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第81話 新領主と英雄誕生
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セムネイルの蹴りが炸裂し、頭部を失った領主の身体は床へと倒れた。
「なっ?! 貴様、よくも! コイツを殺せ!」
隊長らしき男が命令すると、領主館の広間に詰めていた騎士達が一斉に襲い掛かる。 しかし、セムネイルの怖さを知っている百人隊長のドムは部下達を連れて一目散に広間の端へと逃げていった。
巻き添えを恐れたのだろう。
「踊れ、笑え、契約せし殺戮人形。 俺の手にその刃を宿せ。 痛み、傷み、苦痛の限りを味わえ! 殺戮人形の舞!」
黒く薄い不気味な靄が掛かったセムネイルの手が、向かって来る騎士達を切り刻む。
セムネイルの背後に現れた半透明の美しい少女の人形は、主を怒らした痴れ者達に激怒している。
「ぎゃっ?!」 「俺の首が、首がぁぁぁ!」 「やめろ俺の首を踏むな!」 「何で生きてるんだ、何で生きてるんだよぉぉぉ!」 「ひぃぃぃ、痛い痛い痛い痛い」 「「「「「ぎゃぁぁぁぁっ!」」」」」
セムネイルは広間に居た騎士達の首を全て落とした。 その数は100近くに上り、広間は首が無いのにも関わらず何故か死なずに蠢く騎士達で溢れ地獄絵図と化していた。
「ローズ、セリス。 すまない……遅くなった」
そんな地獄絵図等全く気にする事は無く、セムネイルはローズとセリスの縄を解いてやる。
「あはは……すみません、セムネイル様」
「ふふ♪ 抵抗しようかとも思ったのですが……すみません、貴方様。 私も助けられてみたかったのです♡」
「やれやれ、困った奴だな。 わざと捕まったんだな? そりゃそっか……これぐらいの相手にローズやセリスが負ける訳ないよな」
ローズは申し訳無さそうに笑い、セリスは幸せだと顔に書いてあった。
「セリス、今日の夜はお仕置きだ。 いつぞやの宝物庫で着てた踊り子の服を着て部屋に来い」
「……はぃ♡ 仰せのままに♡」
「まぁ、どのみち領主を殺しに来たんだから結果は変わらないが……セリスの可愛いヤキモチが見れたんだ良しとするか」
セムネイルは2人の頭を撫で、尻もちを付いて震えている領主の息子の所へと向かう。
「よう、お前がこの間住人達を領主の館に入れる許可を出した息子か? おっと、すまん。 俺は極悪非道の欲望と狭間の魔王、セムネイルだ」
話し掛けられた息子は顎をガタガタと震わせながら頷く。
「そうか。 一つ聞く、お前の父親は俺の女に手を出すと云うこの世で最も愚かな行為をした為に死んだ。 つまり、この街の領主が居なくなったのだ。 それで、お前は……どうしたい」
息子は暫く震えた後に、決意した表情で口を開いた。
「も、もももし、機会を頂けるなら、この街の領主となって住人達の為になる領主になりたいです!」
セムネイルは息子の目をじっと見つめ、笑う。
「良い顔だ。 よし、ならばこれよりこの街の領主を名乗れ。 おい! ドム、此方に来い!」
「はい!!」
呼ばれた100人隊長ドムは全速力でセムネイルの前へとやって来た。
「大変だ、ドム。 一昨日の災厄で住人達を必死に守ろうとした領主殿が戦死されたぞ? だが、安心だ。 此処に、住人達を真に想える新たな領主が現れたではないか! お前はコイツを連れて王都に行き事の顛末を報告しろ。 それと……お前名前は?」
「えっ? あ……私はボンタン フォル ビルです!」
「よし、ビル。 俺の妻が大切にしている街を私利私欲の為に消費してみろ。 その時は、この光景よりも酷い地獄を見せてやる。 分かったな?」
「は、はい!! 必ずそのような事の無い様に務めます!」
「あ、あの! 勿論、報告致しますが……流石に攻めてきた魔物の種類を考えますと無理があるかと! 正直、上級の魔物達に攻められて街が残っているのが奇跡ですから」
ドムの進言を聞き、セムネイルは考える。
「誰か良い生贄は……お! 丁度いいのが居るぞ」
セムネイルがそう発言したと同時に、領主館の玄関が開かれた。
「すいやせーん、門番の人倒れてたけど大丈夫ですか~? え……何があったんだコリャ」
入って来たのはSランク冒険者パーティー竜の尻尾達だ。
ブッチは部屋の惨劇を見てから、セムネイルの方を見て固まった。
「ドム、英雄達が来たぞ」
ニヤリと笑うセムネイルが此方を見ていたから。
「なっ?! 貴様、よくも! コイツを殺せ!」
隊長らしき男が命令すると、領主館の広間に詰めていた騎士達が一斉に襲い掛かる。 しかし、セムネイルの怖さを知っている百人隊長のドムは部下達を連れて一目散に広間の端へと逃げていった。
巻き添えを恐れたのだろう。
「踊れ、笑え、契約せし殺戮人形。 俺の手にその刃を宿せ。 痛み、傷み、苦痛の限りを味わえ! 殺戮人形の舞!」
黒く薄い不気味な靄が掛かったセムネイルの手が、向かって来る騎士達を切り刻む。
セムネイルの背後に現れた半透明の美しい少女の人形は、主を怒らした痴れ者達に激怒している。
「ぎゃっ?!」 「俺の首が、首がぁぁぁ!」 「やめろ俺の首を踏むな!」 「何で生きてるんだ、何で生きてるんだよぉぉぉ!」 「ひぃぃぃ、痛い痛い痛い痛い」 「「「「「ぎゃぁぁぁぁっ!」」」」」
セムネイルは広間に居た騎士達の首を全て落とした。 その数は100近くに上り、広間は首が無いのにも関わらず何故か死なずに蠢く騎士達で溢れ地獄絵図と化していた。
「ローズ、セリス。 すまない……遅くなった」
そんな地獄絵図等全く気にする事は無く、セムネイルはローズとセリスの縄を解いてやる。
「あはは……すみません、セムネイル様」
「ふふ♪ 抵抗しようかとも思ったのですが……すみません、貴方様。 私も助けられてみたかったのです♡」
「やれやれ、困った奴だな。 わざと捕まったんだな? そりゃそっか……これぐらいの相手にローズやセリスが負ける訳ないよな」
ローズは申し訳無さそうに笑い、セリスは幸せだと顔に書いてあった。
「セリス、今日の夜はお仕置きだ。 いつぞやの宝物庫で着てた踊り子の服を着て部屋に来い」
「……はぃ♡ 仰せのままに♡」
「まぁ、どのみち領主を殺しに来たんだから結果は変わらないが……セリスの可愛いヤキモチが見れたんだ良しとするか」
セムネイルは2人の頭を撫で、尻もちを付いて震えている領主の息子の所へと向かう。
「よう、お前がこの間住人達を領主の館に入れる許可を出した息子か? おっと、すまん。 俺は極悪非道の欲望と狭間の魔王、セムネイルだ」
話し掛けられた息子は顎をガタガタと震わせながら頷く。
「そうか。 一つ聞く、お前の父親は俺の女に手を出すと云うこの世で最も愚かな行為をした為に死んだ。 つまり、この街の領主が居なくなったのだ。 それで、お前は……どうしたい」
息子は暫く震えた後に、決意した表情で口を開いた。
「も、もももし、機会を頂けるなら、この街の領主となって住人達の為になる領主になりたいです!」
セムネイルは息子の目をじっと見つめ、笑う。
「良い顔だ。 よし、ならばこれよりこの街の領主を名乗れ。 おい! ドム、此方に来い!」
「はい!!」
呼ばれた100人隊長ドムは全速力でセムネイルの前へとやって来た。
「大変だ、ドム。 一昨日の災厄で住人達を必死に守ろうとした領主殿が戦死されたぞ? だが、安心だ。 此処に、住人達を真に想える新たな領主が現れたではないか! お前はコイツを連れて王都に行き事の顛末を報告しろ。 それと……お前名前は?」
「えっ? あ……私はボンタン フォル ビルです!」
「よし、ビル。 俺の妻が大切にしている街を私利私欲の為に消費してみろ。 その時は、この光景よりも酷い地獄を見せてやる。 分かったな?」
「は、はい!! 必ずそのような事の無い様に務めます!」
「あ、あの! 勿論、報告致しますが……流石に攻めてきた魔物の種類を考えますと無理があるかと! 正直、上級の魔物達に攻められて街が残っているのが奇跡ですから」
ドムの進言を聞き、セムネイルは考える。
「誰か良い生贄は……お! 丁度いいのが居るぞ」
セムネイルがそう発言したと同時に、領主館の玄関が開かれた。
「すいやせーん、門番の人倒れてたけど大丈夫ですか~? え……何があったんだコリャ」
入って来たのはSランク冒険者パーティー竜の尻尾達だ。
ブッチは部屋の惨劇を見てから、セムネイルの方を見て固まった。
「ドム、英雄達が来たぞ」
ニヤリと笑うセムネイルが此方を見ていたから。
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