や毒殺等の任に就いております」
セカンドは、長い茶髪を後ろで結んだ美少女である。 微笑む表情は聖母の様に優しいが、先の任務では近衛師団の兵士を首チョンパで殺したと聞いたマリは背筋を震わした。
メリー曰く、怒らした後に出された紅茶は飲んではいけないらしい。
「サードだよ~マリ陛下さん。 メイド暗部部隊の序列は3位だよ~! 何時も誰かに変装したり記憶を奪ったりゴミを掃除したり色々してるよ~」
サードと名乗って一礼したのは近衛師団団長カエサルだ。
見た目はカエサルだが、その正体は自身の身体を変形させ誰かに変装する可愛らしい少女だ。 本当の見た目は何故か見た者の記憶には残らず、可愛らしい少女という記憶のみ残される。
メリー曰く、永遠の少女らしい。
「フォースって呼んでくれ女王さん! 私は序列4位だけどよ、近接格闘術ではメリー隊長の次に強いのは私だよ!」
短髪で赤髪のガッチリとした体格のメイドはフォースと名乗った。 フォースはThe脳筋であり、家事は不得意なメイドだ。
メリー曰く、緊急時での護衛対象防衛能力はメイド暗部部隊で1番だそうだ。
「フィフスっす、初めてお会いするっすね! 序列は5位っすね。 因みに戦闘員は私までっす! こうみえて、遠く離れた獲物を一発で仕留めれるっすよー?」
長い青髪を靡かせ、弓矢を構える動作をしながら自己紹介するのはフィフスだ。 メイド暗部部隊最後の戦闘員であり、遠距離では敵なしらしい。
メリー曰く、昔の任務では視界の悪い暗闇でもエントン王国に来た暗殺者を尽く矢で射抜き殺したそうだ。
「ここからは支援要員です。 先ずは……」
「ごめん待って!!」
メリーが残りの5人を紹介しようとすると、頭を抱えたマリがストップをかけた。
「え? 陛下、どうされました?」
何か問題があったのかと不安気にメリーが聞くと、マリが鬼殺しの瓶を持って申し訳無さそうに言った。
「長くなるなら……お酒飲んでいい?」
その間、マリは新しく与えられた部屋でひたすらゴルメディア帝国の裏切り者を炙り出し腐った膿を出す仕事をしていた。
与えられた部屋は牢屋より質素だが、それなりに豪華である。 客人でもあり、特別改革大臣でもある身分を考えたら相応しい部屋を与えられたのだろう。
部屋の隠し部屋には監視が付いているが、当然メリーにより対策済だ。
「うえーん! メリーさん、まだ終わらないのー?! 女皇帝さんに言われてからずっと働きっぱなしなんですけどー?!」
マリは半泣きになりながらメリーから渡された羊皮紙にサインし続ける。
「陛下、これも時間稼ぎの為です。 そろそろエントン王国を離れて1ヶ月……タイムリミットが近付いている筈ですが、まだ伝令はありません」
「でも、そもそもこの処刑リストを作ったのはメリーさんとメイド暗部部隊の皆でしよ? 皆でサインしたら良くない?」
メリーに羊皮紙を渡され続ける状況にマリは限界を迎えていた。
自分の王国と大好きな弟の為ならいくらでも血を流すし、処刑リストにもサインしまくるが。 あくまで、この帝国は敵国だ。
マリの首が跳ばないように、お願いという命令を必死にこなしているだけなのだ。
「そうですが……あ! そういえば、今日にでも皆集まる事が出来そうですよ? 全員に一度会って起きますか?」
「お! いいじゃんいいじゃん! 息抜きになるし、呼んでよ~」
マリの返答を聞いたメリーが手を叩くと、直ぐに部屋の扉が叩かれた。
「あ、あの! 陛下にお目通りしたいと、メイド長さん達と近衛師団団長のカエサル様が来られてます」
扉の前を警護していたアマンダの声が聞こえる。
「ありがとうアマンダ~。 入ってもらって大丈夫だよ~」
扉が開かれ、8人のメイド達と近衛師団団長カエサルが部屋に入って来た。
「ひーふーみー……あれ? メイド暗部部隊の皆って10人じゃなかったっけ?」
「貴女もよ。 出てきなさい」
マリの疑問を他所にメリーが壁に向かって話し掛ける。
すると、隠し部屋から1人の近衛師団の鎧を身に纏った兵士が出てきた。
「えっ!? そんな所に人居たの!?」
驚くマリを見てメリーはため息を吐いた。
「陛下……この部屋を与えられた当日にお伝えした筈ですが?」
「あー……お酒を飲むのに忙しかったもので」
メリーはこめかみを押さえ、メイド暗部部隊の方を見た。
「陛下に直接お会いするのが初めての者が多い筈。 1人つづ自己紹介をなさい」
メリーに言われ、横一列に並んだ左端のメイドから前へと進み出る。
「ファーストでございます陛下。 メイド暗部部隊での序列1位として主に戦闘員として任務に就いております」
優雅に一礼をしたのは、赤髪メイドのファーストだ。
亜人解放作戦の際にもメリーにより単独でヨハネの監視に付き、その後はキャット王国に単身で殴り込みに行く等かなりの武闘派だ。
メリー曰く、自身の次に強いのがファーストだという。
「セカンドでございますマリ陛下。 メイド暗部部隊での序列2位として主に暗殺や毒殺等の任に就いております」
セカンドは、長い茶髪を後ろで結んだ美少女である。 微笑む表情は聖母の様に優しいが、先の任務では近衛師団の兵士を首チョンパで殺したと聞いたマリは背筋を震わした。
メリー曰く、怒らした後に出された紅茶は飲んではいけないらしい。
「サードだよ~マリ陛下さん。 メイド暗部部隊の序列は3位だよ~! 何時も誰かに変装したり記憶を奪ったりゴミを掃除したり色々してるよ~」
サードと名乗って一礼したのは近衛師団団長カエサルだ。
見た目はカエサルだが、その正体は自身の身体を変形させ誰かに変装する可愛らしい少女だ。 本当の見た目は何故か見た者の記憶には残らず、可愛らしい少女という記憶のみ残される。
メリー曰く、永遠の少女らしい。
「フォースって呼んでくれ女王さん! 私は序列4位だけどよ、近接格闘術ではメリー隊長の次に強いのは私だよ!」
短髪で赤髪のガッチリとした体格のメイドはフォースと名乗った。 フォースはThe脳筋であり、家事は不得意なメイドだ。
メリー曰く、緊急時での護衛対象防衛能力はメイド暗部部隊で1番だそうだ。
「フィフスっす、初めてお会いするっすね! 序列は5位っすね。 因みに戦闘員は私までっす! こうみえて、遠く離れた獲物を一発で仕留めれるっすよー?」
長い青髪を靡かせ、弓矢を構える動作をしながら自己紹介するのはフィフスだ。 メイド暗部部隊最後の戦闘員であり、遠距離では敵なしらしい。
メリー曰く、昔の任務では視界の悪い暗闇でもエントン王国に来た暗殺者を尽く矢で射抜き殺したそうだ。
「ここからは支援要員です。 先ずは……」
「ごめん待って!!」
メリーが残りの5人を紹介しようとすると、頭を抱えたマリがストップをかけた。
「え? 陛下、どうされました?」
何か問題があったのかと不安気にメリーが聞くと、マリが鬼殺しの瓶を持って申し訳無さそうに言った。
「長くなるなら……お酒飲んでいい?」
17
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる