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第78話 王国の行く末の為に
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議論での和平宣言の後、キャット王国とドック王国は無理矢理ゴルメディア帝国により侵略戦争をさせられていたと広く知らされた。
そして、民達を守るべく第一線で戦ったルーデウスの言葉は信用され皆に理解される。 何よりも、ゴルメディア帝国派の王子や貴族達が軒並み戦死していたのが功を奏した。
生き残った両国の捕虜達はやりたくない戦争を王国の為にやっていた者達ばかりになり、それにより生き残った両国の捕虜に対しての悪感情は限りなく無くなった。 まだ良く思っていない者も当然居るが、ルカの手腕により理解がある兵士達のみで連携して復興にあたっている。
その後、簡素なものではあるが奨爵の儀式が順次行われ報酬を与えられた女貴族達や将兵達の不満も解消された。
次いでだからと、ルカによりサクサクと嫌がるルーデウスを正式な代理国王に就任させたのは御愛嬌である。
時は過ぎ、キャミが記憶を辿っていた所に戻る。
◆◇◆
キャミは幸せそうにクッキーを頬張り破顔していた。
「あら、キャミ。 何か考え事してたみたいだけど、もう忘れたって顔してるわよ?」
クスクスと親友のドーラに笑わられ、キャミは耳まで真っ赤にする。
そんな様子を好きになってしまったルーデウスに見られたのが恥ずかしいのだ。
「ふふ、とても可愛らしいですよ。 キャミ王女」
「もー! ルーデウス様もドーラもひどいのじゃ!」
3人が和気あいあいとしていると、部屋の扉が叩かれる。
「失礼、ルカです陛下。 小国群の女王達が城門に近付いております。 私と執務室にて正装である鎧を着けに行かねばなりませんので速やかに移動をお願いします」
入ってきたルカに急かされ、ルーデウスは立ち上がった。
「では、また後ほど。 着替えはメイドがしますので、慌てず準備をお願いします」
「頑張るのじゃ!」
「私達も覚悟は出来てる。 大丈夫よルーデウス」
笑顔で2人に別れを告げたルーデウスは早足で退出する。
残された2人は、メイド達により女王に相応しいドレスへと着替えるのであった。
◆◇◆
ルーデウスはルカと共に執務室入り、椅子に座ったと同時に深くため息をはいた。
「はぁぁぁぁ………嫌だなぁ。 ねぇ、ルカ兄ちゃん。 本当に僕が正式な代理国王になる必要あったの? 普通、姉上の夫になる人がなるんじゃないの?」
この場にはウォンバットとルカしか居ない為、完全に普段のルーデウスに戻っていた。
「おいおい、ルーデウス。 ちゃんと説明したろ? この後に行う会議では、エントン王国の正当性とゴルメディア帝国の非道な行いを証明しないといけない。 ただの仮の代理国王だと発言力が弱すぎるんだ。 只でさえ、女王の方が権力を持つ世の中なんだ。 もういい加減諦めろ」
兄のように慕っているルカに諭され、ルーデウスは机に倒れる。
「分かってますよ~。 でも、それなら……せめて婚姻同盟は何とか「ならん。 諦めろ」
ルーデウスが頬を膨らませてむくれるが、ルカは相手にしない。
「ほら、シャキッとしろ! お前は、この世界で初めて2人の女王を妻にする王族になるんだぞ?」
「だから、それが無理だってー! 姉上を救出したら、僕は普通の王族に戻るんだよ? なのに、他国の女王2人が妻で更に僕が嫁ぎに行くんじゃなくて2人が嫁ぎに来るとか絶対に反対されるよ」
ルカは頭を振り、ウォンバットを見る。
「うおっほん! さて、ルーデウス陛下。 今陛下が仰っているのは、マリ女王を救出出来るという前提での不安でございます。 ですが……そもそも、今日の会議を成功させねばエントン王国の将来すら危うい。 どうされますかな?」
ウォンバットの指摘にルーデウスは何も言えない。
「それとも……マリ女王救出を諦め。 エントン王国の将来すら諦めると?」
「そんな事は断じてない!! 僕が……私が姉上の救出を諦めることは絶対に無いし、エントン王国の皆を必ず守る! ルカ大臣、会議室に向かう!」
ウォンバットの叱咤激励にルーデウスは立ち上がり、先程まで見せていた幼さは消えていた。
此処に居るのは、エントン王国の為なら女王の為なら何でも出来るエントン フォル ルーデウス代理国王だ。
「ふっ、やはり私の目に狂いは無さそうだ。 行きましょう、ルーデウス陛下」
「……先程は大変失礼を致しました。 陛下、どうかお許しを」
深く頭を下げるウォンバットをルーデウスが起こす。
「ありがとう……ウォンバット。 必ず成功させてくる。 あ! ジャックとキサラギさんは戻ってる?」
「いえ、まだ亜人の領域から帰還しておりません。 ですが、必ずや間に合うでしょう」
ルーデウスは正装である国王の鎧を身に纏い、ルカを連れて執務室を出る。
向かうは、一筋縄ではいかない小国の女王達が待つ会議室へ。
そして、民達を守るべく第一線で戦ったルーデウスの言葉は信用され皆に理解される。 何よりも、ゴルメディア帝国派の王子や貴族達が軒並み戦死していたのが功を奏した。
生き残った両国の捕虜達はやりたくない戦争を王国の為にやっていた者達ばかりになり、それにより生き残った両国の捕虜に対しての悪感情は限りなく無くなった。 まだ良く思っていない者も当然居るが、ルカの手腕により理解がある兵士達のみで連携して復興にあたっている。
その後、簡素なものではあるが奨爵の儀式が順次行われ報酬を与えられた女貴族達や将兵達の不満も解消された。
次いでだからと、ルカによりサクサクと嫌がるルーデウスを正式な代理国王に就任させたのは御愛嬌である。
時は過ぎ、キャミが記憶を辿っていた所に戻る。
◆◇◆
キャミは幸せそうにクッキーを頬張り破顔していた。
「あら、キャミ。 何か考え事してたみたいだけど、もう忘れたって顔してるわよ?」
クスクスと親友のドーラに笑わられ、キャミは耳まで真っ赤にする。
そんな様子を好きになってしまったルーデウスに見られたのが恥ずかしいのだ。
「ふふ、とても可愛らしいですよ。 キャミ王女」
「もー! ルーデウス様もドーラもひどいのじゃ!」
3人が和気あいあいとしていると、部屋の扉が叩かれる。
「失礼、ルカです陛下。 小国群の女王達が城門に近付いております。 私と執務室にて正装である鎧を着けに行かねばなりませんので速やかに移動をお願いします」
入ってきたルカに急かされ、ルーデウスは立ち上がった。
「では、また後ほど。 着替えはメイドがしますので、慌てず準備をお願いします」
「頑張るのじゃ!」
「私達も覚悟は出来てる。 大丈夫よルーデウス」
笑顔で2人に別れを告げたルーデウスは早足で退出する。
残された2人は、メイド達により女王に相応しいドレスへと着替えるのであった。
◆◇◆
ルーデウスはルカと共に執務室入り、椅子に座ったと同時に深くため息をはいた。
「はぁぁぁぁ………嫌だなぁ。 ねぇ、ルカ兄ちゃん。 本当に僕が正式な代理国王になる必要あったの? 普通、姉上の夫になる人がなるんじゃないの?」
この場にはウォンバットとルカしか居ない為、完全に普段のルーデウスに戻っていた。
「おいおい、ルーデウス。 ちゃんと説明したろ? この後に行う会議では、エントン王国の正当性とゴルメディア帝国の非道な行いを証明しないといけない。 ただの仮の代理国王だと発言力が弱すぎるんだ。 只でさえ、女王の方が権力を持つ世の中なんだ。 もういい加減諦めろ」
兄のように慕っているルカに諭され、ルーデウスは机に倒れる。
「分かってますよ~。 でも、それなら……せめて婚姻同盟は何とか「ならん。 諦めろ」
ルーデウスが頬を膨らませてむくれるが、ルカは相手にしない。
「ほら、シャキッとしろ! お前は、この世界で初めて2人の女王を妻にする王族になるんだぞ?」
「だから、それが無理だってー! 姉上を救出したら、僕は普通の王族に戻るんだよ? なのに、他国の女王2人が妻で更に僕が嫁ぎに行くんじゃなくて2人が嫁ぎに来るとか絶対に反対されるよ」
ルカは頭を振り、ウォンバットを見る。
「うおっほん! さて、ルーデウス陛下。 今陛下が仰っているのは、マリ女王を救出出来るという前提での不安でございます。 ですが……そもそも、今日の会議を成功させねばエントン王国の将来すら危うい。 どうされますかな?」
ウォンバットの指摘にルーデウスは何も言えない。
「それとも……マリ女王救出を諦め。 エントン王国の将来すら諦めると?」
「そんな事は断じてない!! 僕が……私が姉上の救出を諦めることは絶対に無いし、エントン王国の皆を必ず守る! ルカ大臣、会議室に向かう!」
ウォンバットの叱咤激励にルーデウスは立ち上がり、先程まで見せていた幼さは消えていた。
此処に居るのは、エントン王国の為なら女王の為なら何でも出来るエントン フォル ルーデウス代理国王だ。
「ふっ、やはり私の目に狂いは無さそうだ。 行きましょう、ルーデウス陛下」
「……先程は大変失礼を致しました。 陛下、どうかお許しを」
深く頭を下げるウォンバットをルーデウスが起こす。
「ありがとう……ウォンバット。 必ず成功させてくる。 あ! ジャックとキサラギさんは戻ってる?」
「いえ、まだ亜人の領域から帰還しておりません。 ですが、必ずや間に合うでしょう」
ルーデウスは正装である国王の鎧を身に纏い、ルカを連れて執務室を出る。
向かうは、一筋縄ではいかない小国の女王達が待つ会議室へ。
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