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第201話 妻達との触れ合い
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セムネイルはグラとキュイジーヌのレストランで別れ、一旦自宅へと帰って来ていた。
「っていう事になってな。 4次元の各エリアから離れた先にある建物には火竜王のポチが住む事になった。 また皆には紹介するから、勝手に見に行かないようにな。 あ、ローズすまないが後で皆に知らせておいてくれ」
セムネイルから火竜王をペットにしたと聞かされたローズ達は慣れたもので苦笑いで終わった。
「あはは……分かりました。 竜をペット……まぁセムネイル様ですからね」
「ふふ、流石貴方様です。 じゃあ、翼竜王の卵が孵化したらお兄ちゃんになってもらいましょう!」
「セリスさん、それ良いですね!」
「んー? つまり、群れが増えたって事だよな??」
「あらまー……もう、お兄さんが何をしても驚かなくなってきたよ」
「竜を狩るだけでは無く、支配下に!? わ、私にも出来るかな。 そうしたら……ほら、伝説の竜騎士とかに」
「はぁ……タリア、ちょっと落ち着きなさい」
「「偉大なるセムネイル様だから出来る事。 私達には無理よ」」
妻達の反応を聞きながらセムネイルは台所にあったサンドイッチを頬張る。
因みにハヤの姿は無く、まだミンガムで冒険者として依頼をこなしているのだろう。
「お……美味い。 それと、この後はまだ時間が有るからな。 俺は二階層に戻って竜の果実を補充しに戻ろうと思うんだが、セリス達はどうする? 付いてくるか??」
「貴方様、そのサンドイッチはサシャさんの手作りですよ。 勿論、私はお供しますが……」
セリスは快く了承したが、何故かリンとノラの方を見る。
「サシャ、美味いよ。 ありがとう。 んぐ……ん? リンとノラは何か予定が出来たのか??」
「あはは、お兄さんにそう言ってもらえるのが一番嬉しいねぇ。 リンちゃんとノラちゃんは、この後私と宿屋に顔を出す予定だったのさ」
セムネイルはサンドイッチを頬張りながら首を傾げる。
サシャの宿屋ということは、サシャの出している扉からブルムフの街にある宿屋に出るのだろう。
しかし、理由が分からなかった。
「す、すみません……セムネイル様」
「ごめんなーセムネイル。 ほら、前に街の奴等助けた時にチビ達が居たの覚えてるか?」
ノラに言われ、セムネイルは記憶を掘り起こす。
「ん……? あぁ、俺が金貨を渡してやった奴等か。 そいつ等がどうかしたのか? まさか……トラブルに巻き込まれたのか?」
座っていたセムネイルは思わず席を立つ。
一度会っただけの子供がどうなろうと、セムネイルの知った事ではないが大切な妻達の悲しむ顔は見たくないのだ。
「あははは、違うよお兄さん。 ほら、前に新しく従業員を雇ったって言っただろ? その従業員達の子供達が、リンちゃんとノラちゃんが助けた子らなのさ。 それで、2人を探してると聞いて私が話したら会ってあげたいって……ね?」
サシャに説明され、セムネイルがリンとノラの方を見ると頬を赤くし俯いていた。
どうやら、少しの時間しか過ごしていない仲の筈だが2人にとっては妹や弟ぐらいの気持ちなのだろう。
それなら、セムネイルに止める理由は無い。
「リン、ノラ……構わん。 遊んでやって来い。 但し、まだ外には出るなよ? まだ亜人差別をするクソ野郎達が居るかもしれん」
「ありがとうございます、セムネイル様!」
「おー! 流石、俺の雄だな! ありがとうなセムネイル!」
セムネイルは喜ぶ2人の頭を撫でてやる。
そして、サシャに連れられてリンとノラは2階へと向かった。 サシャの部屋に設置してある扉から宿屋に行くのだろう。
(まだまだ2人は遊び盛りだからな。 冒険ばかりじゃなく、たまには年相応に遊ぶ時間を作ってやらないとな)
「ふふ、セムネイル様はきっと良い父親になりますね」
ローズに褒められ、セムネイルは気恥ずかしそうに頬を掻く。
「ふっ……まぁな。 さて、なら……セリスと2人で行くか」
「はい♡」
セムネイルがセリスを連れて家を出ようとすると、タリアが突然手を上げた。
「セムネイル様! 私も行きたいです!!!!」
「タリア?!」
突然とんでもない事を言い始めた女勇者タリアに、重騎士であるアヤメが驚き叫ぶ。
「「タリア……私達では足手まといになる。 自重しなさい」」
カリンとコリンも止めるが、タリアは鼻息荒くセムネイルとセリスの下に駆け寄る。
「わ、私も……セムネイル様と冒険したい……です」
最初の勢いは何処へやら、タリアは頬を赤くしながら少女の様にか弱く呟いた。
「くっくっくっ……セリス、2人っきりじゃなくても良いか?」
「ふふ、勿論ですわ貴方様。 タリアさん達も大切な妻姉妹ですから」
まさか了承されるとは思ってもみなかったアヤメと双子も慌てて手を上げる。
「セムネイル様、なら私も行きたいです!」
「「私達も!!」」
「ふはははは! 構わん、じゃあ準備して来い」
タリア達はドタバタと2階へと駆け上がり、急いで武器や防具の準備しに向かった。
「さて、じゃあ俺達はタリア達の準備が終わるのを待つか」
「そうですわね……でも、タリアさん達は竜を相手に危険では無いのですか? 前、地竜に苦戦したと聞きましたが」
「ん? あぁ、それは俺の妻になるずっと前だろ? まぁ、見てろ。 多分……今のタリア達は強いぞ?」
少し心配だったセリスだが、信頼するセムネイルの笑みを見て安堵し微笑むのであった。
「っていう事になってな。 4次元の各エリアから離れた先にある建物には火竜王のポチが住む事になった。 また皆には紹介するから、勝手に見に行かないようにな。 あ、ローズすまないが後で皆に知らせておいてくれ」
セムネイルから火竜王をペットにしたと聞かされたローズ達は慣れたもので苦笑いで終わった。
「あはは……分かりました。 竜をペット……まぁセムネイル様ですからね」
「ふふ、流石貴方様です。 じゃあ、翼竜王の卵が孵化したらお兄ちゃんになってもらいましょう!」
「セリスさん、それ良いですね!」
「んー? つまり、群れが増えたって事だよな??」
「あらまー……もう、お兄さんが何をしても驚かなくなってきたよ」
「竜を狩るだけでは無く、支配下に!? わ、私にも出来るかな。 そうしたら……ほら、伝説の竜騎士とかに」
「はぁ……タリア、ちょっと落ち着きなさい」
「「偉大なるセムネイル様だから出来る事。 私達には無理よ」」
妻達の反応を聞きながらセムネイルは台所にあったサンドイッチを頬張る。
因みにハヤの姿は無く、まだミンガムで冒険者として依頼をこなしているのだろう。
「お……美味い。 それと、この後はまだ時間が有るからな。 俺は二階層に戻って竜の果実を補充しに戻ろうと思うんだが、セリス達はどうする? 付いてくるか??」
「貴方様、そのサンドイッチはサシャさんの手作りですよ。 勿論、私はお供しますが……」
セリスは快く了承したが、何故かリンとノラの方を見る。
「サシャ、美味いよ。 ありがとう。 んぐ……ん? リンとノラは何か予定が出来たのか??」
「あはは、お兄さんにそう言ってもらえるのが一番嬉しいねぇ。 リンちゃんとノラちゃんは、この後私と宿屋に顔を出す予定だったのさ」
セムネイルはサンドイッチを頬張りながら首を傾げる。
サシャの宿屋ということは、サシャの出している扉からブルムフの街にある宿屋に出るのだろう。
しかし、理由が分からなかった。
「す、すみません……セムネイル様」
「ごめんなーセムネイル。 ほら、前に街の奴等助けた時にチビ達が居たの覚えてるか?」
ノラに言われ、セムネイルは記憶を掘り起こす。
「ん……? あぁ、俺が金貨を渡してやった奴等か。 そいつ等がどうかしたのか? まさか……トラブルに巻き込まれたのか?」
座っていたセムネイルは思わず席を立つ。
一度会っただけの子供がどうなろうと、セムネイルの知った事ではないが大切な妻達の悲しむ顔は見たくないのだ。
「あははは、違うよお兄さん。 ほら、前に新しく従業員を雇ったって言っただろ? その従業員達の子供達が、リンちゃんとノラちゃんが助けた子らなのさ。 それで、2人を探してると聞いて私が話したら会ってあげたいって……ね?」
サシャに説明され、セムネイルがリンとノラの方を見ると頬を赤くし俯いていた。
どうやら、少しの時間しか過ごしていない仲の筈だが2人にとっては妹や弟ぐらいの気持ちなのだろう。
それなら、セムネイルに止める理由は無い。
「リン、ノラ……構わん。 遊んでやって来い。 但し、まだ外には出るなよ? まだ亜人差別をするクソ野郎達が居るかもしれん」
「ありがとうございます、セムネイル様!」
「おー! 流石、俺の雄だな! ありがとうなセムネイル!」
セムネイルは喜ぶ2人の頭を撫でてやる。
そして、サシャに連れられてリンとノラは2階へと向かった。 サシャの部屋に設置してある扉から宿屋に行くのだろう。
(まだまだ2人は遊び盛りだからな。 冒険ばかりじゃなく、たまには年相応に遊ぶ時間を作ってやらないとな)
「ふふ、セムネイル様はきっと良い父親になりますね」
ローズに褒められ、セムネイルは気恥ずかしそうに頬を掻く。
「ふっ……まぁな。 さて、なら……セリスと2人で行くか」
「はい♡」
セムネイルがセリスを連れて家を出ようとすると、タリアが突然手を上げた。
「セムネイル様! 私も行きたいです!!!!」
「タリア?!」
突然とんでもない事を言い始めた女勇者タリアに、重騎士であるアヤメが驚き叫ぶ。
「「タリア……私達では足手まといになる。 自重しなさい」」
カリンとコリンも止めるが、タリアは鼻息荒くセムネイルとセリスの下に駆け寄る。
「わ、私も……セムネイル様と冒険したい……です」
最初の勢いは何処へやら、タリアは頬を赤くしながら少女の様にか弱く呟いた。
「くっくっくっ……セリス、2人っきりじゃなくても良いか?」
「ふふ、勿論ですわ貴方様。 タリアさん達も大切な妻姉妹ですから」
まさか了承されるとは思ってもみなかったアヤメと双子も慌てて手を上げる。
「セムネイル様、なら私も行きたいです!」
「「私達も!!」」
「ふはははは! 構わん、じゃあ準備して来い」
タリア達はドタバタと2階へと駆け上がり、急いで武器や防具の準備しに向かった。
「さて、じゃあ俺達はタリア達の準備が終わるのを待つか」
「そうですわね……でも、タリアさん達は竜を相手に危険では無いのですか? 前、地竜に苦戦したと聞きましたが」
「ん? あぁ、それは俺の妻になるずっと前だろ? まぁ、見てろ。 多分……今のタリア達は強いぞ?」
少し心配だったセリスだが、信頼するセムネイルの笑みを見て安堵し微笑むのであった。
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