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第112話 魔人の村
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少女はセムネイルとグラの言葉にビクリと身体を震わせたが、直ぐに2人の容姿を確認し笑顔に変わった。
「もしかして、お兄さんとお姉ちゃんは魔族様!?」
「ん……? まぁ、そうだ。 俺は欲望と狭間の魔王セムネイルだ」
「こんにちは~、私は魔剣の魔王グラよ。 貴女の名前は?」
「ま、まままま魔王様!? わ、私は魔人族のイマです! あ!! お姉ちゃん達、助けてくれてありがとうございます」
助けられた少女イマはセムネイルとグラに自己紹介した直後、慌ててセリス達にお辞儀した。
しかし、セムネイルとセリスは首を傾げる。 魔人族と名乗ったイマの見た目は茶髪に黒目だ。
最初は魔法で見た目を変えているのだろうと思ったが、近くで見るとどうやら違うらしい。 しかも、魔人族と云う2人が初めて聞いた種族だったのだ。
「大丈夫ですわよ、イマちゃん。 私は人間族ですがセムネイル様の妻なので安心して下さいね。 セリスと申します」
「私はエルフ族のリンです。 私もセムネイル様の妻なので、味方ですよ」
「俺はノラだ! セムネイルの雌だぞ! よろしくなイマ!」
イマは助けてくれた3人が敵では無いと判断したのか、嬉しそうに笑う。
「うむ、よろしく頼むイマ。 それより、聞いても良いか? イマと同じ……その、魔人族はまだ大勢居るのか?」
セムネイルの質問にイマは少し俯く。
「す、すみません……魔王様。 私達の里は他より数が多くないってお祖父ちゃんが言ってました。 でも、役に立てます! だから……もう見捨てないで下さい」
何故かポロポロと泣き出したイマを見て、セムネイルは大慌てだ。
「な、何故泣く!? 落ち着け、イマよ。 ゆっくり話しを聞かせて欲しい。 イマは何処から来たんだ」
「あぅ、あぅ……ぐす、すみません。 あっちに隠れ里があります。 助けてくれたお礼もしたいので……来てくれますか?」
潤んだ瞳で見つめられたセムネイルは否応無く頷き、又もや旅の目的とは違う事に時間を取られるのであった。
◆◇◆
「こっちだよお姉ちゃん! こっちこっち!」
イマは少女らしい笑顔でセリス達の手を引き、隠れ里へと到着していた。
「ねぇ、セムネイル」
「分かってる。 イマの実力なら、さっきの魔物ぐらいはデコピンで倒せるだろ」
「生きる知恵……なのかな」
「だろうな。 まぁ、セリス達に心を開いているのは確かなんだろう。 今は黙って付いて行くぞ。 魔人族ってのも気になるしな」
セムネイルとグラは、イマがわざと魔物に襲われる演技をし何かを企んでいた事を見抜いていた。
「ここを潜ると里の中です! どうぞー! 皆ーーー! 魔王様が御二人もお見えになったよー!」
潜った先には、簡素な家々が並び人間に見える人々が畑の世話をしていた。
そして、イマの言葉に驚いた魔人達が集まる。
本当に小さな里なのだろう。 集まったのは100人程と数えれる人数しか居ない。
先頭の老人がイマとセムネイル達を見て驚いていた。
「イマ! これは一体何事じゃ! それに最早、この里に魔王様がお見えになる等あり得……ん、じゃろ。 まさか、本当に……?」
「お祖父ちゃん! 本当だよ! 欲望と狭間の魔王セムネイル様と魔剣の魔王グラ様っていうお名前何だって!」
「まさか、そんな……ですが、何故今更この村に。 もう500年も魔族様がお見えになる事も無く、魔王様が来られたの等800年も前なのに……」
イマの祖父が呟く言葉が気になり、セムネイルは問う。
「イマに紹介された通り、欲望と狭間の魔王セムネイルと云う。 先にいっておく、俺達は敵ではない。 魔族では無い、魔人族と云う言葉が気になり案内してもらった」
「何と……! それでは、貴方様方は謀略と叡智の魔王アスモ様のお知り合いでは無いのですか?!」
イマの祖父が出した名前に、セムネイルとグラは激しく顔を歪めた。
「もしかして、お兄さんとお姉ちゃんは魔族様!?」
「ん……? まぁ、そうだ。 俺は欲望と狭間の魔王セムネイルだ」
「こんにちは~、私は魔剣の魔王グラよ。 貴女の名前は?」
「ま、まままま魔王様!? わ、私は魔人族のイマです! あ!! お姉ちゃん達、助けてくれてありがとうございます」
助けられた少女イマはセムネイルとグラに自己紹介した直後、慌ててセリス達にお辞儀した。
しかし、セムネイルとセリスは首を傾げる。 魔人族と名乗ったイマの見た目は茶髪に黒目だ。
最初は魔法で見た目を変えているのだろうと思ったが、近くで見るとどうやら違うらしい。 しかも、魔人族と云う2人が初めて聞いた種族だったのだ。
「大丈夫ですわよ、イマちゃん。 私は人間族ですがセムネイル様の妻なので安心して下さいね。 セリスと申します」
「私はエルフ族のリンです。 私もセムネイル様の妻なので、味方ですよ」
「俺はノラだ! セムネイルの雌だぞ! よろしくなイマ!」
イマは助けてくれた3人が敵では無いと判断したのか、嬉しそうに笑う。
「うむ、よろしく頼むイマ。 それより、聞いても良いか? イマと同じ……その、魔人族はまだ大勢居るのか?」
セムネイルの質問にイマは少し俯く。
「す、すみません……魔王様。 私達の里は他より数が多くないってお祖父ちゃんが言ってました。 でも、役に立てます! だから……もう見捨てないで下さい」
何故かポロポロと泣き出したイマを見て、セムネイルは大慌てだ。
「な、何故泣く!? 落ち着け、イマよ。 ゆっくり話しを聞かせて欲しい。 イマは何処から来たんだ」
「あぅ、あぅ……ぐす、すみません。 あっちに隠れ里があります。 助けてくれたお礼もしたいので……来てくれますか?」
潤んだ瞳で見つめられたセムネイルは否応無く頷き、又もや旅の目的とは違う事に時間を取られるのであった。
◆◇◆
「こっちだよお姉ちゃん! こっちこっち!」
イマは少女らしい笑顔でセリス達の手を引き、隠れ里へと到着していた。
「ねぇ、セムネイル」
「分かってる。 イマの実力なら、さっきの魔物ぐらいはデコピンで倒せるだろ」
「生きる知恵……なのかな」
「だろうな。 まぁ、セリス達に心を開いているのは確かなんだろう。 今は黙って付いて行くぞ。 魔人族ってのも気になるしな」
セムネイルとグラは、イマがわざと魔物に襲われる演技をし何かを企んでいた事を見抜いていた。
「ここを潜ると里の中です! どうぞー! 皆ーーー! 魔王様が御二人もお見えになったよー!」
潜った先には、簡素な家々が並び人間に見える人々が畑の世話をしていた。
そして、イマの言葉に驚いた魔人達が集まる。
本当に小さな里なのだろう。 集まったのは100人程と数えれる人数しか居ない。
先頭の老人がイマとセムネイル達を見て驚いていた。
「イマ! これは一体何事じゃ! それに最早、この里に魔王様がお見えになる等あり得……ん、じゃろ。 まさか、本当に……?」
「お祖父ちゃん! 本当だよ! 欲望と狭間の魔王セムネイル様と魔剣の魔王グラ様っていうお名前何だって!」
「まさか、そんな……ですが、何故今更この村に。 もう500年も魔族様がお見えになる事も無く、魔王様が来られたの等800年も前なのに……」
イマの祖父が呟く言葉が気になり、セムネイルは問う。
「イマに紹介された通り、欲望と狭間の魔王セムネイルと云う。 先にいっておく、俺達は敵ではない。 魔族では無い、魔人族と云う言葉が気になり案内してもらった」
「何と……! それでは、貴方様方は謀略と叡智の魔王アスモ様のお知り合いでは無いのですか?!」
イマの祖父が出した名前に、セムネイルとグラは激しく顔を歪めた。
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