34 / 237
第34話 サプライズと実験へ
しおりを挟む
クウネルは鑑定結果に怯え震えたが、悪い意味では無いと必死に自身へと言い聞かせる。
(寵愛だもんね。 愛されてるんだもん、悪いようにはしないよね? 暴食の邪神様、会った事無いけど信じますよ? でも、もしかしたらあの時の声の主かな? 小飛竜に噛み付かれて瀕死の時に心の奥から聞こえたあの声! きっとそうだよね?)
心の中でそれとなく話し掛けるが返事は無い様だ。
(巨神様も、確か私の中にいる力とかって言ってたし。 可能性は高いと思うんだけどな~。 もう一回話しかけたら応えてくれないかな? もしもーし! 暴食の邪神様ー? この間はありがとうございましたー! あと、いつもご飯が美味しいですー!)
再度試みても返事は当然無く、クウネルは食事を続ける。
(まぁ、ですよね。 さて、どうしよう。ステータスの確認も終わったし、ステーキは美味しいし。 もぐもぐもぐもぐ、今日はもう訓練もお休みだしねー)
正直な所、ぐっすり寝ていたのでクウネルの体力は全開だ。 身体が動きたいと疼くが、残念ながら無心で走り回れる様な幼い精神では無い為にそれもできない。
言ってしまうと、休みと言われても暇なのだ。
(んー、でも火炎の練習や消化吸収強化の検証もしたいんだよね。 でも1人で外に行ったら、お父さんやお母さんに心配かけるしなー)
クウネルが悩んでいると、天井が音を立てて開いた。
クウネルは少し身構えたが、トールである事を確認し安堵の溜息を吐く。
「はぁ~……お祖父ちゃんか。 びっくりしたぁ~……」
「む? おぉクウネルすまんすまん、驚かせてしもうたの。 こっちも驚く事が有ったぞ、一度の祈りでロスもエルザも祝福を授けられたんじゃ! 信仰が盛んな頃だったら考えられん事じゃ!」
祖父トールが大興奮で話すが、実際に巨神やバザムに会ったクウネルから考えると至極当然な事だ。
(あはは、多分私の願いが届いたとかじゃなくて、お祖母ちゃんが巨神様に授けるように文句言ったんだと思うな。 巨神様、お祖母ちゃんに頭が上がらない様子だったしね。 そういえば混乱してたから、アスカガルドでは鑑定全然出来なかったなー。お祖母ちゃん、どんだけ強いんだろ。 お祖父ちゃんより強いのかもね)
「ん、そっか。 良かった、お母さんとお父さんは?」
「うむ、うむ! おぉ、2人は本当に供え物が消えたり身体が光ったりして驚いての。 巨神様の存在をようやく信じたのか、まだ儂の家で呆然としとるわい! ぐぁっはぁっはぁ!」
(まぁ、そうなりますよね。 でもこれで、何が有っても何時かはアスカガルドに家族が揃う事になる。 勇者達の事も有るしね。 備えあれば憂いなしってやつだよ! 死ぬつもりも、家族を殺させるつもりも無いけど)
クウネルは自身の拳を握り締め、決意を新たにする。
(あいつらが本格的に動き出す前に、強く大きくならないと! お祖父ちゃんは心配しなくていいって言ってたけど、私も戦える歳になったら皆と戦うんだ! よし! そうと決まれば火炎の特訓だ!)
「お祖父ちゃん、ちょうど良かった。 2人で少し魔の森近くに行きたい」
トールは一瞬難色を示したが、直ぐに笑顔で了承し理由を問う。
「む? まぁ、儂が側に居れば大丈夫かの。 ええぞ、しかしどうしたんじゃ?」
「ん、ありがと。 まだ秘密」
天井から伸びたトールの手に乗り、魔の森近くへと移動する。 足音が響き渡り、両親が飛んで来ないかとクウネルは怯えたが今の所は大丈夫の様だ。 まだ祖父の家で放心しているのだろう。
村の中を歩いていると、クウネルを良く知っている近所の年配の女性が話し掛けてきた。 当然ながら、筋骨隆々で両手斧を軽々と担いでいるヴァイキングな容姿の巨人である。
この村に、か弱い住人等は一人も居ないのだ。
「あらまっ! 族長にクウネルちゃんじゃないか! もう外に出て大丈夫なのかい?」
「あ、おばちゃん。 うん、もう平気だよ」
「そうかぃ、良かったよぉ! 本当に大変な思いしたねぇ~、でもその歳で飛竜を倒したんだって? すごいじゃないかぁ!」
クウネルは大分狭くなったトールの肩で照れながら悶える。
(え~、何々めちゃくちゃ心配してくれて褒めてくれるやん。 も~やめてよー、照れるやん)
「えへへ~、ありがとう」
「他の皆もクウネルちゃんが元気になったって知ったら喜ぶわよー。 よし、おばちゃんが皆に教えてくるわ! またねクウネルちゃーん」
「ん、ばいばい」
別れを告げた年配の女性巨人は、家々の壁を揺らしながら走って行った。
(元気だねー。 本当にこの村の皆はパワフルだ。 巨人は皆こんな感じなのかな? 私の知ってる巨人はこの村とアスカガルドの巨人達と~……後は誕生会に来てくれた戦士団長さんかな?)
トールの肩で足をパタパタしながら考えていると、嬉しそうにトールが笑い始めた。
「ぐぁっはぁっはぁ! 良かったのぉ、クウネルや」
「ん、皆優しい。 無事に村に帰って来れて良かった」
「実は……クウネルが寝てる間にの、王都の鍛冶屋にクウネルが狩った飛竜の素材を持って行って来たんじゃ。 これで、誕生日にはクウネルの初めての鎧が出来る筈じゃ。 楽しみにしておれ!」
(えー何そのサプライズ! 超嬉しいじゃーん!)
「ありがとう、お祖父ちゃん。 凄く嬉しい」
「ぐぁっはぁっはぁ! 喜んでもらえたなら、良かったわぃ! 鍛冶屋のヤツも驚いておったぞぉ、2歳にもなってない孫が飛竜を狩ったんじゃ。偉業と言ってええじゃろう」
(くはー、もうやめてよ。恥ずかしい。 それに、後もう少しで2歳だし。 精神は19歳になるんだよ?)
トールの肩から遠い景色を見渡し、クウネルは想いに耽る。
(この世界は気になる事が沢山あるな~。 不安要素は有るけど何時かは色々見て周りたいな……アスカガルドの皆にたくさん土産話を作っておかなきゃ)
「クウネルや、着いたぞ」
(あ、考え事してる間に着いちゃった。 さてさて、火炎の練習するかね。 お祖父ちゃんを驚かせてやろう。 いっしっしっし!)
(寵愛だもんね。 愛されてるんだもん、悪いようにはしないよね? 暴食の邪神様、会った事無いけど信じますよ? でも、もしかしたらあの時の声の主かな? 小飛竜に噛み付かれて瀕死の時に心の奥から聞こえたあの声! きっとそうだよね?)
心の中でそれとなく話し掛けるが返事は無い様だ。
(巨神様も、確か私の中にいる力とかって言ってたし。 可能性は高いと思うんだけどな~。 もう一回話しかけたら応えてくれないかな? もしもーし! 暴食の邪神様ー? この間はありがとうございましたー! あと、いつもご飯が美味しいですー!)
再度試みても返事は当然無く、クウネルは食事を続ける。
(まぁ、ですよね。 さて、どうしよう。ステータスの確認も終わったし、ステーキは美味しいし。 もぐもぐもぐもぐ、今日はもう訓練もお休みだしねー)
正直な所、ぐっすり寝ていたのでクウネルの体力は全開だ。 身体が動きたいと疼くが、残念ながら無心で走り回れる様な幼い精神では無い為にそれもできない。
言ってしまうと、休みと言われても暇なのだ。
(んー、でも火炎の練習や消化吸収強化の検証もしたいんだよね。 でも1人で外に行ったら、お父さんやお母さんに心配かけるしなー)
クウネルが悩んでいると、天井が音を立てて開いた。
クウネルは少し身構えたが、トールである事を確認し安堵の溜息を吐く。
「はぁ~……お祖父ちゃんか。 びっくりしたぁ~……」
「む? おぉクウネルすまんすまん、驚かせてしもうたの。 こっちも驚く事が有ったぞ、一度の祈りでロスもエルザも祝福を授けられたんじゃ! 信仰が盛んな頃だったら考えられん事じゃ!」
祖父トールが大興奮で話すが、実際に巨神やバザムに会ったクウネルから考えると至極当然な事だ。
(あはは、多分私の願いが届いたとかじゃなくて、お祖母ちゃんが巨神様に授けるように文句言ったんだと思うな。 巨神様、お祖母ちゃんに頭が上がらない様子だったしね。 そういえば混乱してたから、アスカガルドでは鑑定全然出来なかったなー。お祖母ちゃん、どんだけ強いんだろ。 お祖父ちゃんより強いのかもね)
「ん、そっか。 良かった、お母さんとお父さんは?」
「うむ、うむ! おぉ、2人は本当に供え物が消えたり身体が光ったりして驚いての。 巨神様の存在をようやく信じたのか、まだ儂の家で呆然としとるわい! ぐぁっはぁっはぁ!」
(まぁ、そうなりますよね。 でもこれで、何が有っても何時かはアスカガルドに家族が揃う事になる。 勇者達の事も有るしね。 備えあれば憂いなしってやつだよ! 死ぬつもりも、家族を殺させるつもりも無いけど)
クウネルは自身の拳を握り締め、決意を新たにする。
(あいつらが本格的に動き出す前に、強く大きくならないと! お祖父ちゃんは心配しなくていいって言ってたけど、私も戦える歳になったら皆と戦うんだ! よし! そうと決まれば火炎の特訓だ!)
「お祖父ちゃん、ちょうど良かった。 2人で少し魔の森近くに行きたい」
トールは一瞬難色を示したが、直ぐに笑顔で了承し理由を問う。
「む? まぁ、儂が側に居れば大丈夫かの。 ええぞ、しかしどうしたんじゃ?」
「ん、ありがと。 まだ秘密」
天井から伸びたトールの手に乗り、魔の森近くへと移動する。 足音が響き渡り、両親が飛んで来ないかとクウネルは怯えたが今の所は大丈夫の様だ。 まだ祖父の家で放心しているのだろう。
村の中を歩いていると、クウネルを良く知っている近所の年配の女性が話し掛けてきた。 当然ながら、筋骨隆々で両手斧を軽々と担いでいるヴァイキングな容姿の巨人である。
この村に、か弱い住人等は一人も居ないのだ。
「あらまっ! 族長にクウネルちゃんじゃないか! もう外に出て大丈夫なのかい?」
「あ、おばちゃん。 うん、もう平気だよ」
「そうかぃ、良かったよぉ! 本当に大変な思いしたねぇ~、でもその歳で飛竜を倒したんだって? すごいじゃないかぁ!」
クウネルは大分狭くなったトールの肩で照れながら悶える。
(え~、何々めちゃくちゃ心配してくれて褒めてくれるやん。 も~やめてよー、照れるやん)
「えへへ~、ありがとう」
「他の皆もクウネルちゃんが元気になったって知ったら喜ぶわよー。 よし、おばちゃんが皆に教えてくるわ! またねクウネルちゃーん」
「ん、ばいばい」
別れを告げた年配の女性巨人は、家々の壁を揺らしながら走って行った。
(元気だねー。 本当にこの村の皆はパワフルだ。 巨人は皆こんな感じなのかな? 私の知ってる巨人はこの村とアスカガルドの巨人達と~……後は誕生会に来てくれた戦士団長さんかな?)
トールの肩で足をパタパタしながら考えていると、嬉しそうにトールが笑い始めた。
「ぐぁっはぁっはぁ! 良かったのぉ、クウネルや」
「ん、皆優しい。 無事に村に帰って来れて良かった」
「実は……クウネルが寝てる間にの、王都の鍛冶屋にクウネルが狩った飛竜の素材を持って行って来たんじゃ。 これで、誕生日にはクウネルの初めての鎧が出来る筈じゃ。 楽しみにしておれ!」
(えー何そのサプライズ! 超嬉しいじゃーん!)
「ありがとう、お祖父ちゃん。 凄く嬉しい」
「ぐぁっはぁっはぁ! 喜んでもらえたなら、良かったわぃ! 鍛冶屋のヤツも驚いておったぞぉ、2歳にもなってない孫が飛竜を狩ったんじゃ。偉業と言ってええじゃろう」
(くはー、もうやめてよ。恥ずかしい。 それに、後もう少しで2歳だし。 精神は19歳になるんだよ?)
トールの肩から遠い景色を見渡し、クウネルは想いに耽る。
(この世界は気になる事が沢山あるな~。 不安要素は有るけど何時かは色々見て周りたいな……アスカガルドの皆にたくさん土産話を作っておかなきゃ)
「クウネルや、着いたぞ」
(あ、考え事してる間に着いちゃった。 さてさて、火炎の練習するかね。 お祖父ちゃんを驚かせてやろう。 いっしっしっし!)
1
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる