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第137話 残った依頼と頼み事
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「さっきは嫌な思いをさせてすまなかった」
セムネイルは自宅に戻り、妻達に頭を下げる。
「大丈夫ですよセムネイル様。 ね? 皆」
ローズの言う通り、妻達は誰一人として気にしていないと聞きセムネイルは胸を撫で下ろした。
「ありがとう。 あ、そうだセリス。 服を買いに行こうと話してたが、今扉はオーガの居た洞窟に設置しているんだ。 すまないが、街に帰るまで待っててくれ」
「ふふ、勿論ですわ貴方様。 それより、依頼は残す所山賊の討伐だけなのでは?」
「わ~! 流石ですセムネイル様!」
「セムネイル! 俺も暴れたいぞ! 1人でやるのはズルいぞー!」
「あはは、ノラちゃんが拗ねてるよセムネイル。 どうせなら、この後このまま山賊退治してから街に戻ればいいじゃない」
グラの提案にセムネイルは頷く。
「そうだな、そうするか。 よし、山賊の居場所は把握してる。 セリス達は準備をして来てくれ」
セムネイルに言われ、セリス達はバタバタと2階の自室へと向かった。
「ローズ、今日はギルドには行かないのか?」
「はい、ギルドマスターからセムネイル様が戻られるまで休む様に言われました。 ギルドで何かあれば、自分達の首が物理的に飛ぶからと。 ふふふっ」
「そうなんですよね。 魔王の使徒たる私達がローズさんの事は守ると伝えたのですが……」
「そうか、なら丁度いい。 頼み事をしても良いか?」
ローズはセムネイルに頼られ満面の笑みで答える。
「勿論です! 何でも仰ってくださいませ」
「ふっ、ローズは本当に良い女だな。 ありがとう。 じゃあ、先ずは各亜人のリーダーと魔人族の族長に会って人数の確認をしてくれ。 終わったら、一覧に纏めておいてくれると助かる」
「畏まりました。 事務仕事は得意ですから任せてください! それと……元奴隷のジェイソンさん方は数にいれますか?」
「お、そうだな。 頼むよ。 タリア達はその間、万が一に備えてローズの護衛を頼む。 救出したばかりで、人間に不信感を持つ亜人の娘達も居るだろう」
仕事を頼まれたタリアは花が咲いたような笑顔になり、全身で喜びを表現する。
勇者であり、セムネイルの女として強化されたタリアの身体能力はこれまでの比では無い程に強化されている。 以前、タリア達が全滅仕掛けた大迷宮のダンジョンをタリア1人で攻略できる程には強くなっているのだ。
そして、そんなタリアが喜びのあまり暴れたら当然ながら家は軋み壁はひび割れる。
「ちょっと、タリア!?」 「「……お馬鹿」」
「ひぇ?! あ、あわわ……ごめんなさいセムネイル様」
「ふははははは! 元気いっぱいだなタリアは。 よしよし、落ち着いてな? よっと」
セムネイルは権能である創造の手本を使用し、瞬く間に家を修復した。
「ついでに防音も完璧だな。 さて、行くか。 ん? サシャ、それは何だ?」
「え? あぁ……これは、その、お兄さんに作ったんだけど失敗しちゃってさ」
台所に居たサシャは鍋を背中に隠して照れた。
「構わん。 美味そうな匂いだ、食わせてくれ」
セムネイルはサシャを抱き寄せ、匂いを嗅ぐ。 どうやらシチューの様だが、サシャの言う通り少し失敗したのか焦げの匂いもしていた。
「うー……分かったよ。 ありがとうねお兄さん」
その後、セムネイルはセリス達の準備が終えるまでサシャの作ったシチューを美味しそうに全て完食するのであった。
「ふふ、良かったねサシャちゃん」
グラに頭を撫でられるサシャは嬉しそうに笑っていた。
◆◇◆
扉を潜り、オーガの居た洞窟へとセムネイル達はやって来た。
「うえー、セムネイル此処臭いな」
ノラは尻尾を丸めて、鼻を摘む。
「セムネイル様! 此処に……人の遺体が」
リンに言われ、セムネイルは洞窟の奥へと進んだ。 すると、ミンチになった下半身だけの死体と既に事切れた女冒険者の死体が食糧庫らしき部屋に安置されていた。
「先に逃亡奴隷を探しに来ていた冒険者達か? 確かAランク冒険者パーティーだと聞いていたのだが……」
セムネイルは女の首元に付けてある冒険者タグを拾い、念の為に回収する。
「会ったのも何かの縁、ギルドに届けてやるか」
「セムネイルー? リンちゃーん? ノラちゃんが早く出たいってー!」
グラの声が聞こえ、セムネイルとリンは洞窟の外へと向かった。
セムネイルは自宅に戻り、妻達に頭を下げる。
「大丈夫ですよセムネイル様。 ね? 皆」
ローズの言う通り、妻達は誰一人として気にしていないと聞きセムネイルは胸を撫で下ろした。
「ありがとう。 あ、そうだセリス。 服を買いに行こうと話してたが、今扉はオーガの居た洞窟に設置しているんだ。 すまないが、街に帰るまで待っててくれ」
「ふふ、勿論ですわ貴方様。 それより、依頼は残す所山賊の討伐だけなのでは?」
「わ~! 流石ですセムネイル様!」
「セムネイル! 俺も暴れたいぞ! 1人でやるのはズルいぞー!」
「あはは、ノラちゃんが拗ねてるよセムネイル。 どうせなら、この後このまま山賊退治してから街に戻ればいいじゃない」
グラの提案にセムネイルは頷く。
「そうだな、そうするか。 よし、山賊の居場所は把握してる。 セリス達は準備をして来てくれ」
セムネイルに言われ、セリス達はバタバタと2階の自室へと向かった。
「ローズ、今日はギルドには行かないのか?」
「はい、ギルドマスターからセムネイル様が戻られるまで休む様に言われました。 ギルドで何かあれば、自分達の首が物理的に飛ぶからと。 ふふふっ」
「そうなんですよね。 魔王の使徒たる私達がローズさんの事は守ると伝えたのですが……」
「そうか、なら丁度いい。 頼み事をしても良いか?」
ローズはセムネイルに頼られ満面の笑みで答える。
「勿論です! 何でも仰ってくださいませ」
「ふっ、ローズは本当に良い女だな。 ありがとう。 じゃあ、先ずは各亜人のリーダーと魔人族の族長に会って人数の確認をしてくれ。 終わったら、一覧に纏めておいてくれると助かる」
「畏まりました。 事務仕事は得意ですから任せてください! それと……元奴隷のジェイソンさん方は数にいれますか?」
「お、そうだな。 頼むよ。 タリア達はその間、万が一に備えてローズの護衛を頼む。 救出したばかりで、人間に不信感を持つ亜人の娘達も居るだろう」
仕事を頼まれたタリアは花が咲いたような笑顔になり、全身で喜びを表現する。
勇者であり、セムネイルの女として強化されたタリアの身体能力はこれまでの比では無い程に強化されている。 以前、タリア達が全滅仕掛けた大迷宮のダンジョンをタリア1人で攻略できる程には強くなっているのだ。
そして、そんなタリアが喜びのあまり暴れたら当然ながら家は軋み壁はひび割れる。
「ちょっと、タリア!?」 「「……お馬鹿」」
「ひぇ?! あ、あわわ……ごめんなさいセムネイル様」
「ふははははは! 元気いっぱいだなタリアは。 よしよし、落ち着いてな? よっと」
セムネイルは権能である創造の手本を使用し、瞬く間に家を修復した。
「ついでに防音も完璧だな。 さて、行くか。 ん? サシャ、それは何だ?」
「え? あぁ……これは、その、お兄さんに作ったんだけど失敗しちゃってさ」
台所に居たサシャは鍋を背中に隠して照れた。
「構わん。 美味そうな匂いだ、食わせてくれ」
セムネイルはサシャを抱き寄せ、匂いを嗅ぐ。 どうやらシチューの様だが、サシャの言う通り少し失敗したのか焦げの匂いもしていた。
「うー……分かったよ。 ありがとうねお兄さん」
その後、セムネイルはセリス達の準備が終えるまでサシャの作ったシチューを美味しそうに全て完食するのであった。
「ふふ、良かったねサシャちゃん」
グラに頭を撫でられるサシャは嬉しそうに笑っていた。
◆◇◆
扉を潜り、オーガの居た洞窟へとセムネイル達はやって来た。
「うえー、セムネイル此処臭いな」
ノラは尻尾を丸めて、鼻を摘む。
「セムネイル様! 此処に……人の遺体が」
リンに言われ、セムネイルは洞窟の奥へと進んだ。 すると、ミンチになった下半身だけの死体と既に事切れた女冒険者の死体が食糧庫らしき部屋に安置されていた。
「先に逃亡奴隷を探しに来ていた冒険者達か? 確かAランク冒険者パーティーだと聞いていたのだが……」
セムネイルは女の首元に付けてある冒険者タグを拾い、念の為に回収する。
「会ったのも何かの縁、ギルドに届けてやるか」
「セムネイルー? リンちゃーん? ノラちゃんが早く出たいってー!」
グラの声が聞こえ、セムネイルとリンは洞窟の外へと向かった。
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