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第3話 新しき巨人生スタート!
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(……あれ? 母のお腹の中じゃなくね?)
次に喰が意識を取り戻した時には、既に外の世界に居た。
(何故分かるかって?絶賛逆さにされて尻を叩かれてるからだよ!!!)
バシーンッ!!
(痛いって!)
バッッッシーーーン!
(痛いって言ってんだろ!!!!)
「ほぎゃあぁぁ! ほぎゃあぁぁ!」
「あぁ! 泣いた!!! エルザ、泣いてくれたぞ! 良かった本当に良かった」
まだ喰の目は開かないが、耳は良く聞こえる。 号泣してる男は喰の父の様だ。 それに、何故か言語も理解出来る事に喰は戸惑う。
(もしかして、この世界の言語は日本語なのかな? あ~、あの胡散臭い爺ならやりかねん)
喰が逆さから解放され、誰かに抱っこされた。
「良かったぁ……ロス落ち着いて、泣いたならもう大丈夫よ。お義父さんも、本当にありがとう。お義父さんが居てくれなかったら、大切な我が子を直ぐに失う所でした」
(優しい声、この人が私の母だね。間違い無い。初めての母だ)
喰は前世では居なかつた母の存在に感動する。
「ぐあっはぁっはぁ!! かまわん、かまわん! 可愛い初孫の為じゃ! 助産師の婆さんを連れてくるぐらいお安い御用じゃわい!」
感動していると、高い上の方からしゃがれた声が聞こえる。
(あ、これは間違い無い。祖父だ。前世の祖父も、こんな感じの人だった。懐かしいなぁ)
すると、抱っこしてくれている人物が喋りだし喰は少し驚く。
「ったく……年寄りを王都から引ったくるように連れて来るから、何事かと思えば。トールこういう大事な事はもっと早く教えな。ほら、エルザちゃん、抱いておあげ」
抱っこしてくれていた人物が母に喰を引き渡すした。
(私の尻を叩いてたのは、助産師だったのか。なら、許そうではないか! まだ尻がジンジンしてるけどね!!)
「ありがとうございます。わぁ、可愛いぃ!初めまして、私が貴女のママよ。よろしくね」
優しい声がまだ目の明かない喰の耳に届く。
(此方こそ、よろしく頼むよ母。私は前世では両親を知らなかったんだよね。こんなに優しくて、嬉しいんだね。何かむず痒いや。あ! でも、母よ! 緊急事態だ!!)
喰は突如襲われた衝動を制御出来ずに泣き出してしまった。
「ほぎゃあぁぁ! ほぎゃあぁぁ!」
「あらあら、どうしたのかしら」
エルザが慌ててあやすが、一向に喰は泣き止まない。
「ほらほら、パパだよー! ベロベロバー!」
父であるロスも急いであやすも、効果は無い。
新米の父母を、助産師とトールは笑っている。
(って、笑ってるんじゃなーい! こっちは、お腹が空いて死にそうなんじゃー! HELP!! Help me!!)
必死に喰が泣き叫んでいると、ようやく助産師のお婆さんが救いの手を差し伸べる。
「ひゃひゃひゃ、エルザちゃんや。その娘はお腹が減ってるって泣いてるのさね。早く乳をやんな」
エルザが乳を上げると喰は直ぐに泣き止んだ。
「泣き止んだ……。良かったぁ」
「うん、どっか痛いのかと思ったよ」
(頼むぜ、父母よ。 しかし、乳美味しい! めちゃくちゃ美味しい!)
ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク!!!
喰は無我夢中で母の母乳を飲み続ける。
生まれたばかりとは思えない食欲だ。
「ひゃひゃひゃ、これからが大変だけど2人で頑張んなさいよ?
さて、トール。いつまでも、義理の娘の乳やり見てんじゃないよ、私を王都まで帰しとくれ」
「ぬぅ!? 儂は孫を見とっただけじゃわ! わかったわぃ。じゃあ、ロス、エルザ。儂はこの婆さんを王都まで帰してくる。しっかり娘の面倒見るんじゃぞ、直ぐに戻るからの!」
トールは、連れてきた時と同じように助産師を掴み、王都まで走って行った。
ドシン、ドシン、ドシッ! ドシッ!!
(わわわ?! なに何々?! 今のもしかして、祖父が走って行った音なの!?)
喰は自身が巨人に転生した事を思い出す。
(そりゃそっか。 両親や、祖父も当然巨人だよね。 まだ目が開かないのが辛いなー! 早く、外の世界が見たい! 父母や祖父の顔を見たい!!)
そんなワクワクに包まれながら、喰は眠りについた。
(ケプッ! あ、失礼)
次に喰が意識を取り戻した時には、既に外の世界に居た。
(何故分かるかって?絶賛逆さにされて尻を叩かれてるからだよ!!!)
バシーンッ!!
(痛いって!)
バッッッシーーーン!
(痛いって言ってんだろ!!!!)
「ほぎゃあぁぁ! ほぎゃあぁぁ!」
「あぁ! 泣いた!!! エルザ、泣いてくれたぞ! 良かった本当に良かった」
まだ喰の目は開かないが、耳は良く聞こえる。 号泣してる男は喰の父の様だ。 それに、何故か言語も理解出来る事に喰は戸惑う。
(もしかして、この世界の言語は日本語なのかな? あ~、あの胡散臭い爺ならやりかねん)
喰が逆さから解放され、誰かに抱っこされた。
「良かったぁ……ロス落ち着いて、泣いたならもう大丈夫よ。お義父さんも、本当にありがとう。お義父さんが居てくれなかったら、大切な我が子を直ぐに失う所でした」
(優しい声、この人が私の母だね。間違い無い。初めての母だ)
喰は前世では居なかつた母の存在に感動する。
「ぐあっはぁっはぁ!! かまわん、かまわん! 可愛い初孫の為じゃ! 助産師の婆さんを連れてくるぐらいお安い御用じゃわい!」
感動していると、高い上の方からしゃがれた声が聞こえる。
(あ、これは間違い無い。祖父だ。前世の祖父も、こんな感じの人だった。懐かしいなぁ)
すると、抱っこしてくれている人物が喋りだし喰は少し驚く。
「ったく……年寄りを王都から引ったくるように連れて来るから、何事かと思えば。トールこういう大事な事はもっと早く教えな。ほら、エルザちゃん、抱いておあげ」
抱っこしてくれていた人物が母に喰を引き渡すした。
(私の尻を叩いてたのは、助産師だったのか。なら、許そうではないか! まだ尻がジンジンしてるけどね!!)
「ありがとうございます。わぁ、可愛いぃ!初めまして、私が貴女のママよ。よろしくね」
優しい声がまだ目の明かない喰の耳に届く。
(此方こそ、よろしく頼むよ母。私は前世では両親を知らなかったんだよね。こんなに優しくて、嬉しいんだね。何かむず痒いや。あ! でも、母よ! 緊急事態だ!!)
喰は突如襲われた衝動を制御出来ずに泣き出してしまった。
「ほぎゃあぁぁ! ほぎゃあぁぁ!」
「あらあら、どうしたのかしら」
エルザが慌ててあやすが、一向に喰は泣き止まない。
「ほらほら、パパだよー! ベロベロバー!」
父であるロスも急いであやすも、効果は無い。
新米の父母を、助産師とトールは笑っている。
(って、笑ってるんじゃなーい! こっちは、お腹が空いて死にそうなんじゃー! HELP!! Help me!!)
必死に喰が泣き叫んでいると、ようやく助産師のお婆さんが救いの手を差し伸べる。
「ひゃひゃひゃ、エルザちゃんや。その娘はお腹が減ってるって泣いてるのさね。早く乳をやんな」
エルザが乳を上げると喰は直ぐに泣き止んだ。
「泣き止んだ……。良かったぁ」
「うん、どっか痛いのかと思ったよ」
(頼むぜ、父母よ。 しかし、乳美味しい! めちゃくちゃ美味しい!)
ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク!!!
喰は無我夢中で母の母乳を飲み続ける。
生まれたばかりとは思えない食欲だ。
「ひゃひゃひゃ、これからが大変だけど2人で頑張んなさいよ?
さて、トール。いつまでも、義理の娘の乳やり見てんじゃないよ、私を王都まで帰しとくれ」
「ぬぅ!? 儂は孫を見とっただけじゃわ! わかったわぃ。じゃあ、ロス、エルザ。儂はこの婆さんを王都まで帰してくる。しっかり娘の面倒見るんじゃぞ、直ぐに戻るからの!」
トールは、連れてきた時と同じように助産師を掴み、王都まで走って行った。
ドシン、ドシン、ドシッ! ドシッ!!
(わわわ?! なに何々?! 今のもしかして、祖父が走って行った音なの!?)
喰は自身が巨人に転生した事を思い出す。
(そりゃそっか。 両親や、祖父も当然巨人だよね。 まだ目が開かないのが辛いなー! 早く、外の世界が見たい! 父母や祖父の顔を見たい!!)
そんなワクワクに包まれながら、喰は眠りについた。
(ケプッ! あ、失礼)
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