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第162話 幸せな昼食
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「さて、準備はこんなもんか。 おーい、始めるぞ~」
セムネイルが指を鳴らすと、初級魔法の火の粉が発動し薪に火が付いた。
焚き火の上に置かれたのはセムネイルが創造した焼き網であり、美味しそうな分厚い牛肉を網の上に置いてゆく。
「セムネイル様、野菜も切れました~」
「お、良いね~。 外で食べる焼き肉なんて初めてだよ、お兄さん」
「ありがとな。 ローズ、サシャ。 さ~て、焼くぞ!」
セムネイルは巨大な焼き網の上に野菜や肉を敷き詰める。
「クンクン! くはー! セムネイル、俺腹減ったぞー!」
「ふわ~……セムネイル様、リンはもうお腹ペコペコです~」
「はいはい、2人共待ってね~。 おにぎり作る約束でしょ?」
焼かれる肉の匂いにノラとリンが釣られてふらふらとやって来たが、セリスによって直ぐに家へと連れ戻されていく。
その様子を苦笑いで見ていたローズとサシャも手伝いに戻って行った。
「くっくっくっ、ちゃんと皿に置いておくから安心しろよ~。 タリア、すまんが人数分タレを準備してくれ」
「任せて下さい!」
「あ、ごめんね……タリア。 タレはもう私が準備しちゃった……」
「……え?」
セムネイルの側でタリアが鼻息荒く返事をしたが、その後ろでタレ皿を持ったアヤメが固まる。 どうやら、気を利かせてアヤメが先に動いてくれていたようだ。
「アヤメ、ありがとう。 えっと……そうだ、タリア。 家に戻って俺用におにぎりを握ってきてくれるか? 大きなヤツが良いな」
「っ!? 今度こそ私に任せて下さい! 愛情をたっっっくさん入れたのを作ってきますー!」
「ちょっ! タリア?! 変なの入れたら容赦しないからね!」
満面の笑みで家へと走るタリアと心配して付いて行ったアヤメを見送り、セムネイルは幸せそうに微笑む。
「ふーん……良い顔してるじゃん。 セムネイル」
「ん? 何がだグラ」
「別に~……ねぇ、セムネイル。 家の外でのんびりとBBQしたい何て、急に何で言い出したの? 私の知る限り、こんな文化はこの世界に無いと思うんだけど?」
勘の良いグラに問われたセムネイルは苦笑いで天を仰ぐ。
「アイツが……何時か平和な世界になったらしたいって言ってたのを思い出してな」
「アイツって、初代勇者の咲だよね? やっぱりか~。 昔、良く言ってたもんね~夏は外でBBQだよ! って」
「くっくっくっ、この世界に四季とやらは無いと説明したんだがな。 まぁ、暑いか寒いかの世界だ。 今は夏とやらで良いんじゃないか?」
「あははは、そうだね。 あ、お肉美味しい!」
セムネイルとグラは笑い合いながら昔に思いを馳せた。
◆◇◆
「セムネイル~、カリンちゃんとコリンちゃん戻って来たよ~」
手伝いもせずにひたすら肉を頬張っているグラに呼び掛けられ振り向くと、ボロボロのシスター服から着替えたカリンとコリンがお腹を空かせて帰って来た。
「「ただいま帰りました~。 わぁ~、BBQとは聞いたことがありませんでしたがとても美味しそうですね」」
「おぉ、お帰りカリンコリン。 お疲れ様、ほれ肉焼けてるぞ」
セムネイルは大量の肉と野菜を焼いており、その中から食べ頃な肉を皿に盛ってやる。
「「ありがとうございますセムネイル様。 農場エリア、酪農エリア、養蜂場エリア、人間族の村も魔人族の村も見回り終わりました。 怪我をした娘達が数人いましたが、治療済です」」
カリンとコリンはセムネイルに仕えるシスターとしての使命だからと、必ず4次元の村やエリアを見回りしていた。
そのおかげか、この4次元内でのカリンコリンの双子はとても好印象で魔人や亜人とも打ち解けている。
「今日もありがとうな。 トラブルの話も無かったか?」
セムネイルは2人に焼けた肉を配り終えると、また焼く係に戻った。
「セムネイル様が午前にジェイソンさん達へ渡した武器や防具が高品質過ぎて皆さんがパニックになってたぐらいでしょうか」
「あ、ドワーフのルグさんと熊獣人のベアさんが昨日の夜はありがとうございましたー! と、おっしゃってましたよ」
「そうか、分かった。 ん? おにぎりも出来たみたいだぞ」
家の玄関が開け放たれ、苦笑いのローズ達が小さなおにぎりを乗せた皿を持ってきてテーブルに置いた。
ノラとリンは我慢の限界だったのか、早速焼けた肉に齧り付いている。
野性味溢れるノラより、清楚そうなエルフであるリンが肉に齧り付く姿はギャップがあってとても可愛らしかった。
そして、額を押さえたアヤメが出て来て最後にタリアが大岩の様に巨大なおにぎりを抱えて出て来た。
「ぶっ?! タリア、それおにぎりなのか?」
セムネイルが恐る恐る問うと、タリアは満面の笑みで答える。
「はい! セムネイル様への愛を込めるとこんなに大きくなりました! もっともっと大きいのが良かったのですか!?」
「あ、いや……アヤメ?」
「……すみませんセムネイル様。 私では止めれませんでした」
タリアの隣ではアヤメが申し訳無さそうに項垂れ、グラは巨大なおにぎりを見て爆笑していた。
「あはは……セムネイル様。 タリアさん、凄く頑張ってたんですよ?」
ローズの言葉を聞き、セムネイルは覚悟を決める。
「グラ、焼くのを頼む! タリア、来い!!」
「ひー……お腹痛い! えぇ?! ちょっ、あち!」
セムネイルはグラに焼く係を任せ、タリアの抱える巨大なおにぎりに食い付いた。
そんな様子を妻達は笑いながらBBQを楽しむのであった。
セムネイルが指を鳴らすと、初級魔法の火の粉が発動し薪に火が付いた。
焚き火の上に置かれたのはセムネイルが創造した焼き網であり、美味しそうな分厚い牛肉を網の上に置いてゆく。
「セムネイル様、野菜も切れました~」
「お、良いね~。 外で食べる焼き肉なんて初めてだよ、お兄さん」
「ありがとな。 ローズ、サシャ。 さ~て、焼くぞ!」
セムネイルは巨大な焼き網の上に野菜や肉を敷き詰める。
「クンクン! くはー! セムネイル、俺腹減ったぞー!」
「ふわ~……セムネイル様、リンはもうお腹ペコペコです~」
「はいはい、2人共待ってね~。 おにぎり作る約束でしょ?」
焼かれる肉の匂いにノラとリンが釣られてふらふらとやって来たが、セリスによって直ぐに家へと連れ戻されていく。
その様子を苦笑いで見ていたローズとサシャも手伝いに戻って行った。
「くっくっくっ、ちゃんと皿に置いておくから安心しろよ~。 タリア、すまんが人数分タレを準備してくれ」
「任せて下さい!」
「あ、ごめんね……タリア。 タレはもう私が準備しちゃった……」
「……え?」
セムネイルの側でタリアが鼻息荒く返事をしたが、その後ろでタレ皿を持ったアヤメが固まる。 どうやら、気を利かせてアヤメが先に動いてくれていたようだ。
「アヤメ、ありがとう。 えっと……そうだ、タリア。 家に戻って俺用におにぎりを握ってきてくれるか? 大きなヤツが良いな」
「っ!? 今度こそ私に任せて下さい! 愛情をたっっっくさん入れたのを作ってきますー!」
「ちょっ! タリア?! 変なの入れたら容赦しないからね!」
満面の笑みで家へと走るタリアと心配して付いて行ったアヤメを見送り、セムネイルは幸せそうに微笑む。
「ふーん……良い顔してるじゃん。 セムネイル」
「ん? 何がだグラ」
「別に~……ねぇ、セムネイル。 家の外でのんびりとBBQしたい何て、急に何で言い出したの? 私の知る限り、こんな文化はこの世界に無いと思うんだけど?」
勘の良いグラに問われたセムネイルは苦笑いで天を仰ぐ。
「アイツが……何時か平和な世界になったらしたいって言ってたのを思い出してな」
「アイツって、初代勇者の咲だよね? やっぱりか~。 昔、良く言ってたもんね~夏は外でBBQだよ! って」
「くっくっくっ、この世界に四季とやらは無いと説明したんだがな。 まぁ、暑いか寒いかの世界だ。 今は夏とやらで良いんじゃないか?」
「あははは、そうだね。 あ、お肉美味しい!」
セムネイルとグラは笑い合いながら昔に思いを馳せた。
◆◇◆
「セムネイル~、カリンちゃんとコリンちゃん戻って来たよ~」
手伝いもせずにひたすら肉を頬張っているグラに呼び掛けられ振り向くと、ボロボロのシスター服から着替えたカリンとコリンがお腹を空かせて帰って来た。
「「ただいま帰りました~。 わぁ~、BBQとは聞いたことがありませんでしたがとても美味しそうですね」」
「おぉ、お帰りカリンコリン。 お疲れ様、ほれ肉焼けてるぞ」
セムネイルは大量の肉と野菜を焼いており、その中から食べ頃な肉を皿に盛ってやる。
「「ありがとうございますセムネイル様。 農場エリア、酪農エリア、養蜂場エリア、人間族の村も魔人族の村も見回り終わりました。 怪我をした娘達が数人いましたが、治療済です」」
カリンとコリンはセムネイルに仕えるシスターとしての使命だからと、必ず4次元の村やエリアを見回りしていた。
そのおかげか、この4次元内でのカリンコリンの双子はとても好印象で魔人や亜人とも打ち解けている。
「今日もありがとうな。 トラブルの話も無かったか?」
セムネイルは2人に焼けた肉を配り終えると、また焼く係に戻った。
「セムネイル様が午前にジェイソンさん達へ渡した武器や防具が高品質過ぎて皆さんがパニックになってたぐらいでしょうか」
「あ、ドワーフのルグさんと熊獣人のベアさんが昨日の夜はありがとうございましたー! と、おっしゃってましたよ」
「そうか、分かった。 ん? おにぎりも出来たみたいだぞ」
家の玄関が開け放たれ、苦笑いのローズ達が小さなおにぎりを乗せた皿を持ってきてテーブルに置いた。
ノラとリンは我慢の限界だったのか、早速焼けた肉に齧り付いている。
野性味溢れるノラより、清楚そうなエルフであるリンが肉に齧り付く姿はギャップがあってとても可愛らしかった。
そして、額を押さえたアヤメが出て来て最後にタリアが大岩の様に巨大なおにぎりを抱えて出て来た。
「ぶっ?! タリア、それおにぎりなのか?」
セムネイルが恐る恐る問うと、タリアは満面の笑みで答える。
「はい! セムネイル様への愛を込めるとこんなに大きくなりました! もっともっと大きいのが良かったのですか!?」
「あ、いや……アヤメ?」
「……すみませんセムネイル様。 私では止めれませんでした」
タリアの隣ではアヤメが申し訳無さそうに項垂れ、グラは巨大なおにぎりを見て爆笑していた。
「あはは……セムネイル様。 タリアさん、凄く頑張ってたんですよ?」
ローズの言葉を聞き、セムネイルは覚悟を決める。
「グラ、焼くのを頼む! タリア、来い!!」
「ひー……お腹痛い! えぇ?! ちょっ、あち!」
セムネイルはグラに焼く係を任せ、タリアの抱える巨大なおにぎりに食い付いた。
そんな様子を妻達は笑いながらBBQを楽しむのであった。
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