116 / 252
第115話 引っ越しと紹介
しおりを挟む
セムネイルは魔人たちを引き連れ、4次元へとやって来ていた。 そして、キュイジーヌのレストランに全員を呼び集め魔人達の事情と共に住む事を説明し終えた所だった。
「大変だったんですわね……ぐす。 もう大丈夫ですわ! セムネイル様に見つけていただいたんですもの!」
「そうです! 私達も協力出来る事はします! 安心してくだしい!」
エルフのプレーリーと鬼人のオルガは泣きながらイマを抱きしめており、他の亜人達も魔人達を歓迎しているようだった。
「魔人達は、独自の野菜を畑で育てて暮らしていたらしい。農場エリアの隣に新たな魔人エリアを作ったから、其処で運び込んだ野菜を育ててくれ。 プレーリー、同じ農業をする同士として仲良くしてやってくれ」
「何から何まで……本当にありがとうございます!」
「お任せくださいませセムネイル様!」
プレーリーやエルフ達と協力しながら生活して欲しいと云う願いは何とか問題無く進みそうだと、セムネイルは安堵する。
「イマちゃん可愛いですね、セムネイル様」
「ん? そ、そうだなローズ」
「お兄さん、どうしたんだい? えらく歯切れが悪いじゃないか」
「いや……その、な?」
グラに助けを求めると、ため息を吐いたグラがイマに問う。
「ねぇ、イマは幾つ?」
「きゃはは、お姉ちゃん達くすぐったいよ~! え? 私? えっと~……今年で300才ぐらいだよ!」
イマの元気な返事にローズとサシャの時は止まる。 セリス達は既に知っていたのか無反応だ。
「へぇ~、長生きな種族なんだね」
「ふふ、ならイマちゃんがお姉さんですわ」
そして、価値観が違うからか亜人のオルガとプレーリーは全く動じなかった。
「因みに、お祖父ちゃんは千才超えてるんだよ~」
「ほっほっほっ、長く生きてるだけの老いぼれですじゃ」
イマと祖父の会話に、普通の人間であるローズとサシャは苦笑いだった。
◆◇◆
「は~い、お待たせ~! それと、セムネイル様。 魔人達が育ててるっていう野菜、私まだ貰ってないんですけど!?」
料理を運ぶキュイジーヌに怒られ、セムネイルは笑う。
「分かってる分かってる。 後でイマの祖父に言っておくから許せ」
「なら良いけどさ! それと、目的の旅は順調なの? 早く街に着いて家畜やら野菜やらの種買わないと、本当に荒野になるからね?」
「色々あったんだ。 明日からは寄り道せずに行くから、お! これ美味いよ」
「そりゃ良かった! それと、そっちの勇者さん方! さっさと食べろよー?」
皆が広いレストランで食事をしている中、タリア達は隅で何やら憤っていた。
「お~い、タリア達はどうしたんだ?」
気付いたセムネイルが近寄ると、タリアがキレているのをアヤメとカリンコリンが宥めていた。
「あ、すみませんセムネイル様。 タリアが、魔人を生み出した魔王アスモを許せないって怒ってて」
「「宥めてるのですが、探し出して首を刎ねると聞かないのです」」
セムネイルかタリアの肩を優しく抱きしめ、泣いているタリアを落ち着かせる。
「タリア、お前は本当に最高の勇者だな。 そうだな、俺もアスモのした事を許すつもりは無い。 もし、居場所を見つけたら必ず教える。 2人で首を刎ねるぞ」
「ぐすっ……うぐっ……はい゙っ! 絶対に絶対に許せません! それ程の長い年月、どれだけの地獄を見てきたのか……私には想像も出来ませんっ!」
「そうだな……約束だ」
自身の妻を悲しませ、命を弄ぶ魔王アスモに対するセムネイルの怒りを見たグラは心の中で魔王アスモの死を確信していた。
(うわぁ~……残念ねアスモ。 貴方、まだ生きてても……死んだのと変わらない事をしたのよ。 あ、コレ美味しい)
しかし、キュイジーヌの美味なスープを飲んだ瞬間にグラの頭からアスモに対する同情心は消え去ったのであった。
「大変だったんですわね……ぐす。 もう大丈夫ですわ! セムネイル様に見つけていただいたんですもの!」
「そうです! 私達も協力出来る事はします! 安心してくだしい!」
エルフのプレーリーと鬼人のオルガは泣きながらイマを抱きしめており、他の亜人達も魔人達を歓迎しているようだった。
「魔人達は、独自の野菜を畑で育てて暮らしていたらしい。農場エリアの隣に新たな魔人エリアを作ったから、其処で運び込んだ野菜を育ててくれ。 プレーリー、同じ農業をする同士として仲良くしてやってくれ」
「何から何まで……本当にありがとうございます!」
「お任せくださいませセムネイル様!」
プレーリーやエルフ達と協力しながら生活して欲しいと云う願いは何とか問題無く進みそうだと、セムネイルは安堵する。
「イマちゃん可愛いですね、セムネイル様」
「ん? そ、そうだなローズ」
「お兄さん、どうしたんだい? えらく歯切れが悪いじゃないか」
「いや……その、な?」
グラに助けを求めると、ため息を吐いたグラがイマに問う。
「ねぇ、イマは幾つ?」
「きゃはは、お姉ちゃん達くすぐったいよ~! え? 私? えっと~……今年で300才ぐらいだよ!」
イマの元気な返事にローズとサシャの時は止まる。 セリス達は既に知っていたのか無反応だ。
「へぇ~、長生きな種族なんだね」
「ふふ、ならイマちゃんがお姉さんですわ」
そして、価値観が違うからか亜人のオルガとプレーリーは全く動じなかった。
「因みに、お祖父ちゃんは千才超えてるんだよ~」
「ほっほっほっ、長く生きてるだけの老いぼれですじゃ」
イマと祖父の会話に、普通の人間であるローズとサシャは苦笑いだった。
◆◇◆
「は~い、お待たせ~! それと、セムネイル様。 魔人達が育ててるっていう野菜、私まだ貰ってないんですけど!?」
料理を運ぶキュイジーヌに怒られ、セムネイルは笑う。
「分かってる分かってる。 後でイマの祖父に言っておくから許せ」
「なら良いけどさ! それと、目的の旅は順調なの? 早く街に着いて家畜やら野菜やらの種買わないと、本当に荒野になるからね?」
「色々あったんだ。 明日からは寄り道せずに行くから、お! これ美味いよ」
「そりゃ良かった! それと、そっちの勇者さん方! さっさと食べろよー?」
皆が広いレストランで食事をしている中、タリア達は隅で何やら憤っていた。
「お~い、タリア達はどうしたんだ?」
気付いたセムネイルが近寄ると、タリアがキレているのをアヤメとカリンコリンが宥めていた。
「あ、すみませんセムネイル様。 タリアが、魔人を生み出した魔王アスモを許せないって怒ってて」
「「宥めてるのですが、探し出して首を刎ねると聞かないのです」」
セムネイルかタリアの肩を優しく抱きしめ、泣いているタリアを落ち着かせる。
「タリア、お前は本当に最高の勇者だな。 そうだな、俺もアスモのした事を許すつもりは無い。 もし、居場所を見つけたら必ず教える。 2人で首を刎ねるぞ」
「ぐすっ……うぐっ……はい゙っ! 絶対に絶対に許せません! それ程の長い年月、どれだけの地獄を見てきたのか……私には想像も出来ませんっ!」
「そうだな……約束だ」
自身の妻を悲しませ、命を弄ぶ魔王アスモに対するセムネイルの怒りを見たグラは心の中で魔王アスモの死を確信していた。
(うわぁ~……残念ねアスモ。 貴方、まだ生きてても……死んだのと変わらない事をしたのよ。 あ、コレ美味しい)
しかし、キュイジーヌの美味なスープを飲んだ瞬間にグラの頭からアスモに対する同情心は消え去ったのであった。
23
お気に入りに追加
359
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる