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第188話 予想通りの奇襲と思わぬ副産物
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「と、まぁこんな感じで知恵のある魔物は奇襲をしてくるんだ」
翼竜達が下から放った風の刃はセムネイル達に届く前に全て勢いを失い落ちていった。
深い霧の下から悲鳴が聞こえる。 恐らく自分達が放った風の刃が直撃したのだろう。
「凄いですセムネイル様!」 「おー! めちゃくちゃびっくりしたぞ!」 「ふふ、まぁセムネイルの予想通りね」
「もしかして、貴方様とグラさんは分かっていて……? それに、先程はどんな魔法を使ったのですか?」
「勿論だ。 因みにさっきの魔法はアンチ魔法だ。 俗に言う待ち伏せ型の罠だな。 あらかじめ攻撃されると困る場所に仕掛けておくんだ。 すると、魔法に対して無力化し……あぁなる」
セムネイルが言い終えると同時に、霧から傷だらけの翼竜達が飛び出してきた。 その数は40体と多く、空を覆うような巨体がセムネイル達を取り囲む。
翼竜達は怒り狂い、血を吐きながら一斉に叫んだ。
「「「「キュァァァァァァァァァ!!」」」」
「これで、多少は賢い馬鹿は魔法を使うのは危険だと思い込む。 そして、後は口を開けて突っ込んでくるだけのトカゲになるんだ」
セムネイルの言う通り、翼竜達は怒り狂いながら大口を空けて突っ込んできた。
「なら、後は好きに倒しても回収出来るって事ですね?」
セリスは杖を構え、魔力を漲らせる。
「ノラさん、また勝負しますか?」
リンは魔力の矢をつがいながら、姉妹であり親友のノラに微笑む。
「おー! 俺の出番だー! 次は勝つからなー!」
ノラはやる気満々に大斧を掲げた。
「あはは、好きだね2人共。 じゃあ、私も頑張ろっかな~」
グラも2本の魔剣を取り出し、軽々と大剣を肩に乗せる。
「ふはははは! 向かって来るなら何処で倒しても風の大船の上だからな。 落ちない様にだけ気を付けて、好きに戦って良いぞ。 さぁ、翼竜狩りだ!」
セムネイルは獰猛な笑みを浮かべ、魔剣デザイアを腰から引き抜いた。
◆◇◆
翼竜達が愚かにもセムネイル達へと突撃を開始してから数十分。 薄く緑色に光る風の大船の上は真っ赤に染まっていた。
「よっと、これで全部回収したな。 皆、お疲れ」
「貴方様もお疲れ様ですわ」
セムネイルは妻達を労う。
「ノラさん、私は9体仕留めましたよ」
「あら~、私は4体だね」
「ふふふふ! 俺は11体だぞ! 今度こそ俺の勝ちだー!」
すると、ノラが嬉しそうに飛び跳ねる。 リンとグラは目を合わせ微笑み、ようやく満面の笑顔が見れたと2人は胸を撫で下ろした。
「貴方様……私の仕留めた数はノラに言わない方が良さそうですわね」
「くっくっくっ、あの可愛らしい笑顔を見たら言えないだろ」
「ふふ、そうですね」
「おし、順調に肉も回収出来た。 そろそろ進むぞ~」
「「はい!」」 「次もやるぞー!」 「はいは~い」
セムネイル達は襲い掛かってきた翼竜を全て倒し、ボス達の気配がする場所へと歩き始めた。
◆◇◆
「やれやれ、残りの動かない翼竜達はボスの取り巻きか」
「へ~、珍しいね。 ボスの周りに集まるなんて」
セムネイル達はボスの居る場所に到着していた。
ようやく、スタート地点の様な地面がある場所に辿り着き空の散歩は終わりを迎えた。
ボス達が待ち構えているのは、拓けた岩場の広場にある巨大な巣だ。 ボスは翼竜王で、正に山の様な大きさである。 翼を仕舞い、巣に座ったままセムネイル達を睨む姿は恐怖そのものだ。
それに、本来ダンジョンボスの周りに他の魔物は近寄らないのだが残りの翼竜50体がボスを守る様に空中を飛んでいた。
「いやに賢いな。 つまり……」
「この翼竜達は暫く倒されていない、長く生きた魔物と云う事でしょうか?」
「そうだね。 セリスちゃんの言う通りだと思う。 多分、このダンジョンに入ってた魔王達には空中を移動出来なかったんじゃない? 多分、襲って来た翼竜達だけ倒して引き返したんだと思うよ」
セムネイルは顎に手を当て考える。
「ほぉ……なら、アレがあるかもな」
周囲を見渡すと、巣の側に森があるのが見える。 そして、目的の物を見つけセムネイルはニヤリと笑った。
「お、やはりあったか。 よし、これでプレーリー達に美味い物を食わせてやれるぞ。 皆、これからあの翼竜王と翼竜達を殺るぞ。 但し、後ろの森には気を付けてくれ。 竜が長く住んだ森にしか実らない竜の果実を後で採りたいんだ」
「まぁ! それはエルフの皆さんが喜びそうですね貴方様」
「分かりました! そうですよね、プレーリーさん達は森のエルフと違ってお肉を食べない平原のエルフですもんね」
「ん~、分かったぞ! 任せろー!」
「ほんじゃまぁ、やりますか!」
やる気満々の妻達にセムネイルは微笑み、魔剣を片手に走り出した。 その後ろを妻達も追従する。
「ギシャァァァァァァァァァァァ!!」
「「「「「キシャァァァァァ!」」」」」
ボスである翼竜王が鳴くと、周囲を飛んでいた全ての翼竜が風魔法を発動した。
あり得ない事に、翼竜達は風魔法を合体させ超巨大な竜巻を作り上げた。 そして、真っ直ぐにセムネイル達の方へと吹き荒れる。
「くっくっくっ、やるじゃないか。 風には土を、土は固く岩を好む、全てを飲み込む土流となりて目の前の敵を打ち砕かん! 土魔法岩流烈風!」
セムネイルは即座に対抗し、上級土魔法を唱え同じく超巨大な土と岩がミキサーのように回転する竜巻を放つ。
その2つが激しくぶつかり、凄まじい衝撃がセムネイル達を包み込んだ。
翼竜達が下から放った風の刃はセムネイル達に届く前に全て勢いを失い落ちていった。
深い霧の下から悲鳴が聞こえる。 恐らく自分達が放った風の刃が直撃したのだろう。
「凄いですセムネイル様!」 「おー! めちゃくちゃびっくりしたぞ!」 「ふふ、まぁセムネイルの予想通りね」
「もしかして、貴方様とグラさんは分かっていて……? それに、先程はどんな魔法を使ったのですか?」
「勿論だ。 因みにさっきの魔法はアンチ魔法だ。 俗に言う待ち伏せ型の罠だな。 あらかじめ攻撃されると困る場所に仕掛けておくんだ。 すると、魔法に対して無力化し……あぁなる」
セムネイルが言い終えると同時に、霧から傷だらけの翼竜達が飛び出してきた。 その数は40体と多く、空を覆うような巨体がセムネイル達を取り囲む。
翼竜達は怒り狂い、血を吐きながら一斉に叫んだ。
「「「「キュァァァァァァァァァ!!」」」」
「これで、多少は賢い馬鹿は魔法を使うのは危険だと思い込む。 そして、後は口を開けて突っ込んでくるだけのトカゲになるんだ」
セムネイルの言う通り、翼竜達は怒り狂いながら大口を空けて突っ込んできた。
「なら、後は好きに倒しても回収出来るって事ですね?」
セリスは杖を構え、魔力を漲らせる。
「ノラさん、また勝負しますか?」
リンは魔力の矢をつがいながら、姉妹であり親友のノラに微笑む。
「おー! 俺の出番だー! 次は勝つからなー!」
ノラはやる気満々に大斧を掲げた。
「あはは、好きだね2人共。 じゃあ、私も頑張ろっかな~」
グラも2本の魔剣を取り出し、軽々と大剣を肩に乗せる。
「ふはははは! 向かって来るなら何処で倒しても風の大船の上だからな。 落ちない様にだけ気を付けて、好きに戦って良いぞ。 さぁ、翼竜狩りだ!」
セムネイルは獰猛な笑みを浮かべ、魔剣デザイアを腰から引き抜いた。
◆◇◆
翼竜達が愚かにもセムネイル達へと突撃を開始してから数十分。 薄く緑色に光る風の大船の上は真っ赤に染まっていた。
「よっと、これで全部回収したな。 皆、お疲れ」
「貴方様もお疲れ様ですわ」
セムネイルは妻達を労う。
「ノラさん、私は9体仕留めましたよ」
「あら~、私は4体だね」
「ふふふふ! 俺は11体だぞ! 今度こそ俺の勝ちだー!」
すると、ノラが嬉しそうに飛び跳ねる。 リンとグラは目を合わせ微笑み、ようやく満面の笑顔が見れたと2人は胸を撫で下ろした。
「貴方様……私の仕留めた数はノラに言わない方が良さそうですわね」
「くっくっくっ、あの可愛らしい笑顔を見たら言えないだろ」
「ふふ、そうですね」
「おし、順調に肉も回収出来た。 そろそろ進むぞ~」
「「はい!」」 「次もやるぞー!」 「はいは~い」
セムネイル達は襲い掛かってきた翼竜を全て倒し、ボス達の気配がする場所へと歩き始めた。
◆◇◆
「やれやれ、残りの動かない翼竜達はボスの取り巻きか」
「へ~、珍しいね。 ボスの周りに集まるなんて」
セムネイル達はボスの居る場所に到着していた。
ようやく、スタート地点の様な地面がある場所に辿り着き空の散歩は終わりを迎えた。
ボス達が待ち構えているのは、拓けた岩場の広場にある巨大な巣だ。 ボスは翼竜王で、正に山の様な大きさである。 翼を仕舞い、巣に座ったままセムネイル達を睨む姿は恐怖そのものだ。
それに、本来ダンジョンボスの周りに他の魔物は近寄らないのだが残りの翼竜50体がボスを守る様に空中を飛んでいた。
「いやに賢いな。 つまり……」
「この翼竜達は暫く倒されていない、長く生きた魔物と云う事でしょうか?」
「そうだね。 セリスちゃんの言う通りだと思う。 多分、このダンジョンに入ってた魔王達には空中を移動出来なかったんじゃない? 多分、襲って来た翼竜達だけ倒して引き返したんだと思うよ」
セムネイルは顎に手を当て考える。
「ほぉ……なら、アレがあるかもな」
周囲を見渡すと、巣の側に森があるのが見える。 そして、目的の物を見つけセムネイルはニヤリと笑った。
「お、やはりあったか。 よし、これでプレーリー達に美味い物を食わせてやれるぞ。 皆、これからあの翼竜王と翼竜達を殺るぞ。 但し、後ろの森には気を付けてくれ。 竜が長く住んだ森にしか実らない竜の果実を後で採りたいんだ」
「まぁ! それはエルフの皆さんが喜びそうですね貴方様」
「分かりました! そうですよね、プレーリーさん達は森のエルフと違ってお肉を食べない平原のエルフですもんね」
「ん~、分かったぞ! 任せろー!」
「ほんじゃまぁ、やりますか!」
やる気満々の妻達にセムネイルは微笑み、魔剣を片手に走り出した。 その後ろを妻達も追従する。
「ギシャァァァァァァァァァァァ!!」
「「「「「キシャァァァァァ!」」」」」
ボスである翼竜王が鳴くと、周囲を飛んでいた全ての翼竜が風魔法を発動した。
あり得ない事に、翼竜達は風魔法を合体させ超巨大な竜巻を作り上げた。 そして、真っ直ぐにセムネイル達の方へと吹き荒れる。
「くっくっくっ、やるじゃないか。 風には土を、土は固く岩を好む、全てを飲み込む土流となりて目の前の敵を打ち砕かん! 土魔法岩流烈風!」
セムネイルは即座に対抗し、上級土魔法を唱え同じく超巨大な土と岩がミキサーのように回転する竜巻を放つ。
その2つが激しくぶつかり、凄まじい衝撃がセムネイル達を包み込んだ。
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