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第80話 領主3秒クッキング
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「じゃあ、行ってくる。 用事が終わったら帰って来るから3人は好きに過ごしててくれ」
「行ってきますね」 「ノラ、走り回っても良いけど、農業エリアや酪農エリアには入っちゃ駄目だからね」
「おう! 任せろ! セリスも気を付けてな! ローズも落ちてるの拾って食べるなよー!」
元気いっぱいのノラがローズとセリスに抱き付く。 これからセムネイルは蜜蜂を探してから領主の館へ、ローズとセリスは2人で冒険者ギルドに向かう事になったのだ。
ローズの報告によると、街の住人達が助けくれたセリスの事を探しているらしく遂には冒険者だと知り、ギルドに大挙して押し寄せているらしい。
仕方無く、ローズとセリスがギルドに出向き住民達を落ち着かせに行く事になったのだ。
「セムネイル様、ローズ姉さん、セリスさん、お気を付けて!」
「行ってら~。 私はリンちゃんとサンドイッチの練習するから。 帰ったら……食べてよね」
見送りの3人と口づけを交わし、セムネイル達は門を潜った。
「セムネイル様、教会に顔を出すと行って先に出掛けたタリアさん達は大丈夫でしょうか」
「ふふ、大丈夫ですわローズ姉様。 この街の司教はグラさんが炭にしてくれましたから。 アヤメさん達も大丈夫だと言ってました」
「あぁ、だが用事が終わっても帰ってなかったら俺が様子を見に行くから大丈夫だぞローズ」
「分かりました。 ではその時はお願いしますね」
3人は地下から一階の受付に行き、サシャに顔を出す。
「サシャ、用事を済ませてくる。 直ぐに戻るからな」
「あいよ! 気を付けてね、お兄さん」
セムネイルはサシャに口づけをし、ローズとセリスを連れて宿屋を出た。 直後にローズとセリスにも口づけをし、セムネイルは外へと向かう。
「じゃあ、ローズ、セリス。 また後でな。 2人なら心配要らないと思うが、変な奴に気を付けろよ」
「大丈夫ですよセムネイル様。 私、ミノタウロスより強いんですから!」
腕まくりをして力こぶを出そうとする可愛らしいローズの頭をセムネイルは優しく撫でる。
「くっくっくっ、そうだな」
「ふふ、じゃあローズ姉様に守っていただきますね!」
セリスがローズに飛び付き、2人は仲良くギルドの方へと向かう。 此処でセムネイルは2人と別れて門へと歩き出した。
◆◇◆
セムネイルは熊獣人のベアに絵で教えてもらった蜜蜂を探し、森に入っていた。
「これだな。 やれやれ、少し時間が掛かったな。 さっさと領主の館に行くとするか」
気配察知で小さな気配を探し回り、ようやく見つけた蜜蜂の巣を4次元に入れ街へと歩き出す。
「ん……? タリア達が居るのは教会だが、何故……ローズとセリスの気配が領主の館とやらにあるんだ? ちっ、急ぐか」
セムネイルは街へと戻る途中、妻達の居場所を気配察知で確認すると何故かローズ達がギルドに居ないことに気付く。
気配は何故か領主の館にあり、嫌な予感がしたセムネイルは全速力で走る。
直ぐに街が見え、街の中を疾走する。
街は以前の賑わいを取り戻しつつあり、人々の中を擦り抜ける。
「見えてきたな……あ?」
領主館の前には人集りが出来ている。 その場には冒険者達とギルドマスターゼゴンが慌てている。
「おい蛸、何してる」
「んぁ? ひぃっ!? あ、あのですね! ギルドでローズとセリスさんが住人達を宥めて下さっていたらですね。 領主様が騎士達を連れてお見えになられまして……住人から事情を聞いた領主様が虚言吐きの2人を連行しろと言って連れて行ったらしいんでさ……。 すみません、その時俺は衛兵の詰め所に居たもんで……」
セムネイルに気付いたゼゴンは早口で必死に状況を説明する。
「そうか。 分かった、なら話は早いな」
「え? セムネイルの旦那!? 相手は貴族ですぜ?!」
「知るか。 俺は魔王だぞ?」
セムネイルは止めるゼゴンを無視し領主の館へと近付く。
「貴様! 此処が何処か分かって居るのか!?」 「止まれ! この忌み子め!」
見張りの騎士がセムネイルを止めようと手に持つ槍をセムネイルへと向けた。 どうやら、この2人の騎士は昨日タナカの店に来た騎士達とは違う部隊だったのだろう。 残念ながら、今のセムネイルに慈悲は無い。
「退け」
セムネイルは騎士達の持つ槍を握り潰し、驚き硬直した騎士達を殴り飛ばす。 多少は手加減したのか、吹き飛んだ騎士達は痙攣しながら地面へと倒れた。
吹き飛んだ騎士達のおかげで門は吹き飛び、セムネイルは館へと入る。
扉を開くと、目の前には髭面の偉そうな男が立っており、隣には青年が、後ろには昨日見た百人隊長ドムが入って来たセムネイルを見て顎を震わせている。
ドムが率いる騎士達以外は剣や槍を構え、侵入したセムネイルへと武器を向ける。 その男の前には縛られ座らされているローズとセリスの姿が見えた。
「ふっ、アレがお前等が言っ――ぎびょっ?!」
ボンッとセムネイルの蹴りで領主の頭が吹き飛ぶ。
セムネイルが館に入ってから、僅か3秒の出来事だった。
「行ってきますね」 「ノラ、走り回っても良いけど、農業エリアや酪農エリアには入っちゃ駄目だからね」
「おう! 任せろ! セリスも気を付けてな! ローズも落ちてるの拾って食べるなよー!」
元気いっぱいのノラがローズとセリスに抱き付く。 これからセムネイルは蜜蜂を探してから領主の館へ、ローズとセリスは2人で冒険者ギルドに向かう事になったのだ。
ローズの報告によると、街の住人達が助けくれたセリスの事を探しているらしく遂には冒険者だと知り、ギルドに大挙して押し寄せているらしい。
仕方無く、ローズとセリスがギルドに出向き住民達を落ち着かせに行く事になったのだ。
「セムネイル様、ローズ姉さん、セリスさん、お気を付けて!」
「行ってら~。 私はリンちゃんとサンドイッチの練習するから。 帰ったら……食べてよね」
見送りの3人と口づけを交わし、セムネイル達は門を潜った。
「セムネイル様、教会に顔を出すと行って先に出掛けたタリアさん達は大丈夫でしょうか」
「ふふ、大丈夫ですわローズ姉様。 この街の司教はグラさんが炭にしてくれましたから。 アヤメさん達も大丈夫だと言ってました」
「あぁ、だが用事が終わっても帰ってなかったら俺が様子を見に行くから大丈夫だぞローズ」
「分かりました。 ではその時はお願いしますね」
3人は地下から一階の受付に行き、サシャに顔を出す。
「サシャ、用事を済ませてくる。 直ぐに戻るからな」
「あいよ! 気を付けてね、お兄さん」
セムネイルはサシャに口づけをし、ローズとセリスを連れて宿屋を出た。 直後にローズとセリスにも口づけをし、セムネイルは外へと向かう。
「じゃあ、ローズ、セリス。 また後でな。 2人なら心配要らないと思うが、変な奴に気を付けろよ」
「大丈夫ですよセムネイル様。 私、ミノタウロスより強いんですから!」
腕まくりをして力こぶを出そうとする可愛らしいローズの頭をセムネイルは優しく撫でる。
「くっくっくっ、そうだな」
「ふふ、じゃあローズ姉様に守っていただきますね!」
セリスがローズに飛び付き、2人は仲良くギルドの方へと向かう。 此処でセムネイルは2人と別れて門へと歩き出した。
◆◇◆
セムネイルは熊獣人のベアに絵で教えてもらった蜜蜂を探し、森に入っていた。
「これだな。 やれやれ、少し時間が掛かったな。 さっさと領主の館に行くとするか」
気配察知で小さな気配を探し回り、ようやく見つけた蜜蜂の巣を4次元に入れ街へと歩き出す。
「ん……? タリア達が居るのは教会だが、何故……ローズとセリスの気配が領主の館とやらにあるんだ? ちっ、急ぐか」
セムネイルは街へと戻る途中、妻達の居場所を気配察知で確認すると何故かローズ達がギルドに居ないことに気付く。
気配は何故か領主の館にあり、嫌な予感がしたセムネイルは全速力で走る。
直ぐに街が見え、街の中を疾走する。
街は以前の賑わいを取り戻しつつあり、人々の中を擦り抜ける。
「見えてきたな……あ?」
領主館の前には人集りが出来ている。 その場には冒険者達とギルドマスターゼゴンが慌てている。
「おい蛸、何してる」
「んぁ? ひぃっ!? あ、あのですね! ギルドでローズとセリスさんが住人達を宥めて下さっていたらですね。 領主様が騎士達を連れてお見えになられまして……住人から事情を聞いた領主様が虚言吐きの2人を連行しろと言って連れて行ったらしいんでさ……。 すみません、その時俺は衛兵の詰め所に居たもんで……」
セムネイルに気付いたゼゴンは早口で必死に状況を説明する。
「そうか。 分かった、なら話は早いな」
「え? セムネイルの旦那!? 相手は貴族ですぜ?!」
「知るか。 俺は魔王だぞ?」
セムネイルは止めるゼゴンを無視し領主の館へと近付く。
「貴様! 此処が何処か分かって居るのか!?」 「止まれ! この忌み子め!」
見張りの騎士がセムネイルを止めようと手に持つ槍をセムネイルへと向けた。 どうやら、この2人の騎士は昨日タナカの店に来た騎士達とは違う部隊だったのだろう。 残念ながら、今のセムネイルに慈悲は無い。
「退け」
セムネイルは騎士達の持つ槍を握り潰し、驚き硬直した騎士達を殴り飛ばす。 多少は手加減したのか、吹き飛んだ騎士達は痙攣しながら地面へと倒れた。
吹き飛んだ騎士達のおかげで門は吹き飛び、セムネイルは館へと入る。
扉を開くと、目の前には髭面の偉そうな男が立っており、隣には青年が、後ろには昨日見た百人隊長ドムが入って来たセムネイルを見て顎を震わせている。
ドムが率いる騎士達以外は剣や槍を構え、侵入したセムネイルへと武器を向ける。 その男の前には縛られ座らされているローズとセリスの姿が見えた。
「ふっ、アレがお前等が言っ――ぎびょっ?!」
ボンッとセムネイルの蹴りで領主の頭が吹き飛ぶ。
セムネイルが館に入ってから、僅か3秒の出来事だった。
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