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第25話 大迷宮攻略開始
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「くかー! くかぁーーー! ぬおっ?!」
ドズンッ!
セムネイルの部屋にある特大ベットの上で、ローズとセリスと3人で寝ているとセムネイルの腹部に衝撃が走る。
「セムネイル! 起きろ!! ずるいぞ! 3人で寝るなら俺とリンも起こせ!」
元気いっぱいのノラが特大ジャンプでセムネイルの腹部に着地したのだ。
「ぬぐ……すまん、許せ。 ローズ、セリス起きろ朝らしい」
昨夜は遅くまでダンジョンの情報を整理していた為、ローズもセリスも寝惚け眼だ。
「くっくっくっ、朝から3人とも可愛いな。 ん? リンはどうした、ノラ」
3人の頭を愛でながら、リンが居ない事に気付く。
耳をすませると、下から何やら音が聞こえるので起きているのは間違い無いようだ。
「リンか?! リンは、朝飯作ってるぞ! 昨日、めちゃくちゃ食い物買ったからな!!」
「あ~……本当ですね、開いてるドアの向こうから良い匂いがします。 おはようございますセムネイル様、ノラちゃん」
「んー! まだ眠いですわ、でもお腹空きました。 おはようございます貴方様、ノラ」
「うむ、2人ともおはよう。 ノラも起こしに来てくれてありがとう、おはよう」
ノラの頭をくしゃくしゃに撫で回す。
「おう! いいぞ! ノラは!! 良い牝だからな!! わはははー!」
褒められて尻尾を千切れんばかりに振り、上機嫌になったノラが1階へと走って行く。 どうやら、しっかり食べてたくさん寝たから元気が有り余っている様だ。
(くっくっくっ、ダンジョンでしっかり暴れてもらうとするか)
怠い身体に鞭を打ち、ローズとセリスを連れて下に向かうとリンが居間のテーブルに朝食を準備してくれていた。
目玉焼きが乗ったパンに、カリカリのベーコンとサラダ。 それに、嗅いだことの無い香りのスープだ。
人数分の料理を朝から作るのは大変だったろうに、リンは満面の笑顔で迎えてくれる。
「おはようございます、セムネイル様。 ローズ姉様、セリスさん」
「おはようリン、朝からありがとう」
「リンちゃん、すごーい! 朝からご馳走ですね!」
「流石ねリン、って……ノラはもう食べてるのね」
食卓に着くと、既にノラは自分の分をガツガツと食べている。
「旨そうだからな、我慢出来ないのも無理も無い。 よし、早速食べよう」
5人で仲良く朝食を食べ始める。
「んむんむ、おっ! このスープめちゃくちゃ美味しいぞリン。 初めて味わうスープだな」
ローズやセリスもスープの美味しさに目を見開いて飲んでいる。
ちなみにノラは既に完食し、居間にあるソファに寝転んでお腹を擦っていた。
「えへへ、それはエルフの郷土料理の豆スープなのです。 喜んでもらえて良かったです!」
「ほぉ、エルフの。 うん、旨い」
和やかに朝食を終え、宿屋のカウンターに5人で向かう。
「おはようサシャ、少しの間空けるが。 戻ったらまた頼む」
「おはようさん、お兄さんにお嬢さん方。 行くんだね……色々聞きたい事がお兄さんには有るんだけど……帰って来た時にするよ。 いってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる。 戻ってきたら、いくらでも聞いてくれ」
4人の妻達もサシャに会釈し、宿屋を出る。
目指すは冒険者ギルドだ。
ギルドに入ると、多くの冒険者達とギルドマスターのゼゴンと衛兵隊長ザモンが待っていた。
「おはよう、セムネイル殿。大迷宮の踏破、どうかよろしく頼む」
「ダンジョンに行っている間、ローズの事は任せてくれ! 俺とうち所属の冒険者達が前の様な目には絶対に合わせねぇ!」
「「「「おう! バラバラにされたくねぇからな! 任せな!」」」」
見送りにここにいる冒険者達は、あの悪夢の夜を見ていた者達なのだろう。
恐怖で縛られている冒険者達になら、安心して任せられそうだ。
「あぁ、ローズが仕事中はよろしく頼む。 期待して待っていてくれ」
「あはは……セムネイル様、私は大丈夫ですよ? 元極悪非道な受付嬢ですから」
「くっくっくっ、そうだったな。 では、ローズまたな。 よし、行くぞ! さっさと踏破して、ランクをどんどん上げるぞ」
セリス達が元気よく返事をし、ローズに別れを告げる。
「ロ、ローズ姉様、 必ず戻ります。 また、ご飯作るので、食べてくれますか?」
「勿論よ、リンちゃん。 次は一緒に作りましょうね」
「ローズ! 土産楽しみにしとけ! ノラがたくさん獲物を狩るからな!」
「うん、ノラちゃんなら大丈夫だね。 どんな戦いをしたか、また教えてね」
ローズがリンとノラを優しく抱き締める。
また後で4次元の家で会えるのだが、セリスの提案でサプライズをする事になったのだ。
だから、セムネイルとセリスは笑みが止まらない。
抱き締めているローズは、2人の顔を見て苦笑いしていた。
◆◇◆
「さて、此処か」
街を出て、目的のダンジョンへとやって来た。
初心者向けのダンジョンは洞窟の見た目だが、大迷宮と呼ばれるこのダンジョンは神殿の様な入り口をしている。
「……ん? 何だこの違和感は」
入り口の左右にボロボロの土台が見えた時に、セムネイルは何かに気付いた。
「どうした? セムネイル、トイレか?」
「くっくっくっ、いや違う。 そうか、だから帰らずのダンジョンか。 よし、皆行くぞ」
入り口から入ると、中は広く長い通路が奥へと伸びている。
魔法を帯びているのか、壁自体が光っており昼間の様に明るい。
「そろそろ、最初のフロアに入るぞ」
セムネイルの宣言通り、果てしなく広いフロアに入った。
ダンジョンの中なのに、フロアには森が、川が、そして太陽の光が降り注いでいる。
「おー! すごいな! ダンジョンは外なのか?!」
ノラがフロアの景色を見て大興奮している。
「いや、違うぞ。 リン、何か感じるか?」
「はい……なんでしょうか凄い違和感が有ります。この森達は不自然です、なんと言えばいいのでしょう……生きてないんです」
リンが近くの木に触れ、違和感を伝える。
「くっくっくっ、流石エルフだ。 そう、この自然溢れる景色は全て贋作だ」
「え? 贋作……ですか? 触った感触は同じですよ? 貴方様」
セリスも、リンの隣で木を触るが分からない様だ。
「そうだな、普通は分からん。 これ等はダンジョンが生成しているオブジェクトだ。 壊しても、伐っても魔物同様に1日で元に戻る」
セムネイルの雑学を聴きながら、4人でフロアを進む。
「ふむ? セリス、魔力に反応は有るか? ノラはどうだ?」
「魔力探知に反応は有りませんわ」
「くんくん、んん? 匂いは有るけど、居ないな! 多分、魔物が居たけど死んでるぞ! こっちだ!」
匂いを嗅ぐノラを追い掛ける。
尻尾がフリフリしているのが可愛い。
「あ! ここだ! セムネイル!」
ノラが案内した場所は、次のフロアに続く階段の前だった。
その階段の横には、ゴブリン達の死体が山積みしてある。
(広いフロアに多く居たゴブリン達を皆殺しにして、階段を降りて行ったのか。 少しは腕が立つ奴等だな)
「警戒しろ、恐らく先客が居るぞ」
セムネイルを先頭に、ノラ、リン、セリスの順に階段を降りてゆく。
ドズンッ!
セムネイルの部屋にある特大ベットの上で、ローズとセリスと3人で寝ているとセムネイルの腹部に衝撃が走る。
「セムネイル! 起きろ!! ずるいぞ! 3人で寝るなら俺とリンも起こせ!」
元気いっぱいのノラが特大ジャンプでセムネイルの腹部に着地したのだ。
「ぬぐ……すまん、許せ。 ローズ、セリス起きろ朝らしい」
昨夜は遅くまでダンジョンの情報を整理していた為、ローズもセリスも寝惚け眼だ。
「くっくっくっ、朝から3人とも可愛いな。 ん? リンはどうした、ノラ」
3人の頭を愛でながら、リンが居ない事に気付く。
耳をすませると、下から何やら音が聞こえるので起きているのは間違い無いようだ。
「リンか?! リンは、朝飯作ってるぞ! 昨日、めちゃくちゃ食い物買ったからな!!」
「あ~……本当ですね、開いてるドアの向こうから良い匂いがします。 おはようございますセムネイル様、ノラちゃん」
「んー! まだ眠いですわ、でもお腹空きました。 おはようございます貴方様、ノラ」
「うむ、2人ともおはよう。 ノラも起こしに来てくれてありがとう、おはよう」
ノラの頭をくしゃくしゃに撫で回す。
「おう! いいぞ! ノラは!! 良い牝だからな!! わはははー!」
褒められて尻尾を千切れんばかりに振り、上機嫌になったノラが1階へと走って行く。 どうやら、しっかり食べてたくさん寝たから元気が有り余っている様だ。
(くっくっくっ、ダンジョンでしっかり暴れてもらうとするか)
怠い身体に鞭を打ち、ローズとセリスを連れて下に向かうとリンが居間のテーブルに朝食を準備してくれていた。
目玉焼きが乗ったパンに、カリカリのベーコンとサラダ。 それに、嗅いだことの無い香りのスープだ。
人数分の料理を朝から作るのは大変だったろうに、リンは満面の笑顔で迎えてくれる。
「おはようございます、セムネイル様。 ローズ姉様、セリスさん」
「おはようリン、朝からありがとう」
「リンちゃん、すごーい! 朝からご馳走ですね!」
「流石ねリン、って……ノラはもう食べてるのね」
食卓に着くと、既にノラは自分の分をガツガツと食べている。
「旨そうだからな、我慢出来ないのも無理も無い。 よし、早速食べよう」
5人で仲良く朝食を食べ始める。
「んむんむ、おっ! このスープめちゃくちゃ美味しいぞリン。 初めて味わうスープだな」
ローズやセリスもスープの美味しさに目を見開いて飲んでいる。
ちなみにノラは既に完食し、居間にあるソファに寝転んでお腹を擦っていた。
「えへへ、それはエルフの郷土料理の豆スープなのです。 喜んでもらえて良かったです!」
「ほぉ、エルフの。 うん、旨い」
和やかに朝食を終え、宿屋のカウンターに5人で向かう。
「おはようサシャ、少しの間空けるが。 戻ったらまた頼む」
「おはようさん、お兄さんにお嬢さん方。 行くんだね……色々聞きたい事がお兄さんには有るんだけど……帰って来た時にするよ。 いってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる。 戻ってきたら、いくらでも聞いてくれ」
4人の妻達もサシャに会釈し、宿屋を出る。
目指すは冒険者ギルドだ。
ギルドに入ると、多くの冒険者達とギルドマスターのゼゴンと衛兵隊長ザモンが待っていた。
「おはよう、セムネイル殿。大迷宮の踏破、どうかよろしく頼む」
「ダンジョンに行っている間、ローズの事は任せてくれ! 俺とうち所属の冒険者達が前の様な目には絶対に合わせねぇ!」
「「「「おう! バラバラにされたくねぇからな! 任せな!」」」」
見送りにここにいる冒険者達は、あの悪夢の夜を見ていた者達なのだろう。
恐怖で縛られている冒険者達になら、安心して任せられそうだ。
「あぁ、ローズが仕事中はよろしく頼む。 期待して待っていてくれ」
「あはは……セムネイル様、私は大丈夫ですよ? 元極悪非道な受付嬢ですから」
「くっくっくっ、そうだったな。 では、ローズまたな。 よし、行くぞ! さっさと踏破して、ランクをどんどん上げるぞ」
セリス達が元気よく返事をし、ローズに別れを告げる。
「ロ、ローズ姉様、 必ず戻ります。 また、ご飯作るので、食べてくれますか?」
「勿論よ、リンちゃん。 次は一緒に作りましょうね」
「ローズ! 土産楽しみにしとけ! ノラがたくさん獲物を狩るからな!」
「うん、ノラちゃんなら大丈夫だね。 どんな戦いをしたか、また教えてね」
ローズがリンとノラを優しく抱き締める。
また後で4次元の家で会えるのだが、セリスの提案でサプライズをする事になったのだ。
だから、セムネイルとセリスは笑みが止まらない。
抱き締めているローズは、2人の顔を見て苦笑いしていた。
◆◇◆
「さて、此処か」
街を出て、目的のダンジョンへとやって来た。
初心者向けのダンジョンは洞窟の見た目だが、大迷宮と呼ばれるこのダンジョンは神殿の様な入り口をしている。
「……ん? 何だこの違和感は」
入り口の左右にボロボロの土台が見えた時に、セムネイルは何かに気付いた。
「どうした? セムネイル、トイレか?」
「くっくっくっ、いや違う。 そうか、だから帰らずのダンジョンか。 よし、皆行くぞ」
入り口から入ると、中は広く長い通路が奥へと伸びている。
魔法を帯びているのか、壁自体が光っており昼間の様に明るい。
「そろそろ、最初のフロアに入るぞ」
セムネイルの宣言通り、果てしなく広いフロアに入った。
ダンジョンの中なのに、フロアには森が、川が、そして太陽の光が降り注いでいる。
「おー! すごいな! ダンジョンは外なのか?!」
ノラがフロアの景色を見て大興奮している。
「いや、違うぞ。 リン、何か感じるか?」
「はい……なんでしょうか凄い違和感が有ります。この森達は不自然です、なんと言えばいいのでしょう……生きてないんです」
リンが近くの木に触れ、違和感を伝える。
「くっくっくっ、流石エルフだ。 そう、この自然溢れる景色は全て贋作だ」
「え? 贋作……ですか? 触った感触は同じですよ? 貴方様」
セリスも、リンの隣で木を触るが分からない様だ。
「そうだな、普通は分からん。 これ等はダンジョンが生成しているオブジェクトだ。 壊しても、伐っても魔物同様に1日で元に戻る」
セムネイルの雑学を聴きながら、4人でフロアを進む。
「ふむ? セリス、魔力に反応は有るか? ノラはどうだ?」
「魔力探知に反応は有りませんわ」
「くんくん、んん? 匂いは有るけど、居ないな! 多分、魔物が居たけど死んでるぞ! こっちだ!」
匂いを嗅ぐノラを追い掛ける。
尻尾がフリフリしているのが可愛い。
「あ! ここだ! セムネイル!」
ノラが案内した場所は、次のフロアに続く階段の前だった。
その階段の横には、ゴブリン達の死体が山積みしてある。
(広いフロアに多く居たゴブリン達を皆殺しにして、階段を降りて行ったのか。 少しは腕が立つ奴等だな)
「警戒しろ、恐らく先客が居るぞ」
セムネイルを先頭に、ノラ、リン、セリスの順に階段を降りてゆく。
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