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第181話 キュイジーヌへの褒美
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「戻ったぞ。 皆、もう帰っているか?」
セムネイル達は二階層に上がり、開けた場所に4次元の扉を出し家へと帰って来ていた。
「お帰りなさいませ、セムネイル様。 それに、セリスちゃん達も無事で良かった~」
「ふふ、ね? ローズちゃん。 お兄さん達なら心配無いって言っただろう?」
家にはローズとサシャが待っており、セムネイル達を出迎える。 そして、何故か2人の後ろには隠れるようにハヤが居た。
「お、お帰りなさいませセムネイル様! えっと……あの、タリアさん達はコロシアムに行ってるそうです。 帰ってきたら呼んでって言ってたそうなので、わ、私呼んできますね!」
「そうか、ありがとうハヤ。 ソクド達には会えたか?」
セムネイルは妻達の中にハヤがちゃんと居た事に安堵した。 もし、また何かトラブルに巻き込まれていたら直ぐに助けには行けないからだ。
「は、はい! 兄上達と、今後どうするか話しました。 また、話し聞いてくれますか……?」
「勿論だ。 じゃあ、すまんがタリア達を呼んで来てくれるか? 俺達はこの後、キュイジーヌのレストランに行くからそっちに来てくれ。 今日の晩飯は地竜の肉だぞ」
セムネイルに優しく頭を撫でられたハヤは頬を染める。
「ほ、本当ですか!? 分かりました! 直ぐに呼んできますー!」
「セムネイル! 俺も行ってきて良いか?!」
「ん? おう、良いぞ?」
「やった! ハヤ、行くぞー!」
「えぇ!? えっと、はい!」
そして、何故かノラがハヤの手を引き元気いっぱいに家から出て行った。
「くっくっくっ、そうか。 そういえば、ノラはコロシアムの奴等に会ったこと無いもんな。 じゃあ、キュイジーヌのレストランに行こう。 何があったか話したいしな」
「はい、楽しみです」
「そうだねぇ、お兄さんの事だ、きっととんでもない事をしたんだろう?」
「ふふ、そうですわね。 ローズ姉様もサシャさんもびっくりしますよ」
「私達、沢山倒したんですよ!」
「まぁ、下級の竜だけどね。 でも、一応セリスちゃん達も竜殺しを名乗れるんじゃない?」
セムネイルは妻達を連れて、キュイジーヌのレストランへと向かった。
◆◇◆
門の見張りをしている者から伝わったのか、キュイジーヌのレストランには大勢の住民達が集まっていた。 どうやら、竜の肉が食えるらしいと噂になっていたようだ。
「セムネイル様ー! こっちこっち!」
キュイジーヌがレストランの中央に解体場を設け、準備して待っていた。
「ふははは! 準備ばっちりだな、キュイジーヌ」
近くの席には、鬼人達と既に涎を垂らしている鬼人の女神モーンデの姿もあった。 エルフ達の姿が無いのは、肉を食べないからだろう。
他には人間族、ドワーフ、獣人、魔人達が野次馬として集まっている。
「此処に! 此処に出して! 早く早く~!」
待ち切れないキュイジーヌに催促され、セムネイルは地竜の一頭を出してやった。
「「「「「「おぉぉぉぉぉ!!」」」」」」
野次馬達から歓声が上がり、キュイジーヌは血走った目で地竜を舐め回すように触る。
「うひょー! 流石セムネイル様! でも、刃が通るかな……」
「それなら安心しろ。 何時も皆の食事を作ってくれている褒美を準備してある。 ルグ! 頼んだのは出来てるか?」
セムネイルが呼びかけると、ドワーフ族の代表ルグが恭しくキュイジーヌに布に包まれた物を差し出した。
「おほん! キュイジーヌさん、何時も美味しい食事ありがとうね~。 ドワーフの皆、感謝してるよ。 コレはセムネイル様に頼まれたキュイジーヌさんの包丁だよ~」
キュイジーヌはルグから受け取り、布を取った。 其処には薄く緑色に輝くオリハルコンの包丁がありキュイジーヌは固まる。
「え……コレ、何で出来てるの?」
キュイジーヌの呟きに、ルグは満面の笑顔で答える。
「オリハルコンですよ!」
「あ、あはは……オリハルコン? あっれ~……? おとぎ話でしか私知らないんだけど……?」
キュイジーヌはオリハルコンの包丁を手に持ち、セムネイルの方を見た。
「おう、多分そのオリハルコンであってるぞ? 竜を捌くにはオリハルコンじゃないと無理だからな。 折角だから、ルグに頼んで打ってもらったんだ」
「そうですよ~。 いやぁ、我ながら良いのが打てました!」
「うむ、見事だルグ」
セムネイルとルグの会話を聞きながら、キュイジーヌは山の様な金貨よりも高価であろうオリハルコンの包丁を見つめる。
そして、地竜を捌いて料理出来るならもう何でもいいやと現実逃避するのであった。
セムネイル達は二階層に上がり、開けた場所に4次元の扉を出し家へと帰って来ていた。
「お帰りなさいませ、セムネイル様。 それに、セリスちゃん達も無事で良かった~」
「ふふ、ね? ローズちゃん。 お兄さん達なら心配無いって言っただろう?」
家にはローズとサシャが待っており、セムネイル達を出迎える。 そして、何故か2人の後ろには隠れるようにハヤが居た。
「お、お帰りなさいませセムネイル様! えっと……あの、タリアさん達はコロシアムに行ってるそうです。 帰ってきたら呼んでって言ってたそうなので、わ、私呼んできますね!」
「そうか、ありがとうハヤ。 ソクド達には会えたか?」
セムネイルは妻達の中にハヤがちゃんと居た事に安堵した。 もし、また何かトラブルに巻き込まれていたら直ぐに助けには行けないからだ。
「は、はい! 兄上達と、今後どうするか話しました。 また、話し聞いてくれますか……?」
「勿論だ。 じゃあ、すまんがタリア達を呼んで来てくれるか? 俺達はこの後、キュイジーヌのレストランに行くからそっちに来てくれ。 今日の晩飯は地竜の肉だぞ」
セムネイルに優しく頭を撫でられたハヤは頬を染める。
「ほ、本当ですか!? 分かりました! 直ぐに呼んできますー!」
「セムネイル! 俺も行ってきて良いか?!」
「ん? おう、良いぞ?」
「やった! ハヤ、行くぞー!」
「えぇ!? えっと、はい!」
そして、何故かノラがハヤの手を引き元気いっぱいに家から出て行った。
「くっくっくっ、そうか。 そういえば、ノラはコロシアムの奴等に会ったこと無いもんな。 じゃあ、キュイジーヌのレストランに行こう。 何があったか話したいしな」
「はい、楽しみです」
「そうだねぇ、お兄さんの事だ、きっととんでもない事をしたんだろう?」
「ふふ、そうですわね。 ローズ姉様もサシャさんもびっくりしますよ」
「私達、沢山倒したんですよ!」
「まぁ、下級の竜だけどね。 でも、一応セリスちゃん達も竜殺しを名乗れるんじゃない?」
セムネイルは妻達を連れて、キュイジーヌのレストランへと向かった。
◆◇◆
門の見張りをしている者から伝わったのか、キュイジーヌのレストランには大勢の住民達が集まっていた。 どうやら、竜の肉が食えるらしいと噂になっていたようだ。
「セムネイル様ー! こっちこっち!」
キュイジーヌがレストランの中央に解体場を設け、準備して待っていた。
「ふははは! 準備ばっちりだな、キュイジーヌ」
近くの席には、鬼人達と既に涎を垂らしている鬼人の女神モーンデの姿もあった。 エルフ達の姿が無いのは、肉を食べないからだろう。
他には人間族、ドワーフ、獣人、魔人達が野次馬として集まっている。
「此処に! 此処に出して! 早く早く~!」
待ち切れないキュイジーヌに催促され、セムネイルは地竜の一頭を出してやった。
「「「「「「おぉぉぉぉぉ!!」」」」」」
野次馬達から歓声が上がり、キュイジーヌは血走った目で地竜を舐め回すように触る。
「うひょー! 流石セムネイル様! でも、刃が通るかな……」
「それなら安心しろ。 何時も皆の食事を作ってくれている褒美を準備してある。 ルグ! 頼んだのは出来てるか?」
セムネイルが呼びかけると、ドワーフ族の代表ルグが恭しくキュイジーヌに布に包まれた物を差し出した。
「おほん! キュイジーヌさん、何時も美味しい食事ありがとうね~。 ドワーフの皆、感謝してるよ。 コレはセムネイル様に頼まれたキュイジーヌさんの包丁だよ~」
キュイジーヌはルグから受け取り、布を取った。 其処には薄く緑色に輝くオリハルコンの包丁がありキュイジーヌは固まる。
「え……コレ、何で出来てるの?」
キュイジーヌの呟きに、ルグは満面の笑顔で答える。
「オリハルコンですよ!」
「あ、あはは……オリハルコン? あっれ~……? おとぎ話でしか私知らないんだけど……?」
キュイジーヌはオリハルコンの包丁を手に持ち、セムネイルの方を見た。
「おう、多分そのオリハルコンであってるぞ? 竜を捌くにはオリハルコンじゃないと無理だからな。 折角だから、ルグに頼んで打ってもらったんだ」
「そうですよ~。 いやぁ、我ながら良いのが打てました!」
「うむ、見事だルグ」
セムネイルとルグの会話を聞きながら、キュイジーヌは山の様な金貨よりも高価であろうオリハルコンの包丁を見つめる。
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