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第18話 罰?
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ルルに呼び止められ、マリは渋々先程の場所に戻る。
「全く! 儂が止めねばお主本当に帰っておっただろ! 何を考えとるんじゃ!」
顔を真っ赤にしてルルが激怒する。
「え? えっと……早く王城に帰って弟のルーたんを愛でたい!!」
「ルーたんって誰じゃ!! それに、正直かっ!!! 後、ブラコンって奴か! まぁ……儂にも弟が居る。 弟を愛でたい気持ちは認めよう……じゃが、それは罰が済んでからじゃ!」
「じゃあ、なる早でおなしゃす」
「お、お主……最初と態度が変わりすぎじゃないか?」
ルルは馴れ馴れしい態度のマリに呆れていた。
「「へ、陛下……」」
メリーとジャックは恥ずかしそうにマリを見つめている。
勿論、当のマリはそんな事は気にしない。
なぜなら、目的は既に終わっているのだから。
(だって……もう、亜人達を返す目的も終わったしな~。 あー! 早く帰りたい! 推し成分が足ーりーなーいー! 早くルーたんのお日様みたいな匂いをくんかくんかしたいのーー!)
「おい婆! もう許してやろうぜ!! こうして、同胞も帰って来たんだからよ!」
鬼人のロキがルルに凄む。
獣人のラガンもマリを味方し、ロキの意見に頷いている。
「マリ……優しい。 俺達も優しくするべきだルル」
「えええぇぇい! 誰が婆じゃ! それにラガン、先に向こうが我等亜人に害を為したのじゃ! 許す謂れは無い!」
ルルがロキやラガンと言い争っている間に、アテスがトコトコとマリの所にやって来た。
「ふふ……ごめんね~、マリ女王。でも、やはり何か罰は必要だと思うよ? だって……奴隷にされた亜人はこれで全員じゃないんだろ~?」
「うぐ……はい、その通りです。 過去に帝国に横流しされてきた亜人の皆さんはこの場に居ません」
アテスに言われた事は図星だった。
主人公が居る筈のゴルメディア帝国は仮想敵国だ。
易々と、その奴隷解放するから返せとは言えなかったのだ。
俯くマリにアテスは優しく微笑む。
「うんうん……よし、じゃあマリ女王の罰はあの人に決めてもらおう」
「あの人……ですか? ルルさんでは無くてです?」
「む? なんじゃアテス。 儂よりも罰を決める相応しい亜人が居るとでも言うのか?」
アテスに気付いたルルが問うが、アテスは答えず指を森へと差した。
「ふふ……ほら、来たよ。 我等が英雄が」
アテスが森の木々を指を差すと、木が揺れ誰かが降りてきた。
「とう!! 我が同胞諸君久し振りだねーーー! 帰ってきたよ姉さん!」
降りてきたのは、ルルと同じ緑色の髪をしたイケメンエルフだ。
「「陛下! お気を付けを……」」
メリーとジャックが警戒する中、マリだけは気付いていた。
(……あれキサラギさんじゃね? 髪色違うし、眼鏡掛けてないけど……キサラギさんじゃね?)
「なっ!? 我が弟ヨハネではないか! この馬鹿者め! 一体、数十年も何処で何をしておった!」
ルルがヨハネに抱き付き、エルフは元より他の亜人達も大喜びで喝采を上げていた。
(……ヨハネ? え? 待って……まさか、亜人最強の英雄……賢者ヨハネ!? キサラギさんが!??)
マリが絶対に遭遇したくなかった賢者ヨハネ。
作中では、魔王討伐にて非常に活躍し。
賢者ヨハネが居なければ魔王討伐は無理だったと主人公が発言する程のキャラである。
そして、マリは絶対に遭遇したくなかった筈の相手が自分の恋人だった事を知りショックを受ける。
(ま、不味い! 本当にあの計画を成功させなきゃ……世界が詰む! ヨハネは主人公を好きになったから、手を貸した筈なんだもん! どうしよーー! でも、髪が緑色のキサラギさんもカッコいいなぁ……いやいや! しっかりして! 私!!)
マリが胸中でワタワタしている頃、ヨハネは亜人達に高らかに宣言していた。
「我が同胞達よ! 此方の女王マリに相応しい罰を私は知っている! それは、鬼殺しの刑だ!!」
「ふふふ、流石は儂の弟じゃ! よし、それが良い!」
「なっ!? おい、ヨハネ兄! 鬼殺し何て、あんまりだ!! 最悪死んじまうぞ!」
「ヨハネ兄ちゃん……冷酷。 マリを死なせる気か?」
ルル達がざわめく中、アテスが杯をマリに渡す。
「ではでは、ささっと終わらしてしまおうね~。 さぁ、マリ女王。 これが、ドワーフ名物の鬼殺しだよ~ん」
「え? え? え?? これが罰なの??」
アテスに渡された杯に、並々と酒が注がれる。
鼻に届く酒の匂いに、マリはゴクリと唾を飲んだ。
「そうだよ、女王マリ。 鬼殺し、かつて酒豪の鬼人すら飲み干せなかったドワーフ用の酒さ! 下手をすれば……死ぬ程に強い酒だよ。 さぁ……飲むのだ!」
まるで死刑宣告でもしてるかのようなヨハネは、こっそりとマリだけに見えるようウインクをする。
マリは頬を赤らめ……そして、恋人を信じた。
「「陛下! お待ち下さい!! 我等が飲みます! お待ちを!!」」
焦り、止めるメリーとジャックに向かってマリは微笑み……杯を一気に煽る。
ゴク……ゴクゴクゴクゴクゴク。
「「陛下……そんな」」
メリーとジャックは顔面蒼白でマリを見やり、亜人達も固唾を飲んで見守っていた。
「ぷひぁぁぁぁっ!! 美味しいぃぃぃぃぃ!! アテスさん、もう1杯貰えます?」
マリは恍惚として表情で杯を飲み干し、お代わりを要求し始めた。
それを見たヨハネとアテス以外の全員が思わず、ずっこけてしまう。
「「「「えぇぇぇぇ!?」」」」
アテスは笑いながらマリの杯に酒を注ぐのであった。
「全く! 儂が止めねばお主本当に帰っておっただろ! 何を考えとるんじゃ!」
顔を真っ赤にしてルルが激怒する。
「え? えっと……早く王城に帰って弟のルーたんを愛でたい!!」
「ルーたんって誰じゃ!! それに、正直かっ!!! 後、ブラコンって奴か! まぁ……儂にも弟が居る。 弟を愛でたい気持ちは認めよう……じゃが、それは罰が済んでからじゃ!」
「じゃあ、なる早でおなしゃす」
「お、お主……最初と態度が変わりすぎじゃないか?」
ルルは馴れ馴れしい態度のマリに呆れていた。
「「へ、陛下……」」
メリーとジャックは恥ずかしそうにマリを見つめている。
勿論、当のマリはそんな事は気にしない。
なぜなら、目的は既に終わっているのだから。
(だって……もう、亜人達を返す目的も終わったしな~。 あー! 早く帰りたい! 推し成分が足ーりーなーいー! 早くルーたんのお日様みたいな匂いをくんかくんかしたいのーー!)
「おい婆! もう許してやろうぜ!! こうして、同胞も帰って来たんだからよ!」
鬼人のロキがルルに凄む。
獣人のラガンもマリを味方し、ロキの意見に頷いている。
「マリ……優しい。 俺達も優しくするべきだルル」
「えええぇぇい! 誰が婆じゃ! それにラガン、先に向こうが我等亜人に害を為したのじゃ! 許す謂れは無い!」
ルルがロキやラガンと言い争っている間に、アテスがトコトコとマリの所にやって来た。
「ふふ……ごめんね~、マリ女王。でも、やはり何か罰は必要だと思うよ? だって……奴隷にされた亜人はこれで全員じゃないんだろ~?」
「うぐ……はい、その通りです。 過去に帝国に横流しされてきた亜人の皆さんはこの場に居ません」
アテスに言われた事は図星だった。
主人公が居る筈のゴルメディア帝国は仮想敵国だ。
易々と、その奴隷解放するから返せとは言えなかったのだ。
俯くマリにアテスは優しく微笑む。
「うんうん……よし、じゃあマリ女王の罰はあの人に決めてもらおう」
「あの人……ですか? ルルさんでは無くてです?」
「む? なんじゃアテス。 儂よりも罰を決める相応しい亜人が居るとでも言うのか?」
アテスに気付いたルルが問うが、アテスは答えず指を森へと差した。
「ふふ……ほら、来たよ。 我等が英雄が」
アテスが森の木々を指を差すと、木が揺れ誰かが降りてきた。
「とう!! 我が同胞諸君久し振りだねーーー! 帰ってきたよ姉さん!」
降りてきたのは、ルルと同じ緑色の髪をしたイケメンエルフだ。
「「陛下! お気を付けを……」」
メリーとジャックが警戒する中、マリだけは気付いていた。
(……あれキサラギさんじゃね? 髪色違うし、眼鏡掛けてないけど……キサラギさんじゃね?)
「なっ!? 我が弟ヨハネではないか! この馬鹿者め! 一体、数十年も何処で何をしておった!」
ルルがヨハネに抱き付き、エルフは元より他の亜人達も大喜びで喝采を上げていた。
(……ヨハネ? え? 待って……まさか、亜人最強の英雄……賢者ヨハネ!? キサラギさんが!??)
マリが絶対に遭遇したくなかった賢者ヨハネ。
作中では、魔王討伐にて非常に活躍し。
賢者ヨハネが居なければ魔王討伐は無理だったと主人公が発言する程のキャラである。
そして、マリは絶対に遭遇したくなかった筈の相手が自分の恋人だった事を知りショックを受ける。
(ま、不味い! 本当にあの計画を成功させなきゃ……世界が詰む! ヨハネは主人公を好きになったから、手を貸した筈なんだもん! どうしよーー! でも、髪が緑色のキサラギさんもカッコいいなぁ……いやいや! しっかりして! 私!!)
マリが胸中でワタワタしている頃、ヨハネは亜人達に高らかに宣言していた。
「我が同胞達よ! 此方の女王マリに相応しい罰を私は知っている! それは、鬼殺しの刑だ!!」
「ふふふ、流石は儂の弟じゃ! よし、それが良い!」
「なっ!? おい、ヨハネ兄! 鬼殺し何て、あんまりだ!! 最悪死んじまうぞ!」
「ヨハネ兄ちゃん……冷酷。 マリを死なせる気か?」
ルル達がざわめく中、アテスが杯をマリに渡す。
「ではでは、ささっと終わらしてしまおうね~。 さぁ、マリ女王。 これが、ドワーフ名物の鬼殺しだよ~ん」
「え? え? え?? これが罰なの??」
アテスに渡された杯に、並々と酒が注がれる。
鼻に届く酒の匂いに、マリはゴクリと唾を飲んだ。
「そうだよ、女王マリ。 鬼殺し、かつて酒豪の鬼人すら飲み干せなかったドワーフ用の酒さ! 下手をすれば……死ぬ程に強い酒だよ。 さぁ……飲むのだ!」
まるで死刑宣告でもしてるかのようなヨハネは、こっそりとマリだけに見えるようウインクをする。
マリは頬を赤らめ……そして、恋人を信じた。
「「陛下! お待ち下さい!! 我等が飲みます! お待ちを!!」」
焦り、止めるメリーとジャックに向かってマリは微笑み……杯を一気に煽る。
ゴク……ゴクゴクゴクゴクゴク。
「「陛下……そんな」」
メリーとジャックは顔面蒼白でマリを見やり、亜人達も固唾を飲んで見守っていた。
「ぷひぁぁぁぁっ!! 美味しいぃぃぃぃぃ!! アテスさん、もう1杯貰えます?」
マリは恍惚として表情で杯を飲み干し、お代わりを要求し始めた。
それを見たヨハネとアテス以外の全員が思わず、ずっこけてしまう。
「「「「えぇぇぇぇ!?」」」」
アテスは笑いながらマリの杯に酒を注ぐのであった。
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