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第128話 安堵のセムネイルと愚かな教皇
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あれから、風呂場から出て来たセムネイルが正気に戻っている事に気付いてしまったタリアはその場で泣き崩れ、グラは額に手を当て天を仰いだ。
「ふぇぇぇぇん! そんなぁぁぁ! 私……すっごく楽しみにしてたのにぃーー!」
ギャン泣きのタリアをセムネイルは優しく抱き上げ、分裂しそれぞれの妻達の下へと別れた。
「妻達への謝罪は明日の朝にしよう。 今は皆の隣で眠るぞ。 だが、タリア……お前はまだ寝かさないからな? 待たせたんだ、2人がかりで愛してやる」
「ふぇ……ひゃ、ひゃい♡」
そして、タリアには2人のセムネイルが部屋へと付き添い、朝までタリアの幸せそうな嬌声が響き続けたのであった。
◆◇◆
「皆、おはよう。 昨日はすまなかったな」
セムネイルは1人で1階へと降りてきた。 2階の寝室では満足気なタリアがようやく眠りについた所である。
朝までの激しい夜を過ごしたセムネイルは、妻達に謝罪し席へと座った。 セムネイルは平常心を装っていたが、内心では妻達に嫌われてしまっているのではと、少し不安だった。
既に妻達は朝食を準備し食べており、降りてきたセムネイルを笑顔で出迎える。
「おはようございます、セムネイル様」
「貴方様、先程までお疲れ様でした」
「あはは、謝らなくて良いんだよ。 お兄さんが悪い訳じゃないしね。 それに……凄かったし、私は嬉しかったよ」
「はい! 私もサシャさんと同じですセムネイル様! 凄く幸せでした♡」
「おー! おはようセムネイル! 朝方に隣で眠るセムネイルが消えたからびっくりしたぞ!」
「ふふ、タリアは底無しの勇者ね。 あれからさっきまでずっとしてたんでしょ? 暴走してるセムネイルより、暴走してるんじゃない? セムネイルが分裂を維持出来なくなるとか……流石、勇者ね」
「本当に……うちのリーダーがすみませんセムネイル様」
「「代わりに隣で眠るセムネイル様の可愛らしいお姿を見れたので、私達は眼福でございました」」
妻達と朝の挨拶を交わし、セムネイルは笑う。
「くっくっくっ、俺は本当に幸せ者だな。 お、今日の朝飯も美味そうだ。 いただきます!」
セムネイルは一抹の不安を消化し、幸せそうにパンとスープに口をつけるのであった。
◆◇◆
セムネイルが幸せな朝を迎えている頃。
聖エオルニア教国教皇はワイングラスを力任せに大理石の床に叩きつけていた。
「もう一度、もう一度申せ……我がエオルニア教の使徒でもある、Sランク冒険者パーティー神の使徒がどうなったと申した?」
醜い腹を揺らし、無駄に豪華な法衣を身に纏ったユブブル フォル ブルニアンは真っ赤な顔で司教の1人に怒りを吐き散らす。
「はっ……ぼ、冒険者ギルドより通達、神の使徒はパーティー名を魔王の使徒に変更し所属をボブムズ王国に変えると……。 ブルムフの街に到着し、直接会話したシスターからも同じ報告がございましたので……その、事実かと」
「ふ、ふざけるなぁぁぁ! 神の使徒のリーダーは勇者であろう! 勇者と云う事は、エオルニア様に選ばれた玩具なのだぞ!? 貴様、その報告をエオルニア様に出来ると本気で思っているのか! 勇者も勇者だ! 我等に反抗を示す為に、わざわざ魔王の使徒等と名乗るとは! 許せん! 許せんぞ!」
ブルニアンは怒りを抑えるつもりも無く、教皇に奉仕する為に仕えていたシスターの1人を殴り始める。
「ひぃっ! ユブブル教皇様……どうかお許しを」
無関係のシスターをブルニアンは腹いせに痛めつけ、踏み付け、血を吐いても無視して踏み続けた。
「ひぐっ! あぐっ……がふっ」
遂にシスターは、床に倒れたまま動かなくなってしまった。
「ぺっ! ゴミめが! おい、誰か! 他のシスターを連れてこい!! 次はもっと胸の大きなシスターにしろ! お前はもういい、下がれ!!」
「……はっ!」
怯える司教が下がり、シスターの遺体を近衛騎士が運んでゆく。
そして、ブルニアンは名案を思い付き笑い始めた。
「そうだ……我は天才だ! ボブムズ王国は弱小国……強請れば喜んで勇者達を犯罪者の奴隷にし、我等に引き渡すであろう。 そして、女神の玩具である事を思い出させエオルニア様に献上すれば……我が咎められる事は無い! ぶるふふふふ、報告はそれまでしなければ良かろう。 うむ、うむ、我は天才の教皇だぁー! ぶはははは!」
ブルニアンは自身の聡明さに恐れ慄き、上機嫌で寝室へと向かった。
次に献上されるシスターを犯すのを楽しみにしながら。
だが、愚かなブルニアンはまだ知らない。
何故、タリア達が神の使徒から魔王の使徒に名前をわざわざ変えたのか。
これから自身が命令する事で、どんな未来が待っているのか。
誰の怒りを買うのか。
まだ知らない。
「ふぇぇぇぇん! そんなぁぁぁ! 私……すっごく楽しみにしてたのにぃーー!」
ギャン泣きのタリアをセムネイルは優しく抱き上げ、分裂しそれぞれの妻達の下へと別れた。
「妻達への謝罪は明日の朝にしよう。 今は皆の隣で眠るぞ。 だが、タリア……お前はまだ寝かさないからな? 待たせたんだ、2人がかりで愛してやる」
「ふぇ……ひゃ、ひゃい♡」
そして、タリアには2人のセムネイルが部屋へと付き添い、朝までタリアの幸せそうな嬌声が響き続けたのであった。
◆◇◆
「皆、おはよう。 昨日はすまなかったな」
セムネイルは1人で1階へと降りてきた。 2階の寝室では満足気なタリアがようやく眠りについた所である。
朝までの激しい夜を過ごしたセムネイルは、妻達に謝罪し席へと座った。 セムネイルは平常心を装っていたが、内心では妻達に嫌われてしまっているのではと、少し不安だった。
既に妻達は朝食を準備し食べており、降りてきたセムネイルを笑顔で出迎える。
「おはようございます、セムネイル様」
「貴方様、先程までお疲れ様でした」
「あはは、謝らなくて良いんだよ。 お兄さんが悪い訳じゃないしね。 それに……凄かったし、私は嬉しかったよ」
「はい! 私もサシャさんと同じですセムネイル様! 凄く幸せでした♡」
「おー! おはようセムネイル! 朝方に隣で眠るセムネイルが消えたからびっくりしたぞ!」
「ふふ、タリアは底無しの勇者ね。 あれからさっきまでずっとしてたんでしょ? 暴走してるセムネイルより、暴走してるんじゃない? セムネイルが分裂を維持出来なくなるとか……流石、勇者ね」
「本当に……うちのリーダーがすみませんセムネイル様」
「「代わりに隣で眠るセムネイル様の可愛らしいお姿を見れたので、私達は眼福でございました」」
妻達と朝の挨拶を交わし、セムネイルは笑う。
「くっくっくっ、俺は本当に幸せ者だな。 お、今日の朝飯も美味そうだ。 いただきます!」
セムネイルは一抹の不安を消化し、幸せそうにパンとスープに口をつけるのであった。
◆◇◆
セムネイルが幸せな朝を迎えている頃。
聖エオルニア教国教皇はワイングラスを力任せに大理石の床に叩きつけていた。
「もう一度、もう一度申せ……我がエオルニア教の使徒でもある、Sランク冒険者パーティー神の使徒がどうなったと申した?」
醜い腹を揺らし、無駄に豪華な法衣を身に纏ったユブブル フォル ブルニアンは真っ赤な顔で司教の1人に怒りを吐き散らす。
「はっ……ぼ、冒険者ギルドより通達、神の使徒はパーティー名を魔王の使徒に変更し所属をボブムズ王国に変えると……。 ブルムフの街に到着し、直接会話したシスターからも同じ報告がございましたので……その、事実かと」
「ふ、ふざけるなぁぁぁ! 神の使徒のリーダーは勇者であろう! 勇者と云う事は、エオルニア様に選ばれた玩具なのだぞ!? 貴様、その報告をエオルニア様に出来ると本気で思っているのか! 勇者も勇者だ! 我等に反抗を示す為に、わざわざ魔王の使徒等と名乗るとは! 許せん! 許せんぞ!」
ブルニアンは怒りを抑えるつもりも無く、教皇に奉仕する為に仕えていたシスターの1人を殴り始める。
「ひぃっ! ユブブル教皇様……どうかお許しを」
無関係のシスターをブルニアンは腹いせに痛めつけ、踏み付け、血を吐いても無視して踏み続けた。
「ひぐっ! あぐっ……がふっ」
遂にシスターは、床に倒れたまま動かなくなってしまった。
「ぺっ! ゴミめが! おい、誰か! 他のシスターを連れてこい!! 次はもっと胸の大きなシスターにしろ! お前はもういい、下がれ!!」
「……はっ!」
怯える司教が下がり、シスターの遺体を近衛騎士が運んでゆく。
そして、ブルニアンは名案を思い付き笑い始めた。
「そうだ……我は天才だ! ボブムズ王国は弱小国……強請れば喜んで勇者達を犯罪者の奴隷にし、我等に引き渡すであろう。 そして、女神の玩具である事を思い出させエオルニア様に献上すれば……我が咎められる事は無い! ぶるふふふふ、報告はそれまでしなければ良かろう。 うむ、うむ、我は天才の教皇だぁー! ぶはははは!」
ブルニアンは自身の聡明さに恐れ慄き、上機嫌で寝室へと向かった。
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だが、愚かなブルニアンはまだ知らない。
何故、タリア達が神の使徒から魔王の使徒に名前をわざわざ変えたのか。
これから自身が命令する事で、どんな未来が待っているのか。
誰の怒りを買うのか。
まだ知らない。
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