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第132話 2匹の鬼
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「ちっ、逃亡奴隷捜索の依頼を受けたのは俺達だけじゃ無いんだな。 その冒険者達はどっちに向かった」
「は、はい。 あっちの森に行きましたよ? でも、お兄さんお一人で行かれるので? 最近は賊だけじゃなくてオーガも出るって話です。 悪い事は言いません、止めときなさいな」
セムネイルは急ぎ近くの村を訪れ、鬼人の娘達を購入した村長の下を訪れていた。
村は小さく50人程しか住んでおらず、働き手として奴隷を購入したそうだ。
どんな理由にしても、奴隷と云う存在が嫌いなセムネイルからすると無理矢理捕まえられ奴隷にされた者達を買う奴等は同罪だと考えていた。
「大丈夫だ。 じゃあな」
素っ気無い態度でセムネイルは村を後にし、1人で森へと入る。
「糞が……働き手がいないなら、正規の手段で人を雇いやがれ! さて……何処だ?」
先程まで居た村へと悪態をつき、セムネイルは気配察知の範囲を上げた。
「……ん? 冒険者の気配は無いぞ? Aランクの高位冒険者パーティーが依頼を受けたとあの爺が言ってたんだが」
セムネイルは大きく強い反応の気配を察知し、其処へと向かった。
◆◇◆
「お、複数の気配が固まってるな。 1つは数が多すぎる……これは村を一度脅したとかいう山賊だな。 もう1つが、鬼人の娘達か? にしても、気配が弱い……急ぐか」
鬼人の娘達らしき気配の側に、先程察知した大きく強い気配が居るがそんな事をセムネイルが気にする筈も無く疾走し向かう。
木々を擦り抜けるように走り、近付くと洞窟へと入る巨大な鬼が見えた。
「ほぉ、やはりオーガか。 それもかなり長生きしてる個体だな。 鬼人の娘達を捕らえたのか」
オーガは数羽のウサギを片手に血だらけの鉈を担いで上機嫌の様子だった。
しかし、セムネイルが下手に刺激をすれば最悪捕らえた鬼人の娘達を人質にされる可能性がある。
ここは慎重に行動すべく、セムネイルは姿を隠す事にした。
「秘密は箱へ秘密は棚へ秘密は知られず誰も知らず。 透明な姿を探して見ろ、透明化」
隠密の魔法を唱え、静かに洞窟へと入った。
◆◇◆
「ぐへへ、妻達待たせた、ウサギ狩ってきた」
洞窟の奥へと進んだオーガは火の番をしていたミリムにウサギを差し出し、上機嫌で笑った。
「あ、ありがとうございます……とても、嬉しいです」
震える手でウサギを受け取ったミリムが礼を述べると、オーガは我慢の限界なのか腰巻きを外し全裸へとなった。
そして、火の明かりに照らされた醜い陰茎が角の様に膨張し天を突いている。
鼻息荒くミリムへと近付くオーガに、他の娘達から悲鳴が上がる。
「ミリム姉さん!」 「姉様、姉様!」 「死んでしまいます! ミリム姉さん、無理よ! 逃げて!!」
奥で縮こまり、泣く妹分達にミリムは優しく微笑む。
「皆、ちゃんと話したでしょ? 大丈夫よ……大丈夫だから」
ガタガタと震える手で奴隷の服を脱ぎ去り、ミリムはオーガの前に立つ。
「はぁ……はぁ……はぁ……ぐふふ、お前はおでが今まで妻にした中で最高の鬼人だぁ。 その角、髪色、美貌……美味そうだぁ」
涎を垂らしながらオーガはミリムを犯そうと迫る。
「皆……お願い。 見ないで」
(本当はお父様や兄様みたいな立派な格好良い角を持つ鬼人の夫に愛されたかったなぁ……でも、仕方無いよね)
他の娘達を守る為に、妹分達に人肉を食べさせない為に、ミリムは己を差し出そうと両手を広げたがオーガがミリムに触れる事は叶わなかった。
「うぐ? 何だ、誰だおでの腕を掴むのは!」
「おい、糞野郎。 他の娘達を守る為に己を差し出す。 そんな良い女に、お前の様な糞野郎が触れれると思うなよ?」
声が聞こえ、目を閉じていたミリムはゆっくりと瞼を開けた。
「あ、あなたは……?」
其処にはミリムを助けるべく、オーガの太い両腕を掴み押し負けない怪力で外へと押し出すセムネイルの姿があった。
怒りのあまり、魔族の角を生やし自身よりも巨大なオーガを圧倒している。
「よぉ。 お前達を助ける様に懇願されてな。 少し待ってろ。 ……よく頑張ったな。 もう大丈夫だぞ」
「ひゃ……ひゃい」
少し振り向き、笑うセムネイルの横顔にミリムは一瞬で恋に落ちてしまった。 顔を真っ赤にし、その場にへたり込んでしまう。
(角、笑顔、力強さ、か……格好良いぃぃぃー!)
「は、はい。 あっちの森に行きましたよ? でも、お兄さんお一人で行かれるので? 最近は賊だけじゃなくてオーガも出るって話です。 悪い事は言いません、止めときなさいな」
セムネイルは急ぎ近くの村を訪れ、鬼人の娘達を購入した村長の下を訪れていた。
村は小さく50人程しか住んでおらず、働き手として奴隷を購入したそうだ。
どんな理由にしても、奴隷と云う存在が嫌いなセムネイルからすると無理矢理捕まえられ奴隷にされた者達を買う奴等は同罪だと考えていた。
「大丈夫だ。 じゃあな」
素っ気無い態度でセムネイルは村を後にし、1人で森へと入る。
「糞が……働き手がいないなら、正規の手段で人を雇いやがれ! さて……何処だ?」
先程まで居た村へと悪態をつき、セムネイルは気配察知の範囲を上げた。
「……ん? 冒険者の気配は無いぞ? Aランクの高位冒険者パーティーが依頼を受けたとあの爺が言ってたんだが」
セムネイルは大きく強い反応の気配を察知し、其処へと向かった。
◆◇◆
「お、複数の気配が固まってるな。 1つは数が多すぎる……これは村を一度脅したとかいう山賊だな。 もう1つが、鬼人の娘達か? にしても、気配が弱い……急ぐか」
鬼人の娘達らしき気配の側に、先程察知した大きく強い気配が居るがそんな事をセムネイルが気にする筈も無く疾走し向かう。
木々を擦り抜けるように走り、近付くと洞窟へと入る巨大な鬼が見えた。
「ほぉ、やはりオーガか。 それもかなり長生きしてる個体だな。 鬼人の娘達を捕らえたのか」
オーガは数羽のウサギを片手に血だらけの鉈を担いで上機嫌の様子だった。
しかし、セムネイルが下手に刺激をすれば最悪捕らえた鬼人の娘達を人質にされる可能性がある。
ここは慎重に行動すべく、セムネイルは姿を隠す事にした。
「秘密は箱へ秘密は棚へ秘密は知られず誰も知らず。 透明な姿を探して見ろ、透明化」
隠密の魔法を唱え、静かに洞窟へと入った。
◆◇◆
「ぐへへ、妻達待たせた、ウサギ狩ってきた」
洞窟の奥へと進んだオーガは火の番をしていたミリムにウサギを差し出し、上機嫌で笑った。
「あ、ありがとうございます……とても、嬉しいです」
震える手でウサギを受け取ったミリムが礼を述べると、オーガは我慢の限界なのか腰巻きを外し全裸へとなった。
そして、火の明かりに照らされた醜い陰茎が角の様に膨張し天を突いている。
鼻息荒くミリムへと近付くオーガに、他の娘達から悲鳴が上がる。
「ミリム姉さん!」 「姉様、姉様!」 「死んでしまいます! ミリム姉さん、無理よ! 逃げて!!」
奥で縮こまり、泣く妹分達にミリムは優しく微笑む。
「皆、ちゃんと話したでしょ? 大丈夫よ……大丈夫だから」
ガタガタと震える手で奴隷の服を脱ぎ去り、ミリムはオーガの前に立つ。
「はぁ……はぁ……はぁ……ぐふふ、お前はおでが今まで妻にした中で最高の鬼人だぁ。 その角、髪色、美貌……美味そうだぁ」
涎を垂らしながらオーガはミリムを犯そうと迫る。
「皆……お願い。 見ないで」
(本当はお父様や兄様みたいな立派な格好良い角を持つ鬼人の夫に愛されたかったなぁ……でも、仕方無いよね)
他の娘達を守る為に、妹分達に人肉を食べさせない為に、ミリムは己を差し出そうと両手を広げたがオーガがミリムに触れる事は叶わなかった。
「うぐ? 何だ、誰だおでの腕を掴むのは!」
「おい、糞野郎。 他の娘達を守る為に己を差し出す。 そんな良い女に、お前の様な糞野郎が触れれると思うなよ?」
声が聞こえ、目を閉じていたミリムはゆっくりと瞼を開けた。
「あ、あなたは……?」
其処にはミリムを助けるべく、オーガの太い両腕を掴み押し負けない怪力で外へと押し出すセムネイルの姿があった。
怒りのあまり、魔族の角を生やし自身よりも巨大なオーガを圧倒している。
「よぉ。 お前達を助ける様に懇願されてな。 少し待ってろ。 ……よく頑張ったな。 もう大丈夫だぞ」
「ひゃ……ひゃい」
少し振り向き、笑うセムネイルの横顔にミリムは一瞬で恋に落ちてしまった。 顔を真っ赤にし、その場にへたり込んでしまう。
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