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第96話 顔合わせと説明
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セムネイル達はギルドでの手続きを終え、家へと帰って来ていた。 そして、明日からこの街を一旦離れる事を妻達や亜人の娘達に説明していた。
今はキュイジーヌのレストランにあるテーブルに4次元の住民全員が集まっている。 ついでに、妻達と亜人の娘達との顔合わせも終わった所だ。
「という訳で、明日から俺達は南にある街に向かう。 その依頼が終わったら、そのまま王都で冒険者学校の教官をしてから戻って来る予定だ。 街にはサシャとローズが仕事がある為に残り、タリア達が護衛として留守番する事になってる。 よろしく頼む。 まぁ、街を一旦離れると言っても夜には必ず4次元に帰って来るから安心してくれ。 何か質問はあるか?」
妻達には既に説明を終えているので、問題は無さそうだが亜人の娘達が不安そうな顔をしていた。 そして、一人のエルフの娘が手を上げる。
「ん? どうした?」
「あ、あの! 質問なのですが……その説明にあった逃亡奴隷が亜人では無く人間だった場合はどうされるのでしょうか……」
セムネイルはエルフの娘からの質問に苦笑する。
「安心しろ。 もし、人間でも理由次第ではこの4次元に匿うつもりだ。 元の場所に問答無用で返すことは無いから心配するな」
セムネイルの返事を聞き、幾人かの娘達が安堵する。 自分達を奴隷にした種族を差別せずに、酷い扱いを受けているなら同じ様に助けて欲しいと願うその清らかな心にセムネイルは嬉しくなる。
そして、同時に差別ばかりする人間達に対する不満も蓄積された。
「くっくっくっ、他にもあるか?」
「は、はい! セムネイル様、よろしいでしょうか」
今度は鬼人族の代表オルガが立ち上がる。
「オルガか。 勿論だ、何だ?」
「南の街に行った際に、家畜を購入できそうでしたら追加の家畜をお願いしたいです」
「いいが、何か問題事か?」
セムネイルはそれなりの量の家畜を渡したと記憶していたが、何かあった様だ。
「実は……キュイジーヌさんが、豪快に家畜達を食材として捌きまして。 とても美味しいのですが、このままですと増える前に全滅します」
「キュイジーヌ……おい、肉は山程買っただろ」
オルガの話しを聞き、厨房にいるキュイジーヌに注意する。
「あははは! ごめんごめん! だって、あんなに美味しそうな牛初めて見たからさ。 鬼人族ってのは、本当に家畜の扱いが上手いんだな」
全く反省していないキュイジーヌの様子にセムネイルはため息を吐く。
「オルガ、すまない。 この街にある酪農家で買える家畜は全て買ったからな……南の街に着いたら聞いてみるよ」
「ありがとうございます、セムネイル様」
オルガは席に付き、嬉しそうに微笑んだ。
「うし。 他には無いか?」
「セムネイル様、私もよろしいでしょうか?」
「プレーリー、どうした」
エルフの代表プレーリーがおずおずと立ち上がる。
「実は……キュイジーヌさんが、育て始めた野菜や果物を次から次に取って行くのです。 それを使った料理がとても美味しいのですが……このままですと、農場が荒野に……」
「おい、キュイジーヌ……頼むよ」
「ごめんごめん! だって、エルフの育てる野菜や果物ってめちゃくちゃ美味しくて凄く早く育つんだもん。 料理に使ってみたくてさ! 本当にごめん!!」
厨房からキュイジーヌの声だけが聞こえる。 昼食の料理をしながらなので、セムネイルもこれ以上は強く言えなかった。
「分かった、野菜や果物も南の街に到着したら市場にでも顔を出してみる。 とりあえず、残ってる野菜や果物を頼む」
「ありがとうございます、セムネイル様」
そして、誰からも手が上がらなくなったのを確認した所でキュイジーヌが料理を運んで来た。
「話は終わったか? なら飯だ!! 今日の昼飯も美味いぜ~? さぁ、たんと食いな!」
昼飯はキュイジーヌのレストランで食べると決めていたセムネイル達は、次から次に並べられたご馳走を全員で仲良く食べるのであった。
今はキュイジーヌのレストランにあるテーブルに4次元の住民全員が集まっている。 ついでに、妻達と亜人の娘達との顔合わせも終わった所だ。
「という訳で、明日から俺達は南にある街に向かう。 その依頼が終わったら、そのまま王都で冒険者学校の教官をしてから戻って来る予定だ。 街にはサシャとローズが仕事がある為に残り、タリア達が護衛として留守番する事になってる。 よろしく頼む。 まぁ、街を一旦離れると言っても夜には必ず4次元に帰って来るから安心してくれ。 何か質問はあるか?」
妻達には既に説明を終えているので、問題は無さそうだが亜人の娘達が不安そうな顔をしていた。 そして、一人のエルフの娘が手を上げる。
「ん? どうした?」
「あ、あの! 質問なのですが……その説明にあった逃亡奴隷が亜人では無く人間だった場合はどうされるのでしょうか……」
セムネイルはエルフの娘からの質問に苦笑する。
「安心しろ。 もし、人間でも理由次第ではこの4次元に匿うつもりだ。 元の場所に問答無用で返すことは無いから心配するな」
セムネイルの返事を聞き、幾人かの娘達が安堵する。 自分達を奴隷にした種族を差別せずに、酷い扱いを受けているなら同じ様に助けて欲しいと願うその清らかな心にセムネイルは嬉しくなる。
そして、同時に差別ばかりする人間達に対する不満も蓄積された。
「くっくっくっ、他にもあるか?」
「は、はい! セムネイル様、よろしいでしょうか」
今度は鬼人族の代表オルガが立ち上がる。
「オルガか。 勿論だ、何だ?」
「南の街に行った際に、家畜を購入できそうでしたら追加の家畜をお願いしたいです」
「いいが、何か問題事か?」
セムネイルはそれなりの量の家畜を渡したと記憶していたが、何かあった様だ。
「実は……キュイジーヌさんが、豪快に家畜達を食材として捌きまして。 とても美味しいのですが、このままですと増える前に全滅します」
「キュイジーヌ……おい、肉は山程買っただろ」
オルガの話しを聞き、厨房にいるキュイジーヌに注意する。
「あははは! ごめんごめん! だって、あんなに美味しそうな牛初めて見たからさ。 鬼人族ってのは、本当に家畜の扱いが上手いんだな」
全く反省していないキュイジーヌの様子にセムネイルはため息を吐く。
「オルガ、すまない。 この街にある酪農家で買える家畜は全て買ったからな……南の街に着いたら聞いてみるよ」
「ありがとうございます、セムネイル様」
オルガは席に付き、嬉しそうに微笑んだ。
「うし。 他には無いか?」
「セムネイル様、私もよろしいでしょうか?」
「プレーリー、どうした」
エルフの代表プレーリーがおずおずと立ち上がる。
「実は……キュイジーヌさんが、育て始めた野菜や果物を次から次に取って行くのです。 それを使った料理がとても美味しいのですが……このままですと、農場が荒野に……」
「おい、キュイジーヌ……頼むよ」
「ごめんごめん! だって、エルフの育てる野菜や果物ってめちゃくちゃ美味しくて凄く早く育つんだもん。 料理に使ってみたくてさ! 本当にごめん!!」
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