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第67話 友の為なら
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クウネルは治癒の葉を握り締め、ウルフキングとクイーンの待つ場所に急いで戻る。
ウルフキングの気配が更に弱まったのだ。 もう一刻の猶予も無いだろう。
森林破壊も厭わずに、クウネルは全力疾走で巨木を身体で砕きながら猛スピードで駆け出した。
「やばっ! 早すぎて、全然コントロールできん!! 体当たりした巨木が吹き飛んだよ?! でも全然痛くなーい!」
全力で走ると視界が高速で過ぎて行き、ウルフキングの近くを走り去る。
「って、本当に行き過ぎてんじゃん!」
足を地面にめり込ませ、無理矢理停止して過ぎた道を戻った。
「お待たせ!」
「ウー……グルルルル」
「あ、ダメだ。 相変わらずクイーンさんには警戒されてる。 旦那さんを助けた恩巨人なのにな~。 さて、後はマンドラゴラだけだぞー……あれ? 何処に生えてたっけ? あー、薄い気配の反応が飛竜王の下に有るわ。 下敷きになってたのね」
自身とほぼ同じ大きさの飛竜王の死体を掴み力を込める。
「しかし、本当に馬鹿デカイね。 何食ったらこんなに大きくなるんかねー。 まぁ、今の私もデカいんですけどねー!」
改めて、飛竜王の死体を見るとその大きさに感嘆とする。 前世の物で例えると、体育館を2個重ねた様な大きさだ。
そんな大きさの生き物が飛べるあたり、流石異世界といった所だろう。
「まぁ、そんな事はどうでもいいや。 ふんっ! よっっこらしょー!!」
クウネルは飛竜王の死体を持ち上げ、空いた場所に放り投げた。
「ふー、こんな大きさの死体を持ち上げて移動させれるとか……私ヤバくね? 前世の地球だったら、確実にモンスター扱いだな。 よし、マンドラゴラ見っけー!」
クウネルは見つけた小さな葉っぱを指先で摘んで引き抜こうとする。 しかし、マンドラゴラの危険性を思い出して間一髪の所で止まった。
「……って、待って! 抜いたら、ウルフクイーンさんもウルフキングも死ぬよ!? 馬鹿か私は! でも、即死の絶叫を上げさせない抜き方なんか知らないし……あ、Hey鑑定! マンドラゴラの安全な抜き方って有る?」
«――了。 検索中デス――――解、地面に埋まッタまま握リ潰シテ下サイ»
「えぇ、雑い……鑑定さんLv3に上がって滅茶苦茶便利になったけど、そういう雑な所は変わらないのね。 オーケー、それでいいなら……ふんっ!」
指先を地面へと突き刺し、そのまま擦り潰す。
「ぎゃあぁぁぁぁ! 感触が! 指先に嫌な感触がぁぁ! 食べる分には良いのよ? でも指先で潰すと、何か生理的にも乙女的にもNGなのよー! 」
«――焦。 早急ニ、治癒ノ葉と混ぜテ下サイ。 薬トしての効果ガ薄くなりマス»
「それを早く言ってぇぇ!? 早く早く!」
地中からマンドラゴラを潰した指先を引き抜き、急いで治癒の葉と混ぜる。
指がネバネバになるのを感じながらHey鑑定に確認する。
「こんな感じで良い? ってか、滅茶苦茶ネバネバするんですけど?!」
«――良。 問題有リまセン、対象ニ飲まセテ下サイ»
「信じるからね! よーし、飲ませるぞー!」
ずっとクウネルを警戒しながら様子を見ていたウルフクイーンさんは、涙目で首を振ってる。
「わかるよ、そうだよね。 手のひらでグチャグチャした何かを持って近付かれたらそうなるよね。 でも、ごめんね。 貴方の旦那さんを助ける為なの!」
「グルルルル……ガァッ!」
ウルフクイーン腕を噛まれたが、今のクウネルには歯が立たない。 ステータスに差が有り過ぎるのだろう、甘噛みされているのと同じである。
「よしよし、これから旦那さん助けるからね! でも、どうやって飲ませたものか」
ウルフキングは瀕死の為、気絶してピクリとも動かない。
「んー……よし、突っ込もう! 優しく、優しく~!」
口で優しくと言いながら、指先をウルフキングの口へと捩じ込む。 ウルフクイーンは噛み付きながら涙目だ。
ズボッ! ビクンッ!? ビクビクビクンッ!!
「大丈夫!? 何かすっごくビクビクし始めたんですけど?!」
口から突っ込んだ薬が効いてるのか、欠損していた足が4本とも傷口から生え始めた。 身体中にあった傷も瞬く間に治る。
そして暫く待つと、ウルフキングの瞳が開いた。
「グッ!? ゲホッ! ガホッ!! 私は……いったい? 飛竜の胃の中で死んだ筈では……って、苦っ!? にっっっが! 口の中、にっっっが!!」
「反応、おっっそ! あはははは! 何とか間に合ったよー! ちゃんと約束守ったよ」
「クゥン? おぉ! 友よ、本当にあの飛竜を喰い殺し私を救うとは……ん? 足が! 足が生えてる!」
「うんうん、良かった良かった。 っていうか、そろそろ離してもいいよ? ウルフクイーンさん」
クウネルの腕に噛み付いたままの、ウルフクイーンをウルフキングの目の前に降ろす。
「はい、奥さんに会えて……良かったね」
「クゥン!? クゥンクゥン!」
「クゥンクゥン! おお、我が妻よ! また再会できるとは……これも友のおかげだ。 感謝する」
ウルフクイーンが尻尾を振りながら、ウルフキングにすり寄る。 死に別れたと思っていた2匹の感動の再開である。
「えへへ~、良かった良かった。 ん、いいよ。 友達の為なら頑張れるさ」
「グル……そうか、私は良友を得たのだな。 しかし、友よ……何かでかくないかい?」
「あはははっ! だから……反応おっっそ!」
「クフクフ! すまない、色々と驚く事が多くてね。 あ、ちょっと妻と話させてくれ」
「ん、もちろん。 私は飛竜の肉食べて来るから」
クウネルは仲睦まじい2匹を置いて飛竜王の死体へと向かう。
「さて、夫婦の再会邪魔するのもアレだし食事といきますかー」
空を見ると巨木の隙間から漏れ出る光は薄暗くなってきている。 今度こそ、夕方なのだろう。
「はー、疲れた。 サバイバル1日目からハード過ぎじゃね?」
ウルフキングの気配が更に弱まったのだ。 もう一刻の猶予も無いだろう。
森林破壊も厭わずに、クウネルは全力疾走で巨木を身体で砕きながら猛スピードで駆け出した。
「やばっ! 早すぎて、全然コントロールできん!! 体当たりした巨木が吹き飛んだよ?! でも全然痛くなーい!」
全力で走ると視界が高速で過ぎて行き、ウルフキングの近くを走り去る。
「って、本当に行き過ぎてんじゃん!」
足を地面にめり込ませ、無理矢理停止して過ぎた道を戻った。
「お待たせ!」
「ウー……グルルルル」
「あ、ダメだ。 相変わらずクイーンさんには警戒されてる。 旦那さんを助けた恩巨人なのにな~。 さて、後はマンドラゴラだけだぞー……あれ? 何処に生えてたっけ? あー、薄い気配の反応が飛竜王の下に有るわ。 下敷きになってたのね」
自身とほぼ同じ大きさの飛竜王の死体を掴み力を込める。
「しかし、本当に馬鹿デカイね。 何食ったらこんなに大きくなるんかねー。 まぁ、今の私もデカいんですけどねー!」
改めて、飛竜王の死体を見るとその大きさに感嘆とする。 前世の物で例えると、体育館を2個重ねた様な大きさだ。
そんな大きさの生き物が飛べるあたり、流石異世界といった所だろう。
「まぁ、そんな事はどうでもいいや。 ふんっ! よっっこらしょー!!」
クウネルは飛竜王の死体を持ち上げ、空いた場所に放り投げた。
「ふー、こんな大きさの死体を持ち上げて移動させれるとか……私ヤバくね? 前世の地球だったら、確実にモンスター扱いだな。 よし、マンドラゴラ見っけー!」
クウネルは見つけた小さな葉っぱを指先で摘んで引き抜こうとする。 しかし、マンドラゴラの危険性を思い出して間一髪の所で止まった。
「……って、待って! 抜いたら、ウルフクイーンさんもウルフキングも死ぬよ!? 馬鹿か私は! でも、即死の絶叫を上げさせない抜き方なんか知らないし……あ、Hey鑑定! マンドラゴラの安全な抜き方って有る?」
«――了。 検索中デス――――解、地面に埋まッタまま握リ潰シテ下サイ»
「えぇ、雑い……鑑定さんLv3に上がって滅茶苦茶便利になったけど、そういう雑な所は変わらないのね。 オーケー、それでいいなら……ふんっ!」
指先を地面へと突き刺し、そのまま擦り潰す。
「ぎゃあぁぁぁぁ! 感触が! 指先に嫌な感触がぁぁ! 食べる分には良いのよ? でも指先で潰すと、何か生理的にも乙女的にもNGなのよー! 」
«――焦。 早急ニ、治癒ノ葉と混ぜテ下サイ。 薬トしての効果ガ薄くなりマス»
「それを早く言ってぇぇ!? 早く早く!」
地中からマンドラゴラを潰した指先を引き抜き、急いで治癒の葉と混ぜる。
指がネバネバになるのを感じながらHey鑑定に確認する。
「こんな感じで良い? ってか、滅茶苦茶ネバネバするんですけど?!」
«――良。 問題有リまセン、対象ニ飲まセテ下サイ»
「信じるからね! よーし、飲ませるぞー!」
ずっとクウネルを警戒しながら様子を見ていたウルフクイーンさんは、涙目で首を振ってる。
「わかるよ、そうだよね。 手のひらでグチャグチャした何かを持って近付かれたらそうなるよね。 でも、ごめんね。 貴方の旦那さんを助ける為なの!」
「グルルルル……ガァッ!」
ウルフクイーン腕を噛まれたが、今のクウネルには歯が立たない。 ステータスに差が有り過ぎるのだろう、甘噛みされているのと同じである。
「よしよし、これから旦那さん助けるからね! でも、どうやって飲ませたものか」
ウルフキングは瀕死の為、気絶してピクリとも動かない。
「んー……よし、突っ込もう! 優しく、優しく~!」
口で優しくと言いながら、指先をウルフキングの口へと捩じ込む。 ウルフクイーンは噛み付きながら涙目だ。
ズボッ! ビクンッ!? ビクビクビクンッ!!
「大丈夫!? 何かすっごくビクビクし始めたんですけど?!」
口から突っ込んだ薬が効いてるのか、欠損していた足が4本とも傷口から生え始めた。 身体中にあった傷も瞬く間に治る。
そして暫く待つと、ウルフキングの瞳が開いた。
「グッ!? ゲホッ! ガホッ!! 私は……いったい? 飛竜の胃の中で死んだ筈では……って、苦っ!? にっっっが! 口の中、にっっっが!!」
「反応、おっっそ! あはははは! 何とか間に合ったよー! ちゃんと約束守ったよ」
「クゥン? おぉ! 友よ、本当にあの飛竜を喰い殺し私を救うとは……ん? 足が! 足が生えてる!」
「うんうん、良かった良かった。 っていうか、そろそろ離してもいいよ? ウルフクイーンさん」
クウネルの腕に噛み付いたままの、ウルフクイーンをウルフキングの目の前に降ろす。
「はい、奥さんに会えて……良かったね」
「クゥン!? クゥンクゥン!」
「クゥンクゥン! おお、我が妻よ! また再会できるとは……これも友のおかげだ。 感謝する」
ウルフクイーンが尻尾を振りながら、ウルフキングにすり寄る。 死に別れたと思っていた2匹の感動の再開である。
「えへへ~、良かった良かった。 ん、いいよ。 友達の為なら頑張れるさ」
「グル……そうか、私は良友を得たのだな。 しかし、友よ……何かでかくないかい?」
「あはははっ! だから……反応おっっそ!」
「クフクフ! すまない、色々と驚く事が多くてね。 あ、ちょっと妻と話させてくれ」
「ん、もちろん。 私は飛竜の肉食べて来るから」
クウネルは仲睦まじい2匹を置いて飛竜王の死体へと向かう。
「さて、夫婦の再会邪魔するのもアレだし食事といきますかー」
空を見ると巨木の隙間から漏れ出る光は薄暗くなってきている。 今度こそ、夕方なのだろう。
「はー、疲れた。 サバイバル1日目からハード過ぎじゃね?」
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