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第185話 リセマラと友
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「おー……流石に腰が痛いな」
セムネイルは1人で4次元の扉を潜り、竜の洞窟二階層へと来ていた。
昨晩あれから家に戻ったセムネイルは、肉食獣人ライ達の淫気にあてられ何時もより激しく妻達を抱いた。 家に入ると同時に分裂し、その場で妻達を朝まで犯した。
今頃、妻達は全員自室で幸せそうに眠っている事だろう。
「さて、どのみち今日は一階層で地竜王のリセマラだからな。 丁度いいだろ」
セムネイルは階段を下りる前に、二階層を気配察知と魔力察知の両方で確認するのを忘れない。
昨日と同じミスをする訳にはいかないのだ。
「二階層は翼竜か。 ボスも……風属性の魔力だけだな。 全く、本当に昨日の地竜王は何だったんだ?」
階段を下りながらセムネイルは想像を巡らせる。
「まさか、あの魔王達……俺を狙ったのか? もしくは、妻達か……。 もしそうなら……次は絶対に逃さずに殺してやる」
もし、例の魔王達がセムネイルが来るのを見越し罠を張っていたのであれば大成功だろう。
昨日、地竜王に閉じ込められた時点でセリス達が居なければ死なないまでも永遠に閉じ込められていたかもしれないのだ。
己の不甲斐無さにセムネイルは拳を握り締める。
「まだ全盛期の半分も力を取り戻していないとはいえ……情けない。 俺もまだまだ……だな」
そして、一階層に到着したセムネイルは目の前で鎮座する地竜王の魔力を確認し駆け寄る。
「さて、じゃあ手足を引きちぎり俺が満足するまで付き合ってもらおうか!」
「ガギャ? ガギャァァァァ?!」
リスポーンしたばかりの地竜王は何故後ろから獲物が来るのかと首を傾げ、セムネイルから発される全力の殺気に泣き叫ぶのであった。
◆◇◆
「うし、こんなもんか?」
リセマラを開始してから数時間、一階層で入手できる宝が無くなったのか出現する宝箱には古い金貨や銀貨しか入らなくなった。
手足を回復魔法で塞がれ、心臓を強制的に蘇生され続けた地竜王の目は虚ろになり痛みも感じなくなったのか小さく呻くばかりだ。
「盾に直剣、大剣、弓、槍、大槌にコレは……刀か。 他にも大量だな。 よっと! お疲れ」
セムネイルはその都度回収した宝の内容を確認しながら地竜王を楽にしてやる。
「ガギャ……ァ……ァァ」
地竜王が惨たらしくリセマラに使われている間、当然ながら80体もの地竜達はセムネイルの侵入に気付き目前へと迫った。
しかし、目の前で自分達のボスが生き地獄を味わっているのを見て本能で危機を察知したのか現在も遠巻きに此方の様子を伺っている。
隙あらば襲う気なのか、それとも本能よりも食欲が勝つのかセムネイルの殺気を浴びても地竜達は逃げなかった。
いや、仮に逃げたとしても結果は変わらないだろう。
セムネイルは1本の刀を取り出し握った。
「確か、こんな構えだっけか? いや、喚んだ方が早いな」
セムネイルは懐かしさを胸に、友の名を喚ぶ。
「俺と契約せし刀馬鹿! 久し振りにお前の神剣流派の太刀筋を見せてみろ! 神剣流奥義、神斬り!」
セムネイルの後ろに長い黒髪を後ろで結び、はだけた布の服から鍛え上げられた筋肉を出した半透明の男が現れ嬉しそうに笑った。
セムネイルが神速で刀を振り下ろしたその瞬間、遠巻きに見ていた地竜達の首が全て落ちた。
悲鳴を上げる暇もなく、80体の地竜達は何故己の首が落ちたのか理解する暇もなく絶命する。
「うぉぉぉ?! 腕がぁ! くそ、やっぱりお前の技は負担が大き過ぎるぞリュウマ! いってぇぇぇぇ!」
セムネイルがのたうち回る様子を見て、リュウマも笑い転げる。
今のセムネイルを見たら、妻達は普段とは違う様子に微笑む事だろう。
「おい、リュウマ! お前、剣神になったんだろ? どんな気分だ? 神剣流派の始祖にして最初に神を殺した人間なのに、剣神になった気分は」
ニヤニヤと笑うセムネイルに、半透明のリュウマは中指を立てる。 どうやら、思い通りの結果では無いのだろう。
「お前が一番神を嫌ってたからな。 神剣流派の免許皆伝者から聞いた時は内心爆笑だったぞ」
セムネイルの発言にリュウマは怒りながらも、何かを訴える。 しかし、契約魔法で現れる霊体は幻の様な物だ。
本人が直ぐ近くに入れば別だが、基本的に会話は不可能である。 相手が生きているのか死んでいるのか不明ならば、喚ばれる契約者は殆どが幻だ。
リュウマは人間だった。
本当に神にでもなっていなければ、既に大昔に死んでいる存在なのだ。
セムネイルは内心で、目の前のリュウマが本物では無い可能性が高い事も分かっていた。 それでも、友は友なのだ。
「ん? 何だ?? あ、なるほどな。 その免許皆伝者に会わせろって言いたいのか?」
セムネイルが何とか読み取ると、リュウマは正解だと頷いた。
「まぁ……お前には世話になったしな。 良いぞ」
リュウマは半透明の姿で大喜びし、役目を終えて消え始めた。
「あ、リュウマ! その……何だ。 もう数千年も前の話だが……あの日、すまなかった。 分からんが、お前の事だ。 俺が封印された後、国の女達を逃がす為に戦ってくれたんだろ? 本当に……ありがとう」
セムネイルはリュウマの事を良く知っていた。 どんな男かも。
リュウマは照れながら鼻の下を指で擦り、気にするなと言うように手を払いながら消えた。
「……ちゃんとソルバに会わせないとな。 よし、地竜達を回収して帰るか」
セムネイルは地竜の死骸を回収し、4次元へと戻るのであった。
セムネイルは1人で4次元の扉を潜り、竜の洞窟二階層へと来ていた。
昨晩あれから家に戻ったセムネイルは、肉食獣人ライ達の淫気にあてられ何時もより激しく妻達を抱いた。 家に入ると同時に分裂し、その場で妻達を朝まで犯した。
今頃、妻達は全員自室で幸せそうに眠っている事だろう。
「さて、どのみち今日は一階層で地竜王のリセマラだからな。 丁度いいだろ」
セムネイルは階段を下りる前に、二階層を気配察知と魔力察知の両方で確認するのを忘れない。
昨日と同じミスをする訳にはいかないのだ。
「二階層は翼竜か。 ボスも……風属性の魔力だけだな。 全く、本当に昨日の地竜王は何だったんだ?」
階段を下りながらセムネイルは想像を巡らせる。
「まさか、あの魔王達……俺を狙ったのか? もしくは、妻達か……。 もしそうなら……次は絶対に逃さずに殺してやる」
もし、例の魔王達がセムネイルが来るのを見越し罠を張っていたのであれば大成功だろう。
昨日、地竜王に閉じ込められた時点でセリス達が居なければ死なないまでも永遠に閉じ込められていたかもしれないのだ。
己の不甲斐無さにセムネイルは拳を握り締める。
「まだ全盛期の半分も力を取り戻していないとはいえ……情けない。 俺もまだまだ……だな」
そして、一階層に到着したセムネイルは目の前で鎮座する地竜王の魔力を確認し駆け寄る。
「さて、じゃあ手足を引きちぎり俺が満足するまで付き合ってもらおうか!」
「ガギャ? ガギャァァァァ?!」
リスポーンしたばかりの地竜王は何故後ろから獲物が来るのかと首を傾げ、セムネイルから発される全力の殺気に泣き叫ぶのであった。
◆◇◆
「うし、こんなもんか?」
リセマラを開始してから数時間、一階層で入手できる宝が無くなったのか出現する宝箱には古い金貨や銀貨しか入らなくなった。
手足を回復魔法で塞がれ、心臓を強制的に蘇生され続けた地竜王の目は虚ろになり痛みも感じなくなったのか小さく呻くばかりだ。
「盾に直剣、大剣、弓、槍、大槌にコレは……刀か。 他にも大量だな。 よっと! お疲れ」
セムネイルはその都度回収した宝の内容を確認しながら地竜王を楽にしてやる。
「ガギャ……ァ……ァァ」
地竜王が惨たらしくリセマラに使われている間、当然ながら80体もの地竜達はセムネイルの侵入に気付き目前へと迫った。
しかし、目の前で自分達のボスが生き地獄を味わっているのを見て本能で危機を察知したのか現在も遠巻きに此方の様子を伺っている。
隙あらば襲う気なのか、それとも本能よりも食欲が勝つのかセムネイルの殺気を浴びても地竜達は逃げなかった。
いや、仮に逃げたとしても結果は変わらないだろう。
セムネイルは1本の刀を取り出し握った。
「確か、こんな構えだっけか? いや、喚んだ方が早いな」
セムネイルは懐かしさを胸に、友の名を喚ぶ。
「俺と契約せし刀馬鹿! 久し振りにお前の神剣流派の太刀筋を見せてみろ! 神剣流奥義、神斬り!」
セムネイルの後ろに長い黒髪を後ろで結び、はだけた布の服から鍛え上げられた筋肉を出した半透明の男が現れ嬉しそうに笑った。
セムネイルが神速で刀を振り下ろしたその瞬間、遠巻きに見ていた地竜達の首が全て落ちた。
悲鳴を上げる暇もなく、80体の地竜達は何故己の首が落ちたのか理解する暇もなく絶命する。
「うぉぉぉ?! 腕がぁ! くそ、やっぱりお前の技は負担が大き過ぎるぞリュウマ! いってぇぇぇぇ!」
セムネイルがのたうち回る様子を見て、リュウマも笑い転げる。
今のセムネイルを見たら、妻達は普段とは違う様子に微笑む事だろう。
「おい、リュウマ! お前、剣神になったんだろ? どんな気分だ? 神剣流派の始祖にして最初に神を殺した人間なのに、剣神になった気分は」
ニヤニヤと笑うセムネイルに、半透明のリュウマは中指を立てる。 どうやら、思い通りの結果では無いのだろう。
「お前が一番神を嫌ってたからな。 神剣流派の免許皆伝者から聞いた時は内心爆笑だったぞ」
セムネイルの発言にリュウマは怒りながらも、何かを訴える。 しかし、契約魔法で現れる霊体は幻の様な物だ。
本人が直ぐ近くに入れば別だが、基本的に会話は不可能である。 相手が生きているのか死んでいるのか不明ならば、喚ばれる契約者は殆どが幻だ。
リュウマは人間だった。
本当に神にでもなっていなければ、既に大昔に死んでいる存在なのだ。
セムネイルは内心で、目の前のリュウマが本物では無い可能性が高い事も分かっていた。 それでも、友は友なのだ。
「ん? 何だ?? あ、なるほどな。 その免許皆伝者に会わせろって言いたいのか?」
セムネイルが何とか読み取ると、リュウマは正解だと頷いた。
「まぁ……お前には世話になったしな。 良いぞ」
リュウマは半透明の姿で大喜びし、役目を終えて消え始めた。
「あ、リュウマ! その……何だ。 もう数千年も前の話だが……あの日、すまなかった。 分からんが、お前の事だ。 俺が封印された後、国の女達を逃がす為に戦ってくれたんだろ? 本当に……ありがとう」
セムネイルはリュウマの事を良く知っていた。 どんな男かも。
リュウマは照れながら鼻の下を指で擦り、気にするなと言うように手を払いながら消えた。
「……ちゃんとソルバに会わせないとな。 よし、地竜達を回収して帰るか」
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