6 / 254
第6話 飯と酒と宿屋
しおりを挟む
ガツガツ ムシャムシャ ゴクゴク
「ぷはーっ! 旨い! 旨すぎる! おいコルナ、食ってるか? この鰐牛の丸焼きとやらは、めちゃくちゃ旨いぞ!」
ギルド内にある酒場で、セムネイルはようやく飯にありつけていた。 今は巨大は皿に乗る、牛の様に大きな鰐の魔物を丸焼きした料理に齧り付いている。
円卓の上には他にも様々な料理が並んでいた。
セムネイルがしゃぶり尽くすように食べているのを引き気味に見ながら、小皿に取った料理をコルナはちまちま食べる。
「あはは……食べてますよ、セネルさん。ちなみに、その大きさの鰐牛は通常数十人で食べる料理だと思うのですが……凄いですね」
「がぶっ! んー? なふふかいははふ?」
セムネイルの頬は膨れ、まるで頬袋を膨らましたリスのようだ。
「ぷっ、あはは! いえ、なんでもないです」
「んぐんぐ、ごくんっ! なんだ、おかしな奴だな。 お、飲み物も来たか」
円卓にジョッキに注がれた酒が届く。
「久方ぶりの酒だ。 コルナ、お前も飲め! 呑め飲め飲め!!」
「えぇ?! 私、さっき注文の時にはジュース頼みましたよね!? ダメですって、教会の決まりで酒類は祝福の日しか飲んじゃいけないんですよー!」
「ぐびぐび、ぷはーっ! うるさい、いいから飲むんだよ! ほれ! ほれほれ! ふははは!」
非情にも、セムネイルはコルナの口にジョッキを押し付ける。 完全なるパワハラである。
「あぶっ?! ちょ、待ってく、ごくごくごくごく……ぷはーっ! あ、あぁぁぁぁ~??! 目が、目が回る~~あははははは」
「くっくっくっ! 中々の飲みっぷりじゃないか! ふははは!」
それから暫し、酔っ払った2人の宴会は続いた。
◆◇◆
「あぇ~……ねぇ、セネルさん」
「ん? どうした、コルナ」
円卓にすでに料理は無い、勢いが止まないセムネイルが全て平らげたのだ。
コルナは酔い潰れ、円卓に身を任せるようにへたり込んでいる。
「さっき、セネルさんが~……使ってた魔法ってどんなのなんですかぁ~~……?」
「あぁ、契約魔法か。 あれらは、魔法の等級で云うと神域魔法に属するな。 俺だけでは使えないが、大昔に……俺と契約した魔神や神、英雄と呼ばれる者を召喚し力を借りると使える魔法だ」
「ふぇ……? 神域魔法? またまたぁ~……魔法には最下級、下級、中級、上級しかありませんよ~。 最上級がお伽噺でしか登場しませんし~……私を、また~……騙そ……スー、スー」
(使うと、かなりの魔力を使うから気軽には使えないのが欠点だな。 今日は、封印が解けた喜びで使い過ぎたが……。 食事だけじゃ足りない。 早く女を抱かねぇとな……)
セムネイルが思考に耽っていると、コルナの言葉に引っかかった。
「……ん? 最上級魔法がお伽噺ってどういう……コルナ? ふぅ、寝たか」
コルナを見ると、酔いが回りすぎたのか円卓に身体を預けたまま眠っていた。
その姿は、とても艶が有り情欲をそそる。
綺麗な赤毛で、胸もそれなりに有る。
容姿も可愛く、身体のラインも桃尻も全てが堪らない。
普段のセムネイルなら迷うこと無く、ベットに連れ込み抱く所だが……今日は違う。
コルナがどんな目にあったか、見ている。
いつか、コルナを抱く日が来るかもしれないが……少なくとも今日では無い。
「おい、勘定だ」
「い、いえ、ギルドマスターから勘定は貰うなと」
ギルドのスタッフにそう言われるが、セムネイルはお構い無しに金貨を数枚渡す。
「あの蛸が何を言おうと知らん。 旨い飯だった、作った奴と運んでくれたアンタにこれはやる。 ご馳走さん! ほら、コルナ行くぞ」
「ふゆゆ……ダメですよぉ、セネルさん。 せめて、前は隠し……スー、スー」
寝惚けるコルナをお姫様だっこで連れ出す。
目指すは宿屋だ。
「あっ、ありがとうございます!」
スタッフの礼に、手だけ振り出ていく。
「そうだ、おい! 其処のお前」
ギルドの出入口に立っていた、女の冒険者に話し掛ける。
「は、はひ!? な、なな、な、何でしょうか……」
茶髪の女冒険者は怯えながらも、懸命に受け答えをする。
「取って食ったりはせん、宿屋は何処だ?」
「や、宿屋ですか……? えっと、こ、ここを出たら左の大通りを真っ直ぐ行くと宿屋が建ち並ぶエリアに入ると思います」
「助かった、ありがとう」
セムネイルの不意な笑顔に、女冒険者の見えないハートに矢が突き刺さる。
キュン♡
「と、とんでもないです♡」
女冒険者の顔がみるみる真っ赤に染まり、セムネイル達が出ていった後その場にへたり込んでしまった。
◆◇◆
ギルドを出て、教えられた通りに宿屋がある方へと向かう。
「スー、スー、スー」
コルナは完全に熟睡してしまい、多少揺すっても全く起きない。
「……ったく、不用心なシスター様だな」
文句を言いながらも、黙々と歩を進める。
暫し歩くと、宿屋が建ち並ぶエリアに入ったのか客引きが凄い。
俺達を冷やかすような客引きばかりで、うんざりしていたが、とある1軒の宿屋に目が止まった。
見た目は他の宿屋とは変わらない、しかし宿屋の看板に書かれた女神が気になった。
チリンチリンッ♪
入ると、鈴の音が鳴り奥から女性が出てきた。
「いらっしゃいませ~。 2名……様ですか? 一応聞きますが、お客さんそちらのお嬢さんとはどういうご関係で?」
出てきたのは、巨乳で艶もありポニーテールにした茶髪がよく似合う美人だった。
「何を警戒してるかは分かるが、安心しろ。 流れで助けて、飯を食ったら眠ったのでな。 宿屋を借りて寝させるだけだ」
「でも、お客さん。 かなりの色男だよね? 同じ部屋で寝ようってんじゃないだろね?」
「ふぅ……何度も言わせるな。 安心しろ、何もするつもりは無い。 2部屋借りたい、1部屋はコルナが安心して寝れる部屋を。 もう1部屋は丈夫で防音がしっかりした部屋を頼む」
セムネイルの顔をジッと見つめた宿屋の女性は渋々了承する。
「……畏まりました。 それなら……問題は無いね。 でも、丈夫で防音って……お客さん娼婦でも呼ぶのかい?」
「ん? 何か問題か?」
セムネイルのあっさりとした返事に思わず宿屋の女性は顔を赤らめる。
「いや、問題じゃないけど。 この宿屋は治癒の女神ウルナ様を崇めてる宿屋なんだ。 あまり、無茶はしないどくれよ」
「ふっ、分かった。 約束しよう……なぁ、名前は?」
「名前かい? 私はサシャだよ。 なんだい? 私をご所望かい?」
宿屋の女亭主、サシャは冗談混じりで答えるが、セムネイルのイケメン顔を見て……少し身体が火照るのを感じた。
「サシャか、良い名だ。 もし、良ければ今度1人で来た時はぜひ頼む。 サシャのような美人を抱くのは男の誉れだ」
「や、やだよ! 何言ってんのさ、こんないき遅れの女に変な期待はさせるんじゃないよ! さ、さぁ! 部屋に案内するよ! お嬢さんはこの部屋、お兄さんは下の部屋だよ。 其処なら、幾ら音を建てても聞こえないよ」
顔を真っ赤にしたサシャはセムネイルに鍵を渡す。
「感謝するサシャ。 それと、俺の名はセムネイルだ。 さっきの話しは冗談じゃない、覚えておいてくれ」
「は、はいはい! 分かったから、さっさと部屋に行きな!」
照れるサシャを置いて、コルナを部屋に連れていく。
(宿屋のカウンターにも近いし、扉もそれなり。確かに、ここなら安全だな)
ベットに優しく寝させる。
「ん~……むにゃむにゃ……セルネさん……スー、スー」
「またなコルナ。 そうだ……最後にこの魔法を掛けといてやろう。 これでよし、じゃあな」
コルナをベットに寝かせ、部屋の鍵を閉めたセムネイルはサシャに鍵を渡す。
そして、セムネイルは地下にある部屋へと向かった。
◆◇◆
「さて、じゃあ今日のメインディッシュを戴くか」
部屋に入るや否や、鍵を掛け4次元から何かを出す。
ドサッ!
「いっ!? ひっ、ここは……あ、あんたは! ば、化け物……誰か、誰か助けて! 来るな、来るな来るな来るなぁぁぁ!」
出てきたのは、冒険者ギルドで悪事を働いていた受付嬢だ。
黒髪で、野暮ったいギルドの制服を着ているが服の上からの膨らみは中々の大きさだ。
「喜べ、この俺が躾てやろう」
「ひっ……ごめんなさい、ごめんなさい。 痛いのは、痛いのは嫌、嫌なの」
震える受付嬢をお姫様だっこし、向かうは備え付けの風呂だ。
魔石を使っているのか、湯船には常に清潔なお湯が溢れている。セムネイルが封印される前には無かった設備だ。
「ひゃっ!? えっ、な、何をするんだ……ですか?」
「ん? 決まっているだろ、先ずは風呂だ」
セムネイルは風呂場に着くなり、一瞬で自分の革鎧を脱ぎ捨てる。
そして、全裸で受付嬢の服を脱がしにかかった。
「風呂? ……きゃっ! ちょっ、待って、待って下さい! 自分で脱ぎます、脱ぎますからぁぁぁ!」
「くっくっくっ、急にしおらしくなったな。 可愛いぞ、お前名は?」
「え? か、かわ……その、私はローズだ……よ、です」
顔が真っ赤になったローズは、渋々衣服を脱ぎ捨てた。
「うん、綺麗だ。 ローズ、これから俺はお前を抱く。 今までのお前がしてきた悪事、俺が全て洗い流してやる。 俺に任せろ」
「は、はぃ……や、優しくお願いします……」
セムネイルがローズに答えるように、優しく口づけをした。
あれだけ怯えていたローズが、セムネイルを受け入れるつもりになれたのはカラクリが当然存在する。
まず、初対面で死ぬ程の恐怖を味合わせた。
次に、4次元に存在する窓も格子も存在しない暗闇の牢屋に閉じ込めた。
そして、突如小綺麗な部屋に戻され優しい言葉を掛けられる。
すると、感覚が狂ったままセムネイルの言うことを聞いてしまう。
この変態が封印される前からやっているやり口である。
ただし、それに選ばれる悪女は……必ず更生したと云う。
※ 次回の宿屋での情事回には、かなりの性的描写があります。 苦手な方は、ご注意下さい。
読まれなくても、話が繋がるようには致します。
「ぷはーっ! 旨い! 旨すぎる! おいコルナ、食ってるか? この鰐牛の丸焼きとやらは、めちゃくちゃ旨いぞ!」
ギルド内にある酒場で、セムネイルはようやく飯にありつけていた。 今は巨大は皿に乗る、牛の様に大きな鰐の魔物を丸焼きした料理に齧り付いている。
円卓の上には他にも様々な料理が並んでいた。
セムネイルがしゃぶり尽くすように食べているのを引き気味に見ながら、小皿に取った料理をコルナはちまちま食べる。
「あはは……食べてますよ、セネルさん。ちなみに、その大きさの鰐牛は通常数十人で食べる料理だと思うのですが……凄いですね」
「がぶっ! んー? なふふかいははふ?」
セムネイルの頬は膨れ、まるで頬袋を膨らましたリスのようだ。
「ぷっ、あはは! いえ、なんでもないです」
「んぐんぐ、ごくんっ! なんだ、おかしな奴だな。 お、飲み物も来たか」
円卓にジョッキに注がれた酒が届く。
「久方ぶりの酒だ。 コルナ、お前も飲め! 呑め飲め飲め!!」
「えぇ?! 私、さっき注文の時にはジュース頼みましたよね!? ダメですって、教会の決まりで酒類は祝福の日しか飲んじゃいけないんですよー!」
「ぐびぐび、ぷはーっ! うるさい、いいから飲むんだよ! ほれ! ほれほれ! ふははは!」
非情にも、セムネイルはコルナの口にジョッキを押し付ける。 完全なるパワハラである。
「あぶっ?! ちょ、待ってく、ごくごくごくごく……ぷはーっ! あ、あぁぁぁぁ~??! 目が、目が回る~~あははははは」
「くっくっくっ! 中々の飲みっぷりじゃないか! ふははは!」
それから暫し、酔っ払った2人の宴会は続いた。
◆◇◆
「あぇ~……ねぇ、セネルさん」
「ん? どうした、コルナ」
円卓にすでに料理は無い、勢いが止まないセムネイルが全て平らげたのだ。
コルナは酔い潰れ、円卓に身を任せるようにへたり込んでいる。
「さっき、セネルさんが~……使ってた魔法ってどんなのなんですかぁ~~……?」
「あぁ、契約魔法か。 あれらは、魔法の等級で云うと神域魔法に属するな。 俺だけでは使えないが、大昔に……俺と契約した魔神や神、英雄と呼ばれる者を召喚し力を借りると使える魔法だ」
「ふぇ……? 神域魔法? またまたぁ~……魔法には最下級、下級、中級、上級しかありませんよ~。 最上級がお伽噺でしか登場しませんし~……私を、また~……騙そ……スー、スー」
(使うと、かなりの魔力を使うから気軽には使えないのが欠点だな。 今日は、封印が解けた喜びで使い過ぎたが……。 食事だけじゃ足りない。 早く女を抱かねぇとな……)
セムネイルが思考に耽っていると、コルナの言葉に引っかかった。
「……ん? 最上級魔法がお伽噺ってどういう……コルナ? ふぅ、寝たか」
コルナを見ると、酔いが回りすぎたのか円卓に身体を預けたまま眠っていた。
その姿は、とても艶が有り情欲をそそる。
綺麗な赤毛で、胸もそれなりに有る。
容姿も可愛く、身体のラインも桃尻も全てが堪らない。
普段のセムネイルなら迷うこと無く、ベットに連れ込み抱く所だが……今日は違う。
コルナがどんな目にあったか、見ている。
いつか、コルナを抱く日が来るかもしれないが……少なくとも今日では無い。
「おい、勘定だ」
「い、いえ、ギルドマスターから勘定は貰うなと」
ギルドのスタッフにそう言われるが、セムネイルはお構い無しに金貨を数枚渡す。
「あの蛸が何を言おうと知らん。 旨い飯だった、作った奴と運んでくれたアンタにこれはやる。 ご馳走さん! ほら、コルナ行くぞ」
「ふゆゆ……ダメですよぉ、セネルさん。 せめて、前は隠し……スー、スー」
寝惚けるコルナをお姫様だっこで連れ出す。
目指すは宿屋だ。
「あっ、ありがとうございます!」
スタッフの礼に、手だけ振り出ていく。
「そうだ、おい! 其処のお前」
ギルドの出入口に立っていた、女の冒険者に話し掛ける。
「は、はひ!? な、なな、な、何でしょうか……」
茶髪の女冒険者は怯えながらも、懸命に受け答えをする。
「取って食ったりはせん、宿屋は何処だ?」
「や、宿屋ですか……? えっと、こ、ここを出たら左の大通りを真っ直ぐ行くと宿屋が建ち並ぶエリアに入ると思います」
「助かった、ありがとう」
セムネイルの不意な笑顔に、女冒険者の見えないハートに矢が突き刺さる。
キュン♡
「と、とんでもないです♡」
女冒険者の顔がみるみる真っ赤に染まり、セムネイル達が出ていった後その場にへたり込んでしまった。
◆◇◆
ギルドを出て、教えられた通りに宿屋がある方へと向かう。
「スー、スー、スー」
コルナは完全に熟睡してしまい、多少揺すっても全く起きない。
「……ったく、不用心なシスター様だな」
文句を言いながらも、黙々と歩を進める。
暫し歩くと、宿屋が建ち並ぶエリアに入ったのか客引きが凄い。
俺達を冷やかすような客引きばかりで、うんざりしていたが、とある1軒の宿屋に目が止まった。
見た目は他の宿屋とは変わらない、しかし宿屋の看板に書かれた女神が気になった。
チリンチリンッ♪
入ると、鈴の音が鳴り奥から女性が出てきた。
「いらっしゃいませ~。 2名……様ですか? 一応聞きますが、お客さんそちらのお嬢さんとはどういうご関係で?」
出てきたのは、巨乳で艶もありポニーテールにした茶髪がよく似合う美人だった。
「何を警戒してるかは分かるが、安心しろ。 流れで助けて、飯を食ったら眠ったのでな。 宿屋を借りて寝させるだけだ」
「でも、お客さん。 かなりの色男だよね? 同じ部屋で寝ようってんじゃないだろね?」
「ふぅ……何度も言わせるな。 安心しろ、何もするつもりは無い。 2部屋借りたい、1部屋はコルナが安心して寝れる部屋を。 もう1部屋は丈夫で防音がしっかりした部屋を頼む」
セムネイルの顔をジッと見つめた宿屋の女性は渋々了承する。
「……畏まりました。 それなら……問題は無いね。 でも、丈夫で防音って……お客さん娼婦でも呼ぶのかい?」
「ん? 何か問題か?」
セムネイルのあっさりとした返事に思わず宿屋の女性は顔を赤らめる。
「いや、問題じゃないけど。 この宿屋は治癒の女神ウルナ様を崇めてる宿屋なんだ。 あまり、無茶はしないどくれよ」
「ふっ、分かった。 約束しよう……なぁ、名前は?」
「名前かい? 私はサシャだよ。 なんだい? 私をご所望かい?」
宿屋の女亭主、サシャは冗談混じりで答えるが、セムネイルのイケメン顔を見て……少し身体が火照るのを感じた。
「サシャか、良い名だ。 もし、良ければ今度1人で来た時はぜひ頼む。 サシャのような美人を抱くのは男の誉れだ」
「や、やだよ! 何言ってんのさ、こんないき遅れの女に変な期待はさせるんじゃないよ! さ、さぁ! 部屋に案内するよ! お嬢さんはこの部屋、お兄さんは下の部屋だよ。 其処なら、幾ら音を建てても聞こえないよ」
顔を真っ赤にしたサシャはセムネイルに鍵を渡す。
「感謝するサシャ。 それと、俺の名はセムネイルだ。 さっきの話しは冗談じゃない、覚えておいてくれ」
「は、はいはい! 分かったから、さっさと部屋に行きな!」
照れるサシャを置いて、コルナを部屋に連れていく。
(宿屋のカウンターにも近いし、扉もそれなり。確かに、ここなら安全だな)
ベットに優しく寝させる。
「ん~……むにゃむにゃ……セルネさん……スー、スー」
「またなコルナ。 そうだ……最後にこの魔法を掛けといてやろう。 これでよし、じゃあな」
コルナをベットに寝かせ、部屋の鍵を閉めたセムネイルはサシャに鍵を渡す。
そして、セムネイルは地下にある部屋へと向かった。
◆◇◆
「さて、じゃあ今日のメインディッシュを戴くか」
部屋に入るや否や、鍵を掛け4次元から何かを出す。
ドサッ!
「いっ!? ひっ、ここは……あ、あんたは! ば、化け物……誰か、誰か助けて! 来るな、来るな来るな来るなぁぁぁ!」
出てきたのは、冒険者ギルドで悪事を働いていた受付嬢だ。
黒髪で、野暮ったいギルドの制服を着ているが服の上からの膨らみは中々の大きさだ。
「喜べ、この俺が躾てやろう」
「ひっ……ごめんなさい、ごめんなさい。 痛いのは、痛いのは嫌、嫌なの」
震える受付嬢をお姫様だっこし、向かうは備え付けの風呂だ。
魔石を使っているのか、湯船には常に清潔なお湯が溢れている。セムネイルが封印される前には無かった設備だ。
「ひゃっ!? えっ、な、何をするんだ……ですか?」
「ん? 決まっているだろ、先ずは風呂だ」
セムネイルは風呂場に着くなり、一瞬で自分の革鎧を脱ぎ捨てる。
そして、全裸で受付嬢の服を脱がしにかかった。
「風呂? ……きゃっ! ちょっ、待って、待って下さい! 自分で脱ぎます、脱ぎますからぁぁぁ!」
「くっくっくっ、急にしおらしくなったな。 可愛いぞ、お前名は?」
「え? か、かわ……その、私はローズだ……よ、です」
顔が真っ赤になったローズは、渋々衣服を脱ぎ捨てた。
「うん、綺麗だ。 ローズ、これから俺はお前を抱く。 今までのお前がしてきた悪事、俺が全て洗い流してやる。 俺に任せろ」
「は、はぃ……や、優しくお願いします……」
セムネイルがローズに答えるように、優しく口づけをした。
あれだけ怯えていたローズが、セムネイルを受け入れるつもりになれたのはカラクリが当然存在する。
まず、初対面で死ぬ程の恐怖を味合わせた。
次に、4次元に存在する窓も格子も存在しない暗闇の牢屋に閉じ込めた。
そして、突如小綺麗な部屋に戻され優しい言葉を掛けられる。
すると、感覚が狂ったままセムネイルの言うことを聞いてしまう。
この変態が封印される前からやっているやり口である。
ただし、それに選ばれる悪女は……必ず更生したと云う。
※ 次回の宿屋での情事回には、かなりの性的描写があります。 苦手な方は、ご注意下さい。
読まれなくても、話が繋がるようには致します。
41
お気に入りに追加
363
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる