52 / 231
第50話 スライムは美味
しおりを挟む
「これは……スライム? 何でも良いや! 食べてから考えよう! まぁぁぁてえぇぇぇっ! 喰わせろー!」
口を開けて走って来るクウネルに気付いたスライム達が、ポヨンポヨンと跳ねて逃げ始めるが反応が遅すぎた。
「ぷる!? ぷるぷる!」
手のひらサイズのスライムを一匹捕まえ、クウネルはそのまま口に放り込む。
「ぷる!? ぴぎゅー!」
口に放り込んだスライムを容赦無く咀嚼した。
「あむっ! あむあむ……ごくんっ! え……何これ。 おいしぃぃぃぃぃ! すんげー美味しい! スライムすんげー美味しい!」
死にかける程の空腹のせいか、初めて食べたスライムは信じられない程に美味であった。 歓喜したクウネルは口の中に広がる味を堪能する。
「スライムの中に、ラムネみたいなのが有ってそれを噛み砕くとプルプルな身体がサイダーみたいにシュワシュワーって弾けて超美味しい! 前世のサイダーより、超美味しい! やばい、美味し過ぎて語彙力が死んでる。 まぁ、そんな事どうでもいい! 今は食べる! あむっ! あむっ! あむっ! あむっ!」
クウネルはそれから空腹が満たされるまで、気配察知に引っ掛かったスライムを根こそぎ食べた。
「ふ~、最高でございました。 中には、シュワシュワな中身をビューって飛ばしてくるスライムも居たんだけど……ドリンクサーバーみたいなもんだよね。 強炭酸のサイダー、ごちそうさまでしたー!」
膨れたお腹を擦りながらクウネルは横になる。
「あー、あの滅茶苦茶な空腹も止んだし。 ようやく一息つけるよ」
食後に直ぐ横になるという怠惰を味わっていると、森からポヨンポヨンと音が聞こえた。
「ぷる、ぷるぷる」
「あ、見逃したスライムが一匹戻ってきた。 知能はそんなに高くないのかね? こんなに美味しいのに、よく自然淘汰されなかったね君。 折角だし、鑑定しときますかー」
大量に居たスライム達を全て食べた後の鑑定に今更感をクウネルは感じたが、念の為に鑑定を使用する。
「鑑定」
ステータス画面
種族 ブルースライム
年齢 0
レベル 1
HP 10/10
FP 0/0
攻撃力 5
防御力 5
知力 1
速力 2
スキル 酸噴射Lv1. 酸耐性Lv1
魔法 無し
戦技 無し
状態異常 無し
あまりの弱さにクウネルは苦笑した。
「あはは、うーん……弱いね、こんなに美味しいのに何で弱いの君。 まぁ、私は嬉しいだけだから良んだけどね~。 一応、スキルも鑑定しとくか」
『酸噴射Lv1 スライム固有スキル 体内の消化液を噴射し 対象を溶かす』
「なるへそねー、あのシュワシュワで美味しい炭酸ジュースは酸だったのか。 私が無事だったのは、暴食が有るから? じゃあ、暴食の邪神のお陰だね! ありがたやーありがたやー!」
姿も知らぬ邪神に祈りを捧げながらも、もう一つのスキルを鑑定していく。
『酸耐性Lv1 酸に対する耐性が上昇する』
「う、うん……自分の酸なのに、耐性が必要なのね。 よし、終わったし食べよう。 あむっ!」
「ぷる?! ぴぎー!」
クウネルは眼の前を無防備にポヨンポヨンするスライムをおもむろに掴み、そのまま口に放り込んだ。
「んぐんぐ、ごくんっ。 まいうー! 食べてよし、飲んでよし! 今後もスライムを見たら美味しく頂くとしよう。 さーて、私のステータスはどうなってるかなー? ステータスオープン!」
ステータス画面
名前 クウ%$#
年齢 2
職業 $%?`>&§
種族 グラトニーベビージャイアント
レベル 54
HP 1630/1630
FP 290/290
攻撃力 1110
防御力 410
知力 185
速力 460
スキル 鑑定Lv2. 暴食. 消化吸収強化. 竜鱗Lv1. 火耐性Lv1. 竜殺しLv1. 魔物食らい. 気配察知Lv2(up). 連携Lv1. 酸耐性LvMax(new)
魔法 火炎Lv1
戦技 叩き割りLv2. 槍突きLv1. 噛み付きLv3
状態異常 無し
加護 暴食の邪神の#§$?&
「……ぶっ!? 何だこれ、色々バグってる。 ん? え!? 巨神の加護無くなってるじゃん! 私何かした? 家族殺されたのにこの仕打ちは酷くない?」
クウネルは地面を苛立ちに任せて殴る。
それなりの衝撃が地面に走ったが、巨神の加護による攻撃力+1000が無いせいか想像よりも威力が低かった。
「くそ~……まぁ、いっか! 無いのもはしょうがないよね。 スライム乱獲したお陰でステータスも上がってるしスキルも手に入ったし良しとしよう!」
クウネルは気持ちを落ち着け、新たに入手したスキルを鑑定した。
『酸耐性LvMax 酸を無効化する』
「う~ん、私デフォルトで酸効いて無かったからな~。 さて、お腹も落ち着いたしどうしよっか」
ステータスの確認も終えたクウネルは立ち上がり、周囲を見渡す。 しかし、森に囲まれているせいで方角すら分からない。 落ちて出来たクレーターへの帰り道も分からず、完全にクウネルは遭難状態だ。
「サバイバルするしか無いよね。 まずは安全に眠れる場所の確保と水と食料の確保だ。 火は口から吹けるから何とかなる……夕方? 空が薄暗くなってきてる。 ん、寝床探すか」
Lvが上がった気配察知で魔物が少ない方向を確認しながらクウネルは、寝床を探すべく木々を掻き分け進み始めた。
◆◇◆
――クウネルが寝床を探し始めた頃、クレーターがある場所では獲物を探す魔物の集団が訪れていた。
「クンクンッ! ……グルルルルル!!」
匂いを嗅ぎ分けた魔物達は、ある方向へと走り始めた。
当然ながら、クウネルの進んだ方向へ。
口を開けて走って来るクウネルに気付いたスライム達が、ポヨンポヨンと跳ねて逃げ始めるが反応が遅すぎた。
「ぷる!? ぷるぷる!」
手のひらサイズのスライムを一匹捕まえ、クウネルはそのまま口に放り込む。
「ぷる!? ぴぎゅー!」
口に放り込んだスライムを容赦無く咀嚼した。
「あむっ! あむあむ……ごくんっ! え……何これ。 おいしぃぃぃぃぃ! すんげー美味しい! スライムすんげー美味しい!」
死にかける程の空腹のせいか、初めて食べたスライムは信じられない程に美味であった。 歓喜したクウネルは口の中に広がる味を堪能する。
「スライムの中に、ラムネみたいなのが有ってそれを噛み砕くとプルプルな身体がサイダーみたいにシュワシュワーって弾けて超美味しい! 前世のサイダーより、超美味しい! やばい、美味し過ぎて語彙力が死んでる。 まぁ、そんな事どうでもいい! 今は食べる! あむっ! あむっ! あむっ! あむっ!」
クウネルはそれから空腹が満たされるまで、気配察知に引っ掛かったスライムを根こそぎ食べた。
「ふ~、最高でございました。 中には、シュワシュワな中身をビューって飛ばしてくるスライムも居たんだけど……ドリンクサーバーみたいなもんだよね。 強炭酸のサイダー、ごちそうさまでしたー!」
膨れたお腹を擦りながらクウネルは横になる。
「あー、あの滅茶苦茶な空腹も止んだし。 ようやく一息つけるよ」
食後に直ぐ横になるという怠惰を味わっていると、森からポヨンポヨンと音が聞こえた。
「ぷる、ぷるぷる」
「あ、見逃したスライムが一匹戻ってきた。 知能はそんなに高くないのかね? こんなに美味しいのに、よく自然淘汰されなかったね君。 折角だし、鑑定しときますかー」
大量に居たスライム達を全て食べた後の鑑定に今更感をクウネルは感じたが、念の為に鑑定を使用する。
「鑑定」
ステータス画面
種族 ブルースライム
年齢 0
レベル 1
HP 10/10
FP 0/0
攻撃力 5
防御力 5
知力 1
速力 2
スキル 酸噴射Lv1. 酸耐性Lv1
魔法 無し
戦技 無し
状態異常 無し
あまりの弱さにクウネルは苦笑した。
「あはは、うーん……弱いね、こんなに美味しいのに何で弱いの君。 まぁ、私は嬉しいだけだから良んだけどね~。 一応、スキルも鑑定しとくか」
『酸噴射Lv1 スライム固有スキル 体内の消化液を噴射し 対象を溶かす』
「なるへそねー、あのシュワシュワで美味しい炭酸ジュースは酸だったのか。 私が無事だったのは、暴食が有るから? じゃあ、暴食の邪神のお陰だね! ありがたやーありがたやー!」
姿も知らぬ邪神に祈りを捧げながらも、もう一つのスキルを鑑定していく。
『酸耐性Lv1 酸に対する耐性が上昇する』
「う、うん……自分の酸なのに、耐性が必要なのね。 よし、終わったし食べよう。 あむっ!」
「ぷる?! ぴぎー!」
クウネルは眼の前を無防備にポヨンポヨンするスライムをおもむろに掴み、そのまま口に放り込んだ。
「んぐんぐ、ごくんっ。 まいうー! 食べてよし、飲んでよし! 今後もスライムを見たら美味しく頂くとしよう。 さーて、私のステータスはどうなってるかなー? ステータスオープン!」
ステータス画面
名前 クウ%$#
年齢 2
職業 $%?`>&§
種族 グラトニーベビージャイアント
レベル 54
HP 1630/1630
FP 290/290
攻撃力 1110
防御力 410
知力 185
速力 460
スキル 鑑定Lv2. 暴食. 消化吸収強化. 竜鱗Lv1. 火耐性Lv1. 竜殺しLv1. 魔物食らい. 気配察知Lv2(up). 連携Lv1. 酸耐性LvMax(new)
魔法 火炎Lv1
戦技 叩き割りLv2. 槍突きLv1. 噛み付きLv3
状態異常 無し
加護 暴食の邪神の#§$?&
「……ぶっ!? 何だこれ、色々バグってる。 ん? え!? 巨神の加護無くなってるじゃん! 私何かした? 家族殺されたのにこの仕打ちは酷くない?」
クウネルは地面を苛立ちに任せて殴る。
それなりの衝撃が地面に走ったが、巨神の加護による攻撃力+1000が無いせいか想像よりも威力が低かった。
「くそ~……まぁ、いっか! 無いのもはしょうがないよね。 スライム乱獲したお陰でステータスも上がってるしスキルも手に入ったし良しとしよう!」
クウネルは気持ちを落ち着け、新たに入手したスキルを鑑定した。
『酸耐性LvMax 酸を無効化する』
「う~ん、私デフォルトで酸効いて無かったからな~。 さて、お腹も落ち着いたしどうしよっか」
ステータスの確認も終えたクウネルは立ち上がり、周囲を見渡す。 しかし、森に囲まれているせいで方角すら分からない。 落ちて出来たクレーターへの帰り道も分からず、完全にクウネルは遭難状態だ。
「サバイバルするしか無いよね。 まずは安全に眠れる場所の確保と水と食料の確保だ。 火は口から吹けるから何とかなる……夕方? 空が薄暗くなってきてる。 ん、寝床探すか」
Lvが上がった気配察知で魔物が少ない方向を確認しながらクウネルは、寝床を探すべく木々を掻き分け進み始めた。
◆◇◆
――クウネルが寝床を探し始めた頃、クレーターがある場所では獲物を探す魔物の集団が訪れていた。
「クンクンッ! ……グルルルルル!!」
匂いを嗅ぎ分けた魔物達は、ある方向へと走り始めた。
当然ながら、クウネルの進んだ方向へ。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
『自重』を忘れた者は色々な異世界で無双するそうです。
もみクロ
ファンタジー
主人公はチートです!イケメンです!
そんなイケメンの主人公が竜神王になって7帝竜と呼ばれる竜達や、
精霊に妖精と楽しくしたり、テンプレ入れたりと色々です!
更新は不定期(笑)です!戦闘シーンは苦手ですが頑張ります!
主人公の種族が変わったもしります。
他の方の作品をパクったり真似したり等はしていないので
そういう事に関する批判は感想に書かないで下さい。
面白さや文章の良さに等について気になる方は
第3幕『世界軍事教育高等学校』から読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる