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第100話 小さな町パイム
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夕方になりかけた頃、セムネイル達は小さな町に辿り着いていた。
「やれやれ、今日だけで何回襲われてる奴等を助けたんだ?」
「貴方様、6回でございますわ」
「うん、そうだね。 それも、ゴブリンとトロールばっかりに襲われてた」
セムネイルはうんざりした顔で呟く。
「せめて、ゴブリンぐらいは冒険者なら倒してくれよ……」
「そうね。 私達の時代だと、ゴブリンって雑魚どころか絶滅危惧種になるぐらいに弱かったのにね」
妻達と町に入り進んでいると、リンが建物を見つけた。
「セムネイル様、この町にも冒険者ギルドがある様ですが行ってみますか?」
「そうだな。 流石に、この距離で6回も襲われてるって事は何か問題が有るのかもしれないからな。 一応顔を出すか」
セムネイル達は町の中央にあった冒険者ギルドへと入った。
大きさはブルムフのギルドに比べかなり小さく、スタッフも数人しか居ない様だ。 代わりに大勢の冒険者達がクエストボードや小さな酒場エリアでたむろし、呑んだくれている。
「いらっしゃいませ~。 あれ? 冒険者の方です?」
小柄な少女が受付嬢をしており、セムネイル達は真っすぐに向かった。 そして、冒険者のタグを取り出し見せる。
「Cランク冒険者パーティーの魔王の花束だ」
「確認出来ました。 ようこそセムネイルさん。 此処は旅人達が休む町パイムです。 目的地はミンガムですね~」
「あぁ。 だが、ブルムフからこの町に来るまでに6回魔物に襲われている商人や冒険者達を助けたんだ。 何か問題が発生しているのか聞きに来たんだ」
小柄な受付嬢はセムネイルの言葉に喜びの表情を浮かべた。
「本当ですか! 実は、近くの森にゴブリンとトロール達の集落が出来たみたいで……ご覧の通り依頼も滞っているんです」
「確かに小さな町にしてはクエストボードがいっぱいね。 でも、アレだけ冒険者達が居るならゴブリンやトロールの集落ぐらい倒せるんじゃないの?」
グラの質問に小柄な受付嬢は苦笑いだ。
「あはは……皆さんはCランクですよね? この町に居る冒険者さん達は殆どがFランクの方々ばかり何です。 唯一のCランク冒険者パーティー狼の牙さん達も、昨日ブルムフに向けて護衛の依頼で居ませんし……要するに、この町の冒険者さん達ではゴブリンにすら勝てません」
小柄な受付嬢がセムネイル達に説明しているのを、周囲の冒険者達は面白くない表情で聞いている。
「なる程な。 俺達が殲滅するのは簡単だ。 しかし、次同じ事が起きたらどうする」
「そ、それは……」
小柄な受付嬢が見てくる冒険者達に視線を送ると、直ぐに逸らされてしまう。
残念ながら、この様な小さな町で細々と採取の依頼等をこなす冒険者達は底辺なのだ。
魔物も命懸けの殺し合いをする実力も度胸も無い。
今も、早く強い冒険者達が町に現れてゴブリン達を殲滅して欲しいと願っている。 だが、それも面白くは思っていないというダメっぷりである。
「はぁ……とりあえず、今日はもう休む。 明日、もう一度来た時に詳しい話しを聞かせてくれ」
「は、はい! ぜひ、よろしくお願い致します! あ、宿屋はギルドを出て左手側に沢山在りますので……」
「ありがとう。 皆、行くぞ」
セムネイル達はギルドの出口へと向かう。 その時に、底辺冒険者達がグラやリン達をいやらしい顔で見ている事にセムネイルは気付いていた。 恐らく、亜人の性奴隷を連れ歩いていると勘違いしているのだろう。
「ねぇ、セムネイル……」
「落ち着け、グラ。 俺に考えがある」
「セムネイル様、明日魔物の集落を殲滅するのですよね?」
「戦うぞ! 俺に任せろセムネイル!!」
「くっくっくっ、それも良いが。 まぁ、俺に任せとけ。 さぁ、適当な宿屋に泊まって家に帰ろう」
セムネイルは魔王らしい悪い顔で笑っていた。
「やれやれ、今日だけで何回襲われてる奴等を助けたんだ?」
「貴方様、6回でございますわ」
「うん、そうだね。 それも、ゴブリンとトロールばっかりに襲われてた」
セムネイルはうんざりした顔で呟く。
「せめて、ゴブリンぐらいは冒険者なら倒してくれよ……」
「そうね。 私達の時代だと、ゴブリンって雑魚どころか絶滅危惧種になるぐらいに弱かったのにね」
妻達と町に入り進んでいると、リンが建物を見つけた。
「セムネイル様、この町にも冒険者ギルドがある様ですが行ってみますか?」
「そうだな。 流石に、この距離で6回も襲われてるって事は何か問題が有るのかもしれないからな。 一応顔を出すか」
セムネイル達は町の中央にあった冒険者ギルドへと入った。
大きさはブルムフのギルドに比べかなり小さく、スタッフも数人しか居ない様だ。 代わりに大勢の冒険者達がクエストボードや小さな酒場エリアでたむろし、呑んだくれている。
「いらっしゃいませ~。 あれ? 冒険者の方です?」
小柄な少女が受付嬢をしており、セムネイル達は真っすぐに向かった。 そして、冒険者のタグを取り出し見せる。
「Cランク冒険者パーティーの魔王の花束だ」
「確認出来ました。 ようこそセムネイルさん。 此処は旅人達が休む町パイムです。 目的地はミンガムですね~」
「あぁ。 だが、ブルムフからこの町に来るまでに6回魔物に襲われている商人や冒険者達を助けたんだ。 何か問題が発生しているのか聞きに来たんだ」
小柄な受付嬢はセムネイルの言葉に喜びの表情を浮かべた。
「本当ですか! 実は、近くの森にゴブリンとトロール達の集落が出来たみたいで……ご覧の通り依頼も滞っているんです」
「確かに小さな町にしてはクエストボードがいっぱいね。 でも、アレだけ冒険者達が居るならゴブリンやトロールの集落ぐらい倒せるんじゃないの?」
グラの質問に小柄な受付嬢は苦笑いだ。
「あはは……皆さんはCランクですよね? この町に居る冒険者さん達は殆どがFランクの方々ばかり何です。 唯一のCランク冒険者パーティー狼の牙さん達も、昨日ブルムフに向けて護衛の依頼で居ませんし……要するに、この町の冒険者さん達ではゴブリンにすら勝てません」
小柄な受付嬢がセムネイル達に説明しているのを、周囲の冒険者達は面白くない表情で聞いている。
「なる程な。 俺達が殲滅するのは簡単だ。 しかし、次同じ事が起きたらどうする」
「そ、それは……」
小柄な受付嬢が見てくる冒険者達に視線を送ると、直ぐに逸らされてしまう。
残念ながら、この様な小さな町で細々と採取の依頼等をこなす冒険者達は底辺なのだ。
魔物も命懸けの殺し合いをする実力も度胸も無い。
今も、早く強い冒険者達が町に現れてゴブリン達を殲滅して欲しいと願っている。 だが、それも面白くは思っていないというダメっぷりである。
「はぁ……とりあえず、今日はもう休む。 明日、もう一度来た時に詳しい話しを聞かせてくれ」
「は、はい! ぜひ、よろしくお願い致します! あ、宿屋はギルドを出て左手側に沢山在りますので……」
「ありがとう。 皆、行くぞ」
セムネイル達はギルドの出口へと向かう。 その時に、底辺冒険者達がグラやリン達をいやらしい顔で見ている事にセムネイルは気付いていた。 恐らく、亜人の性奴隷を連れ歩いていると勘違いしているのだろう。
「ねぇ、セムネイル……」
「落ち着け、グラ。 俺に考えがある」
「セムネイル様、明日魔物の集落を殲滅するのですよね?」
「戦うぞ! 俺に任せろセムネイル!!」
「くっくっくっ、それも良いが。 まぁ、俺に任せとけ。 さぁ、適当な宿屋に泊まって家に帰ろう」
セムネイルは魔王らしい悪い顔で笑っていた。
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