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第99話 自然破壊の権化
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クウネルは全速力で駆けていた。 音を置き去りにし、景色は一瞬で過ぎ去る。
当然ながら草地は抉れ、森は吹き飛び、クウネルは自然破壊の権化と化した。
「モローー? 方角はあってるのー?」
動物達は逃げ惑い、悲鳴を上げながら泣き叫ぶ。
「キャウンッ! 何だってー!? 聞こえないー!」
魔物達すら向かって来る自然破壊の権化に怯え、住み馴れた住処を捨てて逃げ去った。
「ほーうーがーくー!!」
地響きが起き、突風が吹き荒れる様は正に生きる天変地異である。
「ガウッ! 方角かいー? 方角もなにもー! 速すぎて何も見えないよー!」
モロも、クウネルが手の中で守っていなければ既に吹き飛ばされ死んでいただろう。
「えー? なーにー?! 仕方がない、時間が惜しいが止まるか~」
ようやく破壊の権化にして天変地異を起こしたクウネルは止まった。 止まる為に足を踏ん張っただけで地面は抉れ、大きなクレーターが出来上がる。
ゴブリンの王国を救う前に、近辺一帯の動植物の生態を滅ぼしたクウネルだが今はそんな事に気は回らなかった。
「ごめん、何て言ってたの?」
「ヒィ……ヒィン……お、お、お」
手のひらの中に包まれていたモロは身体をピクピクと痙攣させ、何かを言おうと口を開く。
「お?」 「オエエエエエエエッ!!」 「ぎゃぁぁぁあっ!? ちょっとモローー?!」
モロを手のひらから地面に下ろし、水魔法で手を洗う。
「えーんがちょー! えーんがちょー! どしたの、何? 酔ったの? あはは……ごめん」
クウネルは暫し、モロの背中を指先で撫でてやるのであった。
◆◇◆
「ヒィ……ヒィ……あ、ありがとうクウネル。 もう……大丈夫さ。 落ち着いたよ」
「ん、良かった。 で、方角はあってるの?」
モロが辺りをキョロキョロと見渡すと、何故か首を傾げたまま固まった。
「え? どしたのモロ。 方角違った?」
「クゥン? いや、えっと……彼処にあの森が有って、あの山が……あれ? 行き過ぎてないかい?」
「……Hey鑑定、ゴブリン王国の場所分かる?」
クウネルはモロに聞こえないよう小声で鑑定に確認する。
«――呆。 検索中でス――解。 180度回転後、真ッ直ぐデす»
「何てこった! 通り過ぎてんじゃん! モロ! 早く手に乗って! 行き過ぎてるじゃんかー! しっかりしてよね!」
「ガウッ……私のせいかな? いや、今は友の危機を救わねば。 でも、どうしてクウネルが行き過ぎてるって分かったんだい?」
「もう! そんな事はいいから、早くっ!」
モロを手のひらで包み込み、また全速力で走り出す。
「今度は行き過ぎないように気を付けなきゃ!」
「キャウンッ!? クウネル待って待ってぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇえ!」
モロの悲鳴が木霊し、荒れ果てた道をクウネルは戻るのであった。
◆◇◆
「お? 気配察知に滅茶苦茶反応がある! 彼処か!」
«――注。 周辺の魔物ヤ、動物が大移動ヲ開始。 クウネルが影響しテいル可能性大»
「今はそんな事はいい! 後で考えよう!」
クウネルの視点だと、大きなジオラマみたいなサイズの街を様々な魔物が取り囲んでいるのが見えた。
街は石の城壁に囲まれている。 門はまだ破られてはいないが、魔物達が門に殺到しているのが確認出来た。 突破されるのも時間の問題だろう。
更に近付くと、様々な魔物達の正体がはっきりと確認出来た。
「あれ? あの魔物って……うげぇ! カマキリじゃん! それに、蟻? 見たことのある大猪も居るね。 あ! 色とりどりのスライム君達も滅茶苦茶沢山いる! ひゃっはー!」
ゴブリン王国を攻めているのは1万近い魔物の大群だ。 何故か種類の違う魔物が争う事なく城壁や門に殺到していた。
当然ながら草地は抉れ、森は吹き飛び、クウネルは自然破壊の権化と化した。
「モローー? 方角はあってるのー?」
動物達は逃げ惑い、悲鳴を上げながら泣き叫ぶ。
「キャウンッ! 何だってー!? 聞こえないー!」
魔物達すら向かって来る自然破壊の権化に怯え、住み馴れた住処を捨てて逃げ去った。
「ほーうーがーくー!!」
地響きが起き、突風が吹き荒れる様は正に生きる天変地異である。
「ガウッ! 方角かいー? 方角もなにもー! 速すぎて何も見えないよー!」
モロも、クウネルが手の中で守っていなければ既に吹き飛ばされ死んでいただろう。
「えー? なーにー?! 仕方がない、時間が惜しいが止まるか~」
ようやく破壊の権化にして天変地異を起こしたクウネルは止まった。 止まる為に足を踏ん張っただけで地面は抉れ、大きなクレーターが出来上がる。
ゴブリンの王国を救う前に、近辺一帯の動植物の生態を滅ぼしたクウネルだが今はそんな事に気は回らなかった。
「ごめん、何て言ってたの?」
「ヒィ……ヒィン……お、お、お」
手のひらの中に包まれていたモロは身体をピクピクと痙攣させ、何かを言おうと口を開く。
「お?」 「オエエエエエエエッ!!」 「ぎゃぁぁぁあっ!? ちょっとモローー?!」
モロを手のひらから地面に下ろし、水魔法で手を洗う。
「えーんがちょー! えーんがちょー! どしたの、何? 酔ったの? あはは……ごめん」
クウネルは暫し、モロの背中を指先で撫でてやるのであった。
◆◇◆
「ヒィ……ヒィ……あ、ありがとうクウネル。 もう……大丈夫さ。 落ち着いたよ」
「ん、良かった。 で、方角はあってるの?」
モロが辺りをキョロキョロと見渡すと、何故か首を傾げたまま固まった。
「え? どしたのモロ。 方角違った?」
「クゥン? いや、えっと……彼処にあの森が有って、あの山が……あれ? 行き過ぎてないかい?」
「……Hey鑑定、ゴブリン王国の場所分かる?」
クウネルはモロに聞こえないよう小声で鑑定に確認する。
«――呆。 検索中でス――解。 180度回転後、真ッ直ぐデす»
「何てこった! 通り過ぎてんじゃん! モロ! 早く手に乗って! 行き過ぎてるじゃんかー! しっかりしてよね!」
「ガウッ……私のせいかな? いや、今は友の危機を救わねば。 でも、どうしてクウネルが行き過ぎてるって分かったんだい?」
「もう! そんな事はいいから、早くっ!」
モロを手のひらで包み込み、また全速力で走り出す。
「今度は行き過ぎないように気を付けなきゃ!」
「キャウンッ!? クウネル待って待ってぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇえ!」
モロの悲鳴が木霊し、荒れ果てた道をクウネルは戻るのであった。
◆◇◆
「お? 気配察知に滅茶苦茶反応がある! 彼処か!」
«――注。 周辺の魔物ヤ、動物が大移動ヲ開始。 クウネルが影響しテいル可能性大»
「今はそんな事はいい! 後で考えよう!」
クウネルの視点だと、大きなジオラマみたいなサイズの街を様々な魔物が取り囲んでいるのが見えた。
街は石の城壁に囲まれている。 門はまだ破られてはいないが、魔物達が門に殺到しているのが確認出来た。 突破されるのも時間の問題だろう。
更に近付くと、様々な魔物達の正体がはっきりと確認出来た。
「あれ? あの魔物って……うげぇ! カマキリじゃん! それに、蟻? 見たことのある大猪も居るね。 あ! 色とりどりのスライム君達も滅茶苦茶沢山いる! ひゃっはー!」
ゴブリン王国を攻めているのは1万近い魔物の大群だ。 何故か種類の違う魔物が争う事なく城壁や門に殺到していた。
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