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第50話 封印されてる誰かとその頃のローズ達
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「グラ、こんな場所で初めてを迎えるのはお前に相応しくない。 これを着ててくれ」
セムネイルは4次元から取り出したローブをグラに手渡す。
「ん……ありがと」
グラはローブに袖を通し、とりあえず全裸では無くなった。
「よし、さて……魔神の遺体はどうしたい? グラが決めてくれ」
「……最低でクズな父だった。 生き返る前も、生き返った後も。 でも……私の生みの親なんだ。 できれば、安らかに眠れる様にしてやって欲しい」
左胸に大きな穴を空け、絶命している魔剣の魔神にグラは冷たくも優しい目を向ける。
「分かった。 お前の望み、叶えよう。 煉󠄁獄の炎を操りし地獄の主よ、神すら炭に変える業火の炎を持って我が目の前に横たわる者を消し去り給え。 罪も業も全て燃やし、無垢なる魂に変わらん事を……炎魔神の業火」
セムネイルが魔法を唱えると、魔神の遺体は蒼い炎で包まれそのまま跡形も無く消えた。
後に残されたのは、漆黒の大剣のみである。
「魔剣はどうする? 一応、お前の愛用していた魔剣は2本共俺が持っているから返せるぞ?」
「セムネイルが良いなら……何時もの2本が欲しい。 父の魔剣はお前が嫌じゃないなら使ってくれ」
「分かった。 ほれ、うむ! やはり、その魔剣2本はお前の手にあるのが1番だな」
セムネイルに投げられ、受け取ったグラは華奢な体格に不釣り合いな魔剣2本を見事にキャッチし振り回す。
「はは、ありがとね。 やっぱり手に馴染む……」
魔剣の魔王グラは異能を使い、手に持つ魔剣をブレスレットに変換し手首に付けた。
「よし、じゃあ奥の部屋に行くか」
「気を付けてね、セムネイル。 あのエオルニアが封印した何かだ」
「任せろ」
セムネイルとグラはボスフロアの奥に出現した部屋へと入る。
「……これは、誰だ?」
「私も知らない……でも、間違い無いよ。 コレ、女神だ」
2人の目の前には、赤髪の美しい女神が巨大なクリスタルの中に封印されていた。
◆◇◆
「ごめんなさい、タリアさん。 今行ってみたのですが、セムネイル様は最後のフロアボスを倒しに行ってしまったみたいで……」
ローズは何時もの宿屋にある地下の部屋で、タリアに謝る。
「いや、いやいやいや、ごめんローズさん。 その前に、突然現れたその扉は何なの!? 説明無く出して、説明無く待ってたんですけど!? しかも、最後のボスフロアって何!? まさか、もうダンジョンの最下層に着いたの!?」
「あはは……そうなりますよね。 ごめんなさい、セムネイル様に許可をとろうと思ったの。 でも、今は無理みたい。 あ、これ私の妻姉妹が作ってたサンドイッチ。 良かったらどうぞ」
ローズはセリスから受け取ったバスケットを開けて、美味しそうなサンドイッチを取り出した。
「あ、いいの? ありがとう……美味しい! じゃ、なぁーーーーい! 妻姉妹って何!? 初めて聞いた単語なんですけど!」
タリアは美味しそうなサンドイッチに思わず齧り付き、その美味しさに感動したが直ぐ様ツッコミを入れる。
「えへへ、そうなんですよ。 妻姉妹のセリスちゃんやリンちゃん料理が上手何ですよね~。 それに、アヤメさんや双子の姉妹も料理手伝ってましたよ?」
「えぇ!? あの脳筋とシスターズが料理!? はぇー……全く想像できないや」
ローズとタリアは椅子に座り仲良くサンドイッチを頬張る。
「さて、このまま夜まで待ちましょう! セリスちゃんの話通りなら、セムネイル様は必ず帰って来ますから」
「あむあむ、ふーん……因みにフロアボスって何の魔物何だろう。 私なんかじゃ勝てないんだろうな~」
「何でも、神か魔神だろうって事らしいですよ? あ、コレも美味しい」
ローズがあっさりと言った言葉をタリアも平然と聞きながらサンドイッチを食べていたが、直ぐに出た名前の異常差に気付き口の中のサンドイッチを噴き出した。
「へ~……ぶぶぉぉぉぉぉ?! 神か魔神って言った!?」
「もー! タリアさん、勿体ないですよ!」
怒るローズに、タリアは腑に落ちない顔をしながら謝った。
「ご……ごめん。 あれ? 私の感覚がおかしいの?」
セムネイルは4次元から取り出したローブをグラに手渡す。
「ん……ありがと」
グラはローブに袖を通し、とりあえず全裸では無くなった。
「よし、さて……魔神の遺体はどうしたい? グラが決めてくれ」
「……最低でクズな父だった。 生き返る前も、生き返った後も。 でも……私の生みの親なんだ。 できれば、安らかに眠れる様にしてやって欲しい」
左胸に大きな穴を空け、絶命している魔剣の魔神にグラは冷たくも優しい目を向ける。
「分かった。 お前の望み、叶えよう。 煉󠄁獄の炎を操りし地獄の主よ、神すら炭に変える業火の炎を持って我が目の前に横たわる者を消し去り給え。 罪も業も全て燃やし、無垢なる魂に変わらん事を……炎魔神の業火」
セムネイルが魔法を唱えると、魔神の遺体は蒼い炎で包まれそのまま跡形も無く消えた。
後に残されたのは、漆黒の大剣のみである。
「魔剣はどうする? 一応、お前の愛用していた魔剣は2本共俺が持っているから返せるぞ?」
「セムネイルが良いなら……何時もの2本が欲しい。 父の魔剣はお前が嫌じゃないなら使ってくれ」
「分かった。 ほれ、うむ! やはり、その魔剣2本はお前の手にあるのが1番だな」
セムネイルに投げられ、受け取ったグラは華奢な体格に不釣り合いな魔剣2本を見事にキャッチし振り回す。
「はは、ありがとね。 やっぱり手に馴染む……」
魔剣の魔王グラは異能を使い、手に持つ魔剣をブレスレットに変換し手首に付けた。
「よし、じゃあ奥の部屋に行くか」
「気を付けてね、セムネイル。 あのエオルニアが封印した何かだ」
「任せろ」
セムネイルとグラはボスフロアの奥に出現した部屋へと入る。
「……これは、誰だ?」
「私も知らない……でも、間違い無いよ。 コレ、女神だ」
2人の目の前には、赤髪の美しい女神が巨大なクリスタルの中に封印されていた。
◆◇◆
「ごめんなさい、タリアさん。 今行ってみたのですが、セムネイル様は最後のフロアボスを倒しに行ってしまったみたいで……」
ローズは何時もの宿屋にある地下の部屋で、タリアに謝る。
「いや、いやいやいや、ごめんローズさん。 その前に、突然現れたその扉は何なの!? 説明無く出して、説明無く待ってたんですけど!? しかも、最後のボスフロアって何!? まさか、もうダンジョンの最下層に着いたの!?」
「あはは……そうなりますよね。 ごめんなさい、セムネイル様に許可をとろうと思ったの。 でも、今は無理みたい。 あ、これ私の妻姉妹が作ってたサンドイッチ。 良かったらどうぞ」
ローズはセリスから受け取ったバスケットを開けて、美味しそうなサンドイッチを取り出した。
「あ、いいの? ありがとう……美味しい! じゃ、なぁーーーーい! 妻姉妹って何!? 初めて聞いた単語なんですけど!」
タリアは美味しそうなサンドイッチに思わず齧り付き、その美味しさに感動したが直ぐ様ツッコミを入れる。
「えへへ、そうなんですよ。 妻姉妹のセリスちゃんやリンちゃん料理が上手何ですよね~。 それに、アヤメさんや双子の姉妹も料理手伝ってましたよ?」
「えぇ!? あの脳筋とシスターズが料理!? はぇー……全く想像できないや」
ローズとタリアは椅子に座り仲良くサンドイッチを頬張る。
「さて、このまま夜まで待ちましょう! セリスちゃんの話通りなら、セムネイル様は必ず帰って来ますから」
「あむあむ、ふーん……因みにフロアボスって何の魔物何だろう。 私なんかじゃ勝てないんだろうな~」
「何でも、神か魔神だろうって事らしいですよ? あ、コレも美味しい」
ローズがあっさりと言った言葉をタリアも平然と聞きながらサンドイッチを食べていたが、直ぐに出た名前の異常差に気付き口の中のサンドイッチを噴き出した。
「へ~……ぶぶぉぉぉぉぉ?! 神か魔神って言った!?」
「もー! タリアさん、勿体ないですよ!」
怒るローズに、タリアは腑に落ちない顔をしながら謝った。
「ご……ごめん。 あれ? 私の感覚がおかしいの?」
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