【R-18】自称極悪非道な魔王様による冒険物語 ~俺様は好きにヤるだけだ~

秋刀魚妹子

文字の大きさ
上 下
102 / 252

第101話 グラの権能で閃く変態

しおりを挟む
 「ただいま帰ったぞ~」

 セムネイル達は適当な宿屋を借り、扉に鍵をしっかりと掛けてから4次元の家へと帰って来ていた。

 「おかえりなさい、セムネイル様!」

 「お兄さん、お帰り~!」

 「おう、特に問題は無かったか? ローズ、サシャ」

 玄関で出迎えた2人の頭を撫でながら家に入る。

 「ギルドマスターが素材の買い取りや、魔石の買い取りであたふたしているぐらいですかね」

 「私の所は人を雇ったよ。 じゃないと……その、夜にお兄さんに会えないからさ」

 「そうか、2人共今日も可愛いな。 タリア達は何処だ?」

 家を見渡すが、ローズとサシャしか居らずタリア達の姿が無かった。 気配察知にも反応が無いという事は、4次元の外にいるのだろう。

 「あぁ、タリアさん達でしたらサシャさんの宿屋に居ますよ。 ギルドで知り合いのシスターに会ったみたいでして……大丈夫だと言ってましたが、呼んできましょうか?」

 「いや、久し振りに会った知り合いとの時間を奪うのは忍びないからな。 先に飯にするか。 良い匂いだ」

 家の中では、先に入ったセリスやリンが台所で作られた料理を更に盛り付けている。 グラとノラは早く食べたいとテーブルで待機中だ。

 「ふふ、野菜たっぷりシチューさ。 ローズちゃんと沢山作ったからいっぱい食べておくれ」

 「ありがとう、サシャ、ローズ。 腹いっぱい食わせてもらうよ」

 食卓の準備が整い、セムネイル達は夕食を食べ始める。 話題は勿論、今日の旅での出来事だ。

 「っていう事になってな。 明日は町のFランク冒険者達を引き摺って、ゴブリンとトロールの集落を潰してくる」

 「あはは……凄いですね」

 「お兄さんの話しを聞いてたら、私の常識が崩れてくね」

 「貴方様は凄いですから。 ん~、美味しい~!」

 「サシャさん、このシチューのレシピ教えて下さい」

 「勿論だよ、リンちゃん」

 「美味い! 美味い美味い美味い!」 

 「凄いわね、シチューって初めて食べた!」

 セムネイルは妻達との食事を楽しみながらも、タリア達の帰りが遅い事が気になり始めていた。

 「……セムネイル、私見てこようか?」

 そんなセムネイルの様子に気付いたグラが問うと、セムネイルは笑う。

 「ふははは! ありがとうグラ。 だが、大丈夫だ。 今は食事中だしな」

 「はぁ……別に良いわよ? 私は此処に居るから、よっと」

 座ってシチューを食べるグラの隣に、もう一人のグラが現れる。

 「じゃあ、よろしくね私」 「はいはい、任せてよ私」

 もう一人のグラは指輪を受け取り、そのまま家を出た。 恐らく、タリア達が開いた扉をくぐり呼びに行ったのだろう。

 「……ん? どしたの?」

 「グラさんが……2人?」 「グラちゃんが増えた……?」

 「凄いですわね、気配も全く同じでしたわ」

 「グラさんも魔王何ですよね? セムネイル様の様なお力を使えるのですか?」 

 「グラ、お前増えるのか??」

 ローズ達の質問にグラは苦笑する。

 「あはは、ちょっとちょっと待ってよ。 さっきのは、魔剣の魔王である私の権能だよ。 分身では無くて、魂を分けて分裂する感じかな? だから、互いに五感は常に共有してるし記憶も今食べてるシチューの味も向こうの私に伝わってるの。 数は幾らでも増やせるけど、魔剣が増える訳じゃないからする事は無いかな~」

 「それはつまり……痛みも痒みも快感もって事ですか?!」

 何やら興奮しているセリスにたじろぎながら、グラは返答する。

 「も、勿論よ。 あ、タリア達居たわよ。 私達が帰って来てるの伝えたら、全力で走って来てる。 ほら、帰って来たわよ」

 グラの言う通り、家の玄関が開きタリア達が帰って来た。

 「す、すみませんセムネイル様! お出迎えもせずに! って……あれ? グラさん??」

 「後ろに居たよね……?」

 「「というか、今目の前に居る」」

 カリンコリンの前にもう1人のグラが立っており、そのままシチューを食べているグラに吸収され消えた。

 「ね? 便利でしょ」

 タリア達が頭を傾げ、ローズ達が感嘆の声を上げている中、ずっと黙っていたセムネイルが立ち上がり叫んだ。

 「閃いた!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...