真巨人転生~腹ペコ娘は美味しい物が食べたい~

秋刀魚妹子

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第73話 圧倒的戦闘力

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 呆然としていた鮫頭の鰐は、ようやくクウネルの接近に気付き4本の足をドタドタとさせながら逃げ始める。 水中なら早かったのか、陸地となった池の窪みを走る鰐の足はとても遅い。

 鮫頭の鰐は凄まじく巨体であり、大きくなったクウネルの半分程もある。 しかし、今のクウネルからしたら食べ応えのあるトカゲだ。

 鮫頭の鰐は自身より巨大な捕食者が現れた事で、必死に逃げ出すがクウネルにとっては亀のように鈍間だった。 直ぐに追い付き、目の前に立ち塞がるクウネルに鰐は鮫の口を開き威嚇をするが怯えてまた別の方向へと走り出した。

 「ガァッ!?  ……ガワワワッ!」

 「って、まだ逃げるんかい! そもそも、鮫みたいな頭の鰐って何だよ! せめて、どっちかにしなさいよ! 口が滅茶苦茶開く鮫とか、足がヒレの鰐とかでええやないの!」

 クウネルはブツブツと文句をつけながら後ろを追い掛ける。

 「はぁぁ……いいや、さっさと食べて寝床に帰ろう。 どうせ雑魚だろうけど、一応見とくか。 鑑定~!」

 ステータス画面

 種族 シャーク アリゲーター

 年齢 40

 レベル 68

 HP 4000/4000

 FP 900/900

 攻撃力 8000

 防御力 6000

 知力 1500

 速力 2000

 スキル 魔物食らい. 魔物殺し. 捕食者. 隠密Lv2. 待ち伏せる者

 魔法 水魔法Lv3

 戦技 噛み付きLv4

 状態異常 混乱 

 「うん、強くなる前の私だと速攻水に引き摺り込まれて死ぬレベルだね。 だが! 今の私は! それなりに強いのさ! 池の水も消失してるしね! 刮目しろ、私のステータスを! ステータス! オォォォプゥーンッ!」

 ステータス画面

 名前 クウネル

 年齢 2

 職業 暴食の姫君

 種族 暴食の巨人

 レベル 435

 HP 301650/301650

 FP 1/150290

 攻撃力 201120

 防御力 160420

 知力 100187

 速力 500464

 スキル 鑑定Lv3. 暴食. 消化吸収強化. 竜鱗Lv2. 火耐性Lv3. 竜殺しLvMax. 魔物食らい. 気配察知Lv2. 連携Lv1. 酸耐性LvMax. 即死耐性LvMax. 王喰い. 隠密Lv1. Hey鑑定. 錬金術Lv1. 森狼王を率いし者

 魔法 火炎Lv2. 土魔法Lv1

 戦技 叩き割りLv2. 槍突きLv1. 噛み付きLv4. 暴食の大口

 状態異常 空腹

 加護 暴食の邪神の慈母愛

 「ふははははっ! 鮫頭の鰐等、既に敵では無いのだよってえぇ?! FP1になってんじゃん! さっき暴食の大口使ったから!?」

 クウネルが自身のステータス画面を見て驚愕している間にもシャークアリゲーターは必死に逃げていた。

 「やばい、何かアクシデントが起こる前にさっさと食い殺して回復しとかなきゃ!」

 シャークアリゲーターは、巨大な窪みと化した自分の縄張りから脱出しようと懸命に登ろうとしているが窪みが深すぎて難儀しているようだ。

 「チャーンス! どうやら、向こうは私に勝てないと判断し逃げの一手みたいだね」

 「ゴガァッ! ガァ?! ガァァァァッ!]

 シャークアリゲーターは、クウネルの接近に気付き逃げられないと覚悟を決めたのか噛み付こうと口を空けて待ち構える。

 「残念だけど……君には私は倒せないのだよ!」

 ひらりと鰐の噛み付きを躱し、真横に着地したと同時に胴体を鷲掴みそのまま首もとへ食らい付いた。

 「噛み付き! くらぇぇぇぇい!」

 全力で首もとに噛み付き、腕力にものを言わせ、そのまま思いっきり首を回転させた。

 ガッッブゥゥ!! グルグル ゴキンッ!
 「ガァッ! ガ………ガギッ!?」

 クウネルの速度が速すぎたからか、頭がクルクルと3回転した後シャークアリゲーターはそのまま生き絶えた。

 広かった池の主は、本来の実力を発揮する事無くクウネルによって倒されたのであった。

 そして、クウネルの勝利の高笑いが響き渡る。

 「ふっふっふっ、戦闘にすらならない圧倒的戦闘力! ふははははっ! ふーははははっ!!」

 クウネルがシャークアリゲーターの骸の側で高笑いしていると、キャンプファイヤーの方から悲鳴が聞こえた。

 「アオーンッ!? 何だこれは! 大切な水場が……クウネル! 友よ、其処で何をしてるんだー!」

 「やっばぁぁっ! どうやら、モロが心配して見にきてくれたみたいだね。 えへへへ、全く私の友達は心配性なんだから~」

 「アオーンッ!! クウネル!!」

 「おっと、照れてる場合じゃないね。 ごめーん! ちょっと待ってて~!」

 クウネルは仕留めた獲物を担ぎ、急いでモロの元へと向かった。
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