[完結]転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~

秋刀魚妹子

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第66話 帝国崩しを始めますか

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 「お待たせ~メリーさん、何とか乗り切ったよー!」

 メイドに支えられて大広間を出て来たマリをメリーが出迎える。

 「無事の帰還、本当に安堵しました。 先程兵士より、新たな部屋が与えられると聞きましたがどうしますか?」

 「んー、牢屋に戻ろ~。 固苦しいの嫌い~!」

 メイドに連れられて大広間を退出したマリは、待機していたメリーと合流し与えられた部屋を無視して牢屋に戻った。

 「ただいま~! アマンダ~ひくっ、お土産の鬼殺し飲むー?」

 「お、お帰りなさいませ陛下! って、鬼殺し?! も、猛毒酒何て飲めませんよ! ドワーフさん達しか無理です!」

 アマンダにだる絡みを始めたマリをメリーは豪華な牢屋の中に押し込む。

 「はいはい、お水を飲みましょうね陛下」

 「ありがとう~メリーさん」

 水を渡されたマリは飲みながら案内してくれたメイドを見る。 

 「ぷはぁっ!ねぇ、当たり前のようにメリーさんの後ろで待機してるってことは……貴女もメイド暗部部隊かな?」

 実は泥酔していなかったマリは冷静に状況を把握しており、あの場で直ぐ様マリを連れて退出したメイドは味方だと確信していた。  

 指摘されたメイドはマリの前に進み出て、優雅にお辞儀をする。 その際に持ち上げたスカートの中には様々なナイフが太ももに装備されているのが見えた。

 「お初にお目に掛かりますマリ女王陛下。 メイド暗部部隊のセカンドと申します。 メイド長の指示により、会談の席に潜入し護衛をさせて頂いておりました」

 セカンドと名乗ったメイドは、長い茶髪を後ろで結んだ美少女である。 微笑む表情は聖母の様に優しいが、太ももに装備された多くのナイフを見る限りバリバリの戦闘員なのだろう。

 「よろしくね、セカンド。 会談では護衛ありがとうね」  

 「いえ、滅相もございません。 それより、陛下の名演技感服致しました。 まさか、あの泥酔の様が会談の場から退出する為の演技だったとは」

 「あはは、違う違う。 もう、鬼殺しでも中々酔えなくなっちゃってさ。 流石にあれ以上目立つと、キャベルさんや他の参加者達に恨まれそうだったから泥酔したフリで乗り切ろうとしただけだよ」

 照れながらも、マリは持ち帰った鬼殺しの封を開けようとしていた。 

 「陛下……今日はもうお酒はお止めくださいね」

 しかし、メリーに止められマリは仕方なくベットの横に鬼殺しを大事そうに置いた。

 「分かってるよ。 先ずはデランさん一家を助けないとね。 アマンダ、階段をよく見張っててね。 キャベル女皇帝から部屋を与えられたけど、ガン無視して来たから多分誰か後で来ると思う」

 マリの言葉にアマンダは目を丸くする。

 「え? えぇ!? 陛下……それは流石にまずいのでは?」

 アマンダはあたふたとするが、マリは全く心配していない。 もし、文句を言われたら国を失った自分等牢屋で充分だと言って押し切る気だからだ。

 正直な所、敵に与えられた部屋等使うより信頼するメリーが模様替えしたこの牢屋に住んだ方が百倍マシなのだ。

 「大丈夫大丈夫~、見張り頼んだよ。 それで……デランさんの家は分かった?」

 マリが女王モードになった事で、メリーとセカンドは姿勢を正す。   

 「はっ! 各隊員より連絡が有りました。 デラン一家の住所の把握は完了。 現在、確実に守れるように人員を配置しております。 そして、キャベル女皇帝とカエサルの監視を継続中です」

 「ん、流石だねメリーさん。 じゃあ、手はず通りにお願い。 デランさん一家救出を皮切りに徐々に進めよう、帝国崩しをね」

 冷徹なマリの表情を初めて見たセカンドとアマンダは身震いをし、メリーだけは何時も通りの笑顔だった。

 「あ、因みに……陛下の会談でのご様子もメイド長に全て報告しないといけないのですが。 よろしいですよね?」

 しかし、セカンドから落とされた爆弾にマリの冷徹な表情は一瞬で消えた。

 「ふぇ!? 待って! 全部はダメ! 絶対にダメだよ!?」

 慌てるマリをメリーは半目で見つめていた。
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