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第24話 夜の誓い
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冒険者ギルドに戻り、ローズと合流したセムネイル達は奥の酒場で夕食を楽しんでいた。
リンとノラは、既に腹が膨れて寝ており。 セムネイルの両サイドで、頭を預けて安眠していた。
「セムネイル様、この大迷宮と呼ばれるダンジョンは発見から300年近く経っても踏破されていないようです」
ローズが、円卓の上にある料理をどかして資料を広げ始めた。
「んぐんぐ……ごくんっ! 300年か、結構長いな。 どんな冒険者が挑戦したか分かったか?」
「はい、Sランクパーティーが3組。 Aランクパーティーが24組、その下は数えきれない程です。 大規模な攻略作戦は、20年前に失敗したのが最後です。 それからは、毎年数組の恐いもの知らずのパーティーが潜り……全て死んでいます」
「貴方様……Sランク冒険者は人外の強さを持つ者達なのですよね……」
「ふむ……つまり、そのダンジョンを踏破したら一気にSランクまで昇進できるって事か。大丈夫だぞ、セリス。 大昔は地上の方がもっとやばかったからな」
「ふふ、流石貴方様ですわ」
「あはは……確かに、それだけの偉業ですがいきなりSランクは厳しいです。
Bランクに上がるには、冒険者学校で教官の実績が要りますし。 Aランクは貴族の推薦が、Sランクは所属する王家の推薦が必要となります」
「ぬぅ……本当に人間は面倒臭い事が好きだな」
セムネイルは酒を飲みながら愚痴を溢す。
「貴方様、そろそろ2人をベットにお願いしてよろしいでしょうか?」
「ん? おぉ、そうだな。 すまん、セリス。 ローズ、続きは家でしよう」
「はい、かしこまりました。 すみません、お勘定を」
リンとノラを抱き抱えて、ギルドを後にする。
向かうは、サシャの宿屋だ。
◆◇◆
「戻った、今日は客が少ないな」
戻ってきたセムネイルの開口一番に、宿屋の女主人サシャはため息をついて笑っていた。
「ははは、お陰さまで何とか乗り切ったのさ。 お帰り、色男のお兄さん。 ちゃんと、地下の部屋はそのままだよ」
「すまん、助かる。 あ、明日から少しの間ダンジョンに向かう事になったんだ。 戻ったらまた使わせてもらう」
「そうかい……ダンジョンにね。 分かったよ、金は数年分貰ってんだ。 気にせずに、また帰っておいで」
頷き、ローズ達を引き連れ地下の部屋へと向かうセムネイルを……サシャは寂しい瞳で見ていた。
部屋の扉を開け、更に4次元の扉を開いて入る。
「貴方様、ふと思うのですが……何故、わざわざ部屋を借りて4次元に? 外ではダメなのですか?」
「ん? あぁ、それは簡単だ。俺がこの宿屋を気に入ってるし、何よりサシャが良い女だからだ」
ローズとセリスは苦笑いしながら、黙ったまま家に入って行った。
「……む? 変な事を言ったか? お~い」
どうやら、この変態には理解出来ない事の様だ。
「ん~……スー、スー」
「がう……? んー……」
腕の中のリンとノラが身動ぎする。
起こす前にベットに連れて行くのが懸命だろう。
「やれやれ、お休み2人共。 俺が絶対に守るからな、何も心配要らないぞ?」
セムネイルも家へと入り、2階のリンとノラの部屋へと向かう。
ローズとセリスは居間で何やら話していた。 邪魔するのは野暮だろう。
優しく2人を寝かせて、1階へと戻る。
すると、ローズとセリスがセムネイルを笑顔で迎える。
(ほっ……怒っていた訳では無いのか)
俺様な変態の癖に、愛している女にはとことん弱い。
だから、封印前もハーレムを築けていたのだが……。
「リンもノラもよく眠っているよ、そっちは仲良く何話してたんだ?」
「いえ、貴方様に隠す様な話しはしておりませんよ? ねぇ? ローズ姉さん」
セリスがニヨニヨしながら、ローズに話し掛ける。
「そ、そうね……あの! セ、セムネイル様! 私まだ……その、部屋に案内して頂いて無かったなー……って思い出したのですが……」
「む! そうだったな、すまん。 案内しよう、セリスすまないが待って居てくれ」
「は~い♡ ごゆっくり~」
何故かニヨニヨしているセリスに見送られ、ローズを2階の部屋に案内する。
部屋の場所は奥にあるセムネイルの部屋の直ぐ隣だ。
「ここだ、入って見てくれ」
ローズを促し、部屋へと入る。
「ふわ~、凄いお部屋ですね。 あれ? 何だか、宿屋の部屋に似てませんか??」
「ん? あぁ、創造する時にイメージが必要だからな。 どうだ、気に入ったか……?」
「はい! 勿論です! まぁ……明日から住めないのが残念ですが。 あはは……」
ローズは寂しそうに呟く。
それもそうだろう、明日にはセムネイルとセリス達は誰も帰らぬダンジョンへと赴くのだから。
「それなんだが……ローズ! 話がある、聞いてくれるか?」
「は、はいっ!」
「くっくっくっ、そう強張るな。 そのまま聞いていてくれ」
ローズとセムネイルの間に、制約魔法の羊皮紙が出現する。
「 欲望と狭間の魔王セムネイルの名に掛けて此処に制約を受ける。 ローズを生涯愛し、暴力を振るわず、大切にし、嘘を付かず、守りきる事を誓う」
セムネイルがサインをすると、制約魔法が完了し羊皮紙が紫色の炎に包まれ焼失した。
「セ、セムネイル様……ありがとうございます」
ローズの瞳からポロポロと涙が溢れる。
「遅くなってすまん。 詫びになるか分からんが、今はローズだけにコレを贈ろう」
ローズの手を取り、左手の薬指に金色の指輪を嵌める。
「綺麗……あ、でもセムネイル様! セリスちゃん達が可哀想です……」
自分が後回しにされて寂しかったのに、セリス達を心配するローズがセムネイルは可愛くて仕方ない。
「心配するな、俺の力が戻れば渡せる指輪は増えるからな。 それは、狭間の指輪と云ってな。 その指輪をした状態で、狭間の扉開けと念じると4次元の扉が開く」
「え? ということは……?」
「俺達がダンジョンの中に居る時でも、いつでも4次元で会える。 攻略中、必ず休む時は4次元の家に戻るから大きな扉が出てない時は家で寛いでいてくれ」
そう、この指輪はセムネイルが心を許した相手にだけ渡す指輪だった。
信頼の証であり、親愛の証だ。
この指輪をした者だけは、セムネイルが4次元を閉じていても出入りする事が可能になる。
「凄く……嬉しいです。ありがとうございます、セムネイル様。 また、1人になるのが怖かったんです。 仕事が終わったら、直ぐに家で待ってます」
ローズを優しく抱き締め、頭を撫でる。
「大丈夫だ、俺が、俺達が死ぬことは絶対に無い。 ローズ、お前の男は神々でも殺せなかった極悪非道の魔王だぞ? のんびりして待っていろ」
「はい! 約束です!!」
そう言って笑うローズの頬には、もう涙は伝ってはいなかった。
「よし、じゃあ……そういう事だセリス。 次はお前にやるから待ってろ」
部屋の扉から驚く気配が漏れる。
「ふぁっ!? ひゃ……ひゃい」
「やれやれ……魔力を抑える魔法が使えるとはな。 どうりで、あの時は起きているのに気付かなかった訳だ」
扉から、顔を真っ赤にしたセリスが覗く。
「も、申し訳ございません……」
「明日以降、リンを抱いた後に罰としてめちゃくちゃに犯してやる。 覚悟しておけ」
「はぃ♡ お待ちしております」
「セムネイル様、多分罰になってないですよ?」
「くっくっくっ、知っているさ。 よし、下に降りてダンジョンの情報を確認するか~」
3人は居間に降りて、夜遅くまで作業をするのであった。
リンとノラは、既に腹が膨れて寝ており。 セムネイルの両サイドで、頭を預けて安眠していた。
「セムネイル様、この大迷宮と呼ばれるダンジョンは発見から300年近く経っても踏破されていないようです」
ローズが、円卓の上にある料理をどかして資料を広げ始めた。
「んぐんぐ……ごくんっ! 300年か、結構長いな。 どんな冒険者が挑戦したか分かったか?」
「はい、Sランクパーティーが3組。 Aランクパーティーが24組、その下は数えきれない程です。 大規模な攻略作戦は、20年前に失敗したのが最後です。 それからは、毎年数組の恐いもの知らずのパーティーが潜り……全て死んでいます」
「貴方様……Sランク冒険者は人外の強さを持つ者達なのですよね……」
「ふむ……つまり、そのダンジョンを踏破したら一気にSランクまで昇進できるって事か。大丈夫だぞ、セリス。 大昔は地上の方がもっとやばかったからな」
「ふふ、流石貴方様ですわ」
「あはは……確かに、それだけの偉業ですがいきなりSランクは厳しいです。
Bランクに上がるには、冒険者学校で教官の実績が要りますし。 Aランクは貴族の推薦が、Sランクは所属する王家の推薦が必要となります」
「ぬぅ……本当に人間は面倒臭い事が好きだな」
セムネイルは酒を飲みながら愚痴を溢す。
「貴方様、そろそろ2人をベットにお願いしてよろしいでしょうか?」
「ん? おぉ、そうだな。 すまん、セリス。 ローズ、続きは家でしよう」
「はい、かしこまりました。 すみません、お勘定を」
リンとノラを抱き抱えて、ギルドを後にする。
向かうは、サシャの宿屋だ。
◆◇◆
「戻った、今日は客が少ないな」
戻ってきたセムネイルの開口一番に、宿屋の女主人サシャはため息をついて笑っていた。
「ははは、お陰さまで何とか乗り切ったのさ。 お帰り、色男のお兄さん。 ちゃんと、地下の部屋はそのままだよ」
「すまん、助かる。 あ、明日から少しの間ダンジョンに向かう事になったんだ。 戻ったらまた使わせてもらう」
「そうかい……ダンジョンにね。 分かったよ、金は数年分貰ってんだ。 気にせずに、また帰っておいで」
頷き、ローズ達を引き連れ地下の部屋へと向かうセムネイルを……サシャは寂しい瞳で見ていた。
部屋の扉を開け、更に4次元の扉を開いて入る。
「貴方様、ふと思うのですが……何故、わざわざ部屋を借りて4次元に? 外ではダメなのですか?」
「ん? あぁ、それは簡単だ。俺がこの宿屋を気に入ってるし、何よりサシャが良い女だからだ」
ローズとセリスは苦笑いしながら、黙ったまま家に入って行った。
「……む? 変な事を言ったか? お~い」
どうやら、この変態には理解出来ない事の様だ。
「ん~……スー、スー」
「がう……? んー……」
腕の中のリンとノラが身動ぎする。
起こす前にベットに連れて行くのが懸命だろう。
「やれやれ、お休み2人共。 俺が絶対に守るからな、何も心配要らないぞ?」
セムネイルも家へと入り、2階のリンとノラの部屋へと向かう。
ローズとセリスは居間で何やら話していた。 邪魔するのは野暮だろう。
優しく2人を寝かせて、1階へと戻る。
すると、ローズとセリスがセムネイルを笑顔で迎える。
(ほっ……怒っていた訳では無いのか)
俺様な変態の癖に、愛している女にはとことん弱い。
だから、封印前もハーレムを築けていたのだが……。
「リンもノラもよく眠っているよ、そっちは仲良く何話してたんだ?」
「いえ、貴方様に隠す様な話しはしておりませんよ? ねぇ? ローズ姉さん」
セリスがニヨニヨしながら、ローズに話し掛ける。
「そ、そうね……あの! セ、セムネイル様! 私まだ……その、部屋に案内して頂いて無かったなー……って思い出したのですが……」
「む! そうだったな、すまん。 案内しよう、セリスすまないが待って居てくれ」
「は~い♡ ごゆっくり~」
何故かニヨニヨしているセリスに見送られ、ローズを2階の部屋に案内する。
部屋の場所は奥にあるセムネイルの部屋の直ぐ隣だ。
「ここだ、入って見てくれ」
ローズを促し、部屋へと入る。
「ふわ~、凄いお部屋ですね。 あれ? 何だか、宿屋の部屋に似てませんか??」
「ん? あぁ、創造する時にイメージが必要だからな。 どうだ、気に入ったか……?」
「はい! 勿論です! まぁ……明日から住めないのが残念ですが。 あはは……」
ローズは寂しそうに呟く。
それもそうだろう、明日にはセムネイルとセリス達は誰も帰らぬダンジョンへと赴くのだから。
「それなんだが……ローズ! 話がある、聞いてくれるか?」
「は、はいっ!」
「くっくっくっ、そう強張るな。 そのまま聞いていてくれ」
ローズとセムネイルの間に、制約魔法の羊皮紙が出現する。
「 欲望と狭間の魔王セムネイルの名に掛けて此処に制約を受ける。 ローズを生涯愛し、暴力を振るわず、大切にし、嘘を付かず、守りきる事を誓う」
セムネイルがサインをすると、制約魔法が完了し羊皮紙が紫色の炎に包まれ焼失した。
「セ、セムネイル様……ありがとうございます」
ローズの瞳からポロポロと涙が溢れる。
「遅くなってすまん。 詫びになるか分からんが、今はローズだけにコレを贈ろう」
ローズの手を取り、左手の薬指に金色の指輪を嵌める。
「綺麗……あ、でもセムネイル様! セリスちゃん達が可哀想です……」
自分が後回しにされて寂しかったのに、セリス達を心配するローズがセムネイルは可愛くて仕方ない。
「心配するな、俺の力が戻れば渡せる指輪は増えるからな。 それは、狭間の指輪と云ってな。 その指輪をした状態で、狭間の扉開けと念じると4次元の扉が開く」
「え? ということは……?」
「俺達がダンジョンの中に居る時でも、いつでも4次元で会える。 攻略中、必ず休む時は4次元の家に戻るから大きな扉が出てない時は家で寛いでいてくれ」
そう、この指輪はセムネイルが心を許した相手にだけ渡す指輪だった。
信頼の証であり、親愛の証だ。
この指輪をした者だけは、セムネイルが4次元を閉じていても出入りする事が可能になる。
「凄く……嬉しいです。ありがとうございます、セムネイル様。 また、1人になるのが怖かったんです。 仕事が終わったら、直ぐに家で待ってます」
ローズを優しく抱き締め、頭を撫でる。
「大丈夫だ、俺が、俺達が死ぬことは絶対に無い。 ローズ、お前の男は神々でも殺せなかった極悪非道の魔王だぞ? のんびりして待っていろ」
「はい! 約束です!!」
そう言って笑うローズの頬には、もう涙は伝ってはいなかった。
「よし、じゃあ……そういう事だセリス。 次はお前にやるから待ってろ」
部屋の扉から驚く気配が漏れる。
「ふぁっ!? ひゃ……ひゃい」
「やれやれ……魔力を抑える魔法が使えるとはな。 どうりで、あの時は起きているのに気付かなかった訳だ」
扉から、顔を真っ赤にしたセリスが覗く。
「も、申し訳ございません……」
「明日以降、リンを抱いた後に罰としてめちゃくちゃに犯してやる。 覚悟しておけ」
「はぃ♡ お待ちしております」
「セムネイル様、多分罰になってないですよ?」
「くっくっくっ、知っているさ。 よし、下に降りてダンジョンの情報を確認するか~」
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