【R-18】自称極悪非道な魔王様による冒険物語 ~俺様は好きにヤるだけだ~

秋刀魚妹子

文字の大きさ
上 下
43 / 254

第42話 砂漠攻略開始

しおりを挟む
 「じゃあ行くぞ。 ローズ、タリアへの伝言頼む」

 「はい! セムネイル様も皆も気を付けて」

 セムネイル達は4次元の扉の前でローズ達との暫しの別れを告げていた。

 「なぁ……貴方、本当に此処って外じゃないんだよな」

 「「普通なら信じれない事。 でもセムネイル様は神、信じない等あり得ない」」

 アヤメやカリンとコリンは4次元に留守番となったが、説明を聞いたアヤメはまだ信じられないのか不安げだ。

 「いや……信じて無い訳じゃないんだよ。 本当に……凄い人の妻になったんだなって……」

 セムネイルは可愛い事を言う3人の頭を撫で回す。

 「くっくっくっ、平屋の隣に訓練する場所がある事も説明したよな? 俺達が帰ってくるまで訓練でもしてろ。 必ず戻るから」

 「……うん」 「人って変わるものねカリン」 「そうねコリン」

 しおらしく返事をするアヤメをカリンとコリンはからかう。
 風呂場での交流で仲良くなったセリスは3人を順番に抱きしめる。

 「貴方様に愛されたら変わるのは当然よ? 3人共、ゆっくりしててね」

 「ふふ、もしお腹空いたら家の貯蓄庫にあるのを食べて下さいね」

 「おう! 腹が減ったら肉だぞ肉!」

 リンとノラも無事に仲良くなれた様子に、セムネイルは内心でホッとした。

 「姐さん達も気を付けてね!」 「「姉様達の無事を祈ります」」 「ん? 貴方の無事は祈らないの?」

 「「アヤメ、愚問。 セムネイル様は神、無事に戻るのは当然」」

 「ふははは! カリン、コリン、俺は神では無い。 極悪非道の魔王だ!」

 3人の会話にひとしきり笑ったセムネイルはセリス達を連れて4次元の扉をくぐった。

 ◆◇◆

 「よし、今日中にこの4階層を抜けるぞ」

 セムネイルは珍しく武器を4次元から取り出す。

 3階層の宝箱から出た赤い巨大な大剣だ。

 「貴方様、武器を使われるのですか?」

 「ん? 以外か? セリス」

 「いえ、大剣を構えるお姿も素敵だと思っただけですわ♡」

 「はい! 凄く格好良いです!」

 「セムネイルも武器を持つのか! あの馬鹿でかい大剣を使うんだな! セムネイルの雄と同じでデカくて格好良いな!」

 「ふはは! そうか、うむ……悪くないな」

 セムネイルは、赤い巨大な大剣を軽々と片手で持ち上げ振り回す。

 妻達には褒められ上機嫌だ。

 「この大剣はな……魔剣なんだ。 俺の古い知り合いの魔王が使ってた」

 「もしや、2層で手に入れた同じ様な大きな大剣も……?」

 「そうだ。 魔剣の魔王……共に神達と戦った仲だ。 まぁ、アイツの愛用していた魔剣が2本とも宝箱のドロップに入っていたって事は……確実に死んだってことだ」

 この世界での宝箱の中身はいわば神の戦利品だったり、そのダンジョンで死んだ者の装備が多い。

 つまり、魔剣の魔王は神魔大戦で神に殺されたのだとセムネイルは判断していた。

 「そうだ。砂漠を冒険するなら、この魔法が必要になる。セリス、見て覚えろ」

 「はい、必ず」

 「情熱の女神に願う。 我等女神の熱さに耐えうる者達、灼熱の熱さより情熱の熱さを願う。 一時の間、我等を灼熱から守り給え。 情熱の加護!」

 セムネイルの足下から真っ赤な炎が沸き立ち、4人を包む。

 「これは……流石ですわ、貴方様」

 「ふっ、昔は砂漠や溶岩のダンジョンを突破する時はこれがセオリーでな。 それに、一度会った事があるが……砂漠や溶岩の熱さが涼しく思う程に情熱的な女神だった」

 「あら、ではその情熱の女神様もセムネイルの?」

 「くっくっくっ、秘密だ。 だが、この魔法は詠唱を完璧に覚えれたらセリスなら直ぐに使える。 しっかりと覚えたか?」

 「勿論です。 必要になれば、次はお任せ下さい」

 「よし、では行くぞ! 砂漠の階は必ず全体がボスフロアになっている。 ボスは当然……アイツだ」

 セムネイル達の目線の先には、このフロアに着いた時に見た巨大なミミズの様な魔物が砂漠の中を縦横無尽に泳ぎトカゲのような魔物や鳥の様な魔物を捕食しようと追い掛けているのが見えた。

 「貴方様はあの魔物が何かご存知なのですか?」

 「ふわわ……大っきいですね」

 「でかいな! 斬り応えがありそうだぞセムネイル!」

 「ふっ、無論だ。 アレは砂食いミミズと呼ばれる最上級の魔物だ。 もし、今の時代でアレが外に居たら世界はやばいだろうな。 まぁ倒し方は簡単だ。 皮膚は魔法無効の性質を持つ。 つまり、腹を切り裂いてから傷口に魔法をたらふくぶち込む。
簡単だろ?」

 「あはは……セムネイル様の簡単ってスケールが違いますよね」

 「ふふ、貴方様が居てくださるなら本当に簡単に思えてしまいますわ」

 「おー! 簡単だ! セムネイルと一緒に斬るぞ!」

 リンは弓を握りしめ苦笑いし、セリスは自信ありげに胸を張った。

 そして、全く怯んでないノラはやる気満々で手斧を振り上げて雄叫びを上げる。

 「くっくっくっ、俺の予想通りなら次の階層が最後だ。 さっさと終わらして次に行くぞ!」

 「「はい!」」 「おー!」

 セムネイル達は情熱の加護より、全く砂漠の悪環境を受ける事無く走り出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...