【R-18】自称極悪非道な魔王様による冒険物語 ~俺様は好きにヤるだけだ~

秋刀魚妹子

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第230話 騒々しい女神は子猫?

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 「くっくっくっ……可愛い寝顔だな。 おやすみ、ハヤ」

 朝方まで妻達と愛し合っていたセムネイル達はいつも通り融合し、1人のセムネイルへに戻る。

 そして、先程まで淫れていたハヤの頬に口付けをしベットから出た。

 ハヤは生まれたままの姿で眠っているが、首には昨夜プレゼントされたダイヤモンドのネックレスが付けられたままだ。 

 (まさか、こんなに気に入ってくれるとはな。 他の妻達も欲しそうに見てたし……早くあの商人には仕入れてもらいたいものだ)

 身支度を済ませ、廊下に出ると同じタイミングでケイティが部屋から出てきた。

 「おはようございますっす、先輩」

 ケイティは何時ものビキニアーマーを装備し、セムネイルの腕に胸を押し当てるようにして抱きつく。

 「おう、おはよう。 って言っても、ついさっきまで一緒に寝てただろ?」

 「あは♪ 本当に全部の記憶がリンクしてるんっすね」

 「そりゃ、魂を分裂させてるからな。 それと……ケイティ。 昨晩は本当に一緒に寝るだけで良かったのか?」

 セムネイルの発言通り、昨晩はケイティからの要望で抱き合いながら眠っただけだったのだ。

 当然、他の妻達とは朝方まで愛し合っておりセムネイルは少し不安気にケイティの顔を覗き込む。

 「あれ~? 先輩、もしかして自分が抱いて欲しいって言わなかったから下手くそなのかって不安なんっすか~?」

 何やらニヨニヨと笑うケイティに揶揄われながらセムネイルは一階へと下りる。

 「そりゃ……な。 ケイティは……俺とするのが嫌なのか?」

 「勿論違うっすよ。 自分が先輩に抱かれるのを嫌がる筈が無いじゃないっすか~! 嫌なら胸押し当てて好き好きアピール何かしないっす。 ただ、最近ずっと先輩がちゃんとした睡眠とってないって言ってたっすから……自分ぐらいは疲れることせずに寝させて上げたかっただけっすよ♡」

 ケイティからの優しさだと理解したセムネイルは安堵したように笑った。

 「くっくっくっ、そうか。 ありがとう、ケイティ」

 セムネイルはケイティを抱きしめ、熱い口付けを交わす。

 「んぁ♡ んちゅ♡ ひゃんっ♡ 先輩、続きは夜っすよ♡ それと、今日の夜は……寝かさないで欲しいっす♡」

 「約束だ。 俺はドワーフの女神ドヴェルの様子に見に行ってくる。 ケイティはどうする? 皆はまだ寝始めたばかりだが」

 「大丈夫っすよ。 地下のライちゃんとスイちゃんの様子を見に生きたいっすから」

 セムネイルは聞き慣れない名前に首を傾げ、雷竜王と水竜王の事だと思い至った。

 「そうか、名前があったのか」

 「あは♪ 昨日、お風呂で2匹の事を話してたらリンちゃんとノラちゃんが名付けてくれたんっす! 2匹も気に入ってくれたら嬉しいんっすけどね~」

 セムネイルは安直でありながら、可愛らしいネーミングな理由を聞いて微笑んだ。

 「くっくっくっ、リンとノラらしいな。 もし、2匹が4次元世界の住民を襲わないと誓えるなら外に出してやる事も出来る。 広くしたとはいえ、地下は窮屈だろうからな。 まぁ、聞いてみてくれ」

 「先輩……ありがとうっす。 完全に会話ができるわけじゃないっすけど、心は通じ合ってるっすから話してみるっす」

 「おう、またな。 帰ったら朝飯を作るから、待てなかったら適当に食ってくれ」

 「はーい! いってらっしゃいっすー!」

 ケイティに見送られ、セムネイルは鍛冶エリアへと向かった。

 ◆◇◆

 「ん? どうしたんだ?」

 いつもなら早朝でもドワーフ達が工房で作業する姿が見えるのだが、今日は誰も居なかった。

 「気配察知では全員居る筈なんだが……家の方か?」

 セムネイルは工房の裏手にある家へと向かい、扉を叩いた。

 「ルグ、朝からすまん。 大丈夫か?」

 少しすると扉が開かれ、中からはひっかき傷だらけのルグが出て来た。

 「!? どうした、ルグ。 誰にやられた!!」

 セムネイルは直ぐ様ルグを回復魔法で癒し、犯人を聞き出す。

 「セムネイル様、ありがとうございます~! ですが、大した傷では無いですよ~? 目覚めた酒神様に襲われただけなので~」

 「ん? それは……大丈夫なのか?」

 女神が暴れているのなら大惨事になってもおかしくないのだが、ルグの説明を聞く限り猫にでも引っ掻かれたぐらいの話の様だ。

 「あはは~……お会いしますか? もう少し日が昇ってからセムネイル様のご自宅に行こうと思ってたんですけど……」

 「おう、案内してくれ。 因みに、何故襲われたんだ?」

 「えっとですね~……お酒が無いからです」

 「……は?」

 ◆◇◆

 鉄の山のドワーフ達が住む家の中では早朝から騒々しかった。

 「いーやーだー! お酒がのーみーたーいーのー!」

 金髪の褐色肌な可愛らしい少女が部屋で暴れているからだ。

 「酒神様! やっと解放されてお酒が飲みたいのは分かるのですが……無いものは無いんですよー!」

 「やーだーーー! 飲みたい飲みたいー! やっとエオルニアの糞ガキから解放されたのにお酒飲めないのは違うじゃーん!」

 鉄の山のドワーフ達が何とか宥めようとするが、床に倒れ駄々をこねまくる。

 「落ち着いて下さい、お身体にさわります」

 しかし、本当に力が弱いのか簡単に捕まるが直ぐに爪で引っ掻いて抵抗していた。

 「ふしゃー! やめろー! 俺はお酒が飲みたいだけだもーん!」

 「いたた……もぉ、酒神様!」

 「おい、ルグ。 ドヴェルは……猫の神か?」

 その様子をルグと共に見たセムネイルは真面目な顔で問う。

 「セムネイル様……そんな真剣な顔で言わないで下さい~。 恥ずかしくて顔から火が出ちゃいますよー! 間違いなく、あの拾われたばかりの子猫っぽいのが我等がドワーフ族の女神ドヴェル様ですよ~」

 「そうか……その、なんだ。 酒か……あ! あるぞ」

 セムネイルは昨日の夜に屋台巡りで買った熱燗が4次元に残っていたのを思い出し、ドヴェルの側に置いてやる。

 「すんすん……! コレは酒?! お酒か!? くんくん……ふぉぉぉ! 初めて嗅ぐ匂いのお酒だ! いただきまーーーす! んぐんぐんぐ!」

 既に冷めた熱燗をドヴェルは嬉しそうに飲み始めるが、見た目は完全にミルクを貰った子猫だ。

 「ありがとうございます~セムネイル様。 キュイジーヌさんの所に行ってみたのですが、朝から酒は出せないと怒られまして~……」

 「そうか……。 ルグ、これから色々大変そうだが……頼むな」

 セムネイルは遠い目をしているルグの肩に手を置いた。
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