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第一章 新たな巨人生 幼少編

第5話 巨神の加護

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 クウネルは祖父トールのステータスに巨神の加護がある事に注目した。

 (やっぱり、種族事に神がちゃんといる系なのかな? まぁ、そのトップがあの胡散臭い創造神ならあんまり期待は出来そうもないけどさ。 もしかしたら、私の加護も????が外れたら人神の加護とかになるのかね?)

 しかし、既にクウネルは巨人に転生した身だ。  
 その可能性はかなり低いだろう。

 そもそも、地球にはちゃんと神が居たのか?
 居るけど、何も手を出さない主義だったのか?

 そんな考えがよぎるが、考えても仕方が無い事だ。 何故なら、クウネルはもう地球には帰れないのだから。

 (後は~パパもママも状態異常に掛かってるんだよね。 親バカって……。 やっぱりじーじも、爺バカに掛かってる。 えへへ、愛されてるなー、私。 嬉しいけど、精神年齢は17歳だから照れるわー)

 クウネルは自身の手足を動かそうとするが、まだ赤子の為に上手く動かせない。

 更に、深い眠気もやってきた事で思考するのを止めた。

 そして、本来のやっていた事に集中する。

 ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク!  

 そう、今は母の腕の中で乳飲みの真っ最中だったのだ。

 「ちょっ! ちょっとクウネル。落ち着いて飲みなさい。パパー!? 食べる物急いで持ってきてー! 栄養をもっと摂らないと、クウネルに上げる母乳が足りなくなっちゃう!」

 「えぇ!? さっきお昼食べたのに?! わかった! 親父、悪いけど何か狩って来てもらってもいいか?」

 「ぐわぁっはっはぁ! 任せておけぃ! ちょいと行ってくるわぃ!」

 ズーーンッ!
 ズシンッ! ズシンッ! ズシンッ!

 トールが、大笑いしながら家の屋根を閉じて行く。

 余りにも非常識な光景だが、勿論これは現実である。

 現在クウネルが住んでいる家は丸太小屋だが、まだ赤子の事も有りいまいち大きさが分かっていない。

 当然ながら、クウネル自身もそうだが両親も巨人の為に実際はトールの様に身長は大きい筈であり恐らくこの丸太小屋も巨大な家なのだろうと推測出来る。

 ただ、祖父であるトールが大き過ぎるのだ。

 ある日突如として屋根が持ち上がり、ひょっこり顔を出したのがさっき狩りに出掛けた祖父トールである事にクウネルは当初衝撃を受けた。

 はぁ?! と驚愕の顔をし、両親を驚かせたのは今では笑い話だ。

 (いやいや、丸太小屋でさえ凄く大きいサイズだろうに、その家をパカって開けるのよ。 どんだけデカイのさじーじ。 しかも、スキルに«極みに到達せし者»っていうのが有ったから本当にラスボスかな? 私にとっては、初孫にデレデレのお祖父ちゃんなんだけどね。 あー、やっとお腹が満たされたー。 本当にママの乳は最高!)

 エルザに背中を優しく叩かれ、ゲップを促されながら母の愛をクウネルは噛み締める。

 (私のせいで食べる量がとんでもない事になってるけど、許しておくれ。ママのスキルに«大食い»が有ったぐらいだから、大変な思いをさせているのだろう。 ありがとうママ、私大きく育つよ)

 クウネルは幸せな気持ちのまま、深い眠気に誘われる。

 (さて、今度こそ寝るか。 早く外の世界が見たいけど、寝る子は育つって言うしね。 お休み、ママ、パパ、じーじ。 ケプッ! あ、失礼)
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