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第207話 四階層攻略開始?
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「ガフォォォォォォォ……」
首をグラとノラに斬り落とされた火竜王が地面へと倒れた。
「皆お疲れ。 うむ、やはりポチとは似ても似つかないな」
倒れた火竜王の見た目は、火竜をただ大きくしただけのデカい的だ。 4次元から出て直ぐに、セリスの雷魔法で痺れ動けなくなった所をグラとノラの魔剣であっさりと斬られた。
「セムネイル様、この火竜王とポチは全く違う存在なのですか?」
火竜王の死体を回収しているセムネイルにリンが問い掛ける。 斬ったノラも少し辛そうだ。
ダンジョンに潜る前にポチと会って仲良くなっていたリンやノラからすると、複雑な心境なのだろう。
見た目が全然違っても、ポチは火竜王なのだから。
「大丈夫だぞ、リン。 昨日、ポチと散歩している時に聞いたんだが、魔物と云う存在を作るシステムに縛られている間は同一個体としての意識しか無かったらしい。 だが、今は完全に別の生き物に変異したから、竜でも何でも食べれるから気にするなとさ」
セムネイルの説明を聞き、納得したノラとリンは安堵した表情で笑う。
安堵した直後、ボスを倒した事で現れた宝箱を2人で開けに行くのをセムネイルは笑って見送った。
「そうだよね。 ポチは龍に近い存在だから。 そもそも、さっき朝ご飯に地竜の余ってた肉をバクバク食べてたし気にしなくていいと思う」
「ふむ……つまり、翼竜王の卵も貴方様が仰っていた宝石の影響で変異している可能性があると言う事ですね」
「くっくっくっ、その通りだセリス。 今日も帰ったら2人で魔力を注入するのを忘れないようにしないとな」
「はい♡」
セリスとグラの頭を撫でていると、宝箱から取り出した槍をノラとリンが掲げながら戻って来た。
人間が使うとは思えない大きさと長さの槍にセムネイルは驚く。
「おぉ!? これは……恐らく、神が使っていた神槍だな」
「うん、確か天候の神が使ってた槍だよ」
セムネイルとグラは巨大な槍を懐かしむ様に確かめ、4次元へと収納した。
「昨日ポチを倒した時に出たのはアダマンタイトのショートソードだったしな。 もしかして、このダンジョン当たりか?」
「どうだろ、昔のダンジョンはもっと良いのがドロップしたよね? あれ? そういえば、セムネイルって昔全部のダンジョン制覇したって自慢してなかった? このダンジョンは覚えて無かったの?」
グラに問われたセムネイルは首を傾げる。
「確かに、俺が封印される前のダンジョンは全て制覇したし覚えているぞ? だが、封印を出てから潜ったダンジョンは全て俺の知らないダンジョンだ。 勿論、このダンジョンもな。 昔のはこんな簡単なダンジョンは無かっただろ」
「あはは、確かにそうね。 なら、神魔大戦の後に出来たって事かな?」
「だろうな。 俺としては楽しみが増えて良いんだか……おっと、すまんすまん。 さぁ、次の階層に上がろうか」
「ふふ、私は貴方様とグラさんのお話はとても為になりますので全然大丈夫ですよ」
「俺は暇だぞー!」 「リンも早く活躍したいですー!」
セムネイルは暇を持て余していたノラとリンに謝り、出現した階段へと向かった。
◆◇◆
四階層に上がると、其処は真っ白な雪景色が広がっていた。
何処までも広がる世界は雪で覆われ、天井からは雪がちらちらと降っている。 その光景はとても美しく、神秘的だ。
だがセムネイルとグラは直ぐ様、魔剣を抜く。
「セムネイル!? これ、まずいかも!」
「セリス、結界!」
「っ!? はい!!!」
セムネイルに指示され、結界を全員を包み込むように張った直後凄まじい衝撃が襲った。
「あがっ?! すみません貴方様! 持ちません!!」
セリスの強固な結界は直ぐにヒビ割れ始め、セリスから苦痛の声が洩れる。
「構わん! 俺が合図したら後ろの階段に走れ!」
「リンちゃん、ノラちゃん、担ぐよ!」
「わわ!」 「何が起きてるんだー?!」
グラはリンとノラを担ぐ。
その直後、セリスの結界が破壊されセムネイル達の頭上に全属性の攻撃魔法の雨が降り注いだ。
「我と契約せし重力喚びの魔女サリアよ、魔法の理から外れし星石を喚び俺達を守れ! その姿を現し、重力魔法の真髄を示せ!! 星石の大盾!」
セムネイルの背後に半透明の魔女サリアが現れ、力を貸した。 すると、妻達を逃がす為に立ちはだかるセムネイルの前に赤黒い巨大な大盾が出現し降り注ぐ攻撃魔法を受け止める。
「きゃぁぁっ! 貴方様! 早く!!」
「セリス! 行け! 早く降りろ!!」
視界を覆うほどの攻撃魔法が大盾に降り注ぎ、セムネイルは徐々に押され始めてしまう。
「俺は大丈夫だ! グラと皆で必ず固まってろ、行けぇぇぇぇぇ!!」
セリスは衝撃波で吹き飛び、階段を転げ落ちる。
「セリスちゃん!」
下で待っていたグラにキャッチされ、そのまま一目散に階段から離れた。
次の瞬間、三階層の階段を火水土雷氷等の攻撃魔法が混ざり合った複合魔法が破壊し完全に崩れる。
周囲に瓦礫が散乱し、土埃が晴れた後。
呆然としたグラが口を開く。
「嘘、ダンジョンの階段が破壊されるなんて……。 そんなの、神や魔神でも無理なのに……」
グラの呟きに、セリス達は顔面蒼白になるのであった。
首をグラとノラに斬り落とされた火竜王が地面へと倒れた。
「皆お疲れ。 うむ、やはりポチとは似ても似つかないな」
倒れた火竜王の見た目は、火竜をただ大きくしただけのデカい的だ。 4次元から出て直ぐに、セリスの雷魔法で痺れ動けなくなった所をグラとノラの魔剣であっさりと斬られた。
「セムネイル様、この火竜王とポチは全く違う存在なのですか?」
火竜王の死体を回収しているセムネイルにリンが問い掛ける。 斬ったノラも少し辛そうだ。
ダンジョンに潜る前にポチと会って仲良くなっていたリンやノラからすると、複雑な心境なのだろう。
見た目が全然違っても、ポチは火竜王なのだから。
「大丈夫だぞ、リン。 昨日、ポチと散歩している時に聞いたんだが、魔物と云う存在を作るシステムに縛られている間は同一個体としての意識しか無かったらしい。 だが、今は完全に別の生き物に変異したから、竜でも何でも食べれるから気にするなとさ」
セムネイルの説明を聞き、納得したノラとリンは安堵した表情で笑う。
安堵した直後、ボスを倒した事で現れた宝箱を2人で開けに行くのをセムネイルは笑って見送った。
「そうだよね。 ポチは龍に近い存在だから。 そもそも、さっき朝ご飯に地竜の余ってた肉をバクバク食べてたし気にしなくていいと思う」
「ふむ……つまり、翼竜王の卵も貴方様が仰っていた宝石の影響で変異している可能性があると言う事ですね」
「くっくっくっ、その通りだセリス。 今日も帰ったら2人で魔力を注入するのを忘れないようにしないとな」
「はい♡」
セリスとグラの頭を撫でていると、宝箱から取り出した槍をノラとリンが掲げながら戻って来た。
人間が使うとは思えない大きさと長さの槍にセムネイルは驚く。
「おぉ!? これは……恐らく、神が使っていた神槍だな」
「うん、確か天候の神が使ってた槍だよ」
セムネイルとグラは巨大な槍を懐かしむ様に確かめ、4次元へと収納した。
「昨日ポチを倒した時に出たのはアダマンタイトのショートソードだったしな。 もしかして、このダンジョン当たりか?」
「どうだろ、昔のダンジョンはもっと良いのがドロップしたよね? あれ? そういえば、セムネイルって昔全部のダンジョン制覇したって自慢してなかった? このダンジョンは覚えて無かったの?」
グラに問われたセムネイルは首を傾げる。
「確かに、俺が封印される前のダンジョンは全て制覇したし覚えているぞ? だが、封印を出てから潜ったダンジョンは全て俺の知らないダンジョンだ。 勿論、このダンジョンもな。 昔のはこんな簡単なダンジョンは無かっただろ」
「あはは、確かにそうね。 なら、神魔大戦の後に出来たって事かな?」
「だろうな。 俺としては楽しみが増えて良いんだか……おっと、すまんすまん。 さぁ、次の階層に上がろうか」
「ふふ、私は貴方様とグラさんのお話はとても為になりますので全然大丈夫ですよ」
「俺は暇だぞー!」 「リンも早く活躍したいですー!」
セムネイルは暇を持て余していたノラとリンに謝り、出現した階段へと向かった。
◆◇◆
四階層に上がると、其処は真っ白な雪景色が広がっていた。
何処までも広がる世界は雪で覆われ、天井からは雪がちらちらと降っている。 その光景はとても美しく、神秘的だ。
だがセムネイルとグラは直ぐ様、魔剣を抜く。
「セムネイル!? これ、まずいかも!」
「セリス、結界!」
「っ!? はい!!!」
セムネイルに指示され、結界を全員を包み込むように張った直後凄まじい衝撃が襲った。
「あがっ?! すみません貴方様! 持ちません!!」
セリスの強固な結界は直ぐにヒビ割れ始め、セリスから苦痛の声が洩れる。
「構わん! 俺が合図したら後ろの階段に走れ!」
「リンちゃん、ノラちゃん、担ぐよ!」
「わわ!」 「何が起きてるんだー?!」
グラはリンとノラを担ぐ。
その直後、セリスの結界が破壊されセムネイル達の頭上に全属性の攻撃魔法の雨が降り注いだ。
「我と契約せし重力喚びの魔女サリアよ、魔法の理から外れし星石を喚び俺達を守れ! その姿を現し、重力魔法の真髄を示せ!! 星石の大盾!」
セムネイルの背後に半透明の魔女サリアが現れ、力を貸した。 すると、妻達を逃がす為に立ちはだかるセムネイルの前に赤黒い巨大な大盾が出現し降り注ぐ攻撃魔法を受け止める。
「きゃぁぁっ! 貴方様! 早く!!」
「セリス! 行け! 早く降りろ!!」
視界を覆うほどの攻撃魔法が大盾に降り注ぎ、セムネイルは徐々に押され始めてしまう。
「俺は大丈夫だ! グラと皆で必ず固まってろ、行けぇぇぇぇぇ!!」
セリスは衝撃波で吹き飛び、階段を転げ落ちる。
「セリスちゃん!」
下で待っていたグラにキャッチされ、そのまま一目散に階段から離れた。
次の瞬間、三階層の階段を火水土雷氷等の攻撃魔法が混ざり合った複合魔法が破壊し完全に崩れる。
周囲に瓦礫が散乱し、土埃が晴れた後。
呆然としたグラが口を開く。
「嘘、ダンジョンの階段が破壊されるなんて……。 そんなの、神や魔神でも無理なのに……」
グラの呟きに、セリス達は顔面蒼白になるのであった。
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