【R-18】自称極悪非道な魔王様による冒険物語 ~俺様は好きにヤるだけだ~

秋刀魚妹子

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第115話 引っ越しと紹介

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 セムネイルは魔人たちを引き連れ、4次元へとやって来ていた。 そして、キュイジーヌのレストランに全員を呼び集め魔人達の事情と共に住む事を説明し終えた所だった。

 「大変だったんですわね……ぐす。 もう大丈夫ですわ! セムネイル様に見つけていただいたんですもの!」

 「そうです! 私達も協力出来る事はします! 安心してくだしい!」

 エルフのプレーリーと鬼人のオルガは泣きながらイマを抱きしめており、他の亜人達も魔人達を歓迎しているようだった。

 「魔人達は、独自の野菜を畑で育てて暮らしていたらしい。農場エリアの隣に新たな魔人エリアを作ったから、其処で運び込んだ野菜を育ててくれ。 プレーリー、同じ農業をする同士として仲良くしてやってくれ」

 「何から何まで……本当にありがとうございます!」

 「お任せくださいませセムネイル様!」

 プレーリーやエルフ達と協力しながら生活して欲しいと云う願いは何とか問題無く進みそうだと、セムネイルは安堵する。

 「イマちゃん可愛いですね、セムネイル様」

 「ん? そ、そうだなローズ」

 「お兄さん、どうしたんだい? えらく歯切れが悪いじゃないか」

 「いや……その、な?」

 グラに助けを求めると、ため息を吐いたグラがイマに問う。

 「ねぇ、イマは幾つ?」

 「きゃはは、お姉ちゃん達くすぐったいよ~! え? 私? えっと~……今年で300才ぐらいだよ!」

 イマの元気な返事にローズとサシャの時は止まる。 セリス達は既に知っていたのか無反応だ。

 「へぇ~、長生きな種族なんだね」

 「ふふ、ならイマちゃんがお姉さんですわ」

 そして、価値観が違うからか亜人のオルガとプレーリーは全く動じなかった。

 「因みに、お祖父ちゃんは千才超えてるんだよ~」

 「ほっほっほっ、長く生きてるだけの老いぼれですじゃ」

 イマと祖父の会話に、普通の人間であるローズとサシャは苦笑いだった。

 ◆◇◆

 「は~い、お待たせ~! それと、セムネイル様。 魔人達が育ててるっていう野菜、私まだ貰ってないんですけど!?」

 料理を運ぶキュイジーヌに怒られ、セムネイルは笑う。

 「分かってる分かってる。 後でイマの祖父に言っておくから許せ」

 「なら良いけどさ! それと、目的の旅は順調なの? 早く街に着いて家畜やら野菜やらの種買わないと、本当に荒野になるからね?」

 「色々あったんだ。 明日からは寄り道せずに行くから、お! これ美味いよ」

 「そりゃ良かった! それと、そっちの勇者さん方! さっさと食べろよー?」

 皆が広いレストランで食事をしている中、タリア達は隅で何やら憤っていた。

 「お~い、タリア達はどうしたんだ?」

 気付いたセムネイルが近寄ると、タリアがキレているのをアヤメとカリンコリンが宥めていた。

 「あ、すみませんセムネイル様。 タリアが、魔人を生み出した魔王アスモを許せないって怒ってて」

 「「宥めてるのですが、探し出して首を刎ねると聞かないのです」」

 セムネイルかタリアの肩を優しく抱きしめ、泣いているタリアを落ち着かせる。

 「タリア、お前は本当に最高の勇者だな。 そうだな、俺もアスモのした事を許すつもりは無い。 もし、居場所を見つけたら必ず教える。 2人で首を刎ねるぞ」

 「ぐすっ……うぐっ……はい゙っ! 絶対に絶対に許せません! それ程の長い年月、どれだけの地獄を見てきたのか……私には想像も出来ませんっ!」

 「そうだな……約束だ」

 自身の妻を悲しませ、命を弄ぶ魔王アスモに対するセムネイルの怒りを見たグラは心の中で魔王アスモの死を確信していた。

 (うわぁ~……残念ねアスモ。 貴方、まだ生きてても……死んだのと変わらない事をしたのよ。 あ、コレ美味しい)

 しかし、キュイジーヌの美味なスープを飲んだ瞬間にグラの頭からアスモに対する同情心は消え去ったのであった。 
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