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第47話 魔剣の魔王グラ
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「ぐはははは! ソレは我が娘の魔剣か? 貴様等に使いこなせる筈が無かろうっ!」
魔神の本体と分身が挟む様にしてセムネイルに襲い掛かる。
「くっ、デカブツのくせに速いな」
魔神が持つ漆黒の魔剣からにじみ出る黒炎は直接触れたら最後、相手が炭になるまで消えない厄介な能力を持っている。
その為、セムネイルは避け切れない黒炎を手に持つ2本の魔剣で凌ぐしか無いのだ。
「どうしたどうした! それそれそれぇぇぇいっ!」
巨大な魔剣が漆黒の黒炎を纏いながらセムネイルの身体ギリギリを掠める。
更に、魔神が分裂した異能本来の持ち主はセムネイルの友であり敵だった魔剣の魔王の異能である。
その分身は本体と同じ能力を持ち、当然実体を有するのだ。
この時点でセムネイルは魔神2体を同時に相手取っているのと同じ状況であり、セムネイルだからこそ未だに殺されていないのだ。
「なぁ、魔剣の魔神。 いい加減教えろ、お前が……グラを殺したのか?」
「ぐはははは! 殺してはおらんよ! だが、貴様がグラに会う事は無い! 此処で我に殺されるのだからなぁぁっ!」
セムネイルはひたすらに魔剣の攻撃を凌ぎ続けた。
「そうか、なら……もう良い。踊れ、笑え、契約せし殺戮人形。 俺の手に持つ魔剣にその刃を宿せ。 痛み、傷み、苦痛の限りを味わせろ! 殺戮人形の舞!」
セムネイルの持つ赤い魔剣に黒く薄い不気味な靄が宿り、背後には半透明の美しい少女の人形が現れ、敬愛する主人に襲い掛かる魔神に向けて殺意を漲らせる。
「なにっ!? 貴様、まだ契約魔法が使えるのか!! しかも、殺戮人形エリエナだと! ぬぅおぉぉぉぉっ?!」
セムネイルが2本の魔剣を振ると、魔剣の魔神の全身を覆い尽くす程の殺戮人形の刃が殺到しその体を斬り刻んだ。
分身体はそのまま消え去り、本体の魔神は膝を地につけた。
その姿に殺戮人形のエリエナはうっとりと微笑むが、その笑顔は直ぐに驚愕に変わる。
「ぐはははは! 素晴らしい、素晴らしい力だ! 見ろ、セムネイル! これが、我の力だぁぁぁぁ!!」
体を斬り刻まれ、分厚い皮の布すら消え去る傷を負った魔神はその傷を又もや一瞬で治した。
そして、その秘密は曝け出された魔神の左胸にあった。
「がふ……セム……ネイル?」
「……グラ」
魔神の左胸には魔剣の魔王グラが心臓の代わりに縫い付けられていた。
手足は魔神の身体の中に埋められ、胴体は縫い付けられ、首と顔だけがだらりと前に垂れている。
顔立ちは美しい少女だが、身体は傷だらけで良く分からない。 しかし、女性の体つきでは無い事は分かった。
更に顎が砕け、口からは血を流し、身体中には黒い靄の傷が大量に刻まれ出血していた。
何故、魔神の左胸にグラが縫い付けられているのかセムネイルには想像もつかなかったが、何故魔神の傷が瞬時に癒えたか理解した。
瞬時に激怒したセムネイルの額には角が生え、黒い稲妻が全身に迸る。
「グラ! おい、魔神! てめぇ、自分が生み出した娘に何してんだぁぁぁぁぁ!!」
「ぐははは! ほれ、我は構わん! 斬れ! 代わりにグラが傷付くだけだ! ぐはははははははははは!」
怒りに任せて魔神を殺そうとしたが、我に返り攻撃の手を止める。 もし、今度こそ魔神を殺そうと致命傷になる傷を負わせたらダメージを肩代わりしている様子のグラは保たないだろう。
「馬鹿め! 隙だらけだ!!」
その隙を魔神が逃す筈もなく、漆黒の魔剣をセムネイルに振りかざし黒炎がセムネイルを包んだ。
「ぐっ! しまった! がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「げほ……セム……ネイル!」
息も絶え絶えのグラがセムネイルの名を呼ぶ中、黒炎は激しさを増し遂にはセムネイルを燃やし尽くした。
後には炭も残らず、セムネイルの身体は完全に消失する。
「ぐははははは! 遂に、遂に殺したぞ! 我等魔神の宿願、魔剣の魔神が果たしたり! ふはははははは!!」
「そんな……やっと……会えたのに」
魔神は笑い、魔剣の魔王グラは血の涙を流した。
魔神の本体と分身が挟む様にしてセムネイルに襲い掛かる。
「くっ、デカブツのくせに速いな」
魔神が持つ漆黒の魔剣からにじみ出る黒炎は直接触れたら最後、相手が炭になるまで消えない厄介な能力を持っている。
その為、セムネイルは避け切れない黒炎を手に持つ2本の魔剣で凌ぐしか無いのだ。
「どうしたどうした! それそれそれぇぇぇいっ!」
巨大な魔剣が漆黒の黒炎を纏いながらセムネイルの身体ギリギリを掠める。
更に、魔神が分裂した異能本来の持ち主はセムネイルの友であり敵だった魔剣の魔王の異能である。
その分身は本体と同じ能力を持ち、当然実体を有するのだ。
この時点でセムネイルは魔神2体を同時に相手取っているのと同じ状況であり、セムネイルだからこそ未だに殺されていないのだ。
「なぁ、魔剣の魔神。 いい加減教えろ、お前が……グラを殺したのか?」
「ぐはははは! 殺してはおらんよ! だが、貴様がグラに会う事は無い! 此処で我に殺されるのだからなぁぁっ!」
セムネイルはひたすらに魔剣の攻撃を凌ぎ続けた。
「そうか、なら……もう良い。踊れ、笑え、契約せし殺戮人形。 俺の手に持つ魔剣にその刃を宿せ。 痛み、傷み、苦痛の限りを味わせろ! 殺戮人形の舞!」
セムネイルの持つ赤い魔剣に黒く薄い不気味な靄が宿り、背後には半透明の美しい少女の人形が現れ、敬愛する主人に襲い掛かる魔神に向けて殺意を漲らせる。
「なにっ!? 貴様、まだ契約魔法が使えるのか!! しかも、殺戮人形エリエナだと! ぬぅおぉぉぉぉっ?!」
セムネイルが2本の魔剣を振ると、魔剣の魔神の全身を覆い尽くす程の殺戮人形の刃が殺到しその体を斬り刻んだ。
分身体はそのまま消え去り、本体の魔神は膝を地につけた。
その姿に殺戮人形のエリエナはうっとりと微笑むが、その笑顔は直ぐに驚愕に変わる。
「ぐはははは! 素晴らしい、素晴らしい力だ! 見ろ、セムネイル! これが、我の力だぁぁぁぁ!!」
体を斬り刻まれ、分厚い皮の布すら消え去る傷を負った魔神はその傷を又もや一瞬で治した。
そして、その秘密は曝け出された魔神の左胸にあった。
「がふ……セム……ネイル?」
「……グラ」
魔神の左胸には魔剣の魔王グラが心臓の代わりに縫い付けられていた。
手足は魔神の身体の中に埋められ、胴体は縫い付けられ、首と顔だけがだらりと前に垂れている。
顔立ちは美しい少女だが、身体は傷だらけで良く分からない。 しかし、女性の体つきでは無い事は分かった。
更に顎が砕け、口からは血を流し、身体中には黒い靄の傷が大量に刻まれ出血していた。
何故、魔神の左胸にグラが縫い付けられているのかセムネイルには想像もつかなかったが、何故魔神の傷が瞬時に癒えたか理解した。
瞬時に激怒したセムネイルの額には角が生え、黒い稲妻が全身に迸る。
「グラ! おい、魔神! てめぇ、自分が生み出した娘に何してんだぁぁぁぁぁ!!」
「ぐははは! ほれ、我は構わん! 斬れ! 代わりにグラが傷付くだけだ! ぐはははははははははは!」
怒りに任せて魔神を殺そうとしたが、我に返り攻撃の手を止める。 もし、今度こそ魔神を殺そうと致命傷になる傷を負わせたらダメージを肩代わりしている様子のグラは保たないだろう。
「馬鹿め! 隙だらけだ!!」
その隙を魔神が逃す筈もなく、漆黒の魔剣をセムネイルに振りかざし黒炎がセムネイルを包んだ。
「ぐっ! しまった! がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「げほ……セム……ネイル!」
息も絶え絶えのグラがセムネイルの名を呼ぶ中、黒炎は激しさを増し遂にはセムネイルを燃やし尽くした。
後には炭も残らず、セムネイルの身体は完全に消失する。
「ぐははははは! 遂に、遂に殺したぞ! 我等魔神の宿願、魔剣の魔神が果たしたり! ふはははははは!!」
「そんな……やっと……会えたのに」
魔神は笑い、魔剣の魔王グラは血の涙を流した。
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