【R-18】自称極悪非道な魔王様による冒険物語 ~俺様は好きにヤるだけだ~

秋刀魚妹子

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第104話 セムネイルブートキャンプ

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 「おはよう、昨日の話しを詳しく聞きに来たんだが」

 セムネイルはセリス達を連れて、朝からパイムの小さな冒険者ギルドを訪れていた。

 「おはようございます、魔王の花束の皆さん。 ギルドマスターがその件で話したいと言っておりますので、ぜひ奥へどうぞ」

 昨日の小柄な受付嬢に案内され、セムネイル達はギルドマスターの部屋へと通された。

 「これはこれは、リパンさん……この方々が昨日言ってた?」

 「そうです! Cランクパーティー魔王の花束の皆さんです!」

 案内された部屋には中年の男が座っております、セムネイル達に好意的な眼差しを向けている。

 「朝からすまん。 俺がリーダーのセムネイルだ」 「妻のセリスです」 「妻のリンです」 「番のノラだ!」 「何で皆いちいち妻って言うの? まぁ……良いけど。 妻のグラよ」

 「ほっほっほ、何とも羨ましい限りですな。 同じ男として尊敬しますぞ、セムネイル殿」

 「だろ? 自慢の妻達なんだ。 さて、早速で悪いがこの町の側にゴブリンとトロールの集落が出来たと聞いた。 詳しく聞かせてくれ」

 「分かりました。 私も、そのつもりでしたからな。 数日前にブルムフという街が災厄に見舞われたのはご存知ですか?」

 セムネイルが頷くのを確認したギルドマスターは続ける。

 「にわかに信じられませんが、上級の魔物が大勢ダンジョンから出て街を襲いました。 その影響は、近隣の森にまで及んだのです」

 「へぇ、なるほどね。 あの街近辺の弱い魔物達が一斉に逃げ出した結果って事ね」

 「そちらのグラさんの言う通りです。 本来、この小さな町パイムには魔物等住んでおりませんでした。 採取クエストが主な平和な町でしたから……」

 「状況は理解した。 俺達なら数時間も掛からずに駆逐出来るだろう。 だが……それで良いのか?」

 セムネイルの意図に気付いているギルドマスターは苦笑いだ。

 「ほっほっほ……おっしゃるとおりです。 この町の冒険者達では、次に同じ様な事が発生すれば何も出来ずに……最悪町が魔物に滅ぼされるやもしれません」

 「そうなるだろうな……。 ならば、ギルドマスターよ。 俺に掛けてみないか?」

 ニヤリと笑うセムネイルの笑顔にギルドマスターは冷や汗をかきながら頷いた。

 ◆◇◆

 ギルドマスターとの話が終わって暫し経った後。

 「よし、取り敢えずの数は揃ったな」

 ギルドの前では、セムネイル達に向かって20人の冒険者達が並んでいた。

 「ギルドマスターから話しを聞いた通りだ。 俺達が、お前達をゴブリンやトロール等雑魚だと教えてやる教官だ。 午前は訓練、午後には奴等の集落を叩くぞ」

 セムネイルの話しを聞いたFランク冒険者達の顔色はすこぶる悪い。 それに、リンとノラをいやらしい目つきで見る冒険者も少なからず居る。

 そして、そんな愚か者の1人が手を上げて発言した。

 「あ、あの……教官。 何故、亜人を連れているのですが? あ、囮ですか?」

 言い終えたと同時に、その冒険者は生まれてきた事を後悔する。

 「……あ゙ぁ?」

 セムネイルから心臓を握り潰した方がマシだと思える程の殺気が放たれ、20人の冒険者達を包み込んだ。

 「ひっ?!」 「あがががが!」 「息がっ……がはっ!」

 そして、リンとノラをいやらしい目つきで見ていた冒険者達はその場で白目を剥き地面へと倒れた。

 他の冒険者達も尻もちを付き、中には股間を濡らした者までいた。

 「おい、其処の3人は要らない。 適当に捨てとけ。 それと、俺の妻達を侮辱したら……次は殺す。 今回はこの町の為だから許したが、次があるとは思うな」

 「「「「「分かりました教官!!」」」」」

 残りの冒険者達は泣きながら返事をする。

 「よし。 では、訓練を開始する。 剣を使う者はグラと俺の所に来い。 魔法使いはセリスの所に、弓使いはリンの所だ。 両手持ちの武器使いはノラの所に行ってくれ。 さぁ、始めようか! 安心しろ、昼飯を食う頃にはお前達は生まれ変わっているだろう。 ふはははははは!!」

 セムネイルが高笑いしているのを、ギルドの入口で小柄な受付嬢リパンとギルドマスターが震えながら見ているのであった。
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