上 下
33 / 195
第一章 新たな巨人生 幼少編

第33話 スキル鑑定

しおりを挟む
 再度口から火を吹いたクウネルはパニックになるも、心を落ち着けようと深呼吸していた。

 「すーはー、すーはー!  よし、一旦落ち着いてドラゴンステーキを食べよう。 モグモグうまうま」

 ステーキを食べるだけで心が落ち着き、冷静になれたクウネルは美味しそうにステーキを頬張った。

 (むふー、食べても食べてもステーキが無くならないね。 私が狩ったのと、お祖父ちゃんが狩った飛竜のお肉を全部ステーキにしてくれたのかな? お母さん私が無事だったのがそんなに嬉しかったのか~。 えへへ~、照れるやん)

 「モグモグ……ゴクンッ! ふー、落ち着いたぞ。 よし、もう一度ステータスを確認しよう。 ステータスオープン」

 ステータス画面

 名前 クウネル

 年齢 1

 職業 戦士見習い

 種族 グラトニーベビージャイアント

 レベル 6

 HP 748/750

 FP 110/170

 攻撃力 660+1000

 防御力 110

 知力 65

 速力 150

 スキル 鑑定Lv2. 暴食.  消化吸収強化. 竜鱗Lv1. 火耐性Lv1. 竜殺しLv1. 魔物食らい

 魔法 火炎Lv1

 戦技 叩き割りLv2 .槍突きLv1. 噛み付きLv1

 状態異常 火傷小

 加護 暴食の邪神の寵愛. 巨神の愛し子

 「んー、よし1個づつ消化していこうか。 とりあえず、一回見たら新しく手に入ったスキルやレベルアップしたっていう表示は消えるんだね」

 クウネルは自身のステーキを凝視する。

 (まずは、レベルとステータスか。 うん、子供とはいえ竜を倒したんだから一気にレベル6になってるのは分かるかな。 ステータスも上がったね~。 攻撃力に至っては、プラスも合わせて1660もあるよ! 他のステータスも伸びてるけど、攻撃力に比べたらねー。 上がる前のステータスと私が喰い殺した子飛竜のステータスを足した数字が、上がった数字に似てるのは偶然だよねー。 うん、偶然偶然)

 記憶を辿り、不確かな不安に襲われたがクウネルは敢えて気にしない事にした。 まだスキルを鑑定するまで分からないからである。

 「よしよし、次はスキルかな~。 まずは、解放されてた暴食と消化吸収強化を鑑定しよっか。 鑑定」

 『暴食 沢山食べれる 何でも食べれる 空腹が早まる』

 (うん、鑑定Lv2さん? 仕事する気有るの? 小学生の作文じゃないんだからさ。 まぁ、これで前世からの猛烈な空腹の理由が分かったね。 お前が犯人かぁー! でも、おかげでご飯がいつも美味しいですぅー! ありがとうございまぁーす!)

 怒りながら感謝するクウネルはステーキを自棄食いしながら次を見る。

 『消化吸収強化 喰らった対象の力を吸収する この世の全てを何でも消化できる 』

 (あ~、このスキルにはずっとお世話なってるかも。 前世でも、何食べてもお腹壊さなかったからね。 虫とかキノコとか。 うんうん、喰らった対象の力を吸収するのかー。 へーすごいねー……って、ステータスの数字の件これだ。 あれか、生きたまま噛みついて喰い殺したからか?)

 これまでも、魔物の肉は食べてきたが今回の様な事は起こらなかった事にクウネルは頭を捻る。

 「今世で魔物の肉は沢山食べてきたけど、ステータスやスキルが増えた事無いから多分当たってるよねー」

 その時、ふとある事がクウネルの脳裏をよぎった。

 (え、って事は……生きてる亜人や人間を喰らったらその人のステータスやスキルが手に入………ってダメダメダメ! 私何考えてるの! そんな事したら、確実に駆逐されちゃう! 縦横無尽に飛び回る兵団さんに、確実に駆逐されちゃうよ!)

 よぎった恐ろしい考えを振りほどき、更にステーキを口に頬張る。

 (ふー、危ない危ない。 でも、生きてる飛竜のお肉めちゃくちゃ美味しかったんだよね~。 ステーキも美味しいけど、生で食べたあの味が忘れられないよ。 もしかしたら、生きてる魔物って美味しいのかな? 機会があれば食べてみよっかな)

 生きてる魔物に齧り付く姿を両親達が見たら気絶するだろうが、クウネルはそんな事は考えない。

 (さてさて、新しく増えたスキルの竜鱗Lv1や火耐性Lv1は子飛竜から吸収したヤツだから前に鑑定したのと同じ内容なんだろねー。 飛行が無いのは翼が無いからかな?)

 見たことのあるスキルは鑑定せずに、次のスキルを見てみる。

 『竜殺し 竜を殺した者に与えられるスキル』

 (あはん? どういう事? 効果は無しなの? じゃあ、これはスキルじゃなくて称号じゃね? でもレベル表記があるから、まだ鑑定さんのレベルが足りないのかな? まぁいいや、後は……魔物食らいか)

 『魔物食らい 魔物に対して攻撃力up 魔物とステータスに差が有れば恐慌状態に魔物がなる可能性up 』

 (おー、ええやん! めっさええスキルやん! 鑑定Lv2さん、やれば出来るやーん! そう、こういう情報が欲しいのよ! えっと、後は…)

 『火炎Lv1 口から少量の火を吹ける Lvが上昇すれば手からも可能 焚き火をする際に便利』

 初めての魔法だが、使い方も載っていない説明分にクウネルは顔を顰める。

 (う、うん、説明ざっつ。 え? どうやってコントロールするの? 勝手に口から火が2回出て、FPが60も減ってるんですけど。 実戦でこんな事してたら死ぬよ?)

 クウネルは後で必ず練習しておこうと、心に刻む。 流石に戦闘中にうっかり火を吐いてFPを減らし結果死ぬ等と不名誉の死にも程があるだろう。

 (お! 叩き割りがLv2に上がってるー! この噛み付きLv1は、小型の飛竜から吸収した戦技だねー)

 『噛み付きLv1 噛む力up 効果小 』

 (うー、うん。 ……まぁいいか。 えっと~……子飛竜が他に持ってた戦技は爪何たらと、尻尾何たら撃は吸収出来てないからやっぱり身体的に不可能なスキルや戦技は取れないっぽいね。 さーてと、よしそろそろ覚悟を決めようか)

 クウネルは最後の最後まで先延ばしにしていた、一番下の加護を鑑定する。

 『暴食の邪神の寵愛 暴食の邪神に愛された者に贈られる加護 加護を受けた者にはスキルが付与される そして@*+/!?+* となる』

 「えぇ?! 何か最後バグってる! 何になるの? 私何になるの?!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし

水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ ★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位! ★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント) 「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」 『醜い豚』  『最低のゴミクズ』 『無能の恥晒し』  18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。  優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。  魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。    ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。  プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。  そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。  ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。 「主人公は俺なのに……」 「うん。キミが主人公だ」 「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」 「理不尽すぎません?」  原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。 ※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?

わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。 ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。 しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。 他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。 本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。 贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。 そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。 家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。

処理中です...