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第90話 キュイジーヌの仕事場
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「さて、キュイジーヌ。 これから、お前の家であり仕事場を創るんだが……どんなのが良いか要望があるか?」
セムネイルに問われ、呆然自失していたキュイジーヌが正気を取り戻す。
「はは、つまり何か? この見渡す限りの世界は、セムネイル様が創ったし……建物やらも創ったと?」
「勿論だ。 それが狭間の権能だからな。 それで、どんなのが良い」
セムネイルに急かされたキュイジーヌは羊皮紙を取り出し、自身の思い描く最高の仕事場を書き出した。
「本当に何でも創れるなら、これで頼む!!」
受け取った羊皮紙を確認したセムネイルは笑う。
「任せろ。 狭間の魔王が命じる、木よ踊れ、石よ助けよ、我が命を聞け! 創造の手本!!」
平屋の隣に巨大なレストランが出現し、キュイジーヌは飛び跳ねて喜んだ。
「うぉぉぉぉ!! マジかよ! 王都のレストランそっくりじゃねえか! テンション上がるぜー! 中入って良いか!?」
「当たり前だろ。 此処が、キュイジーヌの仕事場何だからな」
キュイジーヌはレストランの石壁撫でながら、木の扉を開けて中へと入った。
レストランの中は丸机に椅子が並び、とても広くキュイジーヌは満足そうに頷く。 そのまま厨房に向かい、冒険者ギルドの厨房とそっくりな事に驚いた。
「おいおい、道具も何もかもそのままそっくりだ! うおー! すげぇすげぇ! セムネイル様よ! アタイ、アンタに一生付いてくぜ!」
「くっくっくっ、喜んでもらえて何よりだ。 それより、メモに居住スペースと書かれていたから2階に作ってあるぞ? 厨房の横にある階段から行けるから其処も見てくれ」
キュイジーヌは階段を確認し、一目散に駆け上がった。
「うぉ!? 何だよコレ、アタイが借りて住んでた家の百倍良い部屋じゃねぇか! ベットもでけぇぇぇ! うひょー!」
2階から聞こえるキュイジーヌの声にセムネイルは笑う。
「なぁなぁ! セムネイル様よ! アンタに抱かれても良いぐらいにすげぇ嬉しいよ! 抱くか!?」
「ふははは! それは魅力的な提案だが、今は止めておこう。 それより、さっき買った食材を厨房に仕舞いたいんだ。 場所を指示してくれるか?」
「ちぇっ! まぁ、今度で良いか! よっしゃ、やるかぁー!」
キュイジーヌは階段を駆け下り、セムネイルに頼んで厨房の冷蔵庫や格納庫に大量の食材を順番に仕舞うのであった。
「冷蔵庫と格納庫はめちゃくちゃ大きくしてくれたんだな! 最高だぜ!!」
◆◇◆
「皆、此処が食事をしてもらうレストランだ。 入ってくれ」
キュイジーヌの準備が完了し、セムネイルは亜人の娘達をレストランへと連れて来た。
「し、失礼しますわ。 す、凄いですわね……何て大きなレストラン」
「本当です。 人間族の食事に対する熱意は凄いと聞きましたが……」
エルフのプレーリーと鬼人のオルガがそれぞれの娘達を連れて、席へと座る。
「なははは! 凄い広いな! セムネイル様、腹減ったぞ!」
熊獣人のベア達も腹を鳴らしながら席座り、ガヤガヤと元気いっぱいだ。 それに、何故か普通にノラが紛れていて、セムネイルは笑った。
「うひゃ~……これもセムネイル様が建てたんですよね? ドワーフの立つ瀬が無いですね。 あはは……」
ドワーフのルグ達は、セムネイルが建造したレストランに興味津々で壁や柱を触っている。
「よし、全員揃ったな。 改めて説明しとく。 俺は亜人族達の中ですら溝が出来たり不仲になるのが非常に嫌だ。 だから、文化の違いでの衝突が起これば直ぐに知らせてくれ」
「「「「「はい!」」」」」
「はいはい、料理を運んじまうよー? セムネイル様、挨拶はさっさとしてくれな」
セムネイルの話しに亜人の娘達が返事をしていると、キュイジーヌが台車を大量に運んで来た。
「ふははは! 分かった、手短に済ます。 今回は、食事の事でエルフと鬼人族との間で口論になっていた為に皆の食事を提供する料理人を雇った。 名前をキュイジーヌで、エルフは野菜料理、鬼人は肉料理しか食さない事を伝えると快く承諾してくれた。 どうか、仲良く生活してくれると嬉しい、以上だ!」
「よぅし! 飯だ飯だー! エルフは厳選した野菜のサンドイッチ! 鬼人は2つ首牛の極厚ステーキ! 好き嫌いの無い獣人とドワーフには、アタイが得意な料理のフルコースだよ! たらふく食いなぁ!!」
「「「「「いただきまーす!」」」」」
亜人の娘達は、キュイジーヌの料理を美味しそうに頬張りエルフや鬼人達も満面の笑みでご馳走を口にしていた。
「あはは! 皆、いい顔で食べるな! こりゃ、良い仕事場になりそうだな」
「くっくっくっ、何よりだ。 じゃあ、俺達は家に帰って飯食うぞ~ノラ」
セムネイルに捕まったノラは、骨付き肉に齧り付いていたのか手に骨を持っていた。
「うー……バレたか~」
「ふははは! 俺が妻に気付かない訳ないだろ? じゃあ、またな」
「おう! 今度はセムネイル様や奥さん達も食いに来てくれよな!」
こうして、亜人の食事関連のトラブルは解決しセムネイルは安堵しながら家へと帰った。
セムネイルに問われ、呆然自失していたキュイジーヌが正気を取り戻す。
「はは、つまり何か? この見渡す限りの世界は、セムネイル様が創ったし……建物やらも創ったと?」
「勿論だ。 それが狭間の権能だからな。 それで、どんなのが良い」
セムネイルに急かされたキュイジーヌは羊皮紙を取り出し、自身の思い描く最高の仕事場を書き出した。
「本当に何でも創れるなら、これで頼む!!」
受け取った羊皮紙を確認したセムネイルは笑う。
「任せろ。 狭間の魔王が命じる、木よ踊れ、石よ助けよ、我が命を聞け! 創造の手本!!」
平屋の隣に巨大なレストランが出現し、キュイジーヌは飛び跳ねて喜んだ。
「うぉぉぉぉ!! マジかよ! 王都のレストランそっくりじゃねえか! テンション上がるぜー! 中入って良いか!?」
「当たり前だろ。 此処が、キュイジーヌの仕事場何だからな」
キュイジーヌはレストランの石壁撫でながら、木の扉を開けて中へと入った。
レストランの中は丸机に椅子が並び、とても広くキュイジーヌは満足そうに頷く。 そのまま厨房に向かい、冒険者ギルドの厨房とそっくりな事に驚いた。
「おいおい、道具も何もかもそのままそっくりだ! うおー! すげぇすげぇ! セムネイル様よ! アタイ、アンタに一生付いてくぜ!」
「くっくっくっ、喜んでもらえて何よりだ。 それより、メモに居住スペースと書かれていたから2階に作ってあるぞ? 厨房の横にある階段から行けるから其処も見てくれ」
キュイジーヌは階段を確認し、一目散に駆け上がった。
「うぉ!? 何だよコレ、アタイが借りて住んでた家の百倍良い部屋じゃねぇか! ベットもでけぇぇぇ! うひょー!」
2階から聞こえるキュイジーヌの声にセムネイルは笑う。
「なぁなぁ! セムネイル様よ! アンタに抱かれても良いぐらいにすげぇ嬉しいよ! 抱くか!?」
「ふははは! それは魅力的な提案だが、今は止めておこう。 それより、さっき買った食材を厨房に仕舞いたいんだ。 場所を指示してくれるか?」
「ちぇっ! まぁ、今度で良いか! よっしゃ、やるかぁー!」
キュイジーヌは階段を駆け下り、セムネイルに頼んで厨房の冷蔵庫や格納庫に大量の食材を順番に仕舞うのであった。
「冷蔵庫と格納庫はめちゃくちゃ大きくしてくれたんだな! 最高だぜ!!」
◆◇◆
「皆、此処が食事をしてもらうレストランだ。 入ってくれ」
キュイジーヌの準備が完了し、セムネイルは亜人の娘達をレストランへと連れて来た。
「し、失礼しますわ。 す、凄いですわね……何て大きなレストラン」
「本当です。 人間族の食事に対する熱意は凄いと聞きましたが……」
エルフのプレーリーと鬼人のオルガがそれぞれの娘達を連れて、席へと座る。
「なははは! 凄い広いな! セムネイル様、腹減ったぞ!」
熊獣人のベア達も腹を鳴らしながら席座り、ガヤガヤと元気いっぱいだ。 それに、何故か普通にノラが紛れていて、セムネイルは笑った。
「うひゃ~……これもセムネイル様が建てたんですよね? ドワーフの立つ瀬が無いですね。 あはは……」
ドワーフのルグ達は、セムネイルが建造したレストランに興味津々で壁や柱を触っている。
「よし、全員揃ったな。 改めて説明しとく。 俺は亜人族達の中ですら溝が出来たり不仲になるのが非常に嫌だ。 だから、文化の違いでの衝突が起これば直ぐに知らせてくれ」
「「「「「はい!」」」」」
「はいはい、料理を運んじまうよー? セムネイル様、挨拶はさっさとしてくれな」
セムネイルの話しに亜人の娘達が返事をしていると、キュイジーヌが台車を大量に運んで来た。
「ふははは! 分かった、手短に済ます。 今回は、食事の事でエルフと鬼人族との間で口論になっていた為に皆の食事を提供する料理人を雇った。 名前をキュイジーヌで、エルフは野菜料理、鬼人は肉料理しか食さない事を伝えると快く承諾してくれた。 どうか、仲良く生活してくれると嬉しい、以上だ!」
「よぅし! 飯だ飯だー! エルフは厳選した野菜のサンドイッチ! 鬼人は2つ首牛の極厚ステーキ! 好き嫌いの無い獣人とドワーフには、アタイが得意な料理のフルコースだよ! たらふく食いなぁ!!」
「「「「「いただきまーす!」」」」」
亜人の娘達は、キュイジーヌの料理を美味しそうに頬張りエルフや鬼人達も満面の笑みでご馳走を口にしていた。
「あはは! 皆、いい顔で食べるな! こりゃ、良い仕事場になりそうだな」
「くっくっくっ、何よりだ。 じゃあ、俺達は家に帰って飯食うぞ~ノラ」
セムネイルに捕まったノラは、骨付き肉に齧り付いていたのか手に骨を持っていた。
「うー……バレたか~」
「ふははは! 俺が妻に気付かない訳ないだろ? じゃあ、またな」
「おう! 今度はセムネイル様や奥さん達も食いに来てくれよな!」
こうして、亜人の食事関連のトラブルは解決しセムネイルは安堵しながら家へと帰った。
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